ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編 13.3 -Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(R) 2003/Microsoft(R) Windows Server(R) 2008-, -Solaris-, -HP-UX-, -Linux-, -AIX-
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第7章 QuickOPC機能によるバックアップ運用> 7.4 事前準備

7.4.9 運用

ここでは、差分スナップショット型バックアップのうち、テープバックアップ運用に関して記載しています。ディスクバックアップ運用については、Storageサーバの各OSに対応する『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「QuickOPC機能によるバックアップ運用」の「運用」を参照してください。

7.4.9.1 バックアップの実行

差分スナップショット型高速バックアップは、バックアップ実行コマンド(acmbackup)に-Tオプションを指定することにより行います。

QuickOPCバックアップ運用は以下のように行います。

  1. -Tオプションおよび-m DISKを指定してバックアップ実行コマンド(acmbackup)を実行する(初回)
    コマンドを実行すると、物理コピーおよびトラッキング処理が起動されます。物理コピーが完了するとトラッキング処理だけが動作している状態となります。

  2. 1.で実施したQuickOPC実行元業務ボリュームに対して更新が行われる(ユーザー操作)
    ユーザーが行う業務等により、対象業務ボリュームに対して何らかのデータ更新が行われます。

  3. -Tオプションおよび-m DISKを指定してバックアップ実行コマンド(acmbackup)を実行する(2回目以降)
    コマンドを実行すると、前回OPC起動時点からの差分データ(2.で更新したデータ)だけがディスクに物理コピーされます。

-Tオプションを指定時に-m BOTHオプションを指定する、または、-mオプションを指定していない場合、ディスクバックアップ後、バックアップ先ディスクからボリューム単位(つまり、差分だけではなく差分を含むボリューム全体)をテープへコピーします。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -T /dev/dsk/c1t0d1s1
/dev/dsk/c1t0d1s1 acmbackup completed
#

テープバックアップは、業務ボリュームバックアップ先ディスクをテープへコピーするため、従来のスナップショット型高速バックアップと差分スナップショット型高速バックアップでテープバックアップ動作に違いはありません。

-Tオプション指定時には-m TAPEを指定することは出来ません。指定した場合コマンドがエラーとなります。

7.4.9.2 履歴の管理 

バックアップ履歴情報については、「履歴情報表示コマンド(acmhistdisp)」で参照することができます。

バックアップ履歴情報の削除は、履歴情報削除コマンド(acmhistdel)で行います。

テープの履歴に関しては、従来のスナップショット型高速バックアップと差分スナップショット型高速バックアップで履歴表示/履歴削除に違いはありません。

ディスクの履歴に関しては、差分スナップショット型高速バックアップで作成された履歴に対して、履歴の削除を行ってもOPCセッションは解除されません。(物理コピー実行中の場合、物理コピーの停止は行われません。)

従来のスナップショット型高速バックアップを行った場合、履歴を削除するとバックアップボリュームは解放され、デバイス使用状況表示コマンド(acmdevdisp)のDevice-Mode欄には“Backup(free)”と表示されますが、差分スナップショット型高速バックアップを行った場合は履歴削除後もバックアップボリュームは解放されず、デバイス使用状況表示コマンドのDevice-Mode欄には“Backup(used)”と表示されます。 ただし、デバイス使用状況表示コマンドに-uオプションを指定した場合はDevice-Mode欄に“Backup(used-T)”と表示されますので、履歴削除されたトラッキング状態のバックアップボリュームであることを確認することができます。

7.4.9.3 リストアの実行 

差分スナップショット型高速バックアップ運用では、テープにバックアップされる履歴は(コピー先)ボリューム単位(つまり、差分だけではなく差分を含むボリューム全体)のため、テープからのリストアは、従来のリストア処理と変わりません。

この場合の業務ボリュームへのリストア手順は従来とおりです。

# /opt/FJSVswstc/bin/acmrestore /dev/dsk/c1t0d1s1
/dev/dsk/c1t0d1s1 acmrestore completed
#

ディスクの履歴のリストアについては、各OSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「QuickOPC機能によるバックアップ運用」-「運用」-「リストア」を参照してください。

7.4.9.4 トラッキング処理の実行状況の表示 

QuickOPCのトラッキング処理の実行状況は、トラッキング実行状況表示コマンド(acmtrkstat)で確認することができます。トラッキング中でないOPCセッションの情報は表示されません。また、トラッキング中の場合はUpdate欄にQuickOPC(論理コピー)実行後の更新済みデータ量をパーセンテージ表示します。

# /opt/FJSVswstc/bin/acmtrkstat
Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute Update
SV1    /dev/dsk/c1t0d1s1 /dev/dsk/c1t0d2s1 tracking  ----    12%
SV1    /dev/dsk/c1t0d4s1 /dev/dsk/c1t0d3s1 executing 75%     ----
SV1    /dev/dsk/c1t0d6s1 /dev/dsk/c1t0d7s1 executing 31%     ----
#

Status欄とOPCセッションの関係を以下に示します。

[表: StatusとOPCセッションの状態について]

Status欄

OPCセッション状態

“executing”

物理コピー中かつトラッキング中

“tracking”

トラッキング中

7.4.9.5 トラッキング処理の停止 

トラッキング処理の停止は、トラッキングキャンセルコマンド(acmcanceltrk)で行います。

# /opt/FJSVswstc/bin/acmcanceltrk /dev/dsk/c1t0d1s1 -bd /dev/dsk/c1t0d2s1
/dev/dsk/c1t0d1s1 acmcanceltrk completed
#

物理コピー中かつトラッキング中の場合はトラッキング処理だけが停止され物理コピーは停止されません。


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