Ajaxフレームワーク UI部品リファレンス
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第2章 画面部品> 2.1 フォーム部品

2.1.10 NumberInput

NumberInputは、整および実の入力フィールドを表示する部品です。


検証を実行するValidationHelper、入力制限を行うLimiterなどの機能付加部品を利用することができます。

示例

述形式

<div rcf:type="NumberInput" ... ></div>

または

<span rcf:type="NumberInput" ... ></span>


子要素は指定できません。


本部品は以下のように表示されます。

ロパティ

表の項目の意味は、“表の項目の意味”を参照してください。

名前

データ型

説明

省略

省略値

属性指定

更新

部分更新

number

Number

数値データを指定します。
APIやバインディングによりnumberプロパティが更新された場合は、入力値(valueプロパティの値)も更新されます。

NaN

値、バインド

不可

converter

format関数とparse関数を持つObject

以下の関数を持つオブジェクトを指定します。

  • JavaScriptのnumberを文字列に変換(format関数)
  • 入力テキストをJavaScriptのnumberに変換(parse関数)

format関数またはparse関数を持たないオブジェクトを指定した場合は、エラーになります。詳細は、“converterプロパティの指定方法”を参照してください。
デフォルトの変換は、以下のとおりです。

  • number→テキスト
    JavaScriptのNumber.toString(10)で10進数の文字列に変換
    NaNの場合は、空文字列に変換
  • テキスト→number
    実数表記(指数表記を含む)を、JavaScriptのparseFloat()でnumberオブジェクトに変換
    実数表記でない場合は、エラー
    空文字列の場合は、NaNに変換

デフォルトの変換を実行するObject

不可

不可

refocus

Boolean

入力フィールドからフォーカスが外れて、numberオブジェクトへの変換に失敗した場合、フォーカスを再度戻すかどうかを指定します。

  • true:フォーカスを戻す
  • false:フォーカスを戻さない

Internet Explorerでだけ指定可能です。
Firefoxの場合は、指定しても無視されます。

false

不可

TextInputのプロパティも指定できます。詳細は、“TextInput”の“プロパティ”を参照してください。
部品共通のプロパティも指定できます。詳細は、“画面部品共通プロパティ”を参照してください。



有効桁数は、JavaScriptおよびブラウザと同じ値になります。

valueプロパティとnumberプロパティの違い
valueプロパティとnumberプロパティは、どちらもテキストを入力できるプロパティです。両者の違いについて以下に示します。

[valueプロパティとnumberプロパティ]

注) 変換に失敗した場合は、valueプロパティとnumberプロパティは同期しません。以下のようになります。

valueプロパティ(入力テキスト)とnumberプロパティが同期しているかどうかは、isSyncメソッドで確認できます。詳細は、JavaScript APIを参照してください。

初期化時の処理順番
画面の初期化時に、valueプロパティの値が表示されるときの処理順序を以下に示します。
  1. converterプロパティに基づいて、numberプロパティの値が文字列に変換され、valueプロパティに設定されます。
  2. 文字列が大文字に変換されます。(uppercaseプロパティがtrueの場合)
  3. フォーマッタ処理が実行されます。(labelProviderプロパティが指定されている場合)
入力確定時の処理の流れ
入力確定時の処理順序を以下に示します。
  1. 文字列が大文字に変換されます。(uppercaseプロパティがtrueの場合)
  2. converterプロパティで指定したフォーマッタに従って、numberから文字列に変換されます。

    成功した場合:numberプロパティに変換した値を設定し、numberparsesuccessイベントを送出
    失敗した場合:numberプロパティにNaNを設定し、numberparseerrorイベントを送出
    変換に失敗した場合の処理について、以下に示します。

    • onNumberParseErrorイベントリスナでエラー処理を記述することができます。
      例えば、アラートを表示する場合、以下のように記述します。
      <span rcf:type="NumberInput" ... rcf:onNumberParseError="alert('入力が間違っています')"></span>


    • Internet Explorerでrefocusプロパティにtrueが設定されていると、numberparseerrorが発生した場合、そのNumberInputにフォーカスを戻すことができます。

    なお、numberparsesuccessまたはnumberparseerrorイベントが発生する前に、プロパティに値が設定されるため、以前の値から変更した場合は、numberchangeイベントが先に発生します。

converterプロパティの指定方法
converterプロパティは、numberと文字列の変換を行うオブジェクトを指定します。これにより、入力テキストとnumberの変換方法を変更することができます。

文字列からnumberへの変換およびnumberから文字列の変換は、可逆である必要があります。
指定するオブジェクトは、numberを文字列に変換するformat、および入力テキストからnumberを生成するparseを実装したオブジェクトである必要があります。

converterプロパティで指定されたformat関数とparse関数は、以下のように呼び出されます。

[図: format関数とparse関数の呼出し]

正の実数を小数点以下3桁表示するフィールドに入力されたテキストと、JavaScriptのnumberオブジェクトを変換する場合の記述例を以下に示します。
【処理概要】

  1. converterプロパティに、format関数とparse関数を持つオブジェクトを指定します。例では“nf1”を指定します。
  2. format関数は、引数としてnumberを受け取り、戻り値として文字列を返します。
  3. parse関数は、引数として入力文字列を受け取り、戻り値としてnumberを返します。
    <script type="text/javascript">
    //<![CDATA[
    // 正の実数を小数点以下3桁で表示する。
    var nf1 = {
    format: function(num) {
    if (isNaN(num)) return "";
    var val = num * 1000;
    val = Math.floor(val);
    val = val / 1000;
    return val.toString(10);
    },

    parse: function(value) {
    var reg1 = new RegExp("^\\s*([0-9]+(.[0-9]{1,3})?)[0-9]*\\s*$");
    var v = value.match(reg1);
    if (v) {
    return parseFloat(v[0]);
    }
    throw "invalid value";
    }
    };
    //]]>
    </script>

    ...

    <div rcf:id="numberInput1" rcf:type="NumberInput" rcf:converter ="nf1"></div>


labelProviderプロパティによるフォーマッタの指定
labelProviderプロパティは、フォーカスが当たってないときに入力フィールドに表示する文字列を変更する場合に指定します。以下に例を示します。
<script type="text/javascript">
//<![CDATA[
       var lp1 = {
        getLabel: function(value, number, sync) {
             if (!sync) {
                return "正しい値を入力してください";
             }
         return value;
       }
     };
//]]>
</script>

  ...

<div rcf:id="numberInput1" rcf:type="NumberInput" rcf:labelProvider="lp1"></div>

フォーマットを行うオブジェクトには、getLabelを用意する必要があります。getLabelのインタフェースは以下のとおりです。

メソッド

getLabel(value, number, sync)

引数

value
[String]

valueプロパティの値

number
[Number]

numberプロパティの値

sync
[Boolean]

valueとnumberの同期状態

戻り値

表示する文字列

NumberInput部品のlabelProviderプロパティは、getLabelを持つオブジェクトを指定します。上記の例では、lp1を指定しています。

lp1のgetLabelは、同期している場合は入力値を返し、同期していない場合は“正しい値を入力してください”という文字列を返すようになっています。
このように指定すると、上記の例では、以下のようにnumberに変換できない値が入力された場合、“正しい値を入力してください”という文字が表示されるようになります。


conveterとlabelProviderの違い
converterは、入力テキストとnumberの変換方法を指定することができます。これにより、デフォルトの変換方法を変更することができます。
一方、labelProviderは、フォーカスがない場合に表示する文字列を変更するときに指定します。これにより、実際の入力テキストとフォーカスがない場合の表示を変えることができます。

refocusプロパティに関する注意事項
refocusプロパティは、入力テキストからNumberオブジェクトへの変換に失敗したときに、フォーカスをNumberInputに戻す機能です。ただし、以下の場合はフォーカスが戻らないことがあります。

タイルプロパティ

本部品のスタイルプロパティは、TextInputと同じです。詳細は、“TextInput”の“スタイルプロパティ”を参照してください。ただし、クラス名は“rcf-NumberInput”となります。
詳細は、“スタイルプロパティ”を参照してください。

ベントリスナ

名前

説明

イベントオブジェクト

onNumberChange

numberプロパティの値が変更されたときに呼ばれます。

ValueChangeEvent

onNumberParseSuccess

入力テキストからnumberへの変換が成功したときに呼ばれます。

NumberParseEvent

onNumberParseError

入力テキストからnumberオブジェクトへの変換に失敗したときに呼ばれます。

TextInputのイベントリスナもあります。詳細は、“TextInput”の“イベントリスナ”を参照してください。
部品共通のイベントリスナもあります。詳細は、“画面部品共通イベントリスナ”を参照してください。

デフォルトの変換におけるNumberParseEventのerrorプロパティ

converterプロパティを設定していないデフォルトの変換の場合、変換に失敗した場合に呼ばれるonNumberParseErrorに渡されるNumberParseEventのerrorプロパティには、以下のメッセージが含まれたErrorオブジェクトが設定されます。
メッセージ番号はErrorオブジェクトのrcf.messageIDプロパティ、エラーメッセージはErrorオブジェクトのmessageプロパティから取得できます。メッセージの詳細は、“ユーザーズガイド”を参照してください。

なお、converterを指定した場合、NumberParseEventのerrorプロパティには、そのconverterのparse関数で発生したエラーが設定されます。

JavaScript API

■isSyncメソッ

メソッド

isSync()

引数

なし

戻り値

true:同期している場合
false:同期していない場合

例外

なし

説明

valueプロパティ(入力テキスト)とnumberプロパティの値の同期状態を返します。

■parseメソッ

メソッド

parse()

引数

なし

戻り値

true:プロパティの設定に成功しました。
false:プロパティの設定に失敗しました。

例外

なし

説明

入力テキストをnumberに変換し、numberプロパティに設定します。
通常は、入力確定時に実行しているnumberへの変換を、このAPIにより実行することができます。
変換に失敗した場合は、numberプロパティにNaNが設定されます。
変換結果のイベント(numberparseerror、numberparsesuccess)も発生します。
uppercaseプロパティをtrueに設定している場合、このメソッドを実行すると大文字化の処理が実行され、入力テキストが変更されます。

■clearメソッ

メソッド

clear()

引数

なし

戻り値

なし

例外

なし

説明

numberプロパティおよびvalueプロパティをデフォルト値に戻し、入力テキストを空にします。

部品共通のJavaScript APIは、“画面部品共通JavaScript API”を参照してください。

足事項

NumberInputのデフォルトのconverterでは、JavaScriptのparseFloat()を利用しているため、入力値によっては誤差が生じる場合があります。詳細は、“Number型のデータに関する注意事項”を参照してください。


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