ここでは、ジョブネットの操作とそれにともなうジョブネットの動作について説明します。ジョブネットに対して、以下の操作ができます。
強制終了
実行中のジョブネットを強制的に終了させます。
起動
ジョブネットを即、起動します。ジョブネットは先頭から起動されます。
“起動日のみ有効”を設定しているジョブ(子ジョブネット)を含むジョブネットの場合、ジョブネットの状態により以下のように起動する構成情報が変わります。
起動予定時刻が前日以前の持ち越し/停止中/実行待ち状態にある場合は[ジョブネットの監視]ウィンドウ-[起動構成]シートに表示されている構成情報で起動します。
異常終了/強制終了状態における“確認”操作を有効としており、異常終了/強制終了した場合、[ジョブネットの監視]ウィンドウ-[前回の起動実績]シートに表示されている構成情報で起動します。
注意
起動の操作を行っても、メッセージ事象の発生状況はクリアされません。詳細は、“14.3 メッセージ事象とジョブネットの動作”を参照してください。
再起動
ジョブネットを再起動します。基本的には異常終了したジョブから実行は開始されますが、再起動ポイントなどの設定によってどのジョブから実行させるかを指定することができます。
詳細は、“ジョブネットの再起動について”を参照してください。
停止
ジョブネットを停止状態にします。停止したジョブネットは、実行を一時停止され、起動条件が満たされても実行されません。また、ジョブネットがグループに属している場合、グループは実行中の状態になります。
停止解除
停止中のジョブネットを停止解除します。停止解除したとき、ジョブネットは以下の動作をします。
実行待ち、終了状態(正常終了/疑似正常/異常終了/強制終了)のジョブネットを停止し、起動条件が満たされる前に停止解除されたときは、ジョブネットの状態は、停止前の状態になります。ただし、終了状態で停止し、新たにスケジュールされた場合は実行待ちとなります。
実行待ち、終了状態(正常終了/疑似正常/異常終了/強制終了)のジョブネットを停止し、起動条件が満たされた後に停止解除したときは、ジョブネットは停止解除後に実行されます。
停止中に起動条件が満たされ、さらに次の起動予定が到来したときは、2度目の起動予定のジョブネットは実行拒否を示す“refused”のメッセージがjobdb*.logのログファイルに出力され、実行されません。停止中のジョブネットは停止解除とともに実行されます。
無効
ジョブネットを無効状態にします。無効状態になったジョブネットは、起動時刻が到来した時点で疑似的に正常終了したとみなされ、スキップされます。ジョブネットが停止中で、停止中に起動条件が整った場合、無効にすると無効にした時点でジョブネットは疑似的に正常終了したとみなされスキップされます。
ジョブネットがグループに属している場合、無効状態にした後続のジョブネットは、無効のジョブネットがスキップされた時点で実行されます。
持ち越し状態のジョブネットに無効操作を行った場合は、無効操作を行った時点でスケジュールが再作成され、次の起動予定日時が設定された状態で無効状態となります。
無効解除
無効状態のジョブネットを無効解除します。ジョブネットの起動時刻が到来した後で、無効状態を解除した場合は、ジョブネットは正常終了となります。ジョブネットはすでにスキップされており、手動で起動しない限り起動されません。
無効解除したとき、ジョブネットは以下のように動作します。
実行待ち、終了状態(正常終了/疑似正常/異常終了/強制終了)の状態でジョブネットを無効にし、ジョブネットの起動時刻が到来する前に無効解除した場合は、ジョブネットは無効前の状態に戻ります。
停止中の状態でジョブネットを無効にし、ジョブネットの起動時刻が到来する前に無効解除した場合は、ジョブネットは停止前の状態に戻ります。
持ち越し状態でジョブネットを無効にし、ジョブネットの起動時刻が到来する前に無効解除した場合は、ジョブネットは実行待ちの状態になります。
実行待ち、終了状態(正常終了/疑似正常/異常終了/強制終了)、持ち越しの状態でジョブネットを無効にし、ジョブネットの起動時刻が到来した後に無効解除しても、ジョブネットはスキップされているため、起動されません。
停止中の状態でジョブネットを無効にし、ジョブネットの起動時刻が到来した後に無効解除しても、ジョブネットはスキップされているため、起動されません。
確認
前回に異常終了([強制終了を確認操作の対象とする]を有効にしている場合は、強制終了も含みます)したジョブネットを確認済の状態にします。確認操作は、 [ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利用機能1]シートの、[異常時の確認操作]の[詳細設定]ボタンを押下して出力された[確認操作の詳細設定]ウィンドウで、[ジョブネットの確認操作を有効とする]を指定している場合に、有効になります。[ジョブネットの確認操作を有効とする]が指定されている場合、ジョブネットが異常終了の状態のままでは、次回の起動条件が満たされてもジョブネットは実行されません。異常終了したジョブネットに対して“確認”操作を行うと、次回の起動条件が満たされた時にジョブネットが実行されます。
なお、強制終了したジョブネットに対して確認操作を有効にするためには、 [確認操作の詳細設定]ウィンドウで[ジョブネットの確認操作を有効とする]に加えて[強制終了を確認操作の対象とする]も指定してください。
終了取消
本日起動済みのジョブネット(正常終了/疑似正常/異常終了/強制終了)の実行実績を取り消します。[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウの[起動条件]で[メッセージ事象発生時のみ起動]の[一日一回]が指定されている場合のみ操作できます。
ジョブネットは、終了取消をした時点で実行待ちの状態となり、再度本日のメッセージ事象による起動条件の待ち合わせが可能になります。[開始予定時刻]が指定されている場合は、本日の起動予定日時が設定されます。指定されていない場合は、本日の日付が設定されます。
なお、開始予定時刻が指定されている場合に、開始予定時刻を過ぎてから終了取消を行ったときは、終了取消を行った時点でジョブネットは実行待ちの状態になります。このとき、デザイアドステートの指定による遅延監視は行われません。終了取り消した後、メッセージ事象が発生すれば、ジョブネットは起動され実行中になります。
持越解除
ジョブネットの持ち越し状態を解除します。
持越解除した時点で次の起動予定日時にスケジュールが再設定され、ジョブネットは実行待ちの状態になります。
待ち合わせているメッセージ事象が発生しないため、持ち越し状態のまま次の起動予定日時も越えてしまった場合は、実行拒否を示す“refused”のメッセージがjobdb*.logのログファイルに出力されます。ジョブネットの状態は持ち越しのまま、その日の起動予定は無視されます。持ち越し状態のジョブネットは、持越解除を行った時点で次の起動予定日時にスケジュールが再設定され、実行待ちの状態になります。
可変パラメタ起動
可変パラメタを指定してジョブネットを起動します。可変パラメタを受信したジョブネットでは、あらかじめ記述された変数を、受信した可変パラメタに置き換えて起動します。
詳細は、“7.4 ジョブネットを可変パラメタ起動する”を参照してください。
ジョブネットの再起動について
ジョブネットを再起動する場合、実行を開始させるジョブを次のように選ぶことができます。
異常終了したジョブから実行を開始する
異常終了したジョブより前のジョブ、または別系統(異常終了したジョブと先行/後続関係のない)ジョブに再起動ポイントが設定されている場合は、再起動ポイントの設定を解除してから、ジョブネットを再起動してください。
異常終了したジョブの前にある任意のジョブから実行を開始する
再起動ポイントを異常終了したジョブより前の任意のジョブに設定して、ジョブネットを再起動してください。
異常終了したジョブを飛ばして直後のジョブから実行を開始する
異常終了したジョブに[監視-ジョブ]ウィンドウ-[制御情報]シートの[次の再起動のみ無効]オプションを設定して、ジョブネットを再起動してください。
“起動日のみ有効”を設定しているジョブ(子ジョブネット)を含むジョブネットで、異常終了/強制終了状態における“確認”操作を有効としており、異常終了/強制終了/確認済である場合、[ジョブネットの監視]ウィンドウ-[前回の起動実績]シートに表示されている構成情報で再起動します。