ここでは、ジョブスケジューラに登録し、スケジュールされたジョブネットの状態および動作について説明します。
ジョブネットには、以下の状態があります。状態で説明する表示色は[ガントチャート]ウィンドウで表示されたガントチャートの色です。
正常終了
青で表示されます。
ジョブネットの正常終了とは、すべてのジョブが正常終了した状態です。ジョブの正常終了については、“14.1.1 ジョブの状態”を参照してください。
異常終了
赤で表示されます。
ジョブネットに属するジョブが異常終了し、ジョブネットが終了した状態です。例えば以下のような場合に、異常終了になります。
強制終了
黄で表示されます。
実行中のジョブネットや、強制終了状態のジョブを含む警告状態のジョブネットに対して、利用者が“強制終了”操作を行い、ジョブネットが終了した状態です。
ジョブネットに属するジョブに対して利用者が“強制終了”操作を行い、ジョブネットが終了した場合も、強制終了になります。例えば以下のような場合に、強制終了になります。
警告状態
茶で表示されます。
ジョブネットの中に異常終了または強制終了のジョブがあり、別のルートに実行中のジョブが存在する状態です。
実行中
緑で表示されます。
実行中は、ジョブネットが実行されている状態です。すなわち、ジョブネットに属するジョブが実行されている状態です。
ジョブネットに属するジョブに対して利用者が“停止”操作を行い、ジョブが一時停止した状態の場合も、ジョブネットは実行中となります。
実行待ち
ピンクで表示されます。
実行待ちは、ジョブネットがスケジュールされており、本日、起動予定がある状態です。
停止中
オレンジで表示されます。
ジョブネットに対して、利用者が“停止”操作を行った場合の状態です。
停止中にジョブネットの起動条件が満たされた場合は、停止解除とともにジョブネットは実行されます。ジョブネットの停止中に、ジョブネットの2度目の起動条件が満たされた場合、実行拒否を示す“refused”のメッセージがjobdb*.logのログファイルに出力され、2度目の起動条件のジョブネットは実行されません。停止解除とともに最初の起動条件のジョブネットが実行されます。
無効状態
灰色で表示されます。
ジョブネットに対して、利用者が“無効”操作を行った場合の状態です。
無効状態で起動時刻が到来した場合、起動時刻が到来した時点でスキップされ、疑似的に正常終了の状態になります。本日中に次の起動予定がある場合は、実行待ちの状態になります。無効中に次の起動時刻が到来した場合、ジョブネットは起動時刻が到来するごとにスキップされ、無効解除とともに正常終了の状態になります。
ジョブネットが階層化されている場合は、先行のジョブまたは子ジョブネットが終了した時点でスキップされ、疑似的に正常終了の状態になります。後続のジョブまたは子ジョブネットは、続けて実行されます。
無効状態のジョブネットが存在するグループの場合は、無効状態のジョブネットは、先行のジョブネットが終了した時点でスキップされ、疑似的に正常終了の状態になります。後続のジョブネットは、続けて実行されます。
確認済
紺で表示されます。
確認操作を有効としている場合で、異常終了([強制終了を確認操作の対象とする]を有効にしている場合は、強制終了も含みます)したジョブネットに対して、利用者が“確認”操作を行った場合の状態です。
[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利用機能1]シートの、[異常時の確認操作]の[詳細設定]ボタンを押下して出力された [確認操作の詳細設定]ウィンドウで、[ジョブネットの確認操作を有効とする]チェックボックスにチェックしておくと、“確認”操作を行うまで、異常終了のジョブネットは次の起動条件が満たされても起動されません。また、日変わり時刻が到来しても、ジョブネットは本日の起動予定として表示されません。
異常終了したジョブネットに対して何らかの対処を行い、その後に“確認”操作を行うことで、通常のジョブネットの起動予定どおりに起動条件が満たされたときにそのジョブネットは起動されます。
疑似正常
水色で表示されます。
すべての実行可能なジョブが終了し、疑似正常と正常終了のジョブが混在するか、疑似正常のジョブだけが存在する状態です。
開始遅延
タイムチャート上では、実行待ちと同じピンク色で表示されます。状態欄では、ピンク色の中に点線の矢印が表示されます。
開始予定日時を過ぎても、ジョブネットが実行待ちとなっている状態です。開始遅延状態でジョブネットが起動された場合、ジョブネットの状態は実行中になります。
終了遅延
タイムチャート上では、実行中と同じ緑色で表示されます。状態欄では、緑色の中に点線の矢印が表示されます。
終了予定日時を過ぎても、ジョブネットが終了しない状態です。終了遅延状態でジョブネットが終了した場合、ジョブネットの状態は実行済みの状態になります。
持ち越し
タイムチャート上では、実行待ちと同じピンク色で表示されます。状態欄では、ピンク色の中に縦線と矢印が表示されます。
本日起動予定のジョブネットが起動されないまま日変わり時刻を越えてしまった場合に、再スケジュールされることなく起動予定日時を持ち越している状態です。日変わり時刻の到来とともに、開始遅延から持ち越し状態になります。
持ち越しの対象となるジョブネットは、以下の条件にすべて該当し、かつメッセージ事象が発生しないため、未起動のまま日変わり時刻を越えた場合に限ります。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[起動条件]において、時刻起動が1つだけ、または[メッセージ事象発生時のみ起動]が指定されている
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートで、[日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う]が指定されている
未実行
白で表示されます。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[電源未投入時の処置として電源投入時に起動]がチェックされていない場合で、サーバの電源投入時に起動予定時刻を過ぎたために起動されなかった状態です。
実行中断
イベントログ/SYSLOGに出力される状態です。[ガントチャート]ウィンドウには表示されません。
ジョブネットまたはジョブの実行中に、ジョブスケジューラサービスまたはジョブスケジューラデーモンが終了した状態です。
実行拒否(refused)
イベントログ/SYSLOGに出力される状態です。[ガントチャート]ウィンドウには表示されません。
実行が拒否された状態です。起動予定のジョブネットは実行されません。
以下の原因が考えられます。
ジョブネットが“実行中”または“警告”の状態のときに、新たに起動条件が満たされた
[確認操作の詳細設定]ウィンドウで[ジョブネットの確認操作を有効とする]がチェックされている環境で、ジョブネットが“異常終了”の状態のときに、新たに起動条件が満たされた
ジョブネットが“停止中”の状態のときに、複数回の起動条件が満たされた
スキップ(skipped)
イベントログ/SYSLOGに出力される状態です。[ガントチャート]ウィンドウには表示されません。
起動条件が満たされたときに、ジョブネットやジョブが“無効状態”のため、実行されなかった状態です。