Systemwalker Operation Managerのジョブスケジューラとジョブ実行制御は、まとめて複数動作させることができます。ジョブスケジューラとジョブ実行制御をまとめて“サブシステム”と呼び、サブシステムを複数動作させる運用を“複数サブシステム運用”と呼びます。
サブシステムは、単一のマシンで10個まで起動することができます。
複数サブシステム運用により、以下のような運用が可能です。
単一のマシンで複数サブシステム運用する
スケジュールサーバを複数サブシステム運用する
スケジュールサーバと実行サーバをサブシステム運用する
それぞれの運用形態について説明します。
下図に示すように、単一のマシンでサブシステムを複数運用する形態です。
単一のマシンで複数サブシステム運用することにより、例えば下図のように、サブシステム0では本番運用、サブシステム1では、来月分のテスト運用、サブシステム2では、新規業務のテスト運用を実施するといった運用が可能です。
上記の例で、テスト運用のジョブを実際に稼働すると、本番運用で使用する資源などに影響を与える可能性があります。影響を与えそうな場合は、ジョブを無効状態にして実行をバイパスしてください。
これによって、本番運用に影響を与えることなく構築した業務に問題がないかを事前に検証することができます。
下図のように、スケジュールサーバのみをサブシステムとして複数運用する形態です。
スケジュールサーバのみを複数サブシステム運用することにより、例えば下図のようなネットワークジョブと連携した、テスト運用が可能です。
注意
実行サーバが以下のバージョンの場合、サブシステム0以外のサブシステムからジョブを受け付ける運用は行えません。
V5.0L30以前のバージョンの場合【Windows版】
V5.1以前のバージョンの場合【UNIX版】
サブシステム0からのジョブの実行依頼のみ可能です。詳細は、“A.5 ネットワークジョブの実行可能範囲”を参照してください。
参考
Solaris 10でサポートされるZone機能を使用した場合は、下図のように1台のサーバで同様の運用が可能です。
Global Zoneをジョブのスケジュールサーバとして複数サブシステムで運用し、Non-global Zoneをジョブの実行サーバとして利用する形態です。
Systemwalker Operation Managerは、1つのZoneを1つのサーバとみなして動作します。複数サブシステム運用においても、Zoneに論理IPアドレスを割り当て、複数サブシステム用の論理的なポート番号を設定することで、Zone内のサブシステムからネットワークジョブを投入することが可能です。
スケジュールサーバと実行サーバの両方をサブシステムとして複数運用する形態です。任意のサブシステムをスケジュールサーバ、実行サーバとして運用できます。
下図は、サーバAのサブシステム1とサーバBのサブシステム1をクラスタ構成のスケジュールサーバとし、サーバAのサブシステム0およびサブシステム2、サーバBのサブシステム0およびサブシステム2を実行サーバとする例です。
下図は、サーバAのサブシステム1をスケジュールサーバとし、サーバBのサブシステム1およびサーバCのサブシステム1をクラスタ構成の実行サーバに、サーバBのサブシステム0およびサーバCのサブシステム0を単独の実行サーバとする例です。
スケジュールサーバと実行サーバをサブシステム運用することにより、例えばサブシステムごとに多重度を設定するなど、サブシステムごとにジョブの実行環境を作成することが可能です。
注意
スケジュールサーバまたは実行サーバのどちらかがV13.2.0以前のバージョンの場合、または、以下のジョブの場合は、任意のサブシステムにジョブを実行依頼する運用は行えません。
デマンドジョブ(ジョブフォルダ/フォルダ管理外ジョブからのジョブ投入)
Interstage属性のジョブ
JCL(業務手続言語)のジョブ
スケジュールサーバから実行サーバにジョブを依頼する場合は、依頼元と同一のサブシステム番号にジョブを依頼してください。