Interstage Job Workload Server バッチ開発ガイド
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2.1.3.3 ファイルの事前容量チェック機能
ファイル管理機能は、バッチジョブが使用するファイルシステムの論理的な空き容量を管理します。
ジョブステップの開始時に、バッチアプリケーションが使用するファイル容量を確保します。容量が不足した場合は、ジョブステップの開始処理が異常終了します。これにより、アプリケーションの処理中にファイルの容量不足が発生することを防止することができます。
■空き容量のチェック方法
ファイル容量のチェックは、ファイルシステムの管理するディスクの空き容量を元に、バッチジョブ定義内の資源定義に指定されたファイルの使用容量をファイルシステム内のディスク容量に論理的に確保することで、空き容量の管理を行います。
空き容量のチェックは、ジョブステップの開始時に実行され、容量が不足した場合にはジョブステップの開始処理が異常終了します。
■使用容量の有効となる契機範囲
新規に作成するファイルの資源定義で指定された使用容量は、該当するファイルを作成したジョブステップおよびジョブ内でそのファイルを引継いで使用するジョブステップで有効です。ジョブの実行が終了する段階でファイルが削除されなかった場合には、ディスクの空き容量を、そのファイルの実際に確保された容量に更新して管理します。
なお、先行のジョブステップと後続のジョブステップの資源定義で指定した使用容量のうち大きい方が有効になります。


- ファイルの事前容量チェック機能を利用する場合、運用中に書込みを行うファイルに対して、ファイルの論理的なサイズを設定します。ファイルの論理的なサイズの見積り方法は、“資源の使用量”を参照してください。
- ファイルの事前容量チェックはジョブステップの開始時に行うため、複数のジョブステップで構成されるジョブの場合は、途中のジョブステップで容量不足のエラーを検出する可能性があります。ジョブの先頭ジョブステップの資源定義に、該当のジョブ内で使用するすべてのファイルを指定すると、先頭のジョブステップの開始時にすべてのファイルの容量チェックを行うため、途中のジョブステップの開始で容量不足エラーとなることを回避することができます。
- ファイルの事前容量チェック機能を利用する場合、バッチアプリケーションが使用した不要なファイルは、バッチジョブ定義の資源定義で削除するように設計してください。

- ファイルの事前容量チェック機能を使用する場合、すべてのジョブの資源定義において、新規に作成するファイルの使用容量を指定してください。ファイルの使用容量を指定しないジョブが存在した場合、そのジョブが動作時に必要となるファイル容量は、チェック対象となりません。このため、同時に実行される他のジョブの動作時にファイル容量不足が発生するなどの影響がでる場合があります。
- 本機能はバッチ実行基盤独自の論理により容量を管理しているため、同一のファイルシステム内にバッチ実行基盤を使用せずに作成したファイルは、容量チェックの対象になりません。このため、ジョブの実行時にファイルの割当てが容量不足になることがあります。ジョブを実行する際に必要なファイルシステムは専用に用意してジョブ実行に必要なファイルとジョブ実行と関係のないファイルを区別し、専用のファイルシステムにはジョブ実行と関係のないファイルを配置しないようにしてください。
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