ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.2 -Linux- |
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第8章 レプリケーション運用 | > 8.8 SDXオブジェクトの運用 |
GDSのSDXオブジェクトを論理ボリューム単位で複製することが可能です。
GDS Snapshotと連携した複製が行われます。
対象ボリュームとしてGDSの論理ボリューム名を指定できるため、SDXオブジェクトの物理ディスク構成を意識する必要はありません。スライス単位運用では、ミラーボリュームを構成する全ての物理スライスを指定しなければならないので、物理構成を意識した設計、運用が必要です。
GDSの論理ボリュームをAdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、GDS論理ボリューム名を指定します。
/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件
運用可能なボリュームは、シングルボリューム、ミラーボリュームです。
次のSDXオブジェクト(ボリューム)はAdvancedCopy Managerで運用することができません。
シャドウクラスのボリューム
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期型レプリケーションの開始や、スナップショット型レプリケーションの開始において、「複写元ボリュームを構成するスライス数」と「複写元ボリュームに関連付けられている全ての複写先ボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、複写元ボリュームがINVALID状態である場合はコピー処理を実行できません。
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、“sdxinfo -e long”を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single:シングルボリューム(運用可能)
mirror:ミラーボリューム(運用可能)
stripe:ストライプボリューム(運用不可)
concat:コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch:スイッチボリューム(運用不可)
レプリケーション運用では、以下の点に留意して設計をおこなってください。
GDS Snapshot連携機能では、AdvancedCopy ManagerがGDS Snapshot機能を使用してボリュームの結合・分離操作を行うことにより、レプリケーションを実施します。
そのため、複製元/複製先ボリュームはGDS Snapshotのマスタオブジェクト/プロキシオブジェクトとして利用可能なSDXオブジェクトでなければなりません。
複写元ボリュームはマスタオブジェクト、複写先ボリュームはプロキシオブジェクトとして運用します。
GDSのボリューム構成の設定は、AdvancedCopy Managerに登録する前に行ってください。
よって、物理スライス単位のレプリケーション運用と異なり、以下の点に留意する必要があります。(マスタ・プロキシボリュームを構成するための詳細な条件については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Linux版)』の「留意事項」の「プロキシ構成の前提条件」を参照してください)
複製元/複製先ボリュームは同一種別のSDXオブジェクトでなければなりません。論理ボリュームとスライス、または、論理ボリュームと他OSのボリュームを組み合わせて複製ボリューム情報を設定することはできません。論理ボリュームの場合は、複製元/複製先ボリュームは同一サイズでなければなりません。
また、AdvancedCopy Managerでは、ボリュームが分離状態かつコピーセッションがない場合、複製未実施状態とみなします。以下の運用を行った場合に、この状態へ移行します。
複製作成コマンド(swsrpmake)でOPCを開始し、コピー処理が完了した場合。
複製開始コマンド(swsrpstartsync)をソフトコピー指定で実行し、その後、複製作成コマンド(swsrpmake)で同期処理をサスペンドした場合。
複製開始コマンド(swsrpstartsync)、複製作成コマンド(swsrpmake)、複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)は、指定された複製ボリュームのペアがこの分離状態であった場合、自動的に解除します。
運用上、このコピーセッションがない分離状態を解除する必要がある場合は、複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)で複製ボリューム情報を削除するか、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Linux版)』を参照して、sdxproxyコマンドで解除してください。
アドバンスト・コピーを使用するためには、複製先ボリューム、複製元ボリュームのボリューム構成に関して以下の条件を満足する必要があります。
アドバンスト・コピーを使用するためには、複写元ボリュームは以下のいずれかのボリューム構成を満足する必要があります。
シングルボリュームである。
ルートクラスではない。
ミラーボリュームであり、かつ、そのボリュームが属しているミラーグループに下位グループが接続されていない。
したがって、下位グループが接続されているミラーグループ内のミラーボリュームに対しては、ソフトコピーのみが起動可能です。
次のSDXオブジェクト(ボリューム)は、AdvancedCopy Managerで運用することができません。
シャドウクラスのボリューム
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期処理の開始やスナップショット型レプリケーションの開始において、「複写元ボリュームを構成するスライス数」と「複写元ボリュームに関連付けられている全ての複写先ボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、複写元ボリュームがINVALID状態である場合はコピー処理を実行できません。
アドバンスト・コピーを使用するためには、複写先ボリュームは以下のボリューム構成を満足する必要があります。
シングル構成である。
すなわち、ボリュームのTYPE属性が“single”であるか、または、TYPE属性が“mirror”かつ、ディスクグループを構成するディスク数が1である。
ルートクラスではない。
したがって、複写先ボリュームがミラーボリュームである場合は、ソフトコピーのみ起動可能になります。双方向でアドバンスト・コピーを実施するためには、両ボリューム共シングル構成である必要があります。ストライプ、コンカチネーションは、複写先として運用することはできません。
GDS Snapshotのコピー動作には次の2種類があり、SDXオブジェクトの構成により、使用される機能が異なります。
アドバンスト・コピー:富士通ストレージシステムETERNUSのハードウェア機能によるコピー
ソフトコピー:PRIMECLUSTER GDSのディスクドライバによるコピー
SDXオブジェクトの構成と使用可能なコピー機能の関係は以下のとおりです。
レプリケーション構成 |
単位 |
コピー元/コピー先 |
SDXオブジェクト構成 ストライプ/コンカチネーション/スイッチタイプのオブジェクトはコピーできません |
使用可能コピー機能 |
|
---|---|---|---|---|---|
サーバ内 |
論理ボリューム |
コピー元 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|
ミラー |
下位グループがない |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|||
下位グループがある |
ソフトコピー |
||||
コピー先 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|||
ミラー |
1つのディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|||
2つ以上のディスクで構成されている |
ソフトコピー |
レプリケーション運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイスの情報の取得については、「Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。
複製元/複製先ボリュームを設定する際は、以下の点に留意してください。
「運用可能な論理ボリューム構成」で説明されているボリューム構成であることを確認してください。
複製元/複製先ボリュームがマスタボリューム、プロキシボリュームになっていないことを確認してください。
GDSの論理ボリュームを複製元/複製先として登録します。
# swsrpsetvol -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpsetvol completed # |
SDXオブジェクトのレプリケーションを実行する場合、以下の点に留意する必要があります。
同期処理の開始・再開(swsrpstartsync)や スナップショット処理の開始(swsrpmake)を行うためには、コピー先論理ボリュームは停止状態である必要があります。
コマンド実行時にコピー先論理ボリュームが起動中の場合は、コマンド内でボリューム停止処理を行います。コピー先ボリュームがファイルシステムボリュームの場合は、レプリケーション前処理によってファイルシステムのアンマウントを行った後、ボリュームを停止します。
このボリューム停止処理に失敗した場合(たとえば、ボリュームがアプリケーションなどからアクセスされている場合に失敗します)は、コマンドは異常終了します。
同期型レプリケーションの例
# swsrpstartsync -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpstartsync completed 等価性維持状態後 # swsrpmake -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpmake completed |
スナップショット型レプリケーションの例
# swsrpmake -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpmake completed # |
sdxproxyコマンドを直接使用してレプリケーション機能に登録されているボリュームの状態変更操作を行わないでください。
レプリケーション機能の管理情報と実際のボリューム状態が、不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)を使用して複製運用を解除してください。
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