ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.2 - Microsoft(R) Windows(R) 2000 - - Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 -
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第10章 SQL Serverデータベースのバックアップとリストア> 10.4 レプリケーション管理機能による運用

10.4.2 バックアップ/リストアの実行

SQL Serverのデータベースのバックアップ/リストア方法について説明します。

10.4.2.1 バックアップの実 

SQL Serverデータベースのバックアップは以下の手順から構成されます。

■同期処理の開始/再開(同期型バックアップを行う場合のみ)

同期型バックアップによる運用を行う場合、事前に同期処理(EC/REC)を開始または再開しておく必要があります。同期処理の開始は複製開始コマンド(swsrpstartsync)で行います。データベースが複数ボリューム構成である場合は、全てのデータベースボリュームについて処理を実施する必要があります。

■実行例

全てのデータベースボリュームの同期処理を開始/再開します。業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync g1d1p1 g1d11p1@BKUP-SVR
FROM=g1d1p1@DB-SVR,TO=g1d11p1@BKUP-SVR swsrpstartsync completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync g1d2p1 g1d12p1@BKUP-SVR
FROM=g1d2p1@DB-SVR,TO=g1d12p1@BKUP-SVR swsrpstartsync completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync g1d3p1 g1d13p1@BKUP-SVR
FROM=g1d3p1@DB-SVR,TO=g1d13p1@BKUP-SVR swsrpstartsync completed
C:\>

■データベースのバックアッ

データベースのバックアップは、SQL Serverバックアップ実行コマンド(swsrpbackup_sql)で行います。

■実行例

データベースDB01、DB02、DB03のバックアップを実施します。同期型バックアップの場合は、運用状況表示コマンド(swsrpstat)で全てデータベースボリュームの同期処理が等価性維持状態(Execute欄が“100%”)になっていることを確認してください。デバイスマップファイル名がG:\SQLADM\devmap.txtであるとして、業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpbackup_sql -Xserver VSERVER -Xdevmap G:\SQLADM\devmap.txt DB01 DB02 DB03
DB01 DB02 DB03 swsrpbackup_sql completed
C:\>


■トランザクションログのバックアッ

トランザクションログのバックアップは、SQL Server 2000/2005のEnterprise ManagerまたはTransact-SQLで行います。

10.4.2.2 リストアの実 

SQL Server 2000/2005のデータベースの復旧は、以下の手順から構成されます。

■ログファイルのバックアップ(最新時点への復旧を行う場合のみ)

最新時点への復旧を行う場合は、ログバックアップを実施してください(NO_TRUNCATE 句を指定した BACKUP LOG ステートメントを実行し、現在アクティブなトランザクション ログをバックアップします)。ログバックアップを実施しなかった場合、または、ログバックアップが実施できない障害の場合は、最新時点への復旧はできません。障害発生前の最新のログバックアップを使用してデータベースリカバリを行ってください。

■データベースのリスト

データベースのリストアは以下の2つの作業を実施することによって行われます。

あるユーザー(ログイン)の既定のデータベースが、リストア対象のデータベースに設定されている場合は、上記作業を行う前にそのユーザーの既定のデータベースをmasterデータベースに変更する必要があります。この場合のリストア手順は以下のとおりです。
  1. 既定のデータベースをリストア対象データベースからmasterに変更する。

  2. 「ファイルの復元」作業を実施する。

  3. 「データベースの再作成」作業を実施する。

  4. 既定のデータベースをmasterからリストア対象データベースに変更する。

既定のデータベースはEnterprise Managerで変更することができます。
  1. サーバー グループを展開し、サーバーを展開します。

  2. [セキュリティ] フォルダを展開し、[ログイン] をクリックします。

  3. 詳細ペインで、変更するログインを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [全般] タブの [データベース] ボックスの一覧で、SQL Serverのインスタンスにログインした後にログインが接続する新しい既定のデータベースをクリックします。(上記の変更方法は、『SQL Server Books Online』の「SQL Serverの管理」→「セキュリティの管理」→「セキュリティ アカウントの管理」→「ログインの変更」の「ログインの既定のデータベースを変更するには」に記載されています)

◆ファイルの復

全データベースファイル(データファイルとログファイル)を復元します。

■実行例(筐体内バックアップの場合)

データベースを削除した後、スナップショット型レプリケーション(OPC)を使用することによって、ファイル復元を行います。業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake g1d11p1@BKUP-SVR g1d1p1
FROM=g1d11p1@BKUP-SVR,TO=g1d1p1@DB-SVR swsrpmake completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake g1d12p1@BKUP-SVR g1d2p1
FROM=g1d12p1@BKUP-SVR,TO=g1d2p1@DB-SVR swsrpmake completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake g1d13p1@BKUP-SVR g1d3p1
FROM=g1d13p1@BKUP-SVR,TO=g1d3p1@DB-SVR swsrpmake completed
C:\>


■実行例(筐体間バックアップの場合)

データベースを削除した後、同期型レプリケーション(REC)を使用することによって、ファイル復元を行います。業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync g1d11p1@BKUP-SVR g1d1p1
FROM=g1d11p1@BKUP-SVR,TO=g1d1p1@DB-SVR swsrpstartsync completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstarsync g1d12p1@BKUP-SVR g1d2p1
FROM=g1d12p1@BKUP-SVR,TO=g1d2p1@DB-SVR swsrpstartsync completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync g1d13p1@BKUP-SVR g1d3p1
FROM=g1d13p1@BKUP-SVR,TO=g1d3p1@DB-SVR swsrpstartsync completed
(等価性維持状態になるまで待つ)
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake g1d11p1@BKUP-SVR g1d1p1
FROM=g1d11p1@BKUP-SVR,TO=g1d1p1@DB-SVR swsrpmake completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake g1d12p1@BKUP-SVR g1d2p1
FROM=g1d12p1@BKUP-SVR,TO=g1d2p1@DB-SVR swsrpmake completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake g1d13p1@BKUP-SVR g1d3p1
FROM=g1d13p1@BKUP-SVR,TO=g1d3p1@DB-SVR swsrpmake completed
C:\>

◆データベースの再作

データベースの再作成は、SQL Serverリストア実行コマンド(swsrprestore_sql)で行います。以下のリストア方法を選択できます。

リストア後のデータベースの所有者は、データベースの再作成を実行したユーザーになります。データベースの再作成を実行したユーザーとリストア前のデータベースの所有者が異なる場合は、ストアド プロシージャ:sp_changedbownerを使用して所有者の変更を行ってください。

■実行例

ファイル復元を実施した後、データベースを再作成します。メタデータファイルはD:\SQLSVR\DB01.swsrp-dmp等に復元されますので、このファイル名を指定して、業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrprestore_sql -Xserver VSERVER -Xmeta D:\SQLSVR\DB01.swsrp-dmp DB01
DB01 swsrprestore_sql completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrprestore_sql -Xserver VSERVER -Xmeta D:\SQLSVR\DB02.swsrp-dmp DB02
DB02 swsrprestore_sql completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrprestore_sql -Xserver VSERVER -Xmeta D:\SQLSVR\DB03.swsrp-dmp DB03
DB03 swsrprestore_sql completed
C:\>

■データベースのリカバリ(最新時点または特定時点への復旧を行う場合のみ)

最新時点または特定時点までの復旧を行う場合、Enterprise Managerからログを適用してください。操作方法については、『SQL Server Books Online』の「トランザクションログバックアップを適用する方法(Enterprise Manager)」を参照してください。

また、msdbのバックアップ履歴が消失した場合などEnterprise Managerからログ適用を実施できない場合は、Transact-SQLにより、ログ適用を実施してください。操作方法は、『SQL Server Books Online』の「トランザクションログバックアップを適用する方法(Transact-SQL)」を参照してください。

10.4.2.3 運用状況の確 

コピー状況の確認は運用状況表示コマンド(swsrpstat)で行います。また、データベースバックアップの履歴はmsdbデータベースに記録されています。最新バックアップ時刻は、Enterprise Managerのツリー画面で対象データベースを右クリック後、「プロパティ」を選択することにより参照できます。

10.4.2.4 運用の停 

実行中のコピー処理を停止する場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)を使用します。

■実行例

実行中の同期処理を停止します。業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel g1d1p1 g1d11p1@BKUP-SVR
FROM=g1d1p1@DB-SVR,TO=g1d11p1@BKUP-SVR swsrpcancel completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel g1d2p1 g1d12p1@BKUP-SVR
FROM=g1d2p1@DB-SVR,TO=g1d12p1@BKUP-SVR swsrpcancel completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel g1d3p1 g1d13p1@BKUP-SVR
FROM=g1d3p1@DB-SVR,TO=g1d13p1@BK-SVR swsrpcancel completed
C:\>

10.4.2.5 MSCS運 

AdvancedCopy Managerでは、Microsoft Clustering Service(MSCS)によるクラスタシステム運用をサポートしています。AdvancedCopy Managerにおけるクラスタ運用に関する一般的な情報については、「クラスタ運用時の注意事項」を参照してください。


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