Systemwalker Centric Manager クイックガイド - UNIX/Windows(R)共通 -
目次 索引 前ページ次ページ

第4章 業務サーバの環境構築> 4.2 業務サーバの環境構築手順【Linux版】

4.2.1 インストール前の作業

管理者アカウントを作成する

Systemwalker管理者アカウントをインストールする前に作成します。Systemwalker管理者アカウントは、インストール時に指定する必要があり、Systemwalker Centric Managerの各種操作を行う場合の管理者アカウントとして使用されます。また、Systemwalker管理者アカウントは、Systemwalker Centric Managerをインストールするそれぞれのサーバで作成しておく必要があります。なお、システム管理者(スーパーユーザ)の権限は必要ありません。

アカウントは32バイト以内、パスワードは64バイト以内です。使用できる文字種は、OSのマニュアルを参照してください。

アカウント(ユーザ名)とパスワード

アカウント(ユーザ名)/パスワードの文字数は、機能ごとに異なります。
・[Systemwalkerコンソール]
 − ユーザ名12バイトまで
 − パスワード16バイトまで
・システム監視設定
 − ユーザ名36バイトまで
 − パスワード16バイトまで
上記機能から、管理者アカウントを使用してログインする場合には、この値内のアカウント(ユーザ名)/パスワードを管理者アカウント/パスワードに指定してください。

業務サーバに、ユーザアカウントを作成する手順を以下に示します。

  1. スーパーユーザでログインします。
  2. 以下のコマンドを実行し、Systemwalker管理者アカウントを作成します。

    # /usr/sbin/useradd <Systemwalker管理者アカウント名>

  3. 以下のコマンドにより、Systemwalker管理者アカウントのパスワードを設定します。なお、コマンド実行後、設定するパスワードを2度正しく入力するプロンプトが表示されますので、指示にしたがい、パスワードを入力します。

    # /usr/bin/passwd <Systemwalker管理者アカウント名>
    Changing password for <Systemwalker管理者アカウント名>
    New password: <パスワード>
    Retype new password: <パスワード>
    passwd: all authentication tokens updated successfully.

    表示されるメッセージなどは、OSのバージョンやディストリビューションにより異なる可能性があります。 また、useraddコマンドには、ここにあげた例以外にも、ユーザのホームディレクトリを指定するなどの多くのオプションを指定可能です。詳細は、OSのマニュアルを合わせて参照してください。

システムパラメタをチューニングする

業務サーバでは、システムパラメタのチューニングを行う必要があります。チューニングが必要なシステムパラメタとその値については、以下の表を参照してください。パラメタにより、既に設定されている値(初期値)に加算する場合と、既に設定されている値と比較し大きい方の値(最大)を設定する場合があります。(加算の場合、設定のシステム上限値も確認してください。)各パラメタがどちらにあたるかは、表の“種別”を参照してください。

詳細についてはLinuxのマニュアルを参照してください。

◆システムパラメタのチューニング値

共有メモリ

パラメタ

説明

種別

kernel.shmmax

共有メモリの最大セグメントサイズ

51516

最大

kernel.shmmni

共有メモリセグメントの最大数

20963

加算

メッセージキュー

パラメタ

説明

種別

kernel.msgmax

メッセージの最大サイズ

2112

最大

kernel.msgmnb

1つのメッセージキューに保持できるメッセージの最大値

32768

最大

kernel.msgmni

メッセージキューIDの最大値

7

加算

セマフォ

セマフォの設定値は、各パラメタ値を以下の形式で指定します。

 kernel.sem = para1 para2 para3 para4

パラメタ

説明

種別

para1

セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数

4

最大

para2

システム全体のセマフォ数

15

加算

para3

セマフォコールあたりの最大演算子数

3

最大

para4

システム全体のセマフォ識別子数

10

加算

システムパラメタを変更した後は、システムの再起動が必要です。再起動のコマンドを以下に示します。

# cd /
# /sbin/shutdown -r now

システムパラメタの編集方法およびシステムパラメタの確認方法は、 “システムパラメタをチューニングする”を参照してください。

SNMPエージェントをインストールする

Update Release

Update Releaseを適用済みのシステムの場合、SNMPサービスをインストールした後、Update Releaseを再度適用する必要があります。

SNMPエージェントをインストールする場合、以下のrpmパッケージをインストールします。

使用するコマンドについて

[設定ファイル]

/etc/snmp/snmpd.conf


以下にSNMPエージェントの設定ファイルの編集例を記述します。

詳細はmanコマンドを参照してください。

変更前

# sec.name source community
com2sec notConfigUser default public

# groupName securityModel securityName
group notConfigGroup v1 notConfigUser
group notConfigGroup v2c notConfigUser

# Make at least snmpwalk -v 1 localhost -c public system fast again.
# name incl/excl subtree mask(optional)
view systemview included .1.3.6.1.2.1.1
view systemview included .1.3.6.1.2.1.25.1.1

# group context sec.model sec.level prefix read write notif

access notConfigGroup "" any noauth exact systemview none none

変更後

# sec.name source community
com2sec systemwalker default public

# groupName securityModel securityName
group RWGroup v1 systemwalker
group RWGroup v2c systemwalker
group RWGroup usm systemwalker

# Make at least snmpwalk -v 1 localhost -c public system fast again.
# name incl/excl subtree mask(optional)
view all included .1 80

# group context sec.model sec.level prefix read write notif
access RWGroup "" any noauth exact all none none

設定ファイルを編集後はSNMPエージェントを再起動します。

# /etc/init.d/snmpd stop
# /etc/init.d/snmpd start

コミュニティ名の変更

コミュニティ名を変更する場合、以下のとおり編集します。

ここでは、SNMPエージェントに設定されているコミュニティ名を、“FUJITSU”と仮定して説明します。

設定ファイル

/etc/snmp/snmpd.conf

変更前

com2sec systemwalker default public

変更後

com2sec systemwalker default FUJITSU

アクセス許可するホストの設定

SNMPパケットの受け付けを許可するホストの IPアドレスを「*.*.*.*」と仮定して説明します。

設定ファイル

/etc/snmp/snmpd.conf

変更前

com2sec systemwalker default public

変更後

com2sec systemwalker *.*.*.* public

設定ファイルを編集後はSNMPエージェントを再起動します。

# /etc/init.d/snmpd stop
# /etc/init.d/snmpd start

LANGを設定する

Systemwalker Centric Managerの出力メッセージを日本語で出力する場合、Systemwalker Centric Managerをインストールする前に、以下の作業を実施してください。

  1. 以下のファイルと環境変を確認します。

    ファイル名

    /etc/sysconfig/i18n

    環境変数の優先度

    環境変数

    優先度

    LC_ALL

    以下のすべてに優先されます。

    LC_MESSAGES

    LC_ALLが設定されていない場合に有効になります。

    LANG

    LC_ALL、LC_MESSAGESが定義されていない場合に有効になります。

    設定値とコード

    上記ファイルの設定値

    Systemwalkerのコード系

    ja_JP.UTF-8

    UTF-8

  2. 上記の記述がない場合は、システム管理者(スーパーユーザ)のアカウントでvi 等のエディタを使用してシステムの動作環境に合わせた記述を追加します。

    (例)

    1. 環境変数LANGにコード系UTF-8を指定する場合

      LANG= ja_JP.UTF-8

ファイアウォールを設定する

Red Hat Enterprise Linux では、標準インストール時にOSのファイアウォール機能が有効となっているため、そのままの設定ではSystemwalker Centric Managerの機能が使用できません。

本書では、ファイアウォール機能を無効としSystemwalker Centric Managerをインストールします。以下の手順で無効の設定をします。

ファイアウォール機能を設定したい場合は、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”を参照してください。

  1. 現在のファイアウォールの設定を消去します。

    # /sbin/iptables -F



  2. すべての送受信を許可します

    # /sbin/iptables -P INPUT ACCEPT
    # /sbin/iptables -P OUTPUT ACCEPT


  3. 設定の保存と反映を行います。設定はすぐにシステムに反映され、システム再起動後も有効になります。

    # /etc/init.d/iptables save
    # /sbin/service iptables restart


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 1995-2007