ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.1 -Solaris-
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第10章 各種コマンド> 10.2 バックアップ管理のコマンド

10.2.2 運用系コマンド

バックアップ管理の運用系コマンドについて説明します。

10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)

このコマンドは、実行中のアドバンスト・コピーの状態によって動作が異なります。

どちらの場合も、バックアップボリュームは本コマンド実行直後よりバックアップとして確立し、アクセス可能となります。

AdvancedCopy Managerは、バックアップを実行する前に、バックアップ前処理シェルスクリプト(OpcBackup.pre)を実行し、バックアップを実行した後に、バックアップ後処理シェルスクリプト(OpcBackup.post)を実行します。このシェルスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。このシェルスクリプトの詳細については、「バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup [-suspend|-T] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup [-h Server] [-suspend|-T] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]

    ロググループ指定によるバックアップを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n [-suspend|-T] [-k] Log-Group-Name[/RDB-Name] [-Xdevmap Device-Map-File]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n [-h Server] [-k] [-suspend|-T] Log-Group-Name[/RDB-Name] [-Xdevmap Device-Map-File]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -k

    参照ダンプでバックアップを行います。

    このオプションを省略した場合は、通常ダンプでバックアップを行います。

    参照ダンプでバックアップする場合、Symfowareの“rdbrtr”コマンドを用いて、バックアップする業務ボリューム内の全DSI(実表に対してその格納構造を表現するもの)に更新抑止を設定(データ書き込み不可状態)する必要があります。

    SynfoWARE以外の業務ボリュームは、このオプションを指定することはできません。

    データベーススペース単位にバックアップする場合は、このオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループによるバックアップを行うことを指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -Xdevmap

    出力先バックアップボリュームを指定してスナップショット型高速バックアップを行うことを指定します。オペランドには、業務ボリュームと出力先バックアップボリュームの組を記述した、デバイスマップファイル 名を指定します。このオプションを指定しない場合は、出力先バックアップボリュームは自動的に選択されます。-hオプションを使用して本コマンドをリモート実行する場合は、(Storageサーバの)デバイスマップファイル名を絶対パスで指定してください。Device-Map-Fileに指定するファイル名には、各国語文字が含まれてはいけません。

    -suspend

    Suspend/Resume機能を使用して同期型高速バックアップを行うことを指定します。

    -T

    差分スナップショット型高速バックアップを行うすることを指定します。

    同期処理が行われている場合は本オプションを指定することはできません。

    本オプションは筐体内コピー、かつ、ディスクアレイ装置がQuickOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。

    本オプションを指定しないスナップショット型高速バックアップの場合、通常のスナップショット処理(QuickOPC機能を使用しないOPC)が起動されます。差分スナップショットを利用したバックアップ運用を行う場合は常に本オプションを指定する必要があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    ロググループ(LOG01/RDB1)をバックアップします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n LOG01/RDB1
    LOG01/RDB1 swstbackup completed
    #

本コマンドでは、データを保証するために、マウントされている業務ボリュームおよびバックアップボリュームは、アンマウントしてからバックアップを行います。マウントされている業務ボリュームまたはバックアップボリュームがアンマウントできない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。

本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから業務ボリュームがマウントされている場合、バックアップの管理者の責任において業務ボリュームをアンマウント状態にしてください。都合により業務ボリュームをアンマウントしたくない場合は、以下の手順でバックアップを行ってください。
  1. syncコマンドを実行し、業務ボリュームとファイルシステムとの同期をとります。

  2. 本コマンドを実行します。

  3. バックアップボリュームに対してfsckコマンドを実行し、ファイルシステムのチェックを行います。

次のような場合、バックアップを行うことはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

次のような場合、出力先バックアップボリュームを指定してバックアップを実行することはできません。

バックアップを実行する前に、既にバックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)で設定した保存世代数を満たすバックアップ履歴情報が存在する場合、バックアップ実行時にそのバックアップ履歴情報の中から一番古い情報を自動的に削除し、バックアップボリュームは空き状態になります。ただし、サスペンド指定バックアップまたは差分スナップショット型高速バックアップの履歴情報の場合、バックアップボリュームとのサスペンド状態またはトラッキング状態は解除されず、バックアップボリュームは使用中のままになります。

バックアップを実行する業務ボリュームと別の業務ボリュームとサスペンド中またはトラッキング状態のバックアップボリュームを、デバイスマップファイルでバックアップ先として指定することはできません。

バックアップ実行時に注意する点として、「全般的な注意事項」をご理解ください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」、「SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。

業務ボリュームが、複数デバイス(マルチパーティション)で構成されるSafeFILEファイルシステムの場合、前後処理スクリプトでアンマウント/マウントを実施する方法でのバックアップはできません。
複数デバイス(マルチパーティション)構成のSafeFILEファイルシステムの場合は、バックアップを行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、バックアップが完了した後ファイルシステムをマウントします。

10.2.2.2 バックアップ実行状況表示コマンド(swstbackstat)

バックアップ実行コマンド(swstbackup)で行っているバックアップの実行状況を表示します。

スナップショット型高速バックアップを実行中にETERNUSmgr、GRmgr、GDS等のOPC停止機能は使用しないでください。ETERNUSmgr、GRmgr、GDS SnapshotなどのOPC停止機能を使用した場合、実際のバックアップの成否にかかわらず、本コマンドではsucceededと表示されます。
  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップ実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat [-h Server] [Device-Name]

    ロググループ指定によるバックアップ実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat -n Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat -n [-h Server] Log-Group-Name[/RDB-Name]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループによる表示を行うことを指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定してください。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのバックアップ実行状況を表示します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    コピーの実行状況について表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 /dev/dsk/c1t0d2s3 succeeded ---- 
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s4 /dev/dsk/c1t0d2s4 executing 70%
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s5 /dev/dsk/c1t0d2s5 executing 30%
      :
    #

    表示する内容は、次に示すとおりです。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Backup-Disk

    バックアップボリューム名を表示します。

    バックアップされていない場合は、“----”を表示します。

    Status

    バックアップの実行状況を、以下に表す文字列で表示します。

    “----”:バックアップを採取していません。(履歴が存在しません。)

    “succeeded”:バックアップが完了しています。

    “executing”:OPCによるコピーを実行しています。

    “failed”:OPCによるコピーがエラーにより中断しています。

    “halt”:OPCによるコピーがhalt状態です。

    “gds-error”:GDSによるコピーが異常終了しています。

    Execute

    Status欄が“executing”のときに、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。“executing”以外のときは、“----”で表示します。

“Status”欄に表示される状態が“failed”または“halt”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、「バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法」を参照して対処してください。

次のような場合、バックアップ実行状況表示処理を実行することはできません。

“Status”欄に表示される状態が“gds-error”の場合、GDSにトラブルが発生したと考えられます。GDSのトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行って対処してください。

10.2.2.3 リストア実行コマンド(swstrestore)

バックアップ履歴情報に存在するデータを、OPCを用いてリストアを実施します。

デバイス間のコピーを行うため、ファイル単位でリストアすることはできません。
AdvancedCopy Managerは、本コマンドを実行すると、OPCによるデータのコピーを行う前に、リストア前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)を実行し、 OPCによるデータのコピーを行った後に、リストア後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)を実行します。このシェルスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。このシェルスクリプトの詳細については、「バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。

業務ボリューム以外の任意のデバイスにリストアすることができます。この場合、業務ボリュームに登録されているデバイス以外であることと、指定した業務ボリュームと同じ領域サイズを持ったデバイスである必要があります。なお、Symfowareの業務ボリュームの場合、およびGDSの論理ボリュームの場合は、元の業務ボリューム以外のデバイスにリストアすることはできません。

データベーススペースのリカバリ時には、リカバリ対象となるデータベーススペースがアクセス禁止状態になっている必要があります。アクセス禁止状態にするには、Symfowareが提供するコマンドの“rdbinh”コマンドまたは“rdbexspc”コマンドを用いて行います。コマンドの詳細については、『Symfoware(R) Server RDB 管理者ガイド』または『Symfoware(R) Server RDB運用ガイド』を参照してください。

データベーススペースのリカバリ時に、アーカイブログファイルが他のデバイスに保管されている場合、リカバリ時に必要なアーカイブログ退避先名が列挙されたファイルを、リカバリを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに事前に準備する必要があります。ファイルの記述方法については、『Symfoware(R) Server RDB管理者ガイド』または『Symfoware(R) Server RDB運用ガイド』を参照してください。

「アーカイブログ退避先名が列挙されたファイル」に指定したファイルに、MTに退避されたアーカイブログ退避ファイルを記述した場合は、リカバリを行うことができません。
MTに退避されたアーカイブログを使用してリカバリを行う場合は、以下のいずれかの方法でリカバリを行ってください。
ログを適用しないリカバリを実施した後、アーカイブログを適用するには、Symfowareが提供するコマンドの“rdbmrrcv”コマンドを用いて行います。アーカイブログの適用については、『Symfoware(R) Server RDB 管理者ガイド』または『Symfoware(R) Server RDB運用ガイド』を参照してください。

データベーススペースのリカバリ時に、“リカバリ終了点を指定した特定時点への復旧”もしくは“バックアップ時点への復旧”を行う場合、Symfowareの管理情報を復旧する処理が行われます。この処理はリカバリの実行処理の一部として実施されるため、コマンドの処理に時間がかかります。

データベーススペースのリカバリ時に、作業ディレクトリの空き容量不足等でリカバリができない場合、-wオプションで一時的に別のディレクトリを指定して再実行することにより、リカバリを行うことができます。
  1. 指定方法

    通常業務ボリュームのリストアを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] [-Xgds-softcopy] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] [-Xgds-softcopy] Device-Name

    Symfowareのデータベーススペースを、業務ボリューム指定によるリカバリを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore [-g Generation-No | -v Version-No] [-l ArchiveLogFileList-FileName] [-w Work-Directory] [-nolog Work-RecCtrlFile-Directory] [-Xgds-softcopy] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-l ArchiveLogFileList-FileName] [-w Work-Directory] [-nolog Work-RecCtrlFile-Directory] [-Xgds-softcopy] Device-Name

    複数の業務ボリュームを指定して一括リカバリを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -bundle [-g Generation-No | -v Version-No] [-a | -e EndPoint] [-l ArchiveLogFileList-FileName] [-w Work-Directory] [-nolog Work-RecCtrlFile-Directory] [-Xgds-softcopy] DeviceListFile

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -bundle [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-a | -e EndPoint] [-l ArchiveLogFileList-FileName] [-w Work-Directory] [-nolog Work-RecCtrlFile-Directory] [-Xgds-softcopy] DeviceListFile

    Symfowareのデータベーススペースを、ロググループ指定によるリカバリを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -n [-g Generation-No | -v Version-No] [-a | -e EndPoint] [-l ArchiveLogFileList-FileName] [-w Work-Directory] [-nolog Work-RecCtrlFile-Directory] [-Xgds-softcopy] Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -n [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-a | -e EndPoint] [-l ArchiveLogFileList-FileName] [-w Work-Directory] [-nolog Work-RecCtrlFile-Directory] [-Xgds-softcopy] Log-Group-Name[/RDB-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    リストアするデータの相対世代番号を指定します。

    相対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -v

    リストアするデータの絶対世代番号を指定します。

    絶対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -r

    業務ボリューム以外のデバイスにリストアするときに、そのリストア先のデバイス名を指定します。

    Symfowareの業務ボリュームの場合は指定できません。

    GDSの論理ボリュームの場合は指定できません。

    -a

    リカバリ制御ファイルが管理するデータベース資源全体を、バックアップ採取時点にまでリカバリすることを指定します。

    -eオプションと同時に指定できません。

    ロググループ内の業務ボリュームを個別にリカバリする場合は指定できません。

    Symfoware以外の業務ボリュームの場合は指定できません。

    -e

    リカバリ制御ファイルが管理するデータベース資源全体を、リカバリ終了点を指定した特定の時点にまでリカバリすることを指定します。

    リカバリ終了点については、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。

    -aオプションと同時に指定できません。

    -nologオプションと同時に指定できません。

    ロググループ内の業務ボリュームを個別にリカバリする場合は指定できません。

    Symfoware以外の業務ボリュームの場合は指定できません。

    -l

    Symfowareのリカバリに必要なアーカイブログ退避先名が列挙されたファイルを絶対パス名で指定します。

    アーカイブログ退避先名が列挙されたファイルは、リストアを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに格納されている必要があります。

    Storage管理サーバでコマンドを実行する場合、リストアを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに格納されている必要があります。

    -nologオプションと同時に指定できません。

    Symfoware以外の業務ボリュームの場合は指定できません。

    -w

    一時的な作業ディレクトリ名を絶対パス名で指定します。

    ディレクトリ名は、リカバリを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに存在している必要があります。

    Storage管理サーバでコマンドを実行する場合、リカバリを行う業務ボリュームが存在しているStorageサーバにディレクトリが存在している必要があります。

    省略した場合は、Storageサーバ構成情報設定コマンド(swstsvrset)で指定した作業ディレクトリを使用します。

    Symfoware以外の業務ボリュームの場合は指定できません。

    -n

    ロググループによるリストアを行うことを指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -bundle

    複数のデータベーススペースを一括してリカバリします。

    オペランドには、一括してリカバリするデータベーススペースに対応したデバイス名を列挙したファイル(DeviceListFile)を指定します。

    -nolog

    Symfowareのリカバリ時にアーカイブログの適用を行いません。

    ログを適用する際に必要なリカバリ制御ファイルを出力するディレクトリを指定し、Symfowareのコマンド(rdbmrrcv)でログを適用する際に、このディレクトリを指定します。

    このオプションを指定してリカバリを行った場合は、Symfowareのコマンド(rdbmrrcv)でログを適用するまでデータベースを使用することはできません。

    -Xgds-softcopy

    GDS Snapshot連携のリストア時に、ソフトコピーによるリストアを行います。このオプションを指定しない場合は、OPCによるリストアを行います。

    注)-gオプションと-vオプションの双方が指定されなかったときは、履歴管理している情報の中から最新の情報をリストアします。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

    DeviceListFile

    一括してリカバリするデータベーススペースに対応したデバイス名を列挙したデバイスリストファイルを指定します。

    Storage管理サーバでコマンドを実行する場合、リカバリを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに格納されている必要があります。

    デバイスリストファイルの記述方法については、「デバイスリストファイルの記述方法」を参照してください。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    相対世代番号=2のデータをリストアします。相対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で表示されるデータを参照してください。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -g 2 /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstrestore completed
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)の相対世代番号=2のデータをリストアします。相対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で表示されるデータを参照してください。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -n -g 2 LOG01/RDB1
    LOG01/RDB1 swstrestore completed
    #

    Suspend/Resume機能によるバックアップ運用を実施している業務ボリュームの場合は、サスペンド中の同期処理を削除して、リストアを実行します。サスペンド中の同期処理については、バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)で表示されるデータを参照してください。同期処理のキャンセルはバックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)を使用して実行してください。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s5 suspend   ----
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 executing 75%
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync -all /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelsync completed
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk Status Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 ----        ----   ----
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstrestore completed
    #

ファイルシステムを構築されている業務ボリュームで、特定のファイルをリストアする場合には、以下の手順で行います。
  1. バックアップボリュームをマウントします。バックアップボリュームはバックアップ履歴一覧画面/履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

  2. cpコマンド等でリストアしたいファイルを複写します。

  3. バックアップボリュームをアンマウントします。

また、SafeFILEファイルシステムの場合は、以下の手順で行います。
  1. バックアップボリュームに対して、以下のように実行します。

    # sfxadm バックアップボリュームのRAWデバイス名

    # fsck -F sfxfs -o f バックアップボリュームのRAWデバイス名

  2. バックアップボリュームをマウントします。

    # mount -F sfxsfs バックアップボリューム名 マウントポイント名

  3. cpコマンド等でリストアしたいファイルを複写します。

  4. バックアップボリュームをアンマウントします

    # umount バックアップボリューム名 あるいは、マウントポイント名

本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから業務ボリュームがマウントされている場合、バックアップの管理者の責任において業務ボリュームをアンマウント状態にしてから本コマンドを実行してください。

以下のような場合は、リストア/リカバリができません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

サスペンド中またはトラッキング状態のバックアップボリュームをリストア先ボリュームとして使用することはできません。

同期処理中(ECによるコピー中、等価性維持状態、サスペンド中)の業務ボリュームにリストアを実行することはできません。
リストア実行時、以下のエラーになった場合は、バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)で業務ボリュームの同期処理を全てキャンセル(-allオプション指定)してからリストアを実行してください。
swst0639 コピーが実施されているため、このコマンドは実行できません。
または
swst0634 OPCが実行できません。エラーコード=26(SCSI command busy.)

リストア実行時に注意する点として、「全般的な注意事項」をご理解ください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

業務ボリュームが、複数デバイス(マルチパーティション)で構成されるSafeFILEファイルシステムの場合、前後処理スクリプトでアンマウント/マウントを実施する方法でのリストアはできません。
複数デバイス(マルチパーティション)構成のSafeFILEファイルシステムの場合は、リストアを行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、リストアが完了した後ファイルシステムをマウントします。

SafeFILEファイルシステムをリストアした場合、リストア先のデバイスがマウントできないことがあります。その場合、以下の手順でマウントします。
  1. リストア先デバイスに対して、以下のように実行します。

    # sfxadm リストア先デバイスのRAWデバイス名

  2. リストア先デバイスをマウントします。

    # mount -F sfxfs リストア先デバイス名 マウントポイント名

以下のような場合は、リストア/リカバリができません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、「運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」、「SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

10.2.2.4 リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest)

OPCによるリストアの実行をキャンセルします。

また、リストア実行コマンド(swstrestore)を実行し、OPCによるコピーを実施している最中に何らかのハードウェアトラブルで異常を検出した場合も、本コマンドを用いてリストアを解除します。その後、ハードウェアトラブルの原因を取り除き、再度リストア実行コマンド(swstrestore)でリストアを実施してください。

異常発生の有無については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認することができます。

このコマンドを使用してOPCによるリストアをキャンセルした場合、一部のデータはコピーされてしまっているため、業務ボリュームの状態は不完全な状態となり、使用できなくなります。再度リストア実行コマンド(swstrestore)でリストアを実施してください。業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合、リストアをキャンセルすると業務ボリュームの状態がINVALIDになります。その場合は、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書(Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照して、論理ボリュームを復旧させてください。
  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるリストアキャンセルを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] [-emergency] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] [-emergency] Device-Name

    ロググループ指定によるリストアキャンセルを行う場合(Symfoware)

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest -n [-g Generation-No | -v Version-No ] [-emergency] Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest -n [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No ] [-emergency] Log-Group-Name[/RDB-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    リストア中のデータの相対世代番号を指定します。

    -vオプションと同時に指定することはできません。

    相対世代番号については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認してください。

    -v

    リストア中のデータの絶対世代番号を指定します。

    -gオプションと同時に指定することはできません。

    絶対世代番号については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認してください。

    -r

    業務ボリューム以外のデバイスにリストアした場合、そのデバイス名を指定します。

    デバイス名については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認してください。

    Symfowareの業務ボリュームの場合は指定できません。

    -n

    ロググループに対してのリストアをキャンセルします。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、OPCのセション確認およびセションキャンセルは行われません。

    注)-g、-vオプションが指定されなかったときは、最新の履歴情報のリストアをキャンセルします。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    Log-Group-Name

    ロググループを指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)のリストアをキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest  -g  1  /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelrest completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)の最新の履歴情報のリストアを緊急操作モードでキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest -emergency /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelrest completed.
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)のリストアをキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest -n  -g  1 LOG01/RDB1
    LOG01/RDB1 swstcencelrest completed.
    #

次のような場合、リストアをキャンセルすることができません。

緊急操作モードで実行した場合、OPCのセション確認およびセションキャンセルは行われません。エラーサスペンド状態やhalt状態になっているOPCセションが存在していた場合は、管理されないセションが残るため、GRmgr、ETERNUSmgr、GDS等を使用してセションをキャンセルする必要があります。

VxVMの論理ボリュームを削除した場合、あるいは、VxVMの論理ボリューム構成をAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更した場合は、リストアをキャンセルすることができなくなります。その場合は、以下に示すa)あるいはb)の対処を行ってください。
  1. 削除する複製ボリュームでアドバンスト・コピーが実施されていないことを確認した後、-emergencyオプションを指定して本コマンドを実行してください。アドバンスト・コピーが実施されている場合は、ディスクアレイ装置でアドバンスト・コピーを停止するか、あるいは、b)の対処を行ってください。

  2. 論理ボリュームを再作成する、あるいは、論理ボリューム構成を元の状態に戻した後、本コマンドを実行してください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

10.2.2.5 リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)

リストアの実行状況を表示します。

OPCによるリストアを実行中に、ETERNUSmgr、GRmgr、GDS等のOPC停止機能は使用しないでください。GRmgrのOPC停止機能を使用した場合、実際のリストアの成否にかかわらず、本コマンドではsucceededと表示されます。
  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるリストア実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat [-g Generation-No | -v Version-No] [-Xgds-softcopy] [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat [-h Server ] [-g Generation-No | -v Version-No] [-Xgds-softcopy] [Device-Name]

    ロググループ指定によるリストア実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat -n [-g Generation-No | -v Version-No] [-Xgds-softcopy] Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat -n [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-Xgds-softcopy] Log-Group-Name[/RDB-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    リストア実行状況を表示するデータの相対世代番号を指定します。

    -v

    リストア実行状況を表示するデータの絶対世代番号を指定します。

    -n

    ロググループに対するリストアの実行状況表示を指定します。

    -Xgds-softcopy

    GDSの論理ボリュームのリストア実行状況を表示します。

    本オプションは、GDSのソフトコピー機能を使用したリストアが実行中のとき、コピー状況を把握するために使用します。

    本オプションが指定された場合、コピー完了後の“Status”欄はコピー開始前と同じ“----”となります。

    注)-g、-vオプションが省略された場合は、全履歴に対するリストア実行状況を表示します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのリストア実行状況について表示します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0 :正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリュームのリストア実行状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat 
    Server Transaction-Disk  Generation Version Backup-Disk       Restore-Device    Status    Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s3    1         10    /dev/dsk/c1t0d2s3 /dev/dsk/c1t0d1s3 executing 75%
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s4 ----       ----    ----              ----              ----      ----
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s5    2         12    /dev/dsk/c1t0d2s5 ----              succeeded ----
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6    3         13    /dev/dsk/c1t0d2s6 /dev/dsk/c1t0d1s6 executing 75%
      :
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Generation

    リストアしたバックアップのデータの相対世代番号を表示します。

    -g、-vオプションで世代番号を指定しない場合で、リストア中の履歴がないときは、“----”を表示します。

    Version

    リストアしたバックアップのデータの絶対世代番号を表示します。

    -g、-vオプションで世代番号を指定しない場合で、リストア中の履歴がないときは、“----”を表示します。

    Backup-Disk

    リストアのコピー元であるバックアップボリューム名を表示します。

    リストア中でないときは、“----”を表示します。

    Restore-Device

    リストアのコピー先が業務ボリュームでない場合、リストア先のデバイス名を表示します。

    リストア中でないとき、あるいはリストア先が業務ボリュームであるときは“----”を表示します。

    Status

    実行状態を表示します。

    “----”:OPCまたはGDSのソフトコピーによるコピーは実施されていません。

    “executing”:OPCまたはGDSのソフトコピーによるコピーを実行しています。

    “succeeded”:OPCまたはGDSのソフトコピーによるコピーが完了しています。

    “failed”:OPCによるコピーがエラーにより中断しています。

    “halt”:OPCによるコピーがhalt状態です。

    “gds-error”:GDSによるコピーが異常終了しています。

    Execute

    Status欄が“executing”のときに、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。“executing”以外のときは、“----”で表示します。

“Status”欄に表示される状態が“failed”または“halt”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、「バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法」を参照して対処してください。

-v、-gオプションで世代番号を指定しない場合、全履歴のリストア実行状況を表示しますが、全履歴においてリストアが実行中でない場合、“Server”、“Transaction-Disk”欄以外のすべての表示情報が“----”で表示されます。

次のような場合、リストア実行状況表示処理を実行することはできません。

“Status”欄に表示される状態が“gds-error”の場合、GDSにトラブルが発生したと考えられます。GDSのトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行って対処してください。

10.2.2.6 履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)

バックアップした履歴情報を表示します。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップ履歴情報表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp [-h Server] [Device-Name]

    ロググループ指定によるバックアップ履歴情報表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp -n Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp -n [-h Server] Log-Group-Name[/RDB-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループによるバックアップ履歴情報表示を行うことを指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのバックアップ履歴情報を表示します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス
    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    すべての業務ボリュームのバックアップ履歴情報を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp
    Server=job1 Device=/dev/dsk/c1t0d0s6 Mount-Point=/mnt/Tran1 (ufs)
    Generation Version Backup-Date      Backup-Device     Status    Execute 
       1         10    2000/11/12 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s6 succeeded ----
       2          9    2000/11/11 22:00 /dev/dsk/c1t0d4s6 succeeded ----
    Server=job1 Device=/dev/dsk/c1t0d5s6 Mount-Point=DB1.DSB01/LOG01/RDB01 (SymfoWARE)
    Generation Version Backup-Date      Backup-Device     Status    Execute ArcSerial
       1         13    2000/11/12 23:00 /dev/dsk/c1t0d6s6 succeeded ----    reference
       2         12    2000/11/11 23:00 /dev/dsk/C1t0d8s6 succeeded ----       8
      :
    #

    表示する内容は、次に示すとおりです。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を表示します。

    Mount-Point

    デバイスのマウントポイント名を表示し、括弧内にファイルシステムタイプを表示します。

    デバイスがSymfoware用の業務ボリュームの場合は、Symfowareのデータベーススペース名とロググループ名、RDBシステム名を表示し、括弧内に"SymfoWARE"を表示します。

    Generation

    相対世代番号を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Version

    絶対世代番号を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Backup-Date

    バックアップが完了した日時を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Backup-Device

    バックアップしたバックアップボリューム名を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Status

    実コピーの実行状況を、以下に表す文字列で表示します。

    “succeeded”:OPCによるコピーが完了しています。

    “executing”:OPCによるコピーを実行しています。

    “failed”:OPCによるコピーがエラーにより中断しています。

    “halt”:OPCによるコピーがhalt状態です。

    “gds-error”:GDSによるコピーが異常終了しています。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Execute

    Status欄が、“executing”のとき、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。“executing”以外のときは、“----”で表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    ArcSerial

    アーカイブログ通番を表示します。

    参照ダンプによるバックアップを行った履歴情報の場合は、“reference”を表示します。

    Symfoware用の業務ボリューム以外の場合は、表示されません。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

“Status”欄に表示される状態が“failed”または“halt”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、「バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法」を参照して対処してください。

次のような場合、履歴情報表示処理を実行することはできません。

“Status”欄に表示される状態が“gds-error”の場合、GDSにトラブルが発生したと考えられます。GDSのトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行って対処してください。

10.2.2.7 履歴情報削除コマンド(swsthistdel)

バックアップの履歴情報を削除します。

削除された履歴のバックアップボリュームは解放され、空きバックアップボリュームになります。

Symfoware用の業務ボリュームの履歴情報を削除する場合、リカバリ制御ファイルについても削除されます。

履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で、“Status”欄に表示される状態が“failed”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、「バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法」を参照して対処してください。

Symfoware用の業務ボリュームのバックアップ履歴情報を削除する場合、リカバリ制御ファイルについても削除されます。
  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップ履歴情報の削除を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -g Generation-No | -v Version-No | -z [-emergency] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel [-h Server] -g Generation-No | -v Version-No | -z [-emergency] Device-Name

    ロググループ指定によるバックアップ履歴情報の削除を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -n -g Generation-No | -v Version-No | -z [-emergency] Log-Group-Name[/RDB-NAME]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -n [-h Server] -g Generation-No | -v Version-No | -z [-emergency] Log-Group-Name[/RDB-NAME]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    削除するバックアップ履歴情報の相対世代番号を指定します。

    -v、-zオプションと同時に指定することはできません。

    相対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -v

    削除するバックアップ履歴情報の絶対世代番号を指定します。

    -g、-zオプションと同時に指定することはできません。

    絶対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -z

    すべてのバックアップ履歴情報を削除することを指定します。

    -g、-vオプションと同時に指定することはできません。

    -n

    ロググループによるバックアップ履歴削除を行うことを指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、OPCのセション確認は行われません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス
    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)の絶対世代番号10のバックアップ履歴を削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -v 10 /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swsthistdel completed
    #

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)の相対世代番号1のバックアップ履歴を緊急操作モードで削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -g 1 -emergency /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swsthistdel completed
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)の絶対世代番号10のバックアップ履歴を削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -n -v 10 LOG01/RDB1
    /dev/dsk/c1t0d5s3 swsthistdel completed
    /dev/dsk/c1t0d5s4 swsthistdel completed
       :
    LOG01/RDB1 swsthistdel completed
    #

次のような場合、バックアップ履歴情報を削除することはできません。

VxVMの論理ボリュームを削除した場合、あるいは、VxVMの論理ボリューム構成をAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更した場合は、履歴情報を削除することができなくなります。その場合は、以下に示すa)あるいはb)の対処を行ってください。
  1. 削除する複製ボリュームでアドバンスト・コピーが実施されていないことを確認した後、-emergencyオプションを指定して本コマンドを実行してくださいアドバンスト・コピーが実施されている場合は、ディスクアレイ装置でアドバンスト・コピーを停止してください。

  2. 論理ボリュームを再作成する、あるいは、論理ボリューム構成を元の状態に戻した後、本コマンドを実行してください。

緊急操作モードで実行した場合、OPCのセション確認およびセションキャンセルは行われません。エラーサスペンド状態やhalt状態になっているOPCセションが存在していた場合は、管理されないセションが残るため、GRmgr、ETERNUSmgr、GDS等を使用してセションをキャンセルする必要があります。

サスペンド中の履歴情報を削除しても、同期処理(ECセション)は解除されません。
トラッキング状態の履歴情報を削除しても、トラッキング状態(OPCセション)は解除されません。

サスペンド指定で同期型高速バックアップを行った場合は、履歴削除後もバックアップボリュームは使用中の状態になります。
差分スナップショット型高速バックアップを行った場合は、履歴削除後もバックアップボリュームは使用中の状態になります。

差分スナップショット型高速バックアップ運用でないときは、OPC物理コピーが完了していない履歴情報を削除した場合、削除した履歴の物理コピーは中断されます。この場合、バックアップボリューム内のデータはコピー途中の不完全な状態となります。
履歴情報を削除した時点でバックアップボリュームは未使用状態となり、その後のバックアップで使用可能な状態となります。
差分スナップショット型高速バックアップ運用のときは、OPC物理コピーが完了していない履歴情報を削除しても、削除した履歴の物理コピーは継続されます。
履歴情報の削除後もバックアップボリュームは使用中の状態であり、その後の当該業務ボリュームのバックアップで使用可能な状態となります。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」、「SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

10.2.2.8 バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)

バックアップ同期処理(ECによるディスク間のコピー)を開始します。

ロググループ名を指定して本コマンドを実行した場合、そのロググループに含まれる業務ディスクすべてに対してバックアップ同期処理を実行します。途中でコマンドが異常終了した場合は、それまでに実行されたバックアップ同期処理はキャンセルされます。ただし、コマンド実行前にサスペンド状態だった場合は、異常終了しても同期処理をキャンセルしません。

また本コマンドは、ロググループに含まれる業務ボリュームを個別に指定して実行することができます。

GDSの業務ボリュームの場合は、ソフトコピーによって同期処理を行うこともできます。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップ同期処理開始を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync [-Xgds-softcopy | -Xgds-selectcopy] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync [-h Server] [-Xgds-softcopy | -Xgds-selectcopy] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]

    ロググループ指定によるバックアップ同期処理開始を行う場合(Symfoware)

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync [-Xgds-softcopy | -Xgds-selectcopy] -n Log-Group-Name[/RDB-NAME] [-Xdevmap Device-Map-File]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync -n [-h Server] [-Xgds-softcopy | -Xgds-selectcopy] Log-Group-Name[/RDB-NAME] [-Xdevmap Device-Map-File]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -Xgds-softcopy

    SDXオブジェクトのバックアップ同期処理をアドバンスト・コピー機能ではなくソフトコピー機能を使用して開始することを指定します。

    アドバンスト・コピー機能使用時に本オプションを指定して差分コピーを開始すると、アドバンスト・コピー処理が停止され、ソフトコピー処理が実施されます。

    本オプションはGDS Snapshot連携機能を使用している場合に指定します。

    -Xgds-selectcopy

    SDXオブジェクトのコピー処理方式をGDSに選択させることを指定します。

    本オプションはGDS Snapshot連携機能を使用している場合に指定します。

    -n

    ロググループに対してバックアップ同期処理開始を行うことを指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -Xdevmap

    出力先バックアップボリュームを指定してバックアップ同期処理を開始することを指定します。オペランドには、業務ボリュームと出力先バックアップボリュームの組を記述した、デバイスマップファイル 名を指定します。このオプションを指定しない場合は、出力先バックアップボリュームは自動的に選択されます。-hオプションを使用して本コマンドをリモート実行する場合は、Storageサーバのデバイスマップファイル名を絶対パスで指定してください。Device-Map-Fileに指定するファイル名には、各国語文字が含まれてはいけません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)のバックアップ同期処理を開始します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swststartsync completed.
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)のバックアップ同期処理を開始します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync -n LOG01/RDB1
    LOG01/RDB1 swststartsync completed.
    #

    SDXオブジェクトの論理ボリューム(/dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01)のバックアップ同期処理を開始します。コピー処理方式は、ソフトコピーを利用します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync -Xgds-softcopy /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01
    /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 swststartsync completed.
    #

    SDXオブジェクトの論理ボリューム(/dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01)のバックアップ同期処理を開始します。コピー処理方式は、GDSに選択させます。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync -Xgds-selectcopy /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01
    /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 swststartsync completed.
    #

バックアップ同期処理中の業務ボリュームまたはロググループに対して本コマンドを実行した場合は、通報メッセージ「swst0301 既にバックアップ同期処理中です。」(ロググループの場合のメッセージIDはswst0302)を出力して終了します。終了ステータスは正常終了です。

次のような場合、バックアップ同期処理を開始することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

同期処理を開始する際、業務ボリュームにサスペンド中のバックアップボリュームが存在する場合は、バックアップ先として優先的に選択されて、同期処理を再開(差分コピーを開始、Resume)します。業務ボリュームにサスペンド中のバックアップボリュームが存在しない場合は、同期処理(全面コピー)を開始します。

同期処理を開始する業務ボリュームとサスペンド中のバックアップボリュームは、使用中状態になっていてもバックアップ先として使用できます。

同期処理を開始する業務ボリューム以外の業務ボリュームとサスペンド中のバックアップボリュームを、デバイスマップファイルでバックアップ先として指定することはできません。

次のような場合、出力先バックアップボリュームを指定してバックアップ同期処理を開始することはできません。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」、「SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

10.2.2.9 バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)

ECによるコピー中または等価性維持状態のバックアップ同期処理をキャンセルします。

ECコピー中または等価性維持状態またはサスペンド中のバックアップボリュームを指定して同期処理をキャンセルすることができます。また、全同期処理のキャンセルを指定すると、サスペンド状態を含むすべてのバックアップ同期処理をキャンセルします。

バックアップ同期処理実行中に何らかの異常を検出した場合、コピーは正常に終了しません。その場合、本コマンドを用いてバックアップ同期処理をキャンセルします。異常発生の有無については、バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)で確認することができます。

本コマンドは、ロググループに含まれる業務ボリュームを個別に指定してバックアップ同期処理をキャンセルすることができます。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップ同期処理キャンセルを行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync [-emergency] [-bd Backup-Device-Name | -all] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync [-h Server] [-emergency] [-bd Backup-Device-Name | -all] Device-Name

    ロググループ指定によるバックアップ同期処理キャンセルを行う場合(Symfoware)

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync [-emergency] -n Log-Group-Name[/RDB-NAME] [-all]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync [-h Server] [-emergency] -n Log-Group-Name[/RDB-NAME] [-all]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループに対するバックアップ同期処理のキャンセルを行います。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、ECのセション確認およびセションキャンセルは行われません。

    -bd

    特定のバックアップボリュームに対する同期処理のキャンセルを行います。この場合、オペランドにバックアップボリューム名を指定します。-nオプション、-allオプションと同時に指定することはできません。

    -all

    業務ボリュームに設定されているすべての同期処理のキャンセルを行います。-bdオプションと同時に指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    Log-Group-Name

    ロググループを指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

    Backup-Device-Name

    コピー先のバックアップボリューム名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

  4. 終了ステータス

    =0 :正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)のバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync  /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelsync completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)のバックアップ同期処理を緊急操作モードでキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync -emergency /dev/dsk/c1t0d0s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelsync completed.
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)のバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync -n LOG01/RDB1
    LOG01/RDB1 swstcancelsync completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)からバックアップボリューム(/dev/dsk/c1t0d2s6)に設定されているバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s5 suspend   ----
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 executing 75%
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync /dev/dsk/c1t0d0s6 -bd /dev/dsk/c1t0d2s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelsync completed.
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status  Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s5 suspend ----
    #

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)に設定されているすべてのバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s5 suspend   ----
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 executing 75%
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync /dev/dsk/c1t0d0s6 -all
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcancelsync completed.
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk Status Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d0s6 ----        ----   ----
    #

緊急操作モードで実行した場合、ECのセションキャンセルは行われません。ECセションが存在していた場合は、管理されないセションが残るため、GRmgr、ETERNUSmgr、GDS等を使用してセションをキャンセルする必要があります。

次のような場合、バックアップ同期処理キャンセル処理を開始することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

VxVMの論理ボリュームを削除した場合、あるいは、VxVMの論理ボリューム構成をAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更した場合は、バックアップ同期処理をキャンセルすることができなくなります。その場合は、以下に示すaまたはbの対処を行ってください。
  1. 削除する複製ボリュームでアドバンスト・コピーが実施されていないことを確認した後、-emergencyオプションを指定して本コマンドを実行してください。アドバンスト・コピーが実施されている場合は、ディスクアレイ装置でアドバンスト・コピーを停止してください。

  2. 論理ボリュームを再作成する、あるいは、論理ボリューム構成を元の状態に戻した後、本コマンドを実行してください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」、「SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

10.2.2.10 バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)

バックアップ同期処理の実行状況(コピー中、等価性維持状態、サスペンド状態)を表示します。

1つの業務ボリュームに複数の同期処理が存在する場合、すべての同期処理の状態を表示します。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるバックアップ同期処理実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat [-h Server] [Device-Name]

    ロググループ指定によるバックアップ同期処理実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat -n Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat -n [-h Server] Log-Group-Name[/RDB-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループに対するバックアップ同期処理の実行状況表示を指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのバックアップ同期処理実行状況を表示します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0>正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)のバックアップ同期処理状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s5 suspend   ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 executing 75% 
    #

    全業務ボリュームの情報を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status     Execute
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 /dev/dsk/c1t0d2s1 suspend    ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 /dev/dsk/c1t0d2s3 executing  75%
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 /dev/dsk/c1t0d3s3 suspend    ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d1s3 /dev/dsk/c1t0d3s5 equivalent 100%
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 failed     ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d1s4 ----              ----       ----
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)のバックアップ同期処理状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat  -n LOG01/RDB1
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute
    job2   /dev/dsk/c1t0d5s6 /dev/dsk/c1t0d7s6 executing 75%
    job2   /dev/dsk/c1t0d5s3 /dev/dsk/c1t0d7s3 executing 10%
      :
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Backup-Disk

    バックアップボリューム名を表示します。

    バックアップ同期処理中でないときは、“----”を表示します。

    Status

    実行状態を表示します。

    “----”:バックアップ同期処理中ではありません。

    “executing”:実行中かつ等価性維持状態前です。

    “equivalent”:等価性維持状態です。

    “suspend”:ECがサスペンド状態またはGDSのソフトコピーが一時停止状態です。

    “failed”:バックアップ同期処理が異常終了しています。

    “nosession”:セションが存在しません。(資源情報不一致)

    “halt”:バックアップ同期処理がhalt状態です。

    “gds-error”:GDSによるコピーが異常終了しています。

    Execute

    ECまたはGDSのソフトコピー実行状況のパーセンテージ表示(0〜100%)を表示します。

    サスペンド中のとき、またはバックアップ同期処理中でないときは、“----”を表示します。

実行状態(“Status”欄に表示される状態)が“failed”または“halt”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、「バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法」を参照して対処してください。

実行状態(“Status”欄に表示される状態)が“nosession”の場合、資源情報に不整合が考えられます。資源整合コマンド(swstsrsemtch)を用いて資源情報の不整合を取り除いてください。

次のような場合、同期処理状況表示処理を実行することはできません。

“Status”欄に表示される状態が“gds-error”の場合、GDSにトラブルが発生したと考えられます。GDSのトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行って対処してください。

10.2.2.11 実行状態表示コマンド(swstexecstat)

各業務ボリュームで実施されているコマンドの実行状態を表示します。OPC/ECまたはGDSのソフトコピーが実行中の場合は、その実行状況を表示します。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定による実行状態の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat [-j] [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat [-h Server] [-j] [Device-Name]

    ロググループ指定による実行状態の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat -n [-j] Log-Group-Name[/RDB-NAME]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat -n [-h Server] [-j] Log-Group-Name[/RDB-NAME]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループに対するバックアップ同期処理の実行状況表示を指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

    -j

    別書式による表示を指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームの実行状態を表示します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリュームの実行状態を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat 
    Server Device            Last-Backup-Date Interval Status Mount-Point (Method) Execute
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 2000/12/11 12:20 OK       IDLE   /usr1 (ufs)          ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s4 2000/12/10 12:20 DELAY=1  IDLE   /usr2 (ufs)          sync(22%)
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s5 2000/12/09 12:20 DELAY=2  IDLE   /usr3 (ufs)          snapshot(45%)
      :
    #

    表示される内容を以下に示します。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を表示します。

    Last-Backup-Date

    最後にバックアップした日時を表示します。

    ※ バックアップ実行コマンドの受付時間を表示します。

    Interval

    最後にバックアップを取得した日から間隔日数に指定した日数が経過した場合、その日数が超過した日から何日経過しているかを、“DELAY=経過日数”の形式で表示します。超過していない場合は、“OK”を表示します。

    Status

    次に挙げるコマンドが、業務ボリュームに対して実行中かどうかを表示します。実行中の場合は“EXEC”を、そうでない場合は“IDLE”を表示します。

    バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)

    バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)

    バックアップ実行コマンド(swstbackup)

    リストア実行コマンド(swstrestore)

    履歴情報削除コマンド(swsthistdel)

    バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)

    バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)

    リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest)

    Mount-Point (Method)

    業務ボリュームのマウントポイント名を表示し、括弧内にFStypeを表示します。

    業務ボリュームがSymfoware用の業務ボリュームの場合は、Symfowareのデータベーススペース名とロググループ名、RDBシステム名を表示し、括弧内に“SymfoWARE”を表示します。

    Execute

    実行中コマンド名、あるいはコピーの進捗率を表示します。

    “----”

    コマンド/OPC/EC等、何も動作していない状態

    “swststartsync”

    バックアップ同期処理開始コマンドを処理している状態

    “swstcancelsync”

    バックアップ同期処理キャンセルコマンドを処理している状態

    “swstbackup”

    バックアップ実行コマンドを処理している状態

    “swstrestore”

    リストア実行コマンドを処理している状態

    “swstcancelrest”

    リストアキャンセルコマンドを処理している状態

    “swstbkpolset”

    バックアップポリシー設定コマンドを処理している状態

    “swstbkpoldel”

    バックアップポリシー削除コマンドを処理している状態

    “swsthistdel”

    履歴情報削除コマンドを処理している状態

    “swstcanceltrk”

    :トラッキングキャンセルコマンドを処理している状態

    “sync(xxx%)”

    バックアップ同期処理の進捗率

    “sync(failed)”

    ECが異常終了している状態

    “sync(halt)”

    ECがhalt状態

    “snapshot(xxx%)”

    OPCによるバックアップの進捗率

    “snapshot(failed)”

    OPCによるバックアップが異常終了している状態

    “snapshot(halt)”

    OPCによるバックアップがhalt状態

    “restore(xxx%)”

    リストアの進捗率

    “restore(failed)”

    OPCによるリストアが異常終了している状態

    “restore(halt)”

    OPCによるリストアがhalt状態

    “gds-error”

    GDSによるコピーが異常終了している状態

    業務ボリュームに対して複数の処理が行われている場合(例:スナップショット型高速バックアップのコピー中にバックアップ同期処理開始コマンドを投入した等)のExecute欄の表示は、以下の規則に基づいて行われます。

    “-j”オプションを使用したときの実行例は、以下のとおりです。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat -j
    Server Device            Execute-Date     Status Mount-Point (Method) Execute
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 2000/12/11 12:20 IDLE   /usr1 (ufs)          ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s4 2000/12/10 12:20 IDLE   /usr2 (ufs)          sync(22%)
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s5 2000/12/09 12:20 IDLE   /usr3 (ufs)          snapshot(45%)
      :
    #

    表示される内容は以下のとおりです。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を指定します。

    Execute-Date

    コマンドの実行時刻を表示します。

    Status

    次に挙げるコマンドが、業務ボリュームに対して実行中かどうかを表示します。実行中の場合は“EXEC”を、そうでない場合は“IDLE”を表示します。

    バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)

    バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)

    バックアップ実行コマンド(swstbackup)

    リストア実行コマンド(swstrestore)

    履歴情報削除コマンド(swsthistdel)

    バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)

    バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)

    リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest)

    Mount-Point(Method)

    業務ボリュームのマウントポイント名を表示し、括弧内にFstypeを表示します。

    業務ボリュームがSymfoware用の業務ボリュームの場合は、Symfowareのデータベーススペース名とロググループ名、RDBシステム名を表示し、括弧内に“SymfoWARE”を表示します。

    Execute

    実行中コマンド名、あるいはコピーの進捗率を表示します。

    “----”

    コマンド/OPC/EC等、何も動作していない状態

    “swststartsync”

    バックアップ同期処理開始コマンドを処理している状態

    “swstcancelsync”

    バックアップ同期処理キャンセルコマンドを処理している状態

    “swstbackup”

    バックアップ実行コマンドを処理している状態

    “swstrestore”

    リストア実行コマンドを処理している状態

    “swstcancelrest”

    リストアキャンセルコマンドを処理している状態

    “swstbkpolset”

    バックアップポリシー設定コマンドを処理している状態

    “swstbkpoldel”

    バックアップポリシー削除コマンドを処理している状態

    “swsthistdel”

    履歴情報削除コマンドを処理している状態

    “swstcanceltrk”

    トラッキングキャンセルコマンドを処理している状態

    “sync(xxx%)”

    バックアップ同期処理の進捗率

    “sync(failed)”

    ECが異常終了している状態

    “sync(halt)”

    ECがhalt状態

    “snapshot(xxx%)”

    OPCによるバックアップの進捗率

    “snapshot(failed)”

    OPCによるバックアップが異常終了している状態

    “snapshot(halt)”

    OPCによるバックアップがhalt状態

    “restore(xxx%)”

    リストアの進捗率

    “restore(failed)”

    OPCによるリストアが異常終了している状態

    “restore(halt)”

    OPCによるリストアがhalt状態

    “gds-error”

    GDSによるコピーが異常終了している状態

サスペンド指定で同期型高速バックアップを行った場合は、Execute欄には何も動作していない状態(“----”)が表示されます

“Execute”欄に表示される状態が、“sync(failed)”、“snapshot(failed)”、“restore(failed)”、“sync(halt)”、“snapshot(halt)”、“restore(halt)”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行ってください。

次のような場合、実行状態表示処理を実行することはできません。

“Status”欄に表示される状態が“gds-error”の場合、GDSにトラブルが発生したと考えられます。GDSのトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行って対処してください。

10.2.2.12 トラッキングキャンセルコマンド(swstcanceltrk)

トラッキング処理を停止します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk [-copy | -emergency] Device-Name (-bd Backup-Device-Name | -all)

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk -h Server-Name [-copy | -emgergency] Device-Name (-bd Backup-Device-Name | -all)


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -copy

    物理コピーが動作中の場合、物理コピーも停止する(すなわち、OPCセッションを解除する)ことを指定します。

    バックアップ履歴となっているバックアップボリュームの場合は本オプションを指定することはできません。コピー先ボリュームがバックアップ履歴となっているボリュームの場合は、事前に履歴情報削除コマンド(swsthistdel)によって履歴情報を削除してください。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、トラッキング処理の確認およびトラッキング処理・OPCセッションの停止は行われません。

    -bd

    特定のバックアップボリュームに対するトラッキング処理の停止を行います。この場合、オペランドにバックアップボリューム名を指定します。-allオプションと同時に指定することはできません。

    -all

    業務ボリュームに設定されているすべてのトラッキング処理の停止を行います。-bdオプションと同時に指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)からバックアップボリューム(/dev/dsk/c1t0d2s6)に設定されているトラッキング処理を停止します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk /dev/dsk/c1t0d0s6 -bd /dev/dsk/c1t0d2s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcanceltrk completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)に設定されているトラッキング処理および物理コピーを停止します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat /dev/dsk/c1t0d1s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute Update
    job2   /dev/dsk/c1t0d1s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 executing 33%     -----
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk -copy /dev/dsk/c1t0d1s6 -bd /dev/dsk/c1t0d2s6
    /dev/dsk/c1t0d0s6 swstcanceltrk completed.
    #

緊急操作モードで実行した場合、OPCのセションキャンセルは行われません。トラッキング状態だった場合は、管理されないセションが残るため、GRmgr、ETERNUSmgr、GDS等を使用してセションをキャンセルする必要があります。

次のような場合はトラッキング処理を停止することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

10.2.2.13 トラッキング実行状況表示コマンド(swsttrkstat)

トラッキング処理の実行状況を表示します。

1つの業務ボリュームに複数のトラッキング処理が存在する場合、すべてのトラッキング処理の状態を表示します。

  1. 指定方法

    業務ボリューム指定によるトラッキング実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat [-h Server] [Device-Name]

    ロググループ指定によるトラッキング実行状況の表示を行う場合

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat -n Log-Group-Name[/RDB-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat -n [-h Server] Log-Group-Name[/RDB-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -n

    ロググループに対するトラッキング処理の実行状況表示を指定します。この場合、オペランドには、ロググループ名を指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのトラッキング処理の実行状況を表示します。

    Log-Group-Name

    ロググループ名を指定します。

    RDB-Name

    RDBシステム名を、ロググループ名の後に“/”を区切り文字として指定します。

    RDBシステム名がない時は、省略できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/dsk/c1t0d0s6)のトラッキング処理の実行状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat /dev/dsk/c1t0d0s6
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute Update
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 tracking  ----    12%
    #

    全業務ボリュームのトラッキング処理の実行状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute Update
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s3 /dev/dsk/c1t0d2s3 nosession ----    ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s4 /dev/dsk/c1t0d2s4 executing 75%     ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s5 /dev/dsk/c1t0d2s5 failed    ----    ----
    job1   /dev/dsk/c1t0d0s6 /dev/dsk/c1t0d2s6 tracking  ----    12%
    job1   /dev/dsk/c1t0d1s4 ----              ----      ----    ----
      :
    #

    ロググループ(LOG01/RDB1)のトラッキング処理の実行状態を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat  -n LOG01/RDB1
    Server Transaction-Disk  Backup-Disk       Status    Execute Update
    job2   /dev/dsk/c1t0d1s5 /dev/dsk/c1t0d7s5 tracking  ----    12%
    job2   /dev/dsk/c1t0d1s6 /dev/dsk/c1t0d7s6 tracking  ----    15%
      :
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Backup-Disk

    バックアップボリューム名を表示します。

    トラッキング状態でないときは、“----”を表示します。

    Status

    実行状態を表示します。

    “----”:トラッキング状態ではありません。

    “executing”:物理コピー中かつトラッキング状態です。

    “tracking”:トラッキング状態です。

    “failed”:物理コピーまたはトラッキング処理が異常終了しています。

    “nosession”:セションが存在しません。(資源情報不一致)

    Execute

    Status欄が“executing”のときに、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。“tracking”のときは、“----”で表示します。

    Update

    Status欄が“tracking”のときに、論理コピー後の更新済みデータ量をパーセンテージで表します。“executing”のときは、“----”で表示します。

実行状態(“Status”欄に表示される状態)が“failed”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、差分スナップショット型バックアップを再実行してください。

実行状態(“Status”欄に表示される状態)が“nosession”の場合、資源情報に不整合が考えられます。資源整合コマンド(swstsrsemtch)を用いて資源情報の不整合を取り除いてください。

次のような場合、トラッキング処理の実行状況を表示することはできません。

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