ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.1 -Solaris- |
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第4章 バックアップ運用(通常業務ボリューム) | > 4.8 SDXオブジェクトの運用 |
GDS Snapshotと連携する運用で、論理ボリューム単位の運用ができます。
運用時に論理ボリュームの物理構成を意識する必要がありません。
GDSの論理ボリュームをAdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、GDS論理ボリューム名を指定します。
dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名
次のSDXオブジェクト(ボリューム)はAdvancedCopy Managerで運用することができません。
シャドウクラスのボリューム
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとしてストライプグループ、およびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期処理の開始やスナップショット型バックアップの開始において、「業務ボリュームを構成するスライス数」と「業務ボリュームに関連付けられている全てのバックアップボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、コピー元ボリューム(バックアップ処理における業務ボリューム、リストア処理におけるバックアップボリューム)がINVALID状態である場合は、コピー処理を実行できません。
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、“sdxinfo -e long”を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single : シングルボリューム(運用可能)
mirror : ミラーボリューム(運用可能)
stripe : ストライプボリューム(運用不可)
concat : コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch : スイッチボリューム(運用不可)
バックアップ運用では、以下の点に留意して設計をおこなってください。
GDS Snapshot連携機能では、AdvancedCopy ManagerがGDS Snapshot機能を使用してボリュームの結合・分離・解除操作を行うことにより、バックアップを実施します。
そのため、AdvancedCopy Managerで運用するSDXオブジェクトは、あらかじめマスタオブジェクト、プロキシオブジェクトとして運用可能な状態でなければなりません。
業務ボリュームはマスタオブジェクト、バックアップボリュームはプロキシオブジェクトとして運用します。
GDSのボリューム構成の設定は、AdvancedCopy Managerに登録する前に行ってください。
AdvancedCopy Managerで運用するGDSのSDXオブジェクトを設定する際は、次に説明する「業務ボリューム」と「バックアップボリューム」の構成条件に注意して行ってください。
GDS Snapshotや、プロキシ構成の前提条件の詳細については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照してください。
業務で使用するSDXオブジェクト(論理ボリューム)を業務ボリュームとして登録します。
業務ボリュームはGDS Snapshotのマスタオブジェクトとして運用されます。
そのため、以下の点に留意して設計する必要があります。
シャドウクラスに属しているSDXオブジェクトを、業務ボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームとして登録できる論理ボリュームのタイプは、シングルボリュームとミラーボリュームです。ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームは業務ボリュームとして登録できません。
ただし、ミラーグループの下位グループとしてストライプグループ、および、コンカチネーショングループを使用することは可能です。
バックアップボリュームが属しているディスクグループ内のボリュームを業務ボリュームとして登録することはできません。
バックアップボリュームと同じシングルディスクに属する論理ボリュームを業務ボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームを構成するスライスの中に一時切り離し中、あるいはコピー状態のスライスが存在する場合はバックアップを実行できません。
業務ボリューム(論理ボリューム)の状態がINVALIDの場合は、バックアップを実行できません。
GDS Snapshotのプロキシオブジェクトを業務ボリュームとして使用することはできません。
SDXオブジェクト(論理ボリューム)をバックアップボリュームとして登録します。
バックアップボリュームはGDS Snapshotのプロキシオブジェクトとして運用されます。
そのため、以下の点に留意して設計する必要があります。
シャドウクラスに属しているSDXオブジェクトを、バックアップボリュームとして登録することはできません。
バックアップボリュームとして登録できる論理ボリュームのタイプは、シングルボリュームとミラーボリュームです。ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームはバックアップボリュームとして登録できません。
ただし、ミラーグループの下位グループとしてストライプグループ、および、コンカチネーショングループを使用することは可能です。
業務ボリュームが属しているディスクグループ内のボリュームを、バックアップボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームと同じシングルディスクに属する論理ボリュームをバックアップボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームとクラスが異なるオブジェクトを、バックアップボリュームとして使用することはできません。
GDS Snapshotのマスタオブジェクトをバックアップボリュームとして使用することはできません。
ECまたはOPCを使用してバックアップを行う場合は、バックアップボリュームをミラーリング構成になっていないボリュームにする必要があります。バックアップボリュームがミラーリング構成のボリュームの場合は、ソフトコピーのみ使用可能です。
バックアップボリュームが停止できない場合(たとえば、バックアップボリュームがアプリケーションなどからアクセスされている場合)は、バックアップを実行できません。
バックアップボリュームを構成するスライスの中に一時切り離し中、あるいはコピー状態のスライスが存在する場合は、バックアップを実行できません。
バックアップボリュームには、業務ボリュームと同一サイズの論理ボリュームを用意してください。
バックアップを行う際、「業務ボリュームを構成するスライスの数」と「業務ボリュームに関連づけられているバックアップボリュームを構成するスライスの数」の合計は、32以下でなければなりません。
GDS Snapshot連携では以下のコピー機能が使用可能です。
アドバンスト・コピー:富士通ストレージシステムETERNUSのハードウェア機能によるコピー
ソフトコピー:PRIMECLUSTER GDSのディスクドライバによるコピー
SDXオブジェクトの構成と使用可能なコピー機能の関係は以下のとおりです。
単位 |
ボリューム |
SDXオブジェクト構成 ストライプ/コンカチネーションオブジェクトはコピーできません |
使用可能コピー機能 |
|
---|---|---|---|---|
論理 ボリューム |
業務 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|
ミラー |
下位グループがない |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
下位グループがある |
ソフトコピー |
|||
バックアップ |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
ミラー |
1つのディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
2つ以上のディスクで構成されている |
ソフトコピー |
単位 |
ボリューム |
SDXオブジェクト構成 ストライプ/コンカチネーション/スイッチタイプのオブジェクトはコピーできません |
使用可能コピー機能 |
|
---|---|---|---|---|
論理 ボリューム |
バックアップ |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|
ミラー |
下位グループがない |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
下位グループがある |
ソフトコピー |
|||
業務 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
ミラー |
1つのディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
2つ以上のディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
通常、業務ボリュームの存在する筐体とは、別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップを行う場合にオプションの設定を行います。
GDS Snapshot連携バックアップの際は、筐体間コピーを行うかどうかの設定は不要です。
バックアップ運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイス情報の取得については、「Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。
GDSの論理ボリュームを業務ボリューム、バックアップボリュームとして登録します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/sfdsk/CLS1/dsk/bvol1 swstdevinfoset completed |
次のSDXオブジェクトは業務ボリュームまたはバックアップボリュームとして登録できません。
シャドウクラスのオブジェクト
ストライプタイプのオブジェクト
コンカチネーションタイプのオブジェクト
スイッチタイプのオブジェクト
バックアップポリシー設定の際には、あらかじめ設定するバックアップポリシーに従って、運用するのに必要なバックアップボリュームが用意されている必要があります。(詳細については、「バックアップポリシーの設定」を参照してください。)
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合は、プロキシオブジェクトとなりうるバックアップボリュームが保存世代数分存在するかどうか確認します。
業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合は、バックアップボリュームもGDSの論理ボリュームでなければなりません。
#/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset -s 3 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 swstbkpolset completed #
以下の場合、SDXオブジェクトは使用可能なバックアップボリュームとしてカウントされません。
バックアップボリュームが、業務ボリュームと異なるクラスのオブジェクトのとき。
バックアップボリュームが、業務ボリュームと異なるサイズのとき。
SDXオブジェクトをバックアップする場合は、業務ボリュームとバックアップボリュームが、マスタ・プロキシとして関連付けられるため、業務ボリュームを構成するスライスの数と、その業務ボリュームのバックアップに使用されるバックアップボリュームを構成するスライスの数の合計が、32以下でなければなりません。
そのため、GDSの構成によって運用可能な保存世代数が制限されますので、バックアップポリシーはその点に留意して設計を行ってください。
たとえば、業務ボリュームとバックアップボリュームのすべてをシングルボリュームで構成している場合、保存世代数は最大の31を設定して運用することができますが、業務ボリュームとバックアップボリュームのすべてを2スライスで構成している場合、保存世代数に16以上を設定すると、16世代目以降のバックアップはできません。
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合は、プロキシオブジェクトとなりうるバックアップボリュームを選択し、バックアップを行います。
AdvancedCopy Managerは登録されているバックアップボリュームの中から自動的に選択します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstbackup completed
GDSの論理ボリュームが配置されているハードウェアにより、使用可能なコピー処理が異なります。
また、以下の場合は、EC/OPCは使用できません。
バックアップボリュームがミラーリング構成のSDXオブジェクトのとき。
業務ボリュームとバックアップボリュームが属しているディスクグループに、下位グループが接続されているとき。
ハードウェア |
使用可能なコピー処理 |
---|---|
EC/OPCが使用できる |
同期型高速バックアップ:EC、ソフトコピー スナップショット型高速バックアップ:OPC |
OPCのみが使用できる |
同期型高速バックアップ:ソフトコピー スナップショット型高速バックアップ:OPC |
EC/OPCが使用できない |
同期型高速バックアップ:ソフトコピー スナップショット型高速バックアップ:使用できない |
GDSの論理ボリューム単位で業務ボリュームへリストアを行う際は、プロキシからマスタへのコピーを実施します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstrestore completed
業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合は、リストア先ボリュームを指定したリストアはできません。
GDSの論理ボリュームが配置されているハードウェアにより、使用可能なコピー処理が異なります。
また、以下の場合は、OPCは使用できません。
業務ボリュームとバックアップボリュームが属しているディスクグループに、下位グループが接続されているとき。
ハードウェア |
使用可能なコピー処理 |
---|---|
OPCが使用できる |
OPC、ソフトコピー |
OPCが使用できない |
ソフトコピー |
sdxproxyコマンドを直接使用してバックアップ管理に登録されているボリュームの状態変更操作を行わないでください。
バックアップ管理の管理情報と実際のボリューム状態が、不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、資源整合コマンド(swstsrsemtch)を実行して復旧してください。
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