NetCOBOL Studio 使用手引書
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第9章 リモート開発機能> 9.2 リモート開発のための環境設定> 9.2.1 サーバ側の環境設定

9.2.1.2 サーバ側のユーザ環境の設定

UNIXサーバの場合

ここではSolarisサーバとLinuxサーバの設定情報が共通であるため、SolarisとLinuxを合わせてUNIXと記述しています。

UNIXプログラムのリモート開発時に、UNIXサーバ側の設定が必要な環境変数の詳細と、その設定方法について説明します。

◆コード変換

ファイルのコード変換

プログラム資産の送受信に必要なコード変換をUNIXサーバ側のCharset MGRを使用して行う場合に設定が必要です。

◆ビルド

リモート開発のビルドは、UNIXサーバ側のcobol翻訳コマンドを使用して、COBOLプログラムの翻訳・リンクが行われます。このため、次に示す3つの環境変数の指定は必須です。なお、以下の説明では、{COB_BASED}がNetCOBOLのインストール先を示すものとして説明します。

cobol翻訳コマンドの格納パスを指定するため、以下の指定を環境変数PATHに追加します。
${COB_BASED}/bin
COBOLランタイムの共用ライブラリを格納したパスを指定するために、以下の指定を環境変数LD_LIBRARY_PATHに追加します。
${COB_BASED}/lib
翻訳時およびCOBOLプログラム実行時に出力されるメッセージの格納先を指定するため、以下の指定を環境変数NLS_PATHに追加します。
${COB_BASED}/lib/nls/%L/%N.cat:{COB_BASED}/lib/nls/C/%N.cat
COBOLプログラムで使用する文字コード系を指定します。翻訳時はこの指定がCOBOLソース中の日本語文字の有無とそのコード系の判定に使用されます。
COBOLプログラムで使用する文字コード系環境変数LANGの指定値を以下に示します。

システム

日本語の使用の有無と文字コード

無し

有り

EUC

シフトJIS

Unicode(UTF8)

Solaris

C

ja

ja_JP.PCK

ja_JP.UTF-8

Linux(x86)

C

ja_JP.eucJP

ja_JP.UTF-8

Linux(Itanium)

C

ja_JP.eucJP

ja_JP.SJIS

ja_JP.UTF-8

LANGを除く環境変数の設定は、そのためのシェルスクリプトが各UNIX系システムのNetCOBOL製品に用意されており、通常はそれを使用します。
翻訳・リンク時に必須の環境変数を設定するためのシェルスクリプトを以下に示します。

システム

格納場所

ファイル名

備考

Solaris

/opt/FJSVcbl/config

cobol.csh

csh用

Linux

/opt/FJSVcbl/config

cobol.sh

sh/bash用

cobol.csh

csh/tcsh用

その他、必要に応じて次のような環境変数を指定します。
開発対象の個々のプログラムに依存せず共通に指定する必要のある翻訳オプションがある場合、この環境変数を使用します。次のようなオプションを指定するのに有効です。
複数の開発者が共用する必要があるCOBOL登録集、画面帳票定義体、ファイル定義体等がある場合、その格納ディレクトリを指定します。
IN/OFで指定した登録集名を環境変数名とした環境変数に、登録集ファイルの格納されているディレクトリを設定します。

◆環境変数設定用のシェルスクリプト例

ここでは、設定する必要のある環境変数が次のようであると仮定して、その環境変数を設定するためのスクリプトの例を示します。

サーバ側でCharset MGRを使用するための設定を環境変数LD_LIBRARY_PATHに追加する。

Solarisサーバの場合

Solarisサーバを使用してリモート開発を行う場合、ログインシェルとしてcshを使用する必要があります。各開発者の使用するホームディレクトリにある".cshrc"に以下のテキストを追加編集してください。

Solarisサーバでの".cshrc"への修正例を示します。

## COBOL環境設定

source /opt/FJSVcbl/config/cobol.csh

## Charset MGRのための環境設定

if(${?LD_LIBRARY_PATH}) then

setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib:${LD_LIBRARY_PATH}

else

setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib

endif

## 開発者共通の翻訳・リンク時設定

setenv COBOLOPTS "-dp ../list"

setenv COBCOPY ../COPYLIB:${COBCOPY}

## 開発対象プログラムの使用する文字コード

setenv LANG ja

Linuxサーバの場合

Linuxサーバを使用してリモート開発を行う場合、ログインシェルとしてcshまたはbashを使用することができます。

ログインシェルとしてcshを使用する場合、各開発者の使用するホームディレクトリにある".cshrc"に以下のテキストを追加編集してください。

".cshrc"への修正例を示します。

## COBOL環境設定

source /opt/FJSVcbl/config/cobol.csh

## Charset MGRのための環境設定

if(${?LD_LIBRARY_PATH}) then

setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib:${LD_LIBRARY_PATH}

else

setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib

endif

## 開発者共通の翻訳・リンク時設定

setenv COBOLOPTS "-dp ../list"

setenv COBCOPY ../COPYLIB:${COBCOPY}

## 開発対象プログラムの使用する文字コード

setenv LANG ja_JP.eucJP

ログインシェルとしてbashを使用する場合、各開発者の使用するホームディレクトリにある".bashrc"に以下のテキストを追加編集してください。

".bashrc"への修正例を示します。

## COBOL環境設定

source /opt/FJSVcbl/config/cobol.sh

## Charset MGRのための環境設定

if [ ${LD_LIBRARY_PATH:-""} = "" ] ; then

LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNiconv/lib; export LD_LIBRARY_PATH

else

LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNiconv/lib:${LD_LIBRARY_PATH};export LD_LIBRARY_PATH

fi

## 開発者共通の翻訳・リンク時設定

COBOLOPTS="-dp ../list";export COBOLOPTS

COBCOPY=../COPYLIB:${COBCOPY}; export COBCOPY

## 開発対象プログラムの使用する文字コード

LANG=ja_JP.eucJP; export LANG

Windowsサーバの場合

Windowsサーバを使用してリモート開発を行う場合、サーバ環境上のユーザアカウントを使って開発作業が実行されます。リモート開発作業のために既存のユーザアカウントを使用しない場合は、リモート開発用の新規ユーザアカウントをサーバ環境上に作成する必要があります。新規ユーザアカウントを作成するには、そのサーバの管理者に相談してください。一般に、サーバのローカルユーザーアカウントを追加する場合は、管理者アカウントでサーバにログオンし、[スタート]メニュー > [管理ツール] > [コンピュータの管理]を選択して[コンピュータの管理]を表示し、その中の[ローカルユーザとグループ]を使用します。

リモート開発の作業のために追加の環境設定が必要になった場合は、そのユーザアカウントの環境に設定を追加してください。

ユーザアカウントはユーザグループのメンバーとして登録してください。
ローカルPCからサーバへの接続時にパスワードの変更はできません。このため、ユーザアカウントの設定で、ローカルPCからサーバへ接続するときにパスワードを変更する設定はしないでください。

ユーザアカウントの環境変数にMicrosoft Platform SDKの情報を設定する必要があります。環境変数と設定する値を、次の表に示します。なお、"%MSSdk%"はMicrosoft Platform SDKのインストール先フォルダ名です。

環境変数名

設定する値

Path

%MSSdk%\Bin\Win64\IA64

%MSSdk%\Bin\Win64

%MSSdk%\Bin

%MSSdk%\Bin\WinNT

Lib

%MSSdk%\Lib\IA64

%MSSdk%\Lib\IA64\mfc

Include

%MSSdk%\Include\crt

%MSSdk%\Include\crt\sys

%MSSdk%\Include\mfc

%MSSdk%\Include\atl

%MSSdk%\Include


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