NetCOBOL Studio 使用手引書
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第9章 リモート開発機能> 9.2 リモート開発のための環境設定> 9.2.1 サーバ側の環境設定

9.2.1.1 サーバ側へのプログラムの導入と起動

リモート開発機能は、サーバシステム側でリモート開発機能が必要とするサービスが動作していることが前提となっています。したがって、これらのサービスの導入と起動が必要です。

Solarisサーバの場合

Solarisサーバの場合、次のサービスの導入と起動が必要です。

またリモートデバッグ機能を使用する場合は、次のサービスも必要となります。

Solarisサーバの場合、ftpdおよびrexecサービスは、デフォルトではオペレーティングシステムの導入時にインストールされ、常に起動するようになっています。

Solaris10の場合は、rexecサービスはオペレーティングシステムの導入時に起動するようになっていません。次の操作が必要になります。

Solarisサーバの場合、システム設定の変更は設定ファイルの内容を直接確認し、必要であればそれを修正することが一般的ですので、その方法のみを説明します。

  1. サービスの状態の確認

    Solarisサーバではftpdおよびrexecは、inetd(インターネットデーモン)から呼び出されるサービスです。したがって、次のファイルの内容を確認します。

    "/etc/services"および"/etc/inetd.conf"内のftpdおよびrexecに関する記述が存在し、それが有効であれば、以降の作業は必要ありません。次にその例を示します。

    /etc/servicesの例

    #

    # Network services, Internet style

    #

    ftp 21/tcp

    ## UNIX specific services

    ## these are NOT officially assigned

    #

    /etc/inet.confの例

    # FTPD - FTP server daemon

    ftp stream tcp6 nowait root /usr/sbin/in.ftpd in.ftpd -a

    # REXECD - rexec daemon (BSD protocols)

    exec stream tcp nowait root /usr/sbin/in.rexecd in.rexecd

    exec stream tcp6 nowait root /usr/sbin/in.rexecd in.rexecd

    一方、ftpd、rexecの両方またはどちらかについての設定行がコメント化(行頭に"#")されている場合は、以降の作業を行ってください。

  2. サービスの設定の変更

    "/etc/services"および"/etc/inetd.conf"を修正します。

  3. サービスの起動

    ftpdおよびrexecは、inetd配下で起動されるサービスであるため、inetdを再起動します。

    次のコマンドを実行してください。

    # kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`

Linuxサーバの場合

Linuxサーバの場合、次のサービスの導入と起動が必要です。

またリモートデバッグ機能を使用する場合は、次のサービスも必要となります。

Linuxサーバの場合、ftpdおよびrexecサービスは、オペレーティングシステムの導入時にインストールされていない場合もあるため、これらのパッケージが導入済みかどうかから説明します。

なお、Linuxでは、この種のシステム設定のためにGUIを持つツールが用意されている場合がありますが、GUIツールはバージョンおよび個々のシステムの設定による違いが大きいため、コマンドによる操作方法のみを説明します。

  1. パッケージの確認

    パッケージがインストール済みか確認するには次の形式でrpmコマンドを実行します。

    # rpm -query パッケージ名

    ftpdおよびrexecに必要なパッケージ名は次のとおりです。

    次に示すようにインストールされているパッケージの情報が表示されている場合、パッケージはインストール済みです。サービスの状態の確認に進んでください。

    # rpm -query vsftpd

    vsftpd-2.0.1-5

    # rpm -query rsh

    rsh-0.17-17

    # rpm -query rsh-server

    rsh-server0.17-17


    パッケージの情報が表示されない場合、パッケージのインストールを行う必要があります。

    Linuxシステムで使用されるftpdのパッケージには、バージョンやディストリビューションの違いにより幾つか種類があります。次のようなものが使われている場合もあります。

  2. パッケージの導入

    次のrpmコマンドを使用してパッケージを導入します。

    rpm -Uvh パッケージ名

  3. サービスの状態の確認

    /sbin/chkconfigコマンドを次の形式で使用して、システム起動時のサービス開始の設定を確認します。

    /sbin/chkconfig --list サービス名

    例えば、次のような結果が得られる場合、ftpd(vsftpd)とrexecはシステム起動時に開始されない設定になっています。

    # /sbin/chkconfig --list vsftpd

    vsftpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off

    # /sbin/chkconfig -list rexec

    rexec off

  4. サービスの設定の変更

    /sbin/chkconfigコマンドを次の形式で使用して、システム起動時にサービスが開始されるように設定を確認します。

    /sbin/chkconfig [--level レベル] サービス名 on

    以下、システム開始時にサービスが開始されるように設定を変更し、その変更を確認する例について示します。

    # /sbin/chkconfig --level 5 vsftpd on

    # /sbin/chkconfig --list vsftpd

    vsftpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:on 6:off

    # /sbin/chkconfig rexec on

    # /sbin/chkconfig --list rexec

    rexec on

  5. サービスの起動

    /sbin/serviceコマンドを次の形式で使用して、サービスを開始します。

    なお、rexecの場合は、xinetd配下で起動するサービスであるため、xinetdを再起動する必要があります。

    # /sbin/service vsftpd start

    vsftpd 用の vsftpd を起動中: [ OK ]

    # /sbin/service xinetd stop

    xinetd を停止中: [ OK ]

    # /sbin/service xinetd start

    xinetd を起動中: [ OK ]

Windowsサーバの場合

Windowsサーバの場合、次のサービスの導入と起動が必要です。

NetCOBOLリモート開発サービスは、サーバ上にNetCOBOL 開発・運用パッケージをインストールすると自動的にインストールされます。ただし、セキュリティ上の配慮から、デフォルトではサービスが自動的に起動しないように設定されています。

◆NetCOBOLリモート開発サービスを起動または停止させる

NetCOBOLリモート開発サービスを起動または停止するには、以下の手順を行ってください。

  1. NetCOBOLリモート開発サービスを実行しているWindowsに管理者アカウントでログオンし、[スタート]メニュー > [管理ツール] > [サービス]を選択します。
  2. サービスの一覧から[NetCOBOL Remote Development Services]を選択します。
  3. サービスを開始する場合は、[操作] > [開始]メニューを選択します。サービスを停止する場合は、[操作] > [停止]メニューを選択します。

Windowsファイアウォールが有効になっている場合、NetCOBOLリモート開発サービスを起動しても、ローカルPCからの通信がブロックされ、NetCOBOLリモート開発サービスに届きません。この場合は、[コントロールパネル]の[Windowsファイアウォール]アプレットを使用して、NetCOBOLリモート開発サービスの通信を通すように設定してください。NetCOBOLリモート開発サービスはデフォルトではTCPの61999番ポートを使用します。また、Windowsファイアウォールの設定を変更した場合は、開発期間が終了した後に設定を元に戻してください。

◆NetCOBOLリモート開発サービスを自動起動するように設定する

サーバ上のWindowsの起動時に、NetCOBOLリモート開発サービスが自動的に起動するように設定することもできます。そのように設定する場合は、以下の手順を行ってください。

  1. NetCOBOLリモート開発サービスを実行しているWindowsに管理者アカウントでログオンし、[スタート]メニュー > [管理ツール] > [サービス]を選択します。
  2. サービスの一覧から[NetCOBOL Remote Development Services]を選択し、[操作] > [プロパティ]メニューを選択します。
  3. [NetCOBOL Remote Development Servicesのプロパティ]ダイアログボックス中の[全般]タブの[スタートアップの種類]を[自動]に変更します。

一般的に、サーバ上で不要なサービスを実行するのはセキュリティ上好ましくありません。NetCOBOLリモート開発サービスを自動起動するように設定した場合は、開発期間が終了した後に、サービスが自動起動しないように[スタートアップの種類]を[手動]に戻してください。

◆NetCOBOLリモート開発サービスの使用するポートを変更する

NetCOBOLリモート開発サービスはデフォルトでTCPの61999番ポートを使用します。ポート番号を変更する場合は、以下の手順を行ってください。

  1. NetCOBOLリモート開発サービスを実行しているWindowsに管理者アカウントでログオンし、[スタート]メニュー > [管理ツール] > [サービス]を選択します。
  2. サービスの一覧から[NetCOBOL Remote Development Services]を選択し、[操作]-[プロパティ]メニューを選択します。
  3. [NetCOBOL Remote Development Servicesのプロパティ]ダイアログボックス中の[全般]タブの[開始パラメータ]に「/port:<ポート番号>」と記入します。例えば、1234番ポートを指定する場合は、「/port:1234」と記述します。[開始パラメータ]はサービスが実行中である場合は変更できません。サービスが実行中である場合はいったんサービスを停止させてください。

ポートを変更する場合は他のネットワークプログラムが使用していないポート番号を選択してください。


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