Symfoware Active DB Guard 解説書
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第1章 概要

1.2 Active DB Guardの特長

Active DB Guardには、以下のような特長があります。

◆システム停止によるビジネスの損害・機会損失を最小化

情報システムセンタが被災した際、待機センタへ業務の切り替えをスピーディに行うことができます。そのため、業務の停止によるビジネスの損害や機会損失を最小に抑えます。

◆基幹システムへの高い適応性

Active DB Guardを基幹システムのような大規模データを扱うシステムや高トラフィックのシステムに導入しても、顧客業務への実用上の影響はありません。また、ハードウェア障害などが発生し、Active DB Guardの運用の継続ができない場合でも、顧客業務を止めずに運用を即座に切り離すフェイルセーフ設計が可能です。

◆システム規模にあわせたスケーラビリティの確保

Symfoware Serverの機能と連動し、システムの負荷の増大に応じて、システムを柔軟に拡張することができます。また、拡張性や高可用性を実現するため、クラスタシステムにも対応しています。

◆待機センタの有効活用

待機センタを顧客業務にあわせて、有効に活用をすることが可能です。有効活用の方法として、顧客業務のデータを利用した参照系業務や静態データベースを利用したバッチ業務などを実施することができます。

◆省力運用の実現

Active DB Guardの運用では、ネットワークやストレージシステムの運用を自動で操作するため、利用者は、それらを意識することなく運用を行うことができ、運用手順の省力化を実現しています。

■Active DB Guardを支える技

ディザスタリカバリシステムとしてActive DB Guardが、遠隔地の待機センタにデータベースの複製作成を高速かつ高信頼に行うために、以下の技術を採用しています。

◆データロストと運用コストを最小限に抑えるログシッピング技術

ログシッピング技術は、データベースの複製を作成する際に利用する差分ログの送付に関する技術です。Active DB Guardでは、データベースの差分ログから必要な情報のみを取得することで、待機センタに送付する差分ログのデータ量の削減を実現しています。そのため、データベースミラーリングと比較して、データ更新量を最大で1/8に圧縮することが可能となり、ストレージシステムのディスク容量とネットワークの回線コストを抑えることが可能になります。また、転送するデータ量を抑えることで、ネットワークのスループット低下などの影響を抑え、被災時のデータロストを最小に抑えます。

◆スケーラビリティを向上させるスケーラブルログ

基幹業務などミッションクリティカルなシステムでは、データベースのリカバリなどを目的に更新時のログの収集を行うことが必要になります。しかし、大量のトランザクションが同時に発生するようなシステムの場合には、ログ収集時にディスクのI/Oなどの負荷が高まり、ボトルネックになる場合があります。このような場合、RDBMSのログ収集を分割し、並列に処理することで負荷を軽減させることが可能になります。このようなログの運用をスケーラブルログ運用と呼びます。Active DB Guardは、スケーラブルログ運用にあわせて差分ログの取得を分散させることができるため、高負荷になるシステムへのスケーラビリティな対応が可能になります。

◆遠隔地にリアルタイムでデータ複製を実現するリモートコピー技術

リモートコピー技術は、ストレージシステム間でネットワークを利用してディスクのI/O同期を取る技術です。情報システムセンタのストレージシステムに書き込まれたデータは、ネットワークを利用してリアルタイムに転送され、遠隔地の待機センタにデータが書き込まれます。そのため、通常のファイル転送方式と比較して、情報システムセンタの被災時でも待機センタではデータロストがほとんど発生しません。


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