Netcompo WAN制御 説明書
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上へ第7章 環境構築6 上位プロトコル(TCP/IP)

7.3 エディタによる設定(X.25 VC)

ここでは、TCP/IPでX.25 VC接続を使用するために必要な、エディタによる環境設定について説明します。

環境を定義する手順は、以下のようになります。

(1)下位プロトコルの環境定義の設定

(2)接続情報の設定

(3)ネットワーク活性化手順の定義の設定

7.3.1 接続情報定義

TCP/IPをX.25(VC)上で使用するために必要な環境定義ファイルには次のものがあります。

上記の環境定義ファイルで最初の3つの各ファイルは、X.25手順の環境定義ファイルです。これらのファイルについては“第5章 環境構築4 X.25”を参照してください。

/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/x25host

本ファイルは、/etc/hostsに定義されているIPホストと、/etc/opt/FJSVwan/etc/x25/hostsファイルに定義されているX.25ホストとの対応を定義するファイルです。エントリを以下に示します。また、以下で説明されていないパラメタについては、“付録C.5 IPCOパラメタリファレンス”を参照してください。

 # IP-hostname protocol flag hostname option services shutdowntime keeptime

各設定情報について説明します。

IP-hostname

IPホスト名またはIPアドレスを指定します。省略はできません。IPホスト名は/etc/hostsファイルに定義されているホスト名またはDNSによって検索可能なホスト名です。

protocol

プロトコル名を指定します。必ずx25を指定してください。

hostname

X.25ホスト名を指定します。省略はできません。指定するホスト名は、/etc/opt/FJSVwan/etc/x25/hostsファイルに定義されているホスト名を設定してください。

以下に、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/x25hostファイルの定義例をいくつか示します。
以下に示す定義例は、省略可能なパラメタをすべて省略した場合の定義例です。

 # IP-hostname protocol flag hostname option services shutdowntime keeptime
 iphost1    x25     -       x25host1
 iphost2    x25     -       x25host2
 iphost3    x25     -       x25host3
 iphost4    x25     -       x25host4
 iphost5    x25     -       x25host5
 iphost6    x25     -       x25host6
 iphost7    x25     -       x25host7

上記の定義例の説明をします。
iphost1およびiphost6は自側IPホストの定義で、その他は接続する相手側IPホストの定義です。iphost1はiphost2~5と接続し、iphost6はiphost7と接続します。この場合、iphost1~iphost5およびiphost6とiphost7は、IPアドレスで認識される同一のネットワークまたはサブネットワークに所属していなければなりません。
以下に示す定義例は、いくつかのフラグを指定した場合の定義例です。

 # IP-hostname protocol flag hostname option services shutdowntime keeptime
 iphost1    x25     -         x25host1
 iphost2    x25     charge    x25host2
 iphost3    x25     -         x25host3
 iphost4    x25     out       x25host4
 iphost5    x25     in        x25host5
 iphost6    x25     multi     x25host6
 iphost7    x25     multi     x25host7

上記の定義例の説明をします。
iphost2からの着信の場合、着信課金要求を許容します。iphost4とVCを接続する場合、発信だけが有効です。(iphost4から接続要求をすることはできません。)iphost5とVCを接続する場合、着信だけが有効です。(自ホストから接続要求はできません。)iphost6とiphost7は、下位X.25ネットワークの代表選択サービスに対応します。
以下に示す定義例は、各相手ホストごとにVCの制御情報を変えて通信する場合の定義例です。

 # IP-hostname protocol flag hostname option services shutdowntime keeptime
 iphost1    x25     -         x25host1
 iphost2    x25     charge    x25host2   x25option2   none    200
 iphost3    x25     -         x25host3   x25option3   none
 iphost4    x25     out       x25host4   x25option4   serv4
 iphost5    x25     in        x25host5   x25option5   none    400
 iphost6    x25     multi     x25host6
 iphost7    x25     multi     x25host7   none         none    400

上記の定義例の説明をします。

各ホストとのVCは、X.25のオプション名により規定された条件で接続されます。X.25のオプションに何が指定できるかは“第5章 環境構築4 X.25”を参照してください。また、無通信監視時間は相手ホストにより異なり、iphost2の場合は200秒間無通信状態が続くとVCが切断されます。また、iphost5およびiphost7の場合は400秒間無通信状態が続くとVCが切断されます。iphost4はX.25の着信に、独自のポートを使用しています。

/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/sysparm

本ファイルは、IPCO機能の基本パラメタを定義するファイルです。以下にあらかじめ提供されている本ファイルの内容を示します。各パラメタについては、“付録C.5 IPCOパラメタリファレンス”を参照してください。

 maxcon         =   256    # max connection count for ipcons
 maxconx25      =   64     # max connection count for X.25
 maxconx25pvc   =   64     # max connection count for X.25(pvc)
 maxconhdlc     =   64     # max connection count for HDLC
 shutdowntime   =   300    # connection disconnect time
 keeptime       =   100    # connection keep time

/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/interface

本ファイルは、TCP/IPでX.25(VC)を使用するIPインタフェースの定義を行います。エントリを以下に示します。

 # interface protocol src_host dst_host

各設定情報について説明します。

interface

使用するIPインタフェース名を指定します。IPインタフェース名はipcoXの形式をとり、Xの部分に使用できるのは、0から最大32767までの数字です。また、ipcoXはシステムで一意の値でなければなりません。

protocol

プロトコル名を指定します。X.25(VC)の場合、x25_vcを設定します。

src_host

インタフェース名に対応するIPホスト名を指定します。IPホスト名は、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/x25hostファイルに定義されているホスト名を使用します。

dst_host

X.25(VC)の場合、本設定は必要ありません。

以下に、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/interfaceファイルの定義例を示します。

 # interface protocol src_host dst_host
 ipco0   x25_vc   iphost1

7.3.2 ネットワーク活性化手順の定義

次に、インタフェースの起動および停止を行うための手順を定義することです。
この定義は、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/wanipstartスクリプトに行います。
本スクリプトには、あらかじめ以下に示すエントリが定義されています。

 # wanifconfig ipcox hostx $UPDOWN $RSC none

上記の1行を複写し、有効(行先頭の#を削除する)にします。ipcox, hostxを、使用するIPインタフェース名およびIPホスト名に書き直します。
以下にインタフェースipco0を追加した場合の定義例を示します。なお、この定義例ではipco0のIPホスト名をiphost1としています。

 # wanifconfig ipcox hostx $UPDOWN $RSC none
 wanifconfig ipco0 iphost1 $UPDOWN $RSC none

また、IPインタフェースを複数(ipco0,ipco1・・・)使用する場合は、あらかじめ用意されていたエントリを必要分複写し、各々のIPインタフェース名およびIPホスト名を書き直してください。


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