Netcompo WAN制御 説明書 |
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ここでは、TCP/IPでHDLC-ABM手順を使用するために必要な、エディタによる環境設定について説明します。
環境を定義する手順は、以下のようになります。
(1)下位プロトコルの環境定義の設定
(2)接続情報の設定
(3)ネットワーク活性化手順の定義の設定
TCP/IPをHDLC-ABM手順(以降、ABMと記述する)上で使用するために必要な環境定義ファイルには次のものがあります。
上記の環境定義ファイルで最初の3つの各ファイルは、HDLC手順の環境定義ファイルです。これらのファイルについては“第4章 環境構築3 HDLC”を参照してください。
本ファイルは、/etc/hostsに定義されているIPホストと、/etc/opt/FJSVwan/etc/hdlc/hostsファイルに定義されているHDLCホストとの対応を定義するファイルです。エントリ形式を以下に示します。
また、以下で説明されていないパラメタについては、“付録C.5 IPCOパラメタリファレンス”を参照してください。
# IP-hostname protocol flag hostname option services shutdowntime keeptime
各設定情報を説明します。
IP-hostname
IPホスト名またはIPアドレスを指定します。本パラメタは省略できません。IPホスト名は、/etc/hostsファイルに定義されているホスト名またはDNSによって検索可能なホスト名です。
protocol
プロトコル名を指定します。必ずhdlcを指定してください。
hostname
HDLCホスト名を指定します。本パラメタは省略できません。指定するホスト名は、/etc/opt/FJSVwan/etc/hdlc/hostsファイルに定義されているホスト名を設定してください。
services
HDLCサービス名を指定します。本パラメタは省略できません。指定するサービス名は、/etc/opt/FJSVwan/etc/hdlc/servicesファイルに定義されているサービス名です。
以下に定義例を示します。
# IP-hostname protocol flag hostname option services shutdowntime keeptime iphost1 hdlc - hdlchost1 none hdlcservice1 iphost2 hdlc in hdlchost2 none hdlcservice2 200 iphost3 hdlc - hdlchost3 none hdlcservice3 iphost4 hdlc const hdlchost4 none hdlcservice4 iphost5 hdlc multi hdlchost5 none hdlcservice5 iphost6 hdlc multi hdlchost6 none hdlcservice6 iphost7 hdlc multi hdlchost7 none hdlcservice7
上記の定義例の説明をします。
iphost1、iphost3、iphost5は自側ホストの定義です。iphost1はiphost2と、iphost3はiphost4と、iphost5はiphost6またはiphost7と接続します。この場合、iphost1とiphost2、iphost3とiphost4、iphost5〜iphost7は、IPアドレスで認識される同一ネットワークに所属していなければなりません。
iphost1がiphost2との接続を行う場合、着信だけが有効です。(自側ホストiphost1からの接続要求はできません。)また、iphost2との通信では、200秒間無通信状態が続くと、回線が切断されます。
iphost3とiphost4の接続においては、無通信監視によって回線が切断されることはありません。また、IPCO機能の活性化時に、コネクションの接続が行われます。iphost5は、iphost6またはiphost7との接続が可能です。
本ファイルは、IPCO機能の基本パラメタを定義するファイルです。
以下にあらかじめ提供されている本ファイルの内容を示します。
各パラメタについては、“付録C.5 IPCOパラメタリファレンス”を参照してください。
maxcon = 256 # max connection count for ipcons maxconx25 = 64 # max connection count for X.25 maxconx25pvc = 64 # max connection count for X.25(pvc) maxconhdlc = 64 # max connection count for HDLC shutdowntime = 300 # connection disconnect time keeptime = 100 # connection keep time
本ファイルは、TCP/IPでABMを使用するIPインタフェースの定義を行います。エントリを以下に示します。
# interface protocol src_host dst_host
各設定情報について説明します。
interface
使用するIPインタフェース名を指定します。IPインタフェース名はipcoXの形式をとり、Xの部分に使用できるのは、0から最大32767までの数字です。また、ipcoXはシステムで一意の値でなければなりません。
protocol
プロトコル名を指定します。HDLC-ABMの場合、hdlcを設定します。ただし、1:n接続およびHDLCでの代表選択サービスを使用する場合は、hdlc_multiを設定してください。
src_host
インタフェース名に対応するIPホスト名を指定します。IPホスト名は、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/hdlchostファイルに定義されているホスト名を使用します。
dst_host
接続する相手IPホスト名を指定します。IPホスト名は/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/hdlchostファイルに定義されているホスト名を使用します。
1:n接続およびHDLCでの代表選択サービスを使用する場合は、本設定は不要です。
以下に、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/interfaceファイルの定義例を示します。
# interface protocol src_host dst_host ipco0 hdlc iphost1 iphost2 ipco1 hdlc_multi iphost5
次に、インタフェースの起動および停止を行うための手順を定義することです。
この定義は、/etc/opt/FJSVwan/etc/ipco/wanipstartスクリプトに行います。
本スクリプトには、あらかじめ以下に示すエントリが定義されています。
# wanifconfig ipcox hostx $UPDOWN $RSC none
上記の1行を複写し、有効(行先頭の#を削除する)にします。ipcox, hostxを、使用するIPインタフェース名およびIPホスト名に書き直し、続けて相手IPホスト名を追加します。1:n接続およびHDLCでの代表選択サービスを使用する場合は、相手IPホスト名の設定は不要です。
以下にインタフェースipco0, ipco1を追加した場合の定義例を示します。なお、この定義例ではipco0のIPホスト名をiphost1、接続する相手IPホスト名をiphost2とし、ipco1のIPホスト名をiphost5としています。
# wanifconfig ipcox hostx $UPDOWN $RSC none wanifconfig ipco0 iphost1 iphost2 $UPDOWN $RSC none wanifconfig ipco1 iphost5 $UPDOWN $RSC none
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