Netcompo WAN制御 説明書
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上へ第1章 概要

1.6 代表選択サービス

本節では、代表選択サービスを持つ網への接続と、本製品が独自にサポートする代表選択機能について説明します。

以下、本製品が独自にサポートする機能を明に、網がサポートする機能と分けて説明したい場合、“代表選択機能”という表現を使用します。

その他の表現、例えば“代表選択サービス”は網がもつ代表選択の機能、あるいはそれと本製品がもつ代表選択機能を組み合わせたサービス全体を指します。

なお、TCP/IPが上位プロトコルであるときのみ本節で説明する機能を使用可能です。(上位プロトコルがTLIやFNAの場合は、本節の機能、特に代表選択機能は使用できません。)

1.6.1 代表選択サービス概要

代表選択サービス(代表回線または代表取扱とも呼ぶ)は、網が提供する着呼時のサービスの一つです。本サービスでは、複数の加入回線にひとつの代表番号を割当てます。

本サービスにより、着呼側回線接続の分散が網により自動的に行われ、発呼側に影響を与えることなく着呼側回線の効率的使用、または負荷分散を図ることができます。

図 1. 4 代表選択サービスの概要”に代表選択サービスの概要を示します。

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[図 1. 4 代表選択サービスの概要]

ISDNの場合、代表番号の割当ては、正確には物理的な回線単位ではなく、インタフェースグループ単位(1つのDチャネルが制御するすべての物理インタフェース)となります。

なお代表選択サービスで着呼時、網が行う回線選択の方法には次の2つの方式があり、ユーザは回線加入契約時にいずれの方法を選択することができます。

1.6.2 代表選択機能概要

本製品が持つ代表選択機能は2つの機能から成ります。

  1. 代表選択のグループを構成する複数の回線を1つの回線のようにまとめ、アプリケーション、あるいは上位プロトコルとのインタフェースを一つとする機能です。これにより、どの回線から着信してもこの一つのインタフェースで通信を制御可能になります。
  2. 本製品をインストールしたシステムから発呼する際に、代表選択のグループ内の空き回線を本製品が自動的に選択し、その空き回線を使用して発呼する機能を持ちます。

本機能は網の代表選択サービスとは独立で使用可能です。つまり、本機能の使用にあたって、網との間で代表選択サービスの契約をすることは必ずしも必要ではありません。

例えば、ABM手順を使用したTCP/IPで、Multi-connection型(同時に接続せず、1つの回線を複数の相手と切り替えながら使用する場合、Multi-connection型を1対n型と呼ぶ場合もあります)の接続を行う場合は網との契約とは無関係に本機能を使用するよう設定しなければなりません。

1.6.3 代表選択機能の適用条件

表 1. 10 代表選択機能の適用条件”に示す条件の範囲内で、代表選択機能を使用することができます。

[表 1. 10 代表選択機能の適用条件]

項目

適用条件

サポート回線

ISDN回線交換
  PIBBによる直接接続、TAを使用したX.21インタフェースでの接続
  (ただしTAが着信時に発番号をX.21インタフェースに通知する
  機能があるもの)
パケット交換
  (インタフェースに制約事項なし)

上位プロトコル

TCP/IP

下位プロトコル

X.25
HDLC

1.6.4 代表選択機能を使用する場合の注意条件

代表選択サービスを使用するにあたって、以下の条件を守る必要があります。

(TCP/IPを1つの物理回線で時間帯を分けて複数相手と接続する「1対n接続」の場合もあてはまります)

また、他に代表選択サービス側の回線より発呼する場合、以下の注意事項があります。


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