ETERNUS SF Recovery Manager for Oracle SE 13.0.0 説明書 - Windows -
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付録A 留意事項

A.1 Oracle Database における制限事項

A.1.1 Automatic Storage Management (10g)

Recovery Manager for Oracle では、Automatic Storage Management(以下ASMと称す)は未サポートとなります。

A.1.2 Oracle Managed Files (9i, 10g) 

Recovery Manager for Oracle では、Oracle Managed Files(以下OMFと称す)は未サポートとなります。

A.2 Net Servicesについて

A.2.1 tnsnames.oraについて 

バックアップ運用を行うデータベースに接続可能なNet Servicesの定義を%ORACLE_HOME%\network\admin\tnsnames.ora に設定してください。

A.2.2 リスナーについて 

ターゲットデータベース接続用リスナーは、静的サービス構成での定義を行ってください。
Recovery Manager for Oracle では、JDBCを使用したデータベースへの接続を行っています。
リスナーが動的サービス構成の場合、データベースがオープン以外の状態での接続はできないため、リカバリーが異常となることがあります。必ず、静的サービス構成でのリスナーを使用してください。

(例)静的サービス構成のlistener.ora設定例

LISTENER =
(DESCRIPTION_LIST =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS_LIST =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = dbsvr)(PORT = 1521))
)
)
)

SID_LIST_LISTENER =
(SID_LIST =
(SID_DESC =
(SID_NAME = orcl)
(ORACLE_HOME = d:\oracle\product\10.1.0\Db_1)
(GLOBAL_DBNAME = orcl.world)
)
)


※"SID_LIST_リスナー名"および"SID_NAME"の記述を行ってください。

A.3 パスワードファイル認証の留意事項 

以下のような作業を行った場合、パスワードファイルを再作成し、環境設定にてsysパスワードの変更を行ってください。

※環境設定にてsysパスワードを変更する手順は「環境設定ファイルの編集」を参照ください。

A.4 ターゲットデータベース構成変更時の留意点

ターゲットデータベースの変更(制御ファイル、オンラインREDOログ、データファイル等の追加、削除、変更 等)を行った場合は、速やかにバックアップを行ってください。

A.5 表領域のOFFLINE運用について 

OFFLINE状態の表領域が存在しているデータベース環境において、バックアップ処理やDBチェックを実行した場合、すべての表領域がONLINE状態に変更されます。

A.6 リカバリーの留意点

A.6.1 表領域のPoint-in-Timeリカバリ(TSPITR)

Recovery Manager for Oracleでは、表領域のPoint-in-Timeリカバリ(TSPITR)は未サポートとなります。
Point-in-Timeリカバリは、データベース全体で行う必要があります。

A.6.2 リカバリー後のバックアップ 

リカバリーを行った場合は、速やかにバックアップを取得してください。
表領域のみのリカバリー以外のリカバリー操作では、REDOログがリセットされ、リカバリ・カタログもリセットされます。したがって、バックアップが無い危険な状態となります。

A.6.3 リカバリー処理時の ORA-445 

リカバリー機能にて「RMFO-51303:rmanのリストア処理でエラーが発生しました。」のエラーが発生し、リカバリー実行ログ内にデータベースの起動処理時に、
「ORA-00445: background process "PMON" did not start after 120 seconds」
のメッセージが出力されていた場合は、対象のターゲットデータベースのサービスを再起動し、再度リカバリーを実行してください。

当現象は、Oracle9i 9.2.0.7 以前の環境にて発生します。

例)リカバリー実行ログ

《省略》


---- PROGRAM NAME [ F:/win32app/RecoveryManagerforOracle/temp/script/FS92/startup.sql ]
whenever sqlerror exit failure
set termout on
set head off
set line 9999
set pages 0
set feedback off
set trimspool on
connect sys/***** as sysdba
startup nomount
exit success
---- EXECUTE PROGRAM [ F:/win32app/RecoveryManagerforOracle/temp/script/FS92/oracleservice.bat ] (1) 2005.11.18 17:30:11

要求したサービスは既に開始されています。

NET HELPMSG 2182 と入力すると、より詳しい説明が得られます。

---- EXECUTE PROGRAM [ F:/win32app/RecoveryManagerforOracle/temp/script/FS92/rmfosqlplus.bat ] (1) 2005.11.18 17:30:11
アイドル・インスタンスに接続しました。
ORA-00445: background process "PMON" did not start after 120 seconds

《省略》

*******************************************************************
RMFO-51303:rmanのリストア処理でエラーが発生しました。
補足情報:CONTROL FILE
*******************************************************************


A.7 テープへのバックアップ

Recovery Manager for Oracleでは、テープへのバックアップ機能は提供しておりません。
バックアップソフト等を使用して、テープへバックアップすることをお勧めします。テープへバックアップすることにより、リスクの分散が図れます。
テープへのバックアップ対象は、以下の領域をすべて取得してください。

  1. データファイル(表領域)のバックアップ領域
  2. 制御ファイルのバックアップ領域
  3. アーカイブログのバックアップ領域
  4. リカバリ・カタログ・データベースのバックアップ領域
  5. Recovery Manager for Oracleのインストール先フォルダのすべてのファイル

各領域の詳細については、「ディスク資源配置の注意」をご参照ください。

A.8 Recovery Manager for Oracle 以外のリストアの注意 

Recovery Manager for Oracle にてバックアップ機能を実施後、Recovery Manager for Oracle 以外の方法(オフラインバックアップや他のバックアップツール)にて制御ファイルやデータファイル等をリストアした場合、Recovery Manager for Oracle にてバックアップ処理、リカバリー処理が実施できなくなります。
リストア後は、以下の作業を実施してください。

  1. 環境設定機能にて「リカバリカタログ」−「再作成」を実施
  2. バックアップ機能にて「バックアップ初期化」を実施
  3. バックアップ機能にて「バックアップ」を実施

A.9 各機能の同時実行について

同一データベースに対して、 Recovery Manager for Oracleの機能を多重実行しないでください。必ず、前に実行した処理が復帰した後、実行するようにしてください。また、環境設定に関しては、多重実行をしないでください。

例えば、環境設定を起動しDB_NAME「ORCL」の参照画面を表示中に、DB_NAME「ORCL」のバックアップを実行するような処理は行わないでください。

A.10 システム日付の変更について

本ソフトウェアは、RMAN機能を使用しており、時間によるバックアップ/リカバリーの運用管理を行っております。システム日付を進める場合は問題ありませんが、過去に戻す場合、バックアップ/リカバリー処理に異常が発生する場合があります。

A.11 バックアップ運用変更時の注意 

バックアップ管理世代数を変更すると、バックアップを管理している情報の不整合が発生し、リカバリーの際に正しくリカバリーできなくなることがあります。
もし、このような運用変更を行う場合は、事前に Recovery Manager for Oracleのサポート部門へ、お問い合わせください。

A.12 Oracle Database製品パッチ適用時の注意 

Oracle Database製品のパッチを適用した場合、リカバリ・カタログ・データベースに対しても、パッチ適用後の後処理が必要です。
詳細については、Recovery Manager for Oracleのサポート部門へ、お問い合わせください。

A.13 ターゲットデータベース設計上の注意

  1. データベースオブジェクト名

    Oracleの「スキーマ・オブジェクトネーミング規則」に従った文字列を使用してください。
    ただし、マルチバイト文字や特殊記号など、引用識別子注)を使用したオブジェクト名はサポート対象外となります。
    注)引用識別子:二重引用符(")

    また、Oracle Recovery Managerにてリカバリーを実施するため、当製品の予約語を使用したオブジェクト名はサポート外となります。
    予約語に関しては 「Oracle Database Recovery Manager リファレンス」をご参照ください。

     

  2. データベース資源

    シングルサーバ構成の場合は特に制約はありません。

     

  3. UNDO表領域

    UNDO表領域名の先頭文字列は必ず"UNDO"で開始してください。

     

  4. 一時表領域

    一時表領域に関して、以下の制限に基づいて作成してください。

     

  5. データファイル(表領域)

    rawデバイスは動作保証外となります。

     

  6. パスワードファイル認証

    初期化パラメタ remote_login_passwordfile の値は"exclusive" かつ、パスワードファイル認証を必須とします。

     

  7. Net Services接続文字列

    本ソフトウェアは、バックアップ/リカバリー運用対象データベースへはNet Services接続を行うため、%ORACLE_HOME%\network\admin\tnsnames.oraファイルにバックアップ/リカバリー運用対象データベースへのNet Services接続を定義する必要があります。

     

A.14 ディスク資源配置の注意

A.14.1 シングルサーバ

シングルサーバ時のディスク資源配置について説明します。

  1. データファイル(表領域)

    ターゲットデータベースのデータファイル格納領域です。
    この領域には、データファイル以外のファイル(制御ファイル、オンラインREDOログファイル、アーカイブログファイル、一般ファイル等)を格納しないでください。
    rawデバイスは動作保証外となります。ファイルシステムにてご使用ください。
     

  2. オンラインREDOログ

    ターゲットデータベースのオンラインREDOログファイルを格納する領域です。
    バックアップ対象とはならない領域です。

     

  3. 制御ファイル

    ターゲットデータベースの制御ファイルを格納する領域です。

     

  4. アーカイブログ

    ターゲットデータベースのアーカイブREDOログファイルの出力先です。
    初期化パラメタ "log_archive_dest_n" 又は "log_archive_duplex_dest" にてアーカイブログをミラー化しても構いませんが、バックアップ対象となるのは、"log_archive_dest_1" 又は "log_archive_dest" の1箇所のみです。
    この領域の見積式は以下の通りです。

    1世代のアーカイブログ出力量 * (バックアップ世代数 + 1 )


    ※バックアップ世代数は1〜3世代。1世代運用の場合は2世代分以上のアーカイブログを保存可能な容量が必要となります。

     

  5. データファイル(表領域) バックアップ

    データファイル(表領域)」のバックアップ領域です。

    RMANバックアップセットを出力します。
    領域はフォーマットしておく必要があります。

    この領域の見積式は以下の通りです。

    データファイル(表領域)」* (バックアップ世代数 + 1 )

    ※バックアップ世代数は1〜3世代。
    出力先は複数指定できますが、出力サイズは均等に分割されるわけではありません(Oracle DatabaseのRMAN機能にて、データファイル番号 1から順番に各領域に割振られます)。

     

    この領域には、RMfOにて出力するバックアップセット以外のファイルを格納しないでください。また、複数のデータベースのバックアップ先は区別してください。

  6. 制御ファイル バックアップ

    制御ファイル」のバックアップを格納する領域です。
    RMANバックアップセットを出力します。

    領域をフォーマットしておく必要があります。
    500MB以上の領域を用意してください。

    この領域には、RMfOにて出力するバックアップセット以外のファイルを格納しないでください。また、複数のデータベースのバックアップ先は区別してください。

     

  7. アーカイブログ バックアップ

    アーカイブログ」のバックアップを格納する領域です。
    RMANバックアップセットを出力します。

    領域をフォーマットしておく必要があります。
    アーカイブログ」のサイズ以上の領域を用意してください。

    この領域には、RMfOにて出力するバックアップセット以外のファイルを格納しないでください。また、複数のデータベースのバックアップ先は区別してください。

     

  8. リカバリ・カタログ・データベース

    RMANリカバリ・カタログ・データベースを作成する領域です。
    領域をフォーマットしておく必要があります。
    2GB以上の領域を用意してください。

    この領域には、RMfOにて作成するリカバリ・カタログ・データベースのファイル以外のファイルを格納しないでください。また、複数のデータベースのリカバリ・カタログ・データベース用領域は区別してください。

     

  9. リカバリ・カタログ・データベース バックアップ

    リカバリ・カタログ・データベース」のバックアップを格納する領域です。
    リカバリ・カタログ・データベース」と同一のサイズの領域が必要です。

    バックアップ世代は1世代となります。

    この領域には、RMfOにて出力するバックアップのファイル以外のファイルを格納しないでください。また、複数のデータベースのバックアップ先は区別してください。

     

 


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