SSF/Backup Facility 運用手引書
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目次
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5.1 SAN環境でのバックアップ運用
ダイレクトバックアップを使用したSAN環境下のETERNUS ディスクアレイにある業務データのバックアップ運用のポイントについて説明します。
なお、本章では、特に明記しない限り「論理デバイスバックアップ」には「Symfowareデータベースのバックアップ」を含んでいます。

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ダイレクトバックアップの詳細な環境設定やバックアップ運用操作については、
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第8章 ダイレクトバックアップの環境設定」
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第9章 論理デバイスバックアップの運用操作」
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第11章 Symfowareデータベースのバックアップ運用操作」
を参照してください。 |

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グローバルサーバの業務データのバックアップする際に必要なSSF/Backup Facility の設定環境や運用操作の詳細については、
- 『OSIV Systemwalker StorageMGR GR/CF使用手引書』
を参照してください。 |
5.1.1 運用の準備
SSF/Backup Facilityに接続しているETERNUS ディスクアレイを、Storage管理サーバに認識させるために、以下の作業を実施します。
AdvancedCopy Managerの[サーバ一覧]画面を開いて、追加するETERNUS ディスクアレイを管理するSSF/Backup Facilityを選択し、操作メニューから[サーバの変更]ダイアログボックスを開きます。ここで[OK]ボタンを押してください。

5.1.1.2 業務サーバの登録
業務サーバをStorage管理サーバに登録するには、Storage管理サーバのWebクライアントで、Storageサーバ(業務サーバ)のノードを追加します。

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- 詳細は『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「4.4.4 Storageサーバの登録」を参照してください。
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5.1.1.3 業務ボリュームの登録
バックアップ対象ボリュームの登録は、以下の手順で行います。
- Storage管理サーバのWebクライアントで、Storageサーバ(業務サーバ)のデバイスの情報を取り込みます。
「Symfowareデータベースバックアップ」の運用を行う場合は、ロググループに含まれる全てのデータベーススペースが配置されているデバイス情報を取り込む必要があります。
Symfoware Server Advanced Backup Controller を業務サーバにインストールした上で、Symfowareのデバイス情報を取得してください。

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- 詳細は『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「4.4.5 Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。
- Symfoware Server Advanced Backup Controllerについては、『Symfoware(R) Server RDB管理者ガイド』を参照してください。
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- 各Storageサーバ(業務サーバ)の環境設定を、バックアップ管理画面にて行います。(Storageサーバの登録後、1回だけ実施してください。2回目以降は実施不要です)
「Symfowareデータベースバックアップ」の運用を行う場合は、データベースのリカバリ作業を行うために必要な「リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ」、「作業ディレクトリ」を登録します。

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- 詳細は『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「4.4.7 バックアップ運用を行うサーバの環境設定」を参照してください。
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- 業務ボリュームの運用種別設定を、バックアップ管理画面にて行います。
ダイレクトバックアップでバックアップ運用する業務ボリュームは、AdvancedCopy Manager の[デバイス情報の設定]ダイアログボックスで、「その他のボリューム」欄から「業務ボリューム(SP)」欄に移動させてください。
「Symfowareデータベースバックアップ」の運用を行う場合は、ロググループに含まれる全てのデータベーススペースが配置されている論理デバイスを“業務ボリューム”として登録する必要があります。
ロググループに含まれる論理デバイスのうち、1つでも登録から漏れるとダイレクトバックアップは、漏れたデータベーススペースをバックアップすることができず、バックアップデータのリカバリ時にリレーションの整合性が保てなくなります。

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- 詳細は『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「4.4.8 デバイスの運用種別設定」を参照してください。
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また、本設定は、swstdevinfosetコマンドでも設定することができます。
ダイレクトバックアップでバックアップ運用する業務ボリュームには、-f オプションを指定してください。

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- swstdevinfosetコマンドについての詳細は、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「10.1.1.3デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)」を参照してください。
また、swstdevinfosetコマンドを実行するサーバがクラスタ環境の場合、環境変数SWSTGNODEの設定を行う必要があります。環境変数SWSTGNODEの設定については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「10.1 バックアップ管理のコマンド」を参照してください。 |

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- 業務ボリュームとして使用するデバイスのマウントポイントには日本語のパス名を使用できません。
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- バックアップ先論理ユニットの定義を行います。

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- この作業は、「Symfowareデータベースバックアップ」の運用を行う場合のみ必要です。
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「Symfowareデータベースバックアップ」に必要な“バックアップ先論理ユニット固定化機能”の設定を行います。
この設定が行われていないデータベーススペース(業務ボリューム)を含むロググループに対してバックアップ/リストアの操作を行うと、エラーとなります。
テープライブラリへのテープの投入とテープライブラリ制御ソフトウェア(LMF Lite) への登録手順を説明します。
(本説明では、テープライブラリに対するテープライブラリ制御ソフトウェアの設定まで完了していることを前提とします。)
- LMFサーバをインストールしたホストにおいて、rootでログインします。
- lmenterコマンドを以下のように実行し、テープを投入します。
本コマンドで指定する“テープライブラリ名”、“所属クライアントグループ名”には、LMFサーバにて“lmadmin -r”コマンドを実行し、表示されたテープライブラリ名、およびテープライブラリを使用するクライアントホストに対する所属クライアントグループを指定します。
# /opt/FJSVlmf/bin/lmenter -l テープライブラリ名 -c 所属クライアントグループ名 <Return> |
- 登録作業は終了です。

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- lmenterコマンド、lmadminコマンドについては、『LMF Lite 使用手引書』の「第5章 LMFのコマンド」を参照してください。
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- ダイレクトバックアップの設定で、 “磁気情報削除済みテープのみ使用可能”を有効にしている場合、磁気情報削除済みテープしか新規登録できません。Solaris OSの mt コマンドを eraseで実行し、磁気情報を消去したテープか、テープの先頭で weof を実行し、テープの先頭にテープマークを書き込んだテープが磁気情報削除済みテープとして扱われます。ただし、erase はテープ全体の磁気情報を消去するので、時間がかかります。
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5.1.1.5 ダイレクトバックアップへのテープの登録
テープの登録は以下の手順で行います。
5.1.1.5.1 テーププールの登録
テープを登録する前に、ダイレクトバックアップに対してテープを所属させるテーププールを登録します。
テーププールの追加は以下の手順で行います。
- バックアップ管理画面のツリービューから、目的のSSF/Backup Facilityを選択します。
- SP初期画面から「テーププール」を選択します。
- マウスを右クリックし、ポップアップメニューを表示します。
- 「テーププール追加」を選択します。

- 「テーププール追加」を選択すると、下記の図のようなテーププール名を登録するダイアログボックスが開きます。

- テーププール名を指定し、[OK]ボタンをクリックします。

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- “テーププール名”として設定できる文字列は32文字以内です。また、使用できる文字は、ASCII文字コード表で定義されている文字のうちの、印刷可能文字です。
ただし、「グローバルサーバの業務データのバックアップ 」で使用する“テーププール名”として設定できる文字列は、英小文字および数字のみです。 |
テープの登録は以下の手順で行います。
- テープライブラリに投入したテープに、すでにデータを書き込んだことのある場合は、テープの初期化を行います。

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- テープの初期化手順の詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「8.3.11.2 磁気情報が消去されていないテープの登録」を参照してください。
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- テープライブラリ一覧画面を表示します。
- 一覧画面から、目的のテープライブラリを選択した状態で、右クリックし、ポップアップメニューを開き、「新規テープ登録」を選択します。
- 新規テープを登録するテーププール名を選択し、その後で投入テープ一覧から新規登録するテープを選択します。

- [OK]ボタンをクリックします。

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- バックアップポリシーの「Tape書き込み先名」で、テーププールのみを指定し、テープを指定しなかった場合は、ダイレクトバックアップが指定されたテーププールの中から使用するテープを選択します。
テープまで指定した場合は、指定されたテープの中から使用するテープが選択されます。テープまで指定している場合、指定されているテープだけでは容量が不足すると、バックアップポリシーの変更が必要になります。 |
バックアップ先としての論理ユニットを登録します。そのため、論理ユニットを登録するための論理ユニットプールの登録が必要です。
- SSF/Backup Facilityに、rootでログインします。
- ダイレクトバックアップが稼動していることを確認します。
# ps -ef | grep FJSVfbupp | grep dbud <Return> |
“/opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbud”が出力されれば、ダイレクトバックアップが稼動していることになります。
- 論理ユニットプールを登録します。
# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddpool 論理ユニットプール名 <Return> |
- バックアップ先となる論理ユニットを、論理ユニットプールに登録します。この時、その論理ユニットを保持するETERNUS ディスクアレイの名前も指定します。
# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbuaddvol <ETERNUS ディスクアレイの名前>:論理ユニット番号 論理ユニットプール名 <Return> |
- 登録した論理ユニットを確認します。
# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbugetpoolinfo -l 論理ユニットプール名 <Return> |

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- 論理ユニットプールの登録についての詳細は、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「8.3.5.2 論理ユニットプール、論理ユニットの新規登録手順」を参照してください。
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■バックアップポリシーの検討
バックアップポリシーのパラメタには以下のものがあります。業務ボリュームに設定するバックアップポリシーについて、パラメタに設定する内容の検討を行ってください。
- 前後処理の利用
- 前後処理タイムアウト時間
- バックアップエンジン
- バックアップ同期処理開始
- バックアップ先
- 実コピー待ち合わせ
- ディスク保存世代数
- ディスク保存世代超過処理
- バックアップ先ディスク
- 有効期間
- 複写数
- Tape書き込み対象
- Tape書き込み先名
- 書き込みポリシー
- 作業用論理ユニットプール
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- 各パラメタの説明および設定できる値については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「3.2 バックアップポリシーのパラメタの説明」を参照してください。
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- ダイレクトバックアップでは、バックアップポリシーを設定しないでバックアップを行うことはできません。バックアップ運用を開始する際に、必ずバックアップポリシーを設定してください。
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■バックアップポリシーの設定(論理デバイスバックアップ)
論理デバイスバックアップのバックアップポリシーの設定方法は、バックアップ管理画面を使用し、以下の手順で行います。
- 業務ボリューム一覧画面を表示します。
- バックアップポリシーを設定する業務ボリュームを選択し、左クリックすると表示されるポップアップメニューから「バックアップポリシー設定」を選択します。

- 表示されるバックアップポリシー設定ダイアログボックスから各バックアップポリシーを設定します。

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- 論理デバイスバックアップでは、業務ボリュームに対するバックアップポリシーの設定を、AdvancedCopy Managerの swstbkpolsetコマンドで行うことはできません。
- Symfowareデータベースのバックアップの時は、ロググループ単位の設定となります。ロググループに含まれる業務ボリュームを選択すると、ロググループに含まれるすべての業務ボリュームが反転表示されロググループが選択されます。
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■バックアップポリシーの設定(論理ユニットバックアップ)
論理ユニットバックアップのバックアップポリシーの設定方法は、論理デバイスバックアップとは異なり、以下の手順で行います。
- SSF/Backup Facilityのコンソールにおいて、rootでログインします。
- 設定するバックアップポリシーの内容を各オプションに指定して、lusetpolicyコマンドを実行します。
設定したバックアップポリシーの内容は、lugetpolicyコマンドで参照できます。設定されている内容に不備がある場合は、lusetpolicyコマンドを利用して再設定してください。

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- lusetpolicyコマンドおよびlugetpolicyコマンドの詳細説明は、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第15章 論理ユニットバックアップのためのコマンド」を参照してください。
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- 論理ユニットバックアップでは、バックアップポリシーの設定をバックアップ管理画面から設定することはできません。
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SSF/Backup Facilityと接続されているディスクアレイ装置がETERNUS3000、ETERNUS4000の場合で、以下の状態が発生した場合、ETERNUS ディスクアレイの情報取得を行う必要があります。
- ETERNUS ディスクアレイの初期導入時
- ETERNUS ディスクアレイの RAID構成を変更する時
- 新しいETERNUS ディスクアレイを追加する時
- ETERNUS ディスクアレイを担当(制御)するSSF/Backup Facilityを変更する時 (SSF/Backup Facilityの複数稼働時)

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- SSF/Backup FacilityとETERNUS ディスクアレイが LAN に接続されており、かつ、SSF/Backup FacilityとETERNUS ディスクアレイがFC接続されている必要があります。
- SSF/Backup Facility、ダイレクトバックアップサーバおよび、ETERNUS ディスクアレイが起動している必要があります。
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以下の手順は、ダイレクトバックアップによるテープへのバックアップ/リストアなどの処理が行われていない時に実施してください。
- SSF/Backup Facilityに、rootでログインします。

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- SSF/Backup Facilityの複数稼働している場合は、情報取得を行うETERNUS ディスクアレイを担当(制御)するSSF/Backup Facility上で操作を行ってください。
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- 環境設定を行ったETERNUS ディスクアレイの情報を取得します。
# /opt/FJSVsputl/bin/dbu_get_oluinfo -l GRIPAddress <Return> |
GRIPAddress は、環境設定を行った当該 ETERNUS ディスクアレイのIPアドレスです。
- GRマルチパスドライバへ情報を読み込ませます。

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- SSF/Backup Facilityの複数稼働している場合は、そのSSF/Backup Facilityが担当(制御する)のETERNUS ディスクアレイのIPアドレスのみ指定してください。
- クラスタ構成の場合、以下の手順で設定を行ってください。
- プライマリノードで上記の操作を行う。
- PRIMECLUSTER で、運用ノードの切り替えを行う。
- セカンダリノードで上記の操作を行う。
- PRIMECLUSTERで、運用ノードの切戻しを行う。
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5.1.1.9 ダイレクトバックアップサーバの環境設定
バックアップポリシーのパラメタに設定する内容によっては、ダイレクトバックアップサーバの環境設定が必要となります。例えば、バックアップする論理ユニットごとにテーププールを分けるようなバックアップ運用を行う際には、論理ユニット数だけのテーププールを定義しなければなりません。
検討したバックアップポリシーの内容にしたがって、ダイレクトバックアップサーバの環境設定を確認し、その環境で足りないものがある場合は環境設定を行ってください。

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- ダイレクトバックアップサーバの環境設定については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第8章 ダイレクトバックアップの環境設定」を参照してください。
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5.1.2 運用の開始
5.1.2.1 論理デバイスバックアップの場合
5.1.2.1.1 バックアップ/リストア運用
論理デバイスバックアップの運用は、Web画面から行う方法と、コマンドで行う方法の二種類があります。
◆Web画面を使用した運用
Web画面からのバックアップ/リストアは、バックアップ管理画面から行います。

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- 論理デバイスバックアップのバックアップ管理画面を使用した操作の詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第9章 論理デバイスバックアップの運用操作」、「第11章 Symfowareデータベースのバックアップ運用操作」を参照してください。
- バックアップ管理画面の各画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第19章 バックアップ管理画面」を参照してください。
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◆コマンドを使用した運用
論理デバイスバックアップの運用はコマンドで行うことも可能です。ただし、バックアップポリシーの設定はできませんので、バックアップ管理画面から設定してください。
論理デバイスバックアップのコマンドは、SSF/Backup Facility上で実行するものと、業務サーバ上で実行するものがあります。

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- クラスタ環境で論理デバイスバックアップのコマンドを実行する場合、当該コマンドを実行するサーバにログインしたときに環境変数SWSTGNODEの設定を行ってから実行してください。shの場合、環境変数の設定方法は以下のとおりです。
業務サーバ(UNIX)の場合:
# SWSTGNODE=当該業務サーバの論理ノード名
# export SWSTGNODE
SSF/Backup Facilityの場合:
# SWSTGNODE= SSF/Backup Facilityの引継ぎノード名
# export SWSTGNODE
また、業務サーバ(Windows)の場合の環境変数の設定方法は以下のとおりです。
set SWSTGNODE=当該業務サーバの論理ノード名 |
[論理デバイスバックアップのコマンド(SSF/Backup Facility上で実行するコマンド)]
機能 |
ダイレクトバックアップの
コマンド |
AdvancedCopy Manager の
コマンド (※1) |
バックアップ同期処理の開始 |
dbustartsync |
swststartsync |
バックアップ同期処理の実行状況の参照 |
dbusyncstat |
− |
バックアップ同期処理のキャンセル |
dbucancelsync |
swstcancelsync |
バックアップの実行 |
dbubackup |
swstbackup |
バックアップ履歴情報の参照 |
dbuhistdisp |
− |
リストアの実行 |
− |
swstrestore |
バックアップデータの削除 |
dbuhistdel |
swsthistdel |
バックアップデータのコピー |
dbuhistcopy |
− |
※1: |
SSF/Backup FacilityがStorage管理サーバの場合のみ実行可能です。
その際 −hオプションで、業務サーバ名を指定する必要があります。 |
[論理デバイスバックアップのコマンド(業務サーバ上で実行するコマンド)]
機能 |
ダイレクトバックアップの
コマンド |
AdvancedCopy Manager の
コマンド |
バックアップ同期処理の開始 |
spcntl dbustartsync |
swststartsync |
バックアップ同期処理の実行状況の参照 |
spcntl dbusyncstat |
− |
バックアップ同期処理のキャンセル |
spcntl dbucancelsync |
swstcancelsync |
バックアップの実行 |
spcntl dbubackup |
swstbackup |
バックアップ履歴情報の参照 |
spcntl dbuhistdisp |
− |
リストアの実行 (業務ボリューム単位) |
− |
swstrestore |
リストアの実行 (ファイル単位) |
sprestfile (※2) |
− |
バックアップデータの削除 |
spcntl dbuhistdel |
swsthistdel |
バックアップデータのコピー |
spcntl dbuhistcopy |
− |
※2: |
業務サーバのプラットフォームが HP-UX, Linux および Windows Server 2003 の場合、サポートされていません。 |

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- spcntlコマンドは、オペランドに指定した機能名を実行するコマンドです。
またspcntlコマンドを実行する場合は、業務サーバ上にパッケージをインストールしておく必要があります。 |

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- 論理デバイスバックアップのコマンドを使用した操作の詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第9章 論理デバイスバックアップの運用操作」、「第11章 Symfowareデータベースのバックアップ運用操作」および、「第14章 論理デバイスバックアップおよびSymfowareデータベースのバックアップのためのコマンド」を参照してください。
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5.1.2.1.2 バックアップの自動化
dbubackupコマンドを使用したシェルスクリプトを作成することで、バックアップのバッチ処理が可能です。ただし、以下のことを考慮してシェルスクリプトを作成してください。
- バックアップポリシーの「バックアップエンジン」が“OPC”の時、dbubackupコマンドが復帰した後、同一の業務ボリュームに対してすぐに2回目のバックアップを実施すると、2回目のバックアップは失敗します。1回目のバックアップの実コピーが続いているためです。
1回目のバックアップの実コピーが終了したことを確認した上で、次のバックアップを実施するようにしてください。バックアップ時の実コピー実行状況は、dbuhistdispコマンドで確認することができます。
- バックアップポリシーの「バックアップエンジン」が“EC”もしくは、“EC (SUSPEND)”の時、dbubackupコマンドを投入する前に、バックアップ同期処理を行い等価性維持状態にしておく必要があります。
バックアップ同期処理の実行状況を確認し、等価性維持状態になった上で、バックアップを実施するようにしてください。バックアップ同期処理の実行状況は、dbusyncstatコマンドで確認することができます。
- Symfowareデータベースのバックアップの時は、「ディスク保存世代超過処理」機能を使用できないため、バックアップポリシーの「バックアップ先」を"ディスク"または"両方"に設定してバックアップ運用を行っていると、バックアップデータがディスクに採取され続けます。これにより、論理ユニットの領域が不足してしまい、バックアップが行えなくなります。必要に応じてディスクに存在するバックアップデータの削除を行ってください。
5.1.2.1.3 バックアップ状況の監視
バックアップを開始した後、バックアップ管理画面またはdbuhistdispコマンドを使用してバックアップ状況を監視できます。
■バックアップ管理画面で監視する場合
バックアップ管理画面を使用する場合は、業務ボリューム実行履歴画面、SP実行履歴画面またはバックアップ確認ダイアログボックスで状況を監視できます。
◆業務ボリューム実行履歴画面
- 業務ボリューム一覧画面で、状況を監視する業務ボリュームを選択し、右クリックします。
- 表示されるメニューから「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、業務ボリューム実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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- 業務ボリューム一覧画面、業務ボリューム実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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◆SP実行履歴画面
- SP初期画面を表示します。
- メニューバーにある「保守」のうちの「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、SP実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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- SP初期画面、SP実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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◆バックアップ確認ダイアログボックス
バックアップ管理画面からバックアップを実行した場合、バックアップ実行時に表示されていたバックアップ確認ダイアログボックスを利用してバックアップの処理状況を把握することができます。バックアップ確認ダイアログボックスの [詳細>>] ボタンをクリックすると、下記の図のような画面になり、処理状況が表示されます。この画面は、数秒ごとに最新の情報に更新されます。

■コマンドで監視する場合
コマンドで監視する場合、業務サーバで実行する場合とSSF/Backup Facilityで実行する場合でコマンドが異なります。
◆業務サーバの場合
spcntl dbuhistdispコマンドを投入してください。

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# spcntl dbuhistdisp
[uva2]
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d0s0 Mount-Point = /job0
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 4 2002/07/31 15:40 disk/---- executing 6%
[uva]
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d1s0 Mount-Point = /job1
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 7 2002/07/29 12:03 ----/tape ---- ----
[ceylon]
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d2s0 Mount-Point = /job1
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 2 2002/07/31 13:26 disk/---- executing 87%
# spcntl dbuhistdisp /dev/dsk/c0t0d0s0
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d0s0 Mount-Point = /job0
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 10 2002/07/31 15:00 disk/---- executing 50% |
◆SSF/Backup Facilityの場合
-h オプションで業務サーバ名を指定してdbuhistdispコマンドを投入してください。

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# dbuhistdisp -h Svr1
[uva2]
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d0s0 Mount-Point = /job0
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 4 2002/07/31 15:40 disk/---- executing 6%
[uva]
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d1s0 Mount-Point = /job1
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 7 2002/07/29 12:03 ----/tape ---- ----
[ceylon]
Server = Svr1 Device = /dev/dsk/c0t0d2s0 Mount-Point = /job1
Gen Ver BackupDate BackupDevice EC/OPCstatus EC/OPCexecute
1 2 2002/07/31 13:26 disk/---- executing 87%
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5.1.2.1.4 リストア状況の監視
リストアを開始した後、バックアップ管理画面でリストア状況を監視できます。ただし、リストアした先がバックアップ元の業務ボリュームか一時利用ボリュームで、監視できる方法が異なります。
■バックアップ元にリストア
バックアップ元の業務ボリュームにリストアを開始した後、バックアップ管理画面から業務ボリューム実行履歴画面、SP実行履歴画面またはリストア確認ダイアログボックスを使用してリストア状況を監視できます。
◆業務ボリューム実行履歴画面
- 業務ボリューム一覧画面にて、リストア先に指定した業務ボリュームを選択し右クリックします。
- 表示されるメニューのうちの「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、業務ボリューム実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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- 業務ボリューム一覧画面、業務ボリューム実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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◆SP実行履歴画面
- SP初期画面を表示します。
- メニューバーにある「保守」のうちの「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、SP実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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|
- SP初期画面、SP実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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◆リストア確認ダイアログボックス
バックアップ管理画面からリストアを実行した場合、リストア実行時に表示されていたリストア確認ダイアログボックスを利用してリストアの処理状況を把握することができます。リストア確認ダイアログボックスの [詳細>>] ボタンをクリックすると、下記の図のような画面になり、処理状況が表示されます。この画面は、数秒ごとに自動的に最新の情報に更新されます。

■一時利用ボリュームにリストア
一時利用ボリュームにリストアを開始した後、バックアップ管理画面からSP実行履歴画面またはリストア確認ダイアログボックスを使用してリストア状況を監視できます。
◆SP実行履歴画面
- SP初期画面を表示します。
- メニューバーにある「保守」のうちの「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、SP実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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- SP初期画面、SP実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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◆リストア確認ダイアログボックス
バックアップ管理画面からリストアを実行した場合、リストア実行時に表示されていたリストア確認ダイアログボックスを利用してリストアの処理状況を把握することができます。リストア確認ダイアログボックスの [詳細>>] ボタンをクリックすると、下記の図のような画面になり、処理状況が表示されます。この画面は、数秒ごとに自動的に最新の情報に更新されます。

5.1.2.2 論理ユニットバックアップの場合
5.1.2.2.1 バックアップ/リストア運用
論理ユニットバックアップの運用は、コマンドで行う方法があります。
論理ユニットバックアップのコマンドは、SSF/Backup Facility上で実行します。
機能 |
コマンド |
バックアップ同期処理の開始 |
lustartec |
バックアップ同期処理の実行状況の参照 |
luecstat |
バックアップ同期処理のキャンセル |
lucancelec |
バックアップの実行 |
lubackup |
バックアップ履歴情報の参照 |
lugethist |
リストアの実行 |
lurestore |
バックアップデータの削除 |
ludelhist |
バックアップデータのコピー |
luhistcopy |
バックアップポリシーの設定 |
lusetpolicy |
バックアップポリシーの参照 |
lugetpolicy |
バックアップポリシーの削除 |
ludelpolicy |

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- 論理ユニットバックアップのコマンドを使用した操作の詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」および、「第15章 論理ユニットバックアップのためのコマンド」を参照してください。
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5.1.2.2.2 バックアップの自動化
lubackupコマンドを使用したシェルスクリプトを作成することで、バックアップのバッチ処理が可能です。ただし、以下のことを考慮してシェルスクリプトを作成してください。
- バックアップポリシーの「バックアップエンジン」が“OPC”の時、lubackupコマンドが復帰した後、同一の論理ユニットに対してすぐに2回目のバックアップを実施すると、2回目のバックアップは失敗します。1回目のバックアップの実コピーが続いているためです。
1回目のバックアップの実コピーが終了した後、次のバックアップを実施するようにしてください。
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- lubackupコマンドの実コピー実行状況を取得するコマンドはありません。
同一の論理ユニットを連続してバックアップを実施する場合は、充分な時間間隔をあけて実施するようにしてください。 |
- バックアップポリシーの「バックアップエンジン」が“EC”もしくは、“EC (SUSPEND)”の時、lubackupコマンドを投入する前に、バックアップ同期処理を行い等価性維持状態にしておく必要があります。
バックアップ同期処理の実行状況を確認し、等価性維持状態になった上で、バックアップを実施するようにしてください。バックアップ同期処理の実行状況は、luecstatコマンドで確認することができます。
5.1.2.2.3 バックアップ状況の監視
バックアップを開始した後、バックアップ管理画面からSP実行履歴画面を使用してバックアップ状況を監視できます。
■SP実行履歴画面
- SP初期画面を表示します。
- メニューバーにある「保守」のうちの「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、SP実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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- SP初期画面、SP実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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5.1.2.2.4 リストア状況の監視
リストアを開始した後、バックアップ管理画面からSP実行履歴画面を使用してリストア状況を監視できます。
■SP実行履歴画面
- SP初期画面を表示します。
- メニューバーにある「保守」のうちの「実行履歴」をクリックします。
この操作を行うと、SP実行履歴画面が表示されます。この画面内の[状況]ならびに[進捗率]を参照してください。この画面は再読込み操作を行うことで最新の情報に更新することができます。


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- SP初期画面、SP実行履歴画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
|
5.1.2.3 バックアップ/リストア運用上の考慮点
各バックアップ方法の考慮点を説明します。
5.1.2.3.1 論理デバイスバックアップ
論理デバイスバックアップは、業務サーバから更新中の業務ボリュームのバックアップを避けるために、業務サーバ上のAdvancedCopy Managerのエージェントに対しバックアップ前後処理スクリプトを使用してアンマウント/マウント処理などを行う必要があります。
バックアップ環境にあわせて、バックアップ前後処理スクリプトを変更した上、バックアップポリシー「前後処理の利用」を“利用する”に設定してバックアップを実施してください。

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|
- スクリプトの作成方法については、バックアップ運用を行うサーバのプラットフォームに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
- バックアップポリシーのパラメタについては、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「3.2 バックアップポリシーのパラメタの説明」を参照してください。
|
前後処理を行うようにバックアップポリシーを設定してバックアップを実行したにも関わらず、業務サーバが停止していた場合、下図のようにバックアップ履歴一覧画面のサーバ連携には「失敗」と表示されます。

バックアップ履歴一覧画面のサーバ連携に「失敗」と表示された場合は、バックアップが実行された時間に業務サーバが停止していたか確認してください。業務サーバが停止していなかった場合は、業務ボリュームにアクセスされている状態でバックアップされている可能性があります。必要に応じ、バックアップをやり直してください。
業務サーバが停止している時間帯にバックアップを行う場合は、バックアップポリシーで前後処理を行わない設定をしてください。
5.1.2.3.2 論理ユニットバックアップ
論理ユニットバックアップでは、業務サーバの状態に関係なくバックアップ/リストアを行います。バックアップ/リストアを実行する際は、業務サーバが停止していることを確認してください。

|
|
- 論理ユニット単位のリストアを実施する場合、リストア先の論理ユニットに含まれる業務ボリュームを、業務サーバからマウントしたままリストアを実施すると、リストアしたファイルが業務サーバのファイルシステムから認識されなくなる場合があります。
論理ユニット単位のリストアを実施する際は、対象業務ボリュームを業務サーバからアンマウントした上で、リストア操作を実施してください。 |
また、バックアップ/リストア対象の指定は、ETERNUS ディスクアレイ内の論理ユニット名です。論理ユニット名からはどの業務サーバのボリュームか識別できないため、指定の際には注意してください。
“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”では、テンポラリ論理ユニットを使用しないでバックアップを行います。

|
|
- Symfowareデータベースのバックアップ運用では、“論理ユニットプールを使用しないテープへのバックアップ”機能は利用できません。
|
バックアップポリシーの値を下記のように設定し、バックアップしてください。
■論理デバイスバックアップ
Webブラウザを使用して設定します。バックアップポリシー設定画面において、「バックアップエンジン」を“未使用”に、「バックアップ先」を“テープ”に設定してください。
下記の図に例を示します。

■論理ユニットバックアップ
lusetpolicyコマンドを使用して設定します。“-N”オプションを指定して「バックアップエンジン」を“未使用”に、“-m TAPE” オプションを指定して「バックアップ先」を“テープ”に設定してください。
以下に例を示します。(この例のとおり設定すると、「バックアップエンジン」と「バックアップ先」以外のパラメタはデフォルトの値になります。)

|
|
#lusetpolicy -m TAPE -N GR02:OLU0005
lusetpolicy completed
# |
5.1.2.3.4 Symfowareデータベースのバックアップ
■業務サーバとの連携
Symfowareデータベースのロググループに対するバックアップ/リカバリでは、ファイルシステムのバックアップ/リストアと異なり、AdvancedCopy Managerが提供する前処理スクリプト/後処理スクリプトは実行されず、Symfowareによる前処理/後処理が実行されます。この前処理/後処理で、リカバリ制御ファイルデータの作成およびアーカイブログ適用が行われます。
よって、Symfowareデータベースのバックアップ/リカバリでは業務サーバとの連携が必須となります。業務サーバが停止している時にバックアップ/リカバリを行うと、バックアップ/リカバリが失敗します。
このため、Symfowareデータベースをバックアップ/リカバリを実施する前に以下のことを確認してください。
- 業務サーバが稼動していることを確認してください。
- 業務サーバに搭載された Symfoware/RDB が稼動していることを確認してください。

|
|
- Symfowareデータベースバックアップでは、バックアップポリシー設定時に、バックアップポリシー「前後処理の利用」に“設定しない”を選択することはできません。
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|
- 業務サーバで、rdbinfコマンドを投入することにより、Symfoware/RDBが稼動しているかを確認することができます。詳細については、マニュアル『Symfoware(R) Server RDBコマンドリファレンス』を参照してください。
- Symfowareデータベースのバックアップ/リカバリについては、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第11章 Symfowareデータベースのバックアップ運用操作」を参照してください。
|
Symfowareデータベースの異常時に備えバックアップを行う必要のあるデータと、ダイレクトバックアップでバックアップを行うデータの関係を以下に示します。
ダイレクトバックアップでバックアップ対象以外のデータは必要に応じ、バックアップ運用の開始前にユーザがバックアップを行う必要があります。
異常時に備えバックアップを行う必要のあるデータ |
ダイレクトバックアップでのバックアップ対象のデータ |
RDBディクショナリ |
− |
ボリュームの構成情報 (VTOC情報等) |
− |
アーカイブログ |
− |
DSI |
− |
データベーススペース(業務ボリューム) |
○ |
リカバリ制御ファイル |
○ |
【凡例】○ : 対象 − : 対象外

|
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- ダイレクトバックアップでバックアップを行うデータ以外のデータをバックアップする契機およびバックアップ方法については、『Symfoware(R) Server RDB運用ガイド』の「4.4 異常時に備えたデータのバックアップ」および「4.4.11 アーカイブログのバックアップ」を参照してください。
|
5.1.2.3.5 Oracleデータベースのバックアップ
Oracleデータベースの各表領域は、業務ボリュームとして扱います。そのため、バックアップ運用は、論理デバイスバックアップと同じです。
5.1.2.3.6 ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップ
“ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップ”によって、ECの等価性維持状態までの時間(EC開始からバックアップが可能となるまでの時間)を短縮することができます。
バックアップポリシーの値を下記のように設定することにより、“ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップ”が使用できる状態となります。
■論理デバイスバックアップ
Webブラウザを使用して設定します。バックアップポリシー設定画面において、「バックアップエンジン」を“EC (SUSPEND)”に設定してください。
下記の図に例を示します。

■論理ユニットバックアップ
lusetpolicyコマンドを使用して設定します。“-e”オプションのサブオプションとして、“-s”オプションを指定して「バックアップエンジン」を“EC (SUSPEND)”に設定してください。
以下に例を示します。(この例のとおり設定すると、「バックアップエンジン」と「ディスク保存世代超過処理」以外のパラメタはデフォルトの値になります。)

|
|
#lusetpolicy -e -s -m DISK GR02:OLU0005
lusetpolicy completed
# |
■ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップの注意事項
◆バックアップ同期処理開始の契機
バックアップ同期処理開始の契機は、バックアップポリシー「バックアップ同期処理開始」のパラメタによって違います。
バックアップポリシー「バックアップ同期処理開始」に“手動”が設定されている場合は、バックアップ管理画面もしくは、コマンドを利用して「バックアップ同期処理の開始」の操作を行うことを契機にバックアップ同期処理が開始されます。
バックアップポリシー「バックアップ同期処理開始」に“自動”が設定されている場合は、バックアップポリシーの設定/変更を契機にバックアップ同期処理が開始されます。

|
|
- バックアップポリシーについては、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第3章 バックアップポリシー」を参照してください。
- 「バックアップ同期処理の開始」の操作については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「9.2.1 バックアップ同期処理の開始」、「10.2.1 バックアップ同期処理の開始」または、「11.3.1 バックアップ同期処理の開始」を参照してください。
|
◆設定できないバックアップポリシー
バックアップポリシー「バックアップエンジン」が “EC (SUSPEND)”に設定されているとき、以下のバックアップポリシーは設定できません。
- バックアップポリシー「バックアップ先」に“両方”
- バックアップポリシー「ディスク保存世代超過処理」に“最古世代をテープに退避”
上記のパラメタが必要な場合は、以下に示す操作に代替して運用してください。
- 「バックアップ先」が “両方”のバックアップの代替手順
- バックアップポリシー「バックアップ先」を“ディスク”に設定してバックアップを実施します。
- バックアップが終了したら、「バックアップデータのテープへのコピー」の操作を行い、バックアップデータをテープへコピーします。
- 「ディスク保存世代超過処理」に“最古世代をテープに退避”のバックアップの代替手順
- バックアップ実施前にディスク内の最古世代のバックアップデータを「バックアップデータのテープへのコピー」の操作を行い、テープへコピーします。
- バックアップポリシー「ディスク保存世代超過処理」を“最古世代を削除”に設定してバックアップを実施します。

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|
- バックアップポリシーについては、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第3章 バックアップポリシー」を参照してください。
- 「バックアップデータのテープへのコピー」の操作については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「9.9 バックアップデータのテープへのコピー」、「10.8 バックアップデータのテープへのコピー」または、「11.9 バックアップデータのテープへのコピー」を参照してください。
|
◆バックアップ同期処理の多重数
同一の業務ボリューム(論理ユニット)に対するバックアップ同期処理の多重数には、ハード上、ETERNUS4000, ETERNUS6000, ETERNUS8000の場合は最大32多重、ETERNUS3000, ETERNUS GR seriesの場合は最大8多重の制限があります。
また、次回のバックアップのために等価性維持状態のバックアップ同期処理が必要なため、“一時中断(suspend)”の状態にできるバックアップ同期処理はこれら最大多重数より1少ない値(例えばETERNUS3000, ETERNUS GR seriesの場合は最大“7”)となります。
よって、“ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップ”を利用する場合、バックアップポリシー「ディスク保存世代数」に設定する値は、ETERNUS4000, ETERNUS6000, ETERNUS8000の場合は“31”以下、ETERNUS3000, ETERNUS GR seriesの場合は“7”以下としてください。
◆ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップの運用停止
“ECのSuspend/Resumeを使用したバックアップ”の運用を停止するには、バックアップポリシー「バックアップエンジン」を“EC (SUSPEND)”以外に設定します。
この時、等価性維持状態、一時中断(suspend)状態のボリュームは以下の動作を行います。
変更後のポリシー |
ボリュームの動作 |
「バックアップエンジン」 |
“等価性維持状態”のボリューム |
“一時中断(suspend)状態”のボリューム |
OPC |
バックアップ同期処理をキャンセル |
バックアップ同期処理をすべてキャンセル |
EC (「バックアップ同期処理開始」が“手動”の時) |
バックアップ同期処理をキャンセル |
バックアップ同期処理をすべてキャンセル |
EC (「バックアップ同期処理開始」が“自動”の時) |
バックアップ同期処理を継続 |
バックアップ同期処理をすべてキャンセル後、バックアップ同期処理を開始 (※1) |
未使用 |
バックアップ同期処理をキャンセル |
バックアップ同期処理をすべてキャンセル |
※1:既に“等価性維持状態”、“バックアップ同期処理中”のボリュームがある場合、バックアップ同期処理を開始しません。
5.1.2.3.7 QuickOPCを使用したバックアップ
"QuickOPCを使用したバックアップ"によって、前回の物理コピー時点からの差分データのみをコピーするため、物理コピー時間を大幅に短縮することができます。
■バックアップ実行
差分スナップショット型高速バックアップはバックアップ実行コマンド(swstbackup)に-Tオプションを指定することにより行います。
-Tオプションを指定してバックアップ実行コマンドを実行すると、QuickOPCが起動されます。QuickOPCが起動されると物理コピー、およびトラッキング処理が起動され、物理コピーが完了するとトラッキング処理のみが動作している状態となります。その後、-Tオプションを指定してバックアッ プ実行コマンドを実行すると、前回OPC起動時点からの差分データのみが物理コピーされます。

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- QuickOPCを利用したバックアップ運用は、Web画面からは実行できません。バックアップ実行コマンド(swstbackup)に-Tオプションを指定して実行してください。
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|
- QuickOPC機能によるバックアップ運用については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「第7章 QuickOPC機能によるバックアップ運用」を参照してください。
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グローバルサーバの業務データのバックアップ運用では、Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文によってバックアップ運用操作を行います。ただし、一部の機能については、SSF/Backup Facility 上から実行可能です。
機能 |
Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文による操作 |
ダイレクトバックアップのCUI操作による実行(※1) |
ダイレクトバックアップのGUI操作による実行 |
バックアップの実行 |
〇 |
× |
× |
バックアップ処理状況の参照 |
〇 |
× |
〇 |
バックアップ処理のキャンセル |
〇 |
× |
〇 |
バックアップ履歴情報の参照 |
〇 |
〇 |
〇 |
リストアの実行 |
〇 |
〇 |
× |
リストア処理状況の参照 |
〇 |
× |
〇 |
リストア処理のキャンセル |
〇 |
× |
〇 |
バックアップデータの削除 |
〇 |
× |
× |
バックアップポリシーの設定 |
〇 |
× |
× |
バックアップポリシーの参照 |
〇 |
× |
× |
バックアップポリシーの削除 |
〇 |
× |
× |
〇:実行可能、×:実行不可
※1:グローバルサーバが停止時に実行してください。

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|
- Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文による操作については、『OSIV Systemwalker StorageMGR GR/CF使用手引書』を参照してください。
- ダイレクトバックアップのCUI/GUI操作による実行については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「付録D グローバルサーバの業務データのバックアップ運用操作」および「第19章 バックアップ管理画面」を参照してください。
|
5.1.3 ダイレクトバックアップの異常の監視
ダイレクトバックアップの異常の監視は、Systemwalker Centric Managerで行ってください。
5.1.4 論理ユニットの追加/削除
5.1.4.1 論理ユニットの追加
現在のバックアップ論理ユニットに、新たな論理ユニットを追加することができます。
以下の手順は、追加する論理ユニットをETERNUSmgrで作成した後に行ってください。
- viエディタなどで、/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.confファイルに、追加する論理ユニットを定義します。

|
|
# vi /sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
GR(GR002){
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
}
↓
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
GR(GR002){
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
1 300 2 ←追加
} |
- chkluinfoコマンドを実行します。

|
|
# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo
# |
5.1.4.2 論理ユニットの削除
論理ユニットの削除は以下の手順で行います。
- 削除対象となる論理ユニットがバックアップ履歴をもっている場合、そのバックアップ履歴をすべて削除してください。ディスク領域一覧画面で、各論理ユニットがバックアップ履歴をもっているか確認できます。
- 論理ユニットプールから対象の論理ユニットを削除します。論理ユニットは、dbudelvol コマンドを使用して削除します。

|
|
- ディスクアレイ装置名(GR01) にある論理ユニットプール (LU_pool) から論理ユニット (OLU0001) を削除する場合
# /opt/FJSVfbupp/usr/bin/dbudelvol GR01:OLU0001 LU_pool |

|
|
- dbudelvol コマンドの詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第17章 バックアップ運用のためのコマンド」の「dbudelvol (論理ユニットプールから論理ユニットの削除) 」を参照してください。
|
- viエディタなどで、/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.confファイルから、論理ユニットの定義を削除します。

|
|
# vi /sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
GR(GR002){
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
1 300 2 ←削除
}
↓
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
GR(GR002){
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
} |
- chkluinfoコマンドを実行します。

|
|
# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo
# |
5.1.5 ETERNUS ディスクアレイの追加/削除
5.1.5.1 ETERNUS ディスクアレイの追加
現在のETERNUS ディスクアレイ環境に、新たなETERNUS ディスクアレイを追加することができます。以下の手順は、追加するETERNUS ディスクアレイの導入作業が終了した後に行ってください。
- viエディタなどで、/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.confファイルに、追加したETERNUS ディスクアレイとその論理ユニットを定義します。
- ファイルの内容を確認します。
このファイルには、現在運用中のETERNUS ディスクアレイが定義されています。以下の例は、1台で運用しているときの内容です。

|
|
# vi /sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
} |
- 追加するETERNUS ディスクアレイを定義します。もう1台のETERNUS ディスクアレイの追加する例を以下に示します。

|
|
# vi /sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
↓
GR(GR001){
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
GR(GR002){ ←この行以降を追加
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
} |
- viエディタなどで、/sp/uty/conf/diskadm/devpath.confファイルに、追加したETERNUS ディスクアレイへアクセスパスを定義します。詳細は『SSF/Backup Facility 導入手引書』の「4.6.4 アクセスパスの設定」または、「5.10.4 アクセスパスの設定」を参照してください。
- viエディタなどで、/sp/dbu/adm/setup/GRinfo.dbに、ディスクアレイ装置名を定義します。詳細は『SSF/Backup Facility 導入手引書』の「4.6.5 ディスクアレイ装置名の設定(手動)」または、「5.15 ディスクアレイ装置名の設定(手動)」を参照してください。
- chkluinfoコマンドを実行します。

|
|
# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo
# |
- AdvancedCopy Managerの[サーバ一覧]画面を開いて、追加するETERNUS ディスクアレイを管理するSSF/Backup Facilityを選択し、右クリックして、[サーバの変更] ダイアログボックスを開きます。ここで[OK]ボタンを押してください。
この後、「論理ユニットプールの登録」にそって、追加したETERNUS ディスクアレイ上に論理ユニットプールを作成し、そのETERNUS ディスクアレイ上の論理ユニットを論理ユニットプールへ登録してください。
また、追加したディスクアレイ装置が ETERNUS3000、ETERNUS4000の場合は、「ETERNUS ディスクアレイの情報取得」の操作を行う必要があります。
5.1.5.2 ETERNUS ディスクアレイの削除
ここでは、ETERNUS ディスクアレイとそれがもつ論理ユニットを削除する手順を説明します。ただし、削除対象となるETERNUS ディスクアレイがもつすべての論理ユニットを削除する必要があります。
- 削除対象となるETERNUS ディスクアレイに、論理デバイスバックアップの業務ボリュームが登録されている場合や、論理ユニットバックアップのバックアップポリシーが設定されている場合は以下の手順ですべて削除してください。
- 論理デバイスバックアップの業務ボリュームが登録されている場合
- 削除対象となるETERNUS ディスクアレイにバックアップ履歴をもっている場合、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「9.6 バックアップデータの削除」、または「11.6 バックアップデータの削除」を参照して、そのバックアップ履歴をすべて削除してください。
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「13.1 論理デバイスバックアップの運用停止」を参照して、業務ボリュームとしての登録の削除を行ってください。
- 『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書』の「1.2.9 デバイス情報の削除方法」を参照して、業務サーバ上の論理デバイス情報をAdvancedCopy Managerから削除してください。
- 論理ユニットバックアップのバックアップポリシー設定がある場合
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「15.3 lugethist(履歴情報の表示)」を参照して、論理ユニットバックアップデータの履歴情報をすべて表示します。
- 表示された履歴情報の中に、削除対象となるETERNUS ディスクアレイの名前のついた履歴情報がある場合、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「15.4 ludelhist(履歴情報の削除)」を参照して、すべて削除します。
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「15.6 lugetpolicy(バックアップポリシーの表示)」を参照して、論理ユニットに設定されているバックアップポリシーをすべて表示します。
- 表示されたバックアップポリシーの中の、削除対象となるETERNUS ディスクアレイの名前のついた論理ユニットを、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「15.7 ludelpolicy(バックアップポリシーの削除)」を参照して、すべて削除します。
- viエディタなどで、/sp/uty/conf/diskadm/luinfo.confファイルから、削除対象のETERNUS ディスクアレイとその論理ユニットを削除します。

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|
# vi /sp/uty/conf/diskadm/luinfo.conf
GR (GR001) {
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
}
GR (GR002) { ←この行以降を削除
1 1 2
1 2 2
1 ab 1
}
↓
GR (GR001) {
1 0 2
1 1 2
1 aa 1
} |
- viエディタなどで、/sp/uty/conf/diskadm/devpath.confファイルから、削除対象のETERNUS ディスクアレイへのアクセスパスが記述されている行を削除します。詳細は『SSF/Backup Facility 導入手引書』の「4.6.4 アクセスパスの設定」または、「5.10.4 アクセスパスの設定」を参照してください。
- viエディタなどで、/sp/dbu/adm/setup/GRinfo.dbから、削除対象のディスクアレイ装置名が記述されている行を削除します。
- chkluinfoコマンドを実行します。

|
|
# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo
# |
- AdvancedCopy Managerの[サーバ一覧]画面を開いて、ETERNUS ディスクアレイを管理するSSF/Backup Facilityを選択し、右クリックして、[サーバの変更]ダイアログボックスを開きます。
ここで[OK]ボタンを押してください。
- chkluinfoコマンドを再度実行します。

|
|
# /opt/FJSVsputl/bin/chkluinfo
# |

|
|
ETERNUS ディスクアレイにまだ業務ボリュームが登録されている場合、AdvancedCopy Managerのエラーが発生します。この場合、以下の手順を実施してください。
- 『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「13.1 論理デバイスバックアップの運用停止」、または「13.3 Symfowareデータベースのバックアップ運用停止」を参照して、業務ボリュームを登録削除してください。
- 『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書』の「1.2.9 デバイス情報の削除方法」を参照して、業務サーバ上の論理デバイス情報を削除してください。
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ダイレクトバックアップでは、バックアップデータを退避したテープをテープライブラリの外へ排出して保管することができます。
排出したテープに退避されているバックアップデータの管理情報は、テープライブラリの中にある場合と同様に参照することが可能で、バックアップデータの削除も排出した状態のまま行うことが可能です。ただし、テープライブラリの外へ排出されたテープは以下の制約を受けます。
- 退避されているバックアップデータをリストアする場合、テープライブラリに投入しなければなりません。
- テープライブラリの中に保管されているテープに書き込み可能な場合、外へ排出されているテープは書き込みに使用されません。
- テープライブラリの外へ排出されているテープの登録削除をするためには、「強制削除」を行わなければなりません。
バックアップデータを退避したテープをテープライブラリの外へ排出する手順を以下に述べます。
- 搬出するバックアップデータを特定します。
- バックアップデータの格納先媒体に基づき、以下の操作を行います。
- 格納先媒体がETERNUS ディスクアレイ内の論理ユニットの場合、
- バックアップデータをテープにコピーします。
- テープをテープライブラリから排出します。
- 格納先媒体がテープの場合、
- バックアップデータの格納されたテープをテープライブラリから排出します。
- 排出されたテープを搬出します。
■論理デバイスバックアップ
論理デバイスバックアップの場合は、バックアップ履歴一覧画面から搬出するバックアップデータの格納先媒体を特定してください。

|
|
- バックアップ履歴一覧画面の操作方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「9.3 バックアップデータの履歴情報の参照」、「11.4 バックアップデータの履歴情報の参照」を参照してください。
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■論理ユニットバックアップ
論理ユニットバックアップの場合は、lugethistコマンドでバックアップデータが格納されている論理ユニットの論理ユニット番号を求め、バックアップデータが格納されている論理ユニットのディスク領域一覧画面から搬出するバックアップデータの格納先媒体を特定してください。

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|
- lugethistコマンドの詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「10.3 バックアップデータの履歴情報の参照」を参照してください。
- ディスク領域一覧画面の操作方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4.7 ディスク領域一覧画面」を参照してください。
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5.1.6.2 バックアップデータのテープへのコピー
バックアップ管理画面にて、表示されたバックアップデータの履歴情報を選択後、以下のいずれかの操作を実行します。すると、テープへコピーするためのダイアログボックスが表示されます。
- 右クリックして表示されるポップアップメニューのうちの「テープへコピー」を選択
- メニューバーの“操作”にある「テープへコピー」を選択
テープへコピーするためのダイアログボックスにおいて、入力が求められている項目について、入力を行います。この時、未使用のテープにコピーする指定にすることをお勧めします。

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- 使用中のテープに“追加書き込み”の指定でコピーすると、そのテープの搬出によって使用中のテープに存在するバックアップデータも搬出されてしまうことになります。
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- バックアップ管理画面の操作方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「9.9 バックアップデータのテープへのコピー」、「10.8 バックアップデータのテープへのコピー」または「11.9 バックアップデータのテープへのコピー」を参照してください。
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5.1.6.3 バックアップデータの格納されたテープの特定
◆論理デバイスバックアップ
論理デバイスバックアップの場合は、バックアップ履歴一覧画面からバックアップデータの格納されたテープを特定してください。

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|
- バックアップ履歴一覧画面の操作方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「9.3 バックアップデータの履歴情報の参照」、「11.4 バックアップデータの履歴情報の参照」を参照してください。
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◆論理ユニットバックアップ
論理ユニットバックアップの場合は、lugethistコマンドでバックアップデータが格納されている論理ユニットの論理ユニット番号を求め、バックアップデータが格納されているテープのテープ媒体内情報一覧画面からバックアップデータの格納されたテープを特定してください。

|
|
- lugethistコマンドの詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「10.3 バックアップデータの履歴情報の参照」を参照してください。
- テープ媒体内情報一覧画面の操作方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4.10 テープ媒体内情報一覧画面」を参照してください。
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5.1.6.4 バックアップデータの搬出
テープをテープライブラリの外へ排出して保管する場合、以下の手順で行うことができます。ただし、アクセス中のテープを排出することはできません。
- まず、排出したいテープを決定し、そのテープ名を求めます。特定のバックアップ履歴が退避されているテープを保管する場合は、Webブラウザにて、バックアップ履歴の詳細情報表示を選択し、退避先のテープ名を調べます。
- SSF/Backup Facilityのコンソールにおいて、rootでログインします。
- LMF Liteの以下のコマンドを実行し、テープを排出します。オペランド“テープ名”には排出したいテープのテープ名を指定します。
# /opt/FJSVlmf/bin/lmeject テープ名 <Return> |
- ログアウトして排出作業を終わります。

|
|
- 複数同時に排出する場合や排出口の指定をする場合など、LMF Liteの操作の詳細については、『LMF Lite 使用手引書』を参照してください。
|
5.1.7 テープライブラリの追加/削除
5.1.7.1 テープライブラリの追加
テープライブラリの追加は以下の手順で行います。
(本説明では、LMF Liteの設定まで完了していることを前提とします。)
- ダイレクトバックアップを停止します。

|
|
- ダイレクトバックアップの停止方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「7.3 停止方法」を参照してください。
|
- viエディタなどで、/sp/dbu/adm/setup/TapeLibrary.confファイルを修正します。

|
|
# LibraryName Mode LiblaryControler Server Kind
"machine1" "USE" "LMF-LITE" "hostB" "LT160"
↓
# LibraryName Mode LiblaryControler Server Kind
"machine1" "USE" "LMF-LITE" "hostB" "LT160"
"machine2" "USE" "LMF-LITE" "hostC" "LT130" ←追加 |

|
|
- “TapeLibrary.conf”ファイルの書式については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「8.2.3.1 使用テープ装置設定ファイル」を参照してください。
|
- ダイレクトバックアップを起動します。

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- ダイレクトバックアップの起動方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「7.1 起動方法」を参照してください。
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5.1.7.2 テープライブラリの削除
テープライブラリの削除は以下の手順で行います。
- LMF Liteの設定を変更します。
- LMFデーモンを停止します。
# /etc/opt/FJSVlmf/rc.d/FJSVlmf stop <Return> |
- LMFサーバの設定を変更します。
# /opt/FJSVlmf/bin/lmadmin -c <Return> |
メインメニューが表示されますので、以下の通り実行してください。
- 「3.ライブラリを設定する」を選択
- 「3.削除」を選択
- 一覧から削除するテープライブラリを選択
- 「続行しますか?」の問いには“y”を入力
- 「以下のライブラリおよびドライブの登録を抹消しました」が表示されます。
- メインメニューの最初に戻りますので、“q”→“e”を入力して、メニューを終わらせてください。
- LMFデーモンを起動します。
# /etc/opt/FJSVlmf/rc.d/FJSVlmf start <Return> |

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- LMFクライアントの設定変更は、LMFデーモンの起動の際に自動的に行われます。
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- ftlaドライバの設定を変更します。
SPシリーズがクラスタ構成の場合、この作業は両ノードで行います。
- /usr/kernel/drv/ftla.confファイルを編集します。
削除するテープライブラリのロボット用“target,lun”エントリを削除または、コメントアウトします。
- 再起動時にロボットの特殊ファイルを再構成するために、以下のコマンドを実行します。
# rm -f /dev/ftla/* <Return>
# touch /reconfigure <Return> |
- システムを再起動します。
# shutdown -y -g0 -i6 <Return> |
- ダイレクトバックアップを停止します。

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- ダイレクトバックアップの停止方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「7.3 停止方法」を参照してください。
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- viエディタなどで、/sp/dbu/adm/setup/TapeLibrary.confファイルを修正します。

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# LibraryName Mode LiblaryControler Server Kind
"machine1" "USE" "LMF-LITE" "hostB" "LT160"
"machine2" "USE" "LMF-LITE" "hostC" "LT130" ←削除
↓
# LibraryName Mode LiblaryControler Server Kind
"machine1" "USE" "LMF-LITE" "hostB" "LT160" |

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- “TapeLibrary.conf”ファイルの書式については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「8.2.3.1 使用テープ装置設定ファイル」を参照してください。
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- ダイレクトバックアップを起動します。

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- ダイレクトバックアップの起動方法については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「7.1 起動方法」を参照してください。
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登録されたテープが不要となった場合、ダイレクトバックアップからそのテープを登録から削除することができます。
テープの削除は、以下の手順で行います。
- 削除対象のテープが属するテーププール詳細画面を表示させます。


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- テーププール詳細画面については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「19.2.4 各画面の説明」を参照してください。
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- 一覧から、削除するテープを選択します。
- テーププール詳細画面にある[操作]メニューの[テープ削除]を選択します。
- 削除対象のテープ内にバックアップデータが存在する場合、以下の警告ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで[はい]ボタンを選択すると、テープ内にバックアップデータを残したまま、テープを強制削除します。[いいえ]を選択すると、テープの削除処理が中止されます。

- 削除対象のテープ内にバックアップデータが存在しない場合、以下のような“テープ削除”ダイアログボックスが表示されます。

- ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。
[OK]ボタンがクリックされると、テープの削除が開始されます。

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- 操作を中止する場合は、“テープ削除”ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにそのダイアログボックスが閉じられます。
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- テープの強制削除は、テープドライブにマウントされているテープに対して行うことができません。
テープドライブにマウントされているテープに対して強制削除するには以下の手順でテープドライブからテープをアンマウントした後、テープの強制削除を実施してください。
- 「dbu_statdisp_drive」を実行して、テープがマウントされているテープドライブを調べる。
- 「dbu_umount_drive -d テープドライブ名 テープライブラリ名」を実行して、アンマウントする。
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- dbu_statdisp_drive コマンド, dbu_umount_drive コマンドの詳細については、『ダイレクトバックアップ使用手引書』の「第18章 テープ制御のためのコマンド」を参照してください。
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