PRIMECLUSTER導入運用手引書 4.2 (Linux版)
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第2部 導入編> 第5章 クラスタの構築> 5.1 クラスタの初期設定

5.1.2 シャットダウン機構の設定

シャットダウン機構の設定手順を示します。

シャットダウン機構についての詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

◆生存優先度

クラスタインタコネクトの障害によりクラスタパーティション用語説明が発生した場合、まだ全ノードがユーザ資産にアクセスできる状態にあります。クラスタパーティションについては、"PRIMECLUSTER コンセプトガイド"の"2.2.2.1 データ整合性の保証"を参照してください。
ユーザ資産であるデータの整合性を保証するために、生存させるノード群と強制停止させるノード群を決定する必要があります。
PRIMECLUSTERでは、それぞれのノード群に対する重み付けを「生存優先」と呼んでいます。
ノードの重みが大きいほど生存優先度は高くなり、小さくなるにつれて生存優先度は低くなります。ノード群の生存優先度が同じ場合は、ノード名がアルファベット順で最も早いノードを含むノード群が生存します。
生存優先度は、以下の計算で求められます。
生存優先度=SFのノードの重み(weight)+userApplicationの ShutdownPriority
SFのノードの重み(weight):
ノードの重み。デフォルト値=1。シャットダウン機能の設定の際に指定します。
userApplicationのShutdownPriority:
設定はuserApplication作成時の属性設定で行ってください。設定値の変更方法については、"userApplicationの運用属性の変更"を参照してください。

userApplicationのShutdownPriority属性については、"PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書"の"9.1 ユーザ設定属性"を参照してください。

◆生存優先度の設計指針

以下に、代表的なケースをもとに、生存優先度の設計指針を示します。

[最も多くのノードを生存させたい場合]

[特定のノードを生存させたい場合]

以下は、node1を生存させる場合の例です。

[特定のアプリケーションが動作しているノードを生存させたい場合]

以下は、app1が動作しているノードを生存させる場合の例です。

◆シャットダウン機構の設定方法

《シャットダウンデーモンの設定》

全ノードで/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgを以下のような内容で作成します。

CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP: agent=SA_xxx,timeout=20
CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP: agent=SA_xxx,timeout=20

  CFNameX        : クラスタホストのCFノード名を指定します。
  weight         : SFのノードの重みを指定します。
  myadmIP        : 自ノードの業務LANのIPアドレスを指定します。
  agent=SA_xxx   : シャットダウンエージェントの名前を指定します。
                       - RSBシャットダウンエージェントの場合
                           SA_rsbを指定します。
                       - IPMIシャットダウンエージェントの場合
                           SA_ipmiを指定します。
                       - BLADEシャットダウンエージェントの場合
                           SA_bladeを指定します。

例)RSBシャットダウンエージェントの場合

node1, weight=1, admIP=10.20.30.100: agent=SA_rsb, timeout=20
node2, weight=1, admIP=10.20.30.101: agent=SA_rsb, timeout=20

例)IPMIシャットダウンエージェントの場合

node1, weight=1, admIP=10.20.30.100: agent=SA_ipmi, timeout=25
node2, weight=1, admIP=10.20.30.101: agent=SA_ipmi, timeout=25

例)BLADEシャットダウンエージェントの場合

node1, weight=1, admIP=10.20.30.100: agent=SA_blade, timeout=20
node2, weight=1, admIP=10.20.30.101: agent=SA_blade, timeout=20

IPMIシャットダウンエージェントの場合、timeoutには "25" を指定します。

/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgファイルを作成する場合、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg.templateファイルを雛型として使用することができます。

《RSBシャットダウンエージェントの設定》

リモートサービスボード(RSB)が搭載されているサーバの場合、RSBシャットダウンエージェントを設定してください。
RSBシャットダウンエージェントの設定は、Netdumpシャットダウンエージェント、または Diskdumpシャットダウンエージェントの設定前に行ってください。

全ノードで/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_rsb.cfgを以下のような内容で作成します。

CFName1 ip-address:[port]:[user]:[passwd] [cycle | leave-off]
CFName2 ip-address:[port]:[user]:[passwd] [cycle | leave-off]

  CFNameX     : クラスタホストのCFノード名
  ip-address  : リモートサービスボードのIPアドレス
  port        : 未使用
  user        : リモートサービスボード設定時に定義したユーザ名
  passwd      : リモートサービスボード設定時に定義したパスワード
  cycle       : ノード強制停止後、リブートします。
  leave-off   : ノード強制停止後、電源切断します。

例)

node1 10.20.30.50::root:rsbpwd cycle
node2 10.20.30.51::root:rsbpwd cycle

/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_rsb.cfgファイルを作成する場合、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_rsb.cfg.templateファイルを雛型として使用することができます。

/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_rsb.cfgファイルのパーミッションを、以下のコマンドを実行して600に変更してください。
# chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_rsb.cfg 
上記ファイルの[cycle | leave-off] の設定に従って、パニックノードのクラッシュダンプ完了後の動作をそれぞれ[リブート | 電源断]に設定しておく必要があります。
パニックノードのクラッシュダンプ完了後の動作は/etc/sysconfig/dump 内の DUMP_ACTION 変数により定義します。

《IPMIシャットダウンエージェントの設定》

IPMI(BMC:Baseboard Management Controller)が搭載されているサーバの場合、IPMIシャットダウンエージェントを設定してください。

IPMIシャットダウンエージェントの設定は、Netdumpシャットダウンエージェント、またはDiskdumpシャットダウンエージェントの設定前に行ってください。

全ノードで/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_ipmi.cfgを以下のような内容で作成します。

CFName1 ip-address:[user]:[passwd] [cycle | leave-off]
CFName2 ip-address:[user]:[passwd] [cycle | leave-off]

  CFNameX       : クラスタホストのCFノード名
  ip-address    : IPMI(BMC)のIPアドレス
  user          : IPMI(BMC)設定時に定義したユーザ名
  passwd        : IPMI(BMC)設定時に定義したパスワード
  cycle         : ノード強制停止後、リブートします。
  leave-off     : ノード強制停止後、電源切断します。

例)

node1 10.20.30.50:root:bmcpwd cycle
node2 10.20.30.51:root:bmcpwd cycle

/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_ipmi.cfgファイルを作成する場合、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_ipmi.cfg.templateファイルを雛形として使用することができます。

/etc/ opt/SMAW/SMAWsf/SA_ipmi.cfgファイルのパーミッションを、以下のコマンドを実行して600に変更してください。
# chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_ipmi.cfg

《BLADEシャットダウンエージェントの設定》

ブレードサーバの場合、BLADEシャットダウンエージェントを設定してください。
BLADEシャットダウンエージェントの設定は、Netdumpシャットダウンエージェント、またはDiskdumpシャットダウンエージェントの設定前に行ってください。

全ノードで/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_blade.cfgを以下のような内容で作成します。

(1) 同一シャーシ内のクラスタ構成の場合

management-blade-ip IPaddress
community-string SNMPcommunity
CFName1 slot-no
[cycle | leave-off]
CFName2 slot-no
[cycle | leave-off]

(2) 複数シャーシのクラスタ構成の場合

community-string SNMPcommunity
management-blade-ip IPaddress
CFName1 slot-no [cycle | leave-off]
management-blade-ip IPaddress
CFName2 slot-no
[cycle | leave-off]

  IPaddress       : マネージメントブレードのIPアドレス
  SNMPcommunity   : SNMP コミュニティ
  CFNameX         : クラスタホストのCFノード名
  slot-no         : サーバブレードのスロット番号
  cycle           : ノード強制停止後、リブートします。
  leave-off       : ノード強制停止後、電源切断します。

例1)

management-blade-ip 10.20.30.50
community-string public
node1 1 cycle
node2 2 cycle

例2)

community-string public
management-blade-ip 10.20.30.50
node1 1 cycle
management-blade-ip 10.20.30.51
node2 2 cycle

/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_blade.cfgを作成する場合、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_blade.cfg.templateファイルを雛型として使用することができます。

/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_blade.cfgファイルのパーミッションを、以下のコマンドを実行して600に変更してください。
# chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_blade.cfg

rcsd.cfg, SA_rsb.cfg, SA_ipmi.cfg, SA_blade.cfgファイルの内容は全ノードで同一にしてください。同一でない場合、誤動作することがあります。

《Netdumpシャットダウンエージェントの設定》

クラスタノードの基本ソフトウェアとして、Red Hat Enterprise Linux AS v.3 またはRed Hat Enterprise Linux ES v.3 を使用している場合、Netdumpシャットダウンエージェントを設定してください。

《Diskdumpシャットダウンエージェントの設定》

基本ソフトウェア(*1)を使用したクラスタノードの場合、かつ、Diskdumpを利用したクラスタ高速切替機能をサポートしているPRIMERGY(*2)の場合、Diskdumpシャットダウンエージェントを設定することができます。

*1:
*2:PRIMERGY TX600, RX800, TX200 S2, RX300 S2, RX600 S2, BX660, BX620 S2

《シャットダウンデーモンの起動》

全ノードでシャットダウンデーモン(rcsd)を起動または再起動させます。

rcsdが未起動の場合は、sdtool -bを実行します。rcsdが動作中の場合は sdtool -eでrcsdを停止してsdtool -bを実行します。rcsdが動作中かどうかは sdtool -sで確認できます。

# sdtool -b

または

# sdtool -e
# sdtool -b

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