Apdesigner プログラマーズガイド

10.17.3 装飾オブジェクトのプロパティを参照・設定する

装飾オブジェクトの色などの属性をプロパティと呼びます。ここでは、装飾オブジェクトのプロパティの種類、参照および設定方法について説明します。装飾オブジェクトの参照および設定方法は、Beanと同じ方法です。このため、Beanと記述している部分を装飾オブジェクトと読み替えて参照してください。

• 装飾オブジェクトのプロパティの種類
• プロパティの参照および設定

+装飾オブジェクトのプロパティの種類

装飾オブジェクトには、以下のプロパティが存在します。

[フォーム]

プロパティ英語名	プロパティ日本語名	機能
color	色	フォームに貼り付けた装飾オブジェクトが描画する色 注1)
font	フォント	フォームに貼り付けた装飾オブジェクトが描画するフォント 注2)

[直線(Line)オブジェクト]

プロパティ英語名	プロパティ日本語名	機能
name	名前	各装飾オブジェクトを識別する文字列
startPositionX	始点X座標	線の開始する点のX座標
startPositionY	始点Y座標	線の開始する点のY座標
endPositionX	終点X座標	線の終了する点のX座標
endPositionY	終点Y座標	線の終了する点のY座標
ZOrder	重なり順	装飾オブジェクトを重ねる順番
color	色	描画する色 注3)

[四角(Rectangle)オブジェクト]

プロパティ英語名	プロパティ日本語名	機能
name	名前	各装飾オブジェクトを識別する文字列
bounds	矩形	四角の位置、高さ、幅
ZOrder	重なり順	装飾オブジェクトを重ねる順番
color	色	描画する色 注3)
fillStyle	塗りつぶし	四角を塗りつぶすかどうかのフラグ

[文字列(String)オブジェクト]

プロパティ英語名	プロパティ日本語名	機能
name	名前	各装飾オブジェクトを識別する文字列
positionX	配置X座標	文字列を配置するX座標 注5)
positionY	配置Y座標	文字列を配置するY座標 注5)
ZOrder	重なり順	装飾オブジェクトを重ねる順番
color	色	描画する色 注3)
font	フォント	描画するフォント 注4)
text	テキスト	描画する文字列

注1)

デフォルトの値は、「黒」です。

注2)

デフォルトの値は、「Dialog, 12」です。

注3)

デフォルトの値は、フォームに設定されている色プロパティの値です。
色プロパティの設定で描画時間を短縮できます。

注4)

デフォルトの値は、フォームに設定されているフォントプロパティの値です。
フォントプロパティの設定で描画時間を短縮できます。

注5)

文字列オブジェクトがもつ配置座標プロパティの位置は、文字列を描画するベースラインの開始位置になります。

プロパティシートでnullを設定する場合、null値を設定するボタンを選択してください。nullを設定したプロパティは、何も表示しない状態になります。

++色プロパティおよびフォントプロパティの設定で描画時間を短縮する

装飾オブジェクトがもつ色プロパティおよびフォントプロパティの設定で、描画時間を短縮することができます。各プロパティに設定した値により、装飾オブジェクトがどのような動作を行うかを説明します。

色プロパティ

色プロパティに「null」以外の値を設定した場合、設定した値で装飾オブジェクトを描画します。また、色プロパティに「null」を設定した場合には、前にある装飾オブジェクトの色プロパティと同じ値で、装飾オブジェクトを描画します。このとき、内部では色を変更する処理が実行されないため、描画時間の短縮が期待できます。

フォントプロパティ

フォントプロパティに「null」以外の値を設定した場合、設定した値で装飾オブジェクトを描画します。また、フォントプロパティに「null」を設定した場合には、前にある装飾オブジェクトのフォントプロパティと同じ値で、装飾オブジェクトを描画します。このとき、内部ではフォントを変更する処理が実行されないため、描画時間の短縮が期待できます。

前にある装飾オブジェクトとは、以下に示す装飾オブジェクトのことです。

• 装飾オブジェクトの重なり順プロパティより「1」小さい値をもつ装飾オブジェクトが「前にある装飾オブジェクト」です。
• 装飾オブジェクトの重なり順プロパティが「0」のとき、フォームが「前にある装飾オブジェクト」です。
• 派生フォームに貼り付けた装飾オブジェクトでかつ、装飾オブジェクトの重なり順プロパティより「1」小さい値をもつ装飾オブジェクトが、基底フォームに貼り付けてある装飾オブジェクトのとき、フォームが「前にある装飾オブジェクト」です。

++文字列オブジェクトがもつ配置座標プロパティの位置

文字列オブジェクトには、配置X座標プロパティと配置Y座標プロパティがあります。このプロパティは、文字列オブジェクトを配置する座標を設定します。この位置は、文字列オブジェクトの矩形の左上ではありません。配置X座標プロパティと配置Y座標プロパティは、以下の位置を示します。