Interstage Application Server 運用ガイド |
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付録C Interstage統合コマンドによる運用操作 |
Interstageでは、各サービスごとに定義ファイルの設定が必要です。
Interstageの環境設定では、以下の項目を決定することで、各サービスの定義ファイルに必要な定義および設定などの情報を自動的に設定します。
各サービスには、運用形態を指定することで使用できるサービスと、運用形態の指定に依存しないサービスがあります。詳細は"Interstageの初期化"を参照してください。
以下に、環境設定の手順を示します。
既に作成済みのIJServerでSSLを使用している場合には、SSLを使用しているIJServerに対して以下のいずれかの対処を実施してください。
− Interstage管理コンソールの[システム]>[ワークユニット]>[IJServer名]の[環境設定]タブで、SSLを使用しないように設定してください。
− Interstage管理コンソールの[システム]>[ワークユニット]の[状態]タブで、IJServerを削除する。
Interstageシステム定義ファイルとは、Interstageのシステム情報を持った定義ファイルです。
Interstageで必要な、各サービスの環境定義ファイルの生成に利用されます。
接続クライアント数を参考にシステム規模(isgendefコマンドのscale-value)を決定します。
isgendef コマンドのscale-value |
接続クライアント数 |
---|---|
small |
1〜5 |
isgendef コマンドのscale-value |
接続クライアント数 |
---|---|
small |
1〜50 |
多階層モデルで構築したシステムにおいては、接続クライアント数の決定に注意が必要です。
詳細は"トラブルシューティング集"の"アプリケーション処理要求時の異常発生時の対処"の"多階層システムにおけるアプリケーション間連携時に処理要求が無応答となる"を参照してください。
システム規模にsuperを指定することはできません。
isgendefコマンドの実行により、指定されたシステム規模に応じて、Interstageシステム定義ファイルが自動生成されます。
なお、Interstage環境がすでに初期化済みの状態でisgendefコマンドを実行すると、次回isinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。この場合、登録済みのワークユニット定義が削除されますので、ワークユニット定義の再登録が必要となります。
システム規模largeでInterstageシステム定義を生成する場合
isgendef large |
isgendefコマンドにより生成されたInterstageシステム定義は、以下のファイルに格納されます。
C:\Interstage\td\etc\isdef\isconf.txt |
/opt/FSUNtd/etc/isdef/isconf.txt |
/opt/FJSVtd/etc/isdef/isconf.txt |
システム規模に合わせてOSのカストマイズが必要です。カストマイズの詳細についは、"チューニングガイド"を参照してください。
Interstageの初期化や各サービスの起動時に参照するInterstageシステム定義ファイルをシステムに登録します。
isregistdefコマンドを実行します。Interstageシステム定義の内容から、以下の定義ファイルが自動生成され、それぞれ決められたディレクトリ配下へ登録されます。
Interstageの初期化時(isinitコマンド実行時)に参照されます。
・CORBAサービスの動作環境ファイル
・データベース連携サービスの環境定義
各サービスの起動時に参照されます。
isregistdef |
定義ファイルは、以下のとおり登録されます。
定義ファイル |
登録されるファイル |
---|---|
CORBAサービスの動作環境ファイル |
C:\Interstage\ODWIN\etc\config |
Interstage動作環境定義 |
C:\Interstage\td\etc\isreg\isinitdef.txt |
データベース連携サービスの環境定義 |
C:\Interstage\ots\etc\config |
定義ファイル |
登録されるファイル |
---|---|
CORBAサービスの動作環境ファイル |
/etc/opt/FSUNod/config |
Interstage動作環境定義 |
/opt/FSUNtd/etc/isreg/isinitdef.txt |
データベース連携サービスの環境定義 |
/opt/FSUNots/etc/config |
定義ファイル |
登録されるファイル |
---|---|
CORBAサービスの動作環境ファイル |
/etc/opt/FJSVod/config |
Interstage動作環境定義 |
/opt/FJSVtd/etc/isreg/isinitdef.txt |
データベース連携サービスの環境定義 |
/opt/FJSVots/etc/config |
なお、各サービスの環境定義およびInterstage動作環境定義に登録される値は、システム規模によって異なります。
isregistdefコマンドおよび各定義ファイルに設定される値については、"リファレンスマニュアル(コマンド編)"、"Interstage動作環境定義"および"チューニングガイド"を参照してください。
また、設定される値を変更する場合およびisregistdefコマンド実行時のカストマイズ値については、"Interstage動作環境定義"および"チューニングガイド"を参照してください。
各サービスの環境定義をカストマイズする必要がある場合には、Interstageの初期化前(isinitコマンドの実行前)に行ってください。
各サービスの環境定義は、以下の用途のためにカストマイズします。
定義ファイル |
用途 |
---|---|
CORBAサービスの動作環境ファイル |
CORBAサービスに関する以下の設定を行います。
|
データベース連携サービスの環境定義 |
データベース連携サービスに関する以下の設定を行います。
|
各サービスの環境定義およびInterstage動作環境定義の詳細については、"チューニングガイド"を参照してください。
isregistdefコマンドを実行する場合は、事前にInterstageを停止(全強制停止モード)してください。
Interstageの初期化は、以下の手順で実施します。
Interstage統合コマンドで初期化できるサービスには、以下があります。
これらのサービスより、Interstage統合コマンドで運用するサービスを決定します。
Interstage統合コマンドで運用するサービスを、初期化します。
初期化対象とするサービスを元に、運用形態を決定します。
運用形態には、以下の3種類があります。
上記に含まれないサービスについては、Interstage動作環境定義のカストマイズにより使用有無を指定します。
以下に、サービスごとの運用形態とInterstage動作環境定義の関係を示します。
|
運用形態 |
Interstage |
備考 |
||
---|---|---|---|---|---|
TYPE1 |
TYPE2 |
TYPE3 |
|||
CORBAサービス |
◎ |
◎ |
◎ |
− |
|
ネーミングサービス |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
TYPE3でも定義設定により初期化対象にできる(*1) |
インタフェースリポジトリ |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
TYPE3でも定義設定により初期化対象にできる(*2) |
イベントサービス |
− |
− |
− |
○ |
定義設定で使用有無を指定 |
コンポーネントトランザクションサービス |
◎ |
◎ |
◎ |
− |
|
データベース連携サービス |
× |
◎ |
× |
− |
TYPE2でのみ使用できる |
旧バージョンServletサービス |
− |
− |
− |
○ |
定義設定で使用有無を指定 |
CORBA/SOAPクライアントゲートウェイ |
− |
− |
− |
○ |
定義設定で使用有無を指定 |
◎:初期化対象、○:Interstage動作環境定義の設定により初期化対象とすることができる
△:リモートのサーバを参照する、×:初期化できない、−:指定方法がない
(*1):ネーミングサービスを初期化した場合、拡張機能を使用する設定となる。
(*2):EJB用インタフェースリポジトリの使用有無は、isinitコマンドのパラメタで指定する。初期化内容は、インタフェースリポジトリの設定に従う。
(※3):V6ではHTMLページ編集サービスを同梱していませんが、Windows(R)での上書きインストールの場合などは、HTMLページ編集サービスを使用できます。
運用形態の指定に依存しないサービスには、以下があります。
これらのサービスの運用方法として、以下のどちらの方法で行うかを決定します。
Interstageとして統合した運用を行う場合には、初期化対象とするサービスに対して、Interstage動作環境定義のカストマイズを行います。
Interstage動作環境定義は、以下のファイルです。
C:\Interstage\td\etc\isreg\isinitdef.txt |
/opt/FSUNtd/etc/isreg/isinitdef.txt |
/opt/FJSVtd/etc/isreg/isinitdef.txt |
具体的なカストマイズ方法について、以下に示します。
運用形態がTYPE3の場合、ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを、以下のように配置した運用が行えます。
Interstage動作環境定義では、他サーバで運用しているネーミングサービス、インタフェースリポジトリを参照する場合に、そのサーバ名とポート番号を定義します。
以下に定義例を示します。
ネーミングサービス、インタフェースリポジトリともに別サーバHostAを設定する場合
NS USE=remote |
ネーミングサービスは別サーバHostA、インタフェースリポジトリはローカルサーバを設定する場合
NS USE=remote |
ネーミングサービスはローカルサーバ、インタフェースリポジトリは別サーバHostAを設定する場合
NS USE=local |
イベントサービスの使用有無と各種カストマイズが行えます。また、Interstageの初期化完了後、essetcnfコマンドを実行することにより、イベントサービスの構成情報を変更できます。
以下に定義例を示します。
イベントサービスを使用する場合
Event Service=yes |
esmkchnlコマンドによりイベントチャネルを生成した後、Interstageを再度初期化する場合は、初期化前にesrmchnlコマンドによりイベントチャネルを削除してください。esrmchnlコマンドの詳細については、"リファレンスマニュアル(コマンド編)"を参照してください。
Interstage統合コマンドの運用操作の対象とするWebサーバを指定します。Interstage HTTP Serverを指定できます。
以下に定義例を示します。
Interstage HTTP Serverを登録する場合
FJapache=yes |
旧バージョンServletサービスをInterstage統合コマンドの操作対象とするかを指定します。
旧バージョンServletサービスを使用する場合
Servlet=yes |
CORBA/SOAPクライアントゲートウェイをInterstage統合コマンドの操作対象とするかを指定します。
CORBA/SOAPクライアントゲートウェイを使用する場合
SOAP Client GW=yes |
データベース連携サービスを使用する場合には、データベース連携サービスのセットアップモードやデータベース連携サービスに関する各種カストマイズが行えます。セットアップモードでは、OTSシステムが起動するセットアップか、リソース管理プログラムのみが動作するセットアップの2種類が選択できます。
データベース連携サービスを使用する場合
OTS Path for system log=d:\otslog |
OTS Path for system log=/dev/rdsk/c1t0d0s7 |
上記以外に、Interstage動作環境定義による各種カストマイズが可能です。具体的な設定方法については、"Interstage動作環境定義"および"Interstage動作環境定義によるカストマイズ"を参照してください。
isinitコマンドを実行し、Interstageを初期化します。
isinit TYPE1 | TYPE2 | TYPE3 | type1 | type2 | type3 [ EJB | ejb ] |
EJBを使用する場合には、isinitコマンドでEJBを指定してください。EJB用インタフェースリポジトリが初期化対象に加わります。
なお、Interstageをマルチサーバで運用し、サーバ間でEJBアプリケーションの連携を行う場合は、連携するEJBアプリケーションが存在するサーバ群の中でネーミングサービスの存在するサーバは1台にしてください。
また、Interstage環境がすでに初期化済みの状態でInterstage動作環境定義の"TD path for system"を変更すると、次回isinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。この場合、登録済みのワークユニット定義が削除されますので、ワークユニット定義の再登録が必要となります。
以下の場合には再度初期化を行う必要があります。
Interstage環境がすでに初期化済みの状態で、以下の操作を行った場合、その後のisinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。この場合、登録済みのワークユニット定義が削除されますので、ワークユニット定義の再登録が必要となります。
また、Interstage動作環境定義の“Corba Host Name”を変更した場合には、Interstage統合コマンドのセットアップ対象資源がすべて初期化されます。
Interstage動作環境定義では、使用するサービスのカストマイズ以外に、以下のカストマイズを行えます。
マシンにIPアドレス(またはホスト名)が複数設定されていて、CORBAサーバアプリケーションで使用するIPアドレスを限定した運用を行う場合に設定します。
例えば、LANカードが複数あるマシン上で、1つのLANカードからのみ要求を受け付けることができます。また、サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスの生成時、ここで設定したホスト名のIPアドレスが組み込まれ、クライアントからの参照時に利用されます。
CORBA通信で使用するポート番号をカストマイズする場合に設定を行います。
デフォルトは、8002です。
以下に定義例を示します。
CORBA通信に使用するポート番号を8003とする場合
Corba Port Number=8003 |
CORBA通信で使用するポート番号をカストマイズする場合に設定を行います。
本定義項目が設定されていない場合には、以下の定義項目の値が有効となります。
(1) CORBAサービスの動作環境ファイル(config)の定義項目"IIOP_port"の設定値
(2) /etc/servicesに定義したodserverのポート番号
(1)と(2)では、(1)の設定値が優先されます。
以下に定義例を示します。
CORBA通信に使用するポート番号を8003とする場合
Corba Port Number=8003 |
ロードバランスの使用有無を指定します。
以下に定義例を示します。
ロードバランスを使用する場合
LBO USE=yes |
Interstageの稼働状態監視モードを指定します。稼働状態監視モードとは、Interstageの運用中に、Interstageを構成するサービスが停止した場合に、どういう動作を行うかを定義するモードです。mode2では、Interstageの運用中に、Webサーバ、旧バージョンServletサービス、CORBA/SOAPクライアントゲートウェイを停止し、定義の変更後、停止したサービスを再起動することにより、定義の変更操作が行えます。この場合、各サービスの起動、停止コマンドを用いて操作を行います。
デフォルトでは、mode2が設定されます。
稼働状態監視モードには、以下の2種類があります。
稼働状態監視モードにmode1を設定する場合
IS Monitor Mode=mode1 |
Interstageのどれか1つのサービスが停止した場合に、Interstage自体を停止したい場合には、mode1を選択してください。
Interstage動作環境定義でWebサーバ、旧バージョンServletサービスを使用する設定とした場合、mode1では、Webサーバやアプリケーションなどの追加、削除は、一度Interstageを止めた上で行わなくてはなりません。これらの定義の入れ替え時に、Interstageの他のサービスを停止したくない場合には、mode2を選択してください。
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリの配置には、以下のパターンがあります。
ローカルサーバ上に、ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを配置します。
運用形態は、TYPE1またはTYPE2となります。
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