PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.2 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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第3部 Global File Services 共用ファイルシステム> 第24章 ファイルシステムのバックアップとリストア> 24.2 sfcdump/sfcrestoreによるバックアップ・リストア

24.2.3 差分バックアップ利用時の注意事項

 sfcdump には前回バックアップされた時点から更新されたファイルだけをバックアップする差分バックアップ機能があります。本書では差分バックアップの具体的な手順については説明しません。

 差分バックアップを利用する場合には以下の注意事項があります。

24.2.3.1 差分バックアップを実行するノード

 差分バックアップは、sfcdump コマンドにu機能修飾子を指定して実行したときに更新されるダンプ記録ファイル (/etc/sfcfs_dumpdates) の情報を利用することで実現されています。ダンプ記録ファイルは sfcdump を実行したノードのファイルだけが更新されます。したがってバックアップは常に同じノードから実行する必要があります。

 差分バックアップを利用している場合、別のノードからバックアップを行うときには以前バックアップを行っていたノードからダンプ記録ファイルをコピーしておく必要があります。

24.2.3.2 パニックしたノードがある場合

 差分バックアップを利用している場合で、バックアップ対象の GFS 共用ファイルシステムを利用しているノードがパニックなどにより正常に停止しなかった場合、そのノードから更新されたファイルのバックアップが正しく行われないことがあります。

 sfcdump は差分バックアップ時にそのファイルのバックアップを行うべきかどうかを、そのファイルの時刻情報と、ダンプ記録ファイルから得た前回バックアップを実施した時刻とを比較して決定しています。しかしあるノードが正常に停止することができなかった場合、そのノードが更新していたファイルについては時刻情報が更新されずにファイルの内容だけが更新された状態となることがあります。そのようなファイルについては差分バックアップの対象とならないため、次回のフルバックアップまでバックアップがされない場合があります。

 したがってバックアップ対象の GFS 共用ファイルシステムを利用するノードが正常に停止しなかった場合、その次のバックアップはフルバックアップを行うことをお勧めします。


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