負荷分散/QoS制御 機能ガイド
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第2章 機能

2.2 QoS制御(帯域制御)

イントラネットシステムのさまざまなサービスへの需要が増加するのに比例して、ネットワーク通信の渋滞を引き起こし、パフォーマンスの低下やアプリケーションのクラッシュ、サービスの停止といった原因になっています。

ネットワーク上の通信は、業務の重要度に関係無く、常に“早いもの勝ち”でネットワーク帯域を占有しています。しかし、重要かつ緊急度の高い業務(基幹系業務)に対して信頼性の高い、安定したパフォーマンスを提供するためには、限られた帯域リソースをビジネスの重要度にもとづいて適切に割当てる仕組みが必要となります。特に、帯域幅の狭いWAN回線では重要な要件となります。

Traffic DirectorのQoS制御機能は、ネットワーク通信の渋滞を改善し、ネットワーク帯域の利用効率を高める最適なソリューションを提供します。Traffic Directorは、業務や利用者、アプリケーションごとのトラフィックを分類、制御して、帯域管理ポリシー(優先度や利用帯域幅の範囲など)にもとづいてダイナミックに帯域を割当てます。

Traffic DirectorのQoS制御機能を利用することで、下りフロー、上りフロー別に、実回線上に業務やアプリケーションごとの仮想回線(上図の例では、下りフローに対して、基幹業務、WWW、その他の3つの仮想回線、上りフローに対して、基幹業務、その他の2つの仮想回線を構築している。)を構築することができます。この仮想回線は自在に収縮します。ある業務用の仮想回線上にトラフィックが流れていない場合は、他の仮想回線がその空き帯域を利用しますので、実回線の帯域幅を無駄なく、効率的に利用することができます。

Traffic DirectorのQoS制御機能の適用範囲は、IP(TCP/UDP)プロトコルだけではありません。FNA/SNA、NetWare、AppleTalk、XNS、VINES、OSIなどあらゆるネットワークプロトコルに適用することができます。

Traffic Director(サーバ)をルータ装置の背後に設置し、QoS制御に適切な帯域管理ポリシーを与えることで、どんなに回線が混雑している場合でも、優先度の低い業務のトラフィックを抑止し、より優先度の高い業務の帯域幅を確保することで、常に安定したパフォーマンスを保証します。


Traffic Director(Solaris版)では、以下の注意事項があります。


下へ2.2.1 帯域幅制御
下へ2.2.2 マルチメディア・アプリケーションのサポート
下へ2.2.3 パケットサイズの最適化
下へ2.2.4 ToSビット・マーキング
下へ2.2.5 優先制御
下へ2.2.6 スケジュール
下へ2.2.7 複数回線サポート

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