負荷分散/QoS制御 テクニカルガイド
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15.3 負荷分散が偏る
以下の点について確認してください。
- クライアント関連付けの確認
接続しているクライントが分散対象サーバにクライアント関連付けされていないかどうか確認してください。クライアント関連付け設定が不要であれば設定を削除願います。
- ノード単位分散の確認
ノード単位の分散を行っていた場合、クライアントの送信元IPアドレスにもとづいて、同じ送信元IPアドレスをもつすべてのリクエストを同じサーバに転送する制御を行っています。そのため、クライアントからのアクセスがプロキシやファイアウォールを経由する場合、全てのクライアントの送信元IPアドレスが1つになるため、全て同一のサーバに振り分けられます。コネクション単位の分散に変更後、アプリケーションの方式に応じてセッション維持の設定をおこなってください。
- IIOPメソッド毎負荷分散
IIOPメソッド毎分散の場合、負荷分散モニタの振り分け率には分散したパケット数ベースで計測した結果が表示されます。従って、各リクエストを構成するパケット数が異なる場合、負荷分散モニタ上負荷分散が偏って見えることがあります。
例えば、分散方法にラウンドロビンを選択した場合、1つめのメソッドが1パケットで構成され、2つめのメソッドが2パケットで構成されていると、それぞれのメソッドが別のサーバに分散され、振り分け率の表示は、1:2となります。
負荷分散処理は正常にメソッド毎に分散する動作を行っていますので問題ありません。
- 負荷分散方法にラウンドロビンを選択している
負荷分散方法に「ラウンドロビン」や「静的な重み付け」を設定している場合、分散対象サーバの故障や長短トランザクション処理の混在により、負荷分散が偏ることがあります。これは、現在の負荷分散の偏り状況を意識せずに、新規トランザクションを全ての分散対象サーバに均等割り合いで負荷分散するため、負荷分散の偏りは業務終了時点まで解消されないことがあり、継続するトランザクションによっては、負荷分散の偏りが更に深刻化することがあります。負荷分散の偏りを防止する場合、サーバ負荷を考慮した分散方法を選択するようにしてください。(※ 複数の料金所が存在する場合、待ち列の少ない料金所に並ぶのは、料金所の作業負荷を計測(予測)して負荷分散していることと同等です。従って、ランドロビンの負荷分散方法を選択するのであれば、待ち列の長さに関係なく順番待ちさせることと同等になります。)
- 評価方法に問題がある
分散対象サーバの設置台数に比べて、クライアント側の接続PC台数が少ない場合や、通信負荷が少ない場合、負荷分散が偏って見えることがあります。分散の偏りを検証する場合は、クライアント側からの処理要求数を、最低でも分散対象サーバ台数の2〜3倍以上で評価してください。(本製品は、業務処理が多重発生するような実環境向けに最適化されており、本製品の負荷分散機能を導入する目的から外れるような、業務処理が多重発生しない環境では、負荷分散の偏りを評価しないでください)
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