負荷分散/QoS制御 テクニカルガイド |
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第11章 Interstage Application Server負荷分散 | > 11.1 IIOP負荷分散 |
負荷分散ポリシーでは、分散対象サービスオブジェクトとしてIIOPのポート番号を指定する他、IIOPメソッド毎負荷分散チェックを有効にします。ネーミングサービスのコネクション切断を不要にしたい場合は、ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得時点の負荷分散時にも指定してください。具体的な定義例については、「負荷分散/QoS制御 システム構築ガイド」を参照してください。
IIOP負荷分散には、“ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得時点の負荷分散”と“メソッド呼び出し単位の負荷分散”がありますが、適用可能なアプリケーションはそれぞれ異なります。
CORBAアプリケーション |
トランザクションアプリケーション |
EJBアプリケーション |
|
ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得時点の負荷分散 |
○ |
○ |
× |
メソッド呼び出し単位の負荷分散 |
○ |
○ |
○ |
○:適用できます、×:適用できません
負荷計測の分散方法や「高負荷の判断基準」として“サーバ負荷(最小CPU、メモリ、DISK I/O負荷)”、"最小待ちメッセージ数"、"最小通信バッファ使用率"を使用する場合、適用できるアプリケーションは、以下の通りです。なお、Interstage Applicaiton Server Enterprise Edition V7.0L10(Linux for Itanium(PRIMEQUEST)版)では、アプリケーションの種別にかかわらず“最小待ちメッセージ数”、“最小通信バッファ使用率”を使用することはできません。
CORBAアプリケーション |
トランザクションアプリケーション |
EJBアプリケーション |
|
最小待ちメッセージ数 |
○ |
○ |
× |
最小通信バッファ使用率 |
× |
○ |
× |
サーバ負荷(最小CPU、メモリ、DISK I/O負荷) |
○ |
○ |
○ |
○:適用できます、×:適用できません
「高負荷の判断基準」として"最小待ちメッセージ数"または“CPU、ディスク負荷、メモリ負荷”を選択した場合は、分散方式として“サーバ負荷(Interstage連携 最小待ちメッセージ数)”以外に、“ラウンドロビン”または“サーバ負荷(最小CPU、メモリ、DISK I/O負荷)”を選択することが可能です。その場合、負荷分散ポリシー設定は、下記設定にしてください。
項目 |
設定値 |
|
分散方法 |
均等に分散(ラウンドロビン) |
|
負荷計測 |
計測エージェントによる判断をする |
チェック |
計測エージェント(注1) |
CPU |
0〜99%の範囲内で設定してください |
ディスク負荷 |
0〜99%の範囲内で設定してください |
|
メモリ負荷 |
0〜99%の範囲内で設定してください |
|
Interstage連携(注2) |
オブジェクト名 |
アプリケーションに応じたオブジェクト名を入力願います。 |
待ちメッセージ数限界値 |
1〜99999の範囲内で設定してください。 |
|
待ちメッセージ数復帰値 |
0〜99999の範囲内で設定してください。 |
注1:Interstage連携負荷のみを測定する場合は全て“0"に設定してください。ディスク負荷を測定する場合、サーバOSがWindows(Windows Serever 2003を除く)の場合、diskperfコマンドを予め実施しておく必要があります。また、サーバOSがSolarisの場合、sarがインストールされている必要があります。サーバOSがLinuxの場合、ディスク負荷率を測定することはできません。
注2:分散方式が”ラウンドロビン“で、Interstage連携の負荷監視をおこないたい場合のみ設定してください。待ちメッセージ数限界値及び復帰値については、「16.3 負荷分散ポリシーの設定値について」も参照してください。
各アプリケーションの詳細については「Interstage Application Server」マニュアルの「高信頼性システム運用ガイド」を参照してください。
IIOPメソッド呼び出し単位の負荷分散及び、IIOPメソッド呼び出し単位とネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得時点の負荷分散を組み合わせた場合、負荷分散対象サーバに対するコネクションの送信元IPアドレスは、Traffic Director(サーバ)が管理しているIPアドレス(Traffic DirectorのIPアドレスや、負荷分散の仮想IPアドレス)になります。
また、サービス監視による負荷分散対象サーバに対するコネクションの送信元IPアドレスも、Traffic Director(サーバ)が管理しているIPアドレス(Traffic DirectorのIPアドレスや、負荷分散の仮想IPアドレス)になります。
従って、なるべく分散対象サーバでは、送信元IPアドレスを意識しないようにしてください。また、分散対象サーバで送信元IPアドレスによるアクセス制限を行っている場合は、Traffic Director(サーバ)が管理するIPアドレスを許可するように設定してください。
Traffic Director V7よりIIOPメソッド毎負荷分散において、常設コネクション数を1以上に設定することが可能になりました。負荷分散ポリシーで設定した数分だけ必要に応じて分散対象サーバに対してコネクションが形成されます。コネクション数設定にあたっては以下の点を考慮の上、設計、設定をおこなってください。
下記の条件におけるコネクション数の設定を例示します。
このとき、設定する常設コネクション数及び分散対象サーバでの受付可能なコネクション数は下記の通りになります。
項目 |
設定値 |
説明 |
常設コネクション数 |
50 |
2台でもサービスを継続可能とするため、100リクエスト/2台を3台の分散対象サーバそれぞれに設定します |
分散対象サーバで受け付け可能なコネクション数(*) |
102 + A |
(50 + 1(故障監視用))x2(二重化構成のため) +A(負荷分散対象でないコネクション数) |
*:分散対象サーバで受け付け可能なコネクション数は、分散対象サーバのOSや資源量、Interstage Application Serverの定義に依存します。分散対象サーバの設定値 (max_IIOP_resp_con、max_IIOP_local_init_conなど)の設計については「Interstage Application Server」の「チューニング ガイド」を参照願います。
IIOPメソッド毎負荷分散において、無通信時間設定が正しく設定されていない場合、異常が発生する場合があります。無通信監視タイマパラメタが正しく設定されていないと、クライアントアプリでコネクション切断したと認識する前に、Traffic Director で該当コネクションの情報が初期化されるため、正常に通信が継続できずに、以下のような異常事象が発生します。
無通信監視の設定については、“第14章 無通信監視について”を参照してください。
IIOPメソッド毎負荷分散時において、分散対象サーバをクライアントとしてTraffic Directorを経由するIIOP通信をおこなうことはできません。
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