Dynamic Reconfiguration ユーザーズガイド 2.6
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第3章 DRユーザインタフェース

3.3 adrc(1M)

【名前】

adrc - DRオペレーションの実行(自動化コマンド)

【形式】

/opt/FJSVhwr/sbin/adrc -connect sbXY | sbXY-N [-reset]
/opt/FJSVhwr/sbin/adrc -disconnect sbXY | sbXY-N [-reset]
/opt/FJSVhwr/sbin/adrc -disconnect sbXY | sbXY-N -next PID [-reset]

【使用条件】

本コマンドはrootユーザ権限でのみ実行が可能です。
本コマンドの実行可能環境については、“1.2 DRの動作環境”を参照してください。

【機能説明】

システムボードの切離し・組込み・移動等のパーティション構成変更を支援する為のコマンドです。
自パーティションに属するシステムボード、およびパーティション未定義のシステムボードに対してのみ操作が可能です。
本コマンドをシェルスクリプト等に記述し、cron(clock daemon)等から呼び出すことにより、自動的にDRを実行することが可能となります。
adrcでは、あらかじめリプライファイルにリプライコード等を記述しておくことにより、連携スクリプト内で使用されるdr_query(1M)に対して自動的に応答を返すことが出来ます。

【オプション】

以下のオプションがあります。

StatusPIDNext_PIDBoard_TypeCPU(MHz)は、drcstat(1M)コマンドにより表示された該当システムボード(sbXYまたはsbXY-N)に対応する値を意味します。

-connect
sbXYまたはsbXY-Nで指定するシステムボードの自パーティションへの組込みを行います。
活性増設・移動後の組込み時に指定します。以下に示す状態のシステムボードに対してのみ指定可能です。

他オプション

コマンド実行前

コマンド完了後

備考

Status

PID

Next_PID

Status

PID

Next_PID

無し

Waiting

Configured


Disconnected

--

--

Disconnected

--

-reset

Configured

Configured

1.

Configured

--

2.

Disconnected

--

--

Disconnected

--

3.

自:自パーティションID(コマンドを投入したバーティションのID)

他:移動先パーティションID

--:未定義

  1. 次回のリブートでの移動(drc -disconnect sbXY(またはsbXY-N) -next PID -reset)をキャンセルする場合に使用します。
  2. 次回のリブートでの切り離し(drc -disconnect sbXY(またはsbXY-N) -reset)をキャンセルする場合に使用します。
  3. コマンド完了後、自パーティションのリブートにより、StatusがConfiguredPID/Next_PIDが自パーティションIDとなります。
-disconnect
sbXYまたはsbXY-Nで指定するシステムボードの自パーティションからの切離しを行います。
活性削除・別パーティションへの移動・活性交換時に指定します。以下に示す状態のシステムボードに対してのみ指定可能です。

他オプション

コマンド実行前

コマンド完了後

備考

Status

PID

Next_PID

Status

PID

Next_PID

無し

Configured

Disconnected

--

--

Waiting

-next

Configured

Waiting, または、
Unconfigured

1.
5.

Waiting

-reset

Configured

Configured

--

2.

Disconnected

--

Disconnected

--

--

3.

-next

-reset

Configured

Configured

1.
4.

自:自パーティションID(コマンドを投入したパーティションのID)

他:Next_PIDで指定した移動先のパーティションID

--:未定義

  1. -nextオプション有りの場合、切り離すシステムボードのBoard_Type 0x1Xまたは0x2Xの時、Board_TypeCPU(MHz)が移動先のパーティションと同じ値である必要があります。
    切り離すシステムボードのBoard_Type 0x3Xの場合、Board_Typeのみ移動先のパーティションと同じ値である必要があります。
  2. コマンド完了後、自パーティションのリブートにより、StatusDisconnectedPID/Next_PIDが未定義("--")となります。
  3. 次回のリブートでの組み込み(drc -connect sbXY(またはsbXY-N) -reset)をキャンセルする場合に使用します。
  4. コマンド完了後、自パーティションのリブートにより、StatusがDisconnected/Unconfigured、PIDが未定義("--")、Next_PIDが移動先のパーティションIDとなります。
  5. 移動先のパーティションが電源OFFの場合、StatusUnconfiguredとなります。
sbXY
システムボード番号を指定します。Xは筐体番号(0-3)を指定し、Yは筐体内のシステムボード番号(0-7)を指定します。
sbXY-N
システムボード番号を指定します。XPAR使用時に有効です。Xは筐体番号(0-3)を指定し、Yは筐体内のシステムボード番号(0-7)を指定し、さらにNはシステムボード内オフセット番号(0-3)を指定します。
-next PID
移動先のパーティションを指定します。(PIDは10進数で、0〜14)
切り離すシステムボードのBoard_Type 0x1Xまたは0x2Xの場合、Board_TypeCPU(MHz)が移動先のパーティションと同じ値である必要があります。
切り離すシステムボードのBoard_Type 0x3Xの場合、Board_Typeのみ移動先のパーティションと同じ値である必要があります。
-resetオプション無しの場合、本コマンド終了時、該当システムボードは移動先パーティションでの組み込み待ち状態(StatusWaiting)となり、移動先パーティション側での組み込み操作が必要となります。
-resetオプション有りの場合、該当システムボードのStatusConfigured状態、Next_PIDは移動先のパーティションIDとなります。
-reset
組込みまたは切離しを次のリブート時に行う場合に指定します。
省略した場合は、動的に組込みまたは切離しを行います。

【定義ファイル】

/etc/opt/FJSVhwr/adrc.conf

LOG_FILE_NAME=/dev/stdout
RETRY_TIME=600
RETRY_CNT=3

LOG_FILE_NAME

DRの実行結果をロギングするファイルを指定します。
デフォルト値は、/dev/stdoutです。
(指定例) /tmp/logfile、/dev/null 、/dev/stdout、/dev/console

RETRY_TIME

DR処理が失敗した時、リトライする間隔(秒)を指定します。

RETRY_CNT

DR処理が失敗した時、リトライする回数を指定します。

【実行例】

【終了ステータス】

以下の終了ステータスを返します。

0
正常終了
>0
エラーが発生(エラーの内容は、コンソールメッセージ、またはコマンドのエラーメッセージを参照してください)。

【関連情報】

drc(1M), drcstat(1M)


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