Symfoware(R) Server RDBユーザーズガイド 応用プログラム開発編 - FUJITSU -
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上へ第4章 応用プログラムの翻訳・結合編集
上へ4.1 UNIX系を使用した場合の応用プログラムの翻訳・結合編集

4.1.3 翻訳・結合編集の方法

翻訳・結合編集を行うには、以下の2つの方法があります。

翻訳・結合編集を一括して実行する場合は、標準シェルプロシジャを利用します。プレコンパイルとコンパイルを分けて実行する場合は、sqlpcコマンドまたはsqlpcobコマンドを利用します。

■翻訳・結合編集を一括して実行する場合

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応用プログラムを翻訳・結合編集するためのシェルプロシジャが、システムから提供されています。これを、標準シェルプロシジと呼びます。標準シェルプロシジャは、以下のファイルに提供されています。

なお、これらのファイル名は標準シェルプロシジャを“/opt”配下のディレクトリにインストールした場合のものです。

OSの種類

ファイル名

備考

Solaris OE

/opt/FSUNrdb2b/demo/shell/sqlcc または
/opt/FSUNrdb2b/demo/shell/sqlfcc

C言語用のシェルプロシジャ

/opt/FSUNrdb2b/demo/shell/sqlcobol

COBOL用のシェルプロシジャ

Linux

/opt/FJSVrdb2b/demo/shell/sqlcc

C言語用のシェルプロシジャ

◆C言語用の標準シェルプロシジ

C言語用の標準シェルプロシジャはsqlccです。Solaris OEの場合は、sqlfccも使用できます。sqlccおよびsqlfccの入力ファイルは、SQL埋込みCプログラムのソースファイルです。このファイル名にはサフィックスとして“.c”および“.lst”以外を指定する必要があります。出力ファイルは実行可能プログラムです。また、sqlccおよびsqlfccは作業用のファイルを作成します。作業用のファイルについては、ファイル名が自動的に決定されカレントディレクトリに作成されます。C言語の場合は、文字コードに依存しないロードモジュールが作成されます。文字コード系は実行時にクライアント用の動作環境ファイルまたは環境変数で指定します。sqlccおよびsqlfccの使用例を以下に示します。

“main”を持つSQL埋込みCプログラム(demo01.sc)を翻訳・結合編集します。ロードモジュールは“demo01”とします。

cd  /home/rdb2/application/src
sqlcc  -I/home/rdb2/include    demo01.sc    -o ../bin/demo01
                (1)                    (2)              (3)

 

cd  /home/rdb2/application/src
sqlfcc  -I/home/rdb2/include    demo01.sc    -o ../bin/demo01
                (1)                    (2)              (4)

(1) インクルードファイルを検索するディレクトリを指定するオプション

(2) SQL埋込みCプログラムのファイル名

(3) ccコマンド用のオプション

(4) fccコマンド用のオプション

オプション

sqlccまたはsqlfccでは、使用するインクルードファイルの配置ディレクトリなどのオプションが指定できます。64ビットマシンで実行するSQL埋込みCプログラムを翻訳・結合編集す場合は、-v9を指定してください。(-v9は、Symfoware Server Enterprise Extended Editionでのみ使用可能。)また、マルチスレッド環境で動作するSQL埋込みCプログラムを翻訳・結合編集す場合は、-Tを指定してください。オプションの詳細については、“RDBコマンドリファレンス”を参照してください。

SQL埋込みCプログラムのファイル名

SQL埋込みCプログラムで記述された応用プログラムの、ソースファイルを指定します。

ccコマン用のオプション(Solaris OEの場合)

sqlccはロードモジュールを作成するために、ccコマンドを実行します。このとき、ccコマンドに渡すオプションを指定します。

gccコマン用のオプション(Linuxの場合)

sqlccはロードモジュールを作成するために、gccコマンドを実行します。このとき、gccコマンドに渡すオプションを指定します。

fccコマン用のオプション

sqlfccはロードモジュールを作成するために、fccコマンドを実行します。このとき、fccコマンドに渡すオプションを指定します。

◆COBOL用の標準シェルプロシジ

COBOL用の標準シェルプロシジャはsqlcobolです。sqlcobolの入力ファイルは、SQL埋込みCOBOLプログラムのソースファイルです。このファイル名にはサフィックスとして“.cobol”および“.lst”以外を指定する必要があります。出力ファイルはロードモジュールです。また、sqlcobolは作業用のファイルを作成します。作業用のファイルについては、ファイル名が自動的に決定されカレントディレクトリに作成されます。sqlcobolの使用例を以下に示します。

主プログラムであるSQL埋込みCOBOLプログラム(demo02.scob)を、翻訳・結合編集します。ロードモジュールは“demo02”とします。

cd  /home/rdb2/application/src
sqlcobol  -I/home/rdb2/include   demo02.scob
                    (1)                  (2)
            -M -o ../bin/demo02
                      (3)

(1) インクルードファイルを検索するディレクトリを指定するオプション

(2) SQL埋込みCOBOLプログラムのファイル名

(3) cobolコマンド用のオプション

オプション

sqlcobolでは、使用する登録集原文ファイルの配置ディレクトリなどのオプションが指定できます。マルチスレッド環境で動作するSQL埋込みCOBOLプログラムを翻訳・結合編集す場合は、-Tを指定してください。オプションの詳細については、“RDBコマンドリファレンス”を参照してください。

SQL埋込みCOBOLプログラムのファイル名

SQL埋込みCOBOLプログラムで記述された応用プログラムの、ソースファイルを指定します。

cobolコマン用のオプション

sqlcobolはロードモジュールを作成するために、cobolコマンドを実行します。このとき、cobolコマンドに渡すオプションを指定します。

■プレコンパイルとコンパイルを分けて実行する場合

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応用プログラムを翻訳・結合編集するために、まずsqlpcコマンドまたはsqlpcobコマンドを利用してプレコンパイルします。応用プログラムをプレコンパイルすることによって、応用プログラム中のSQL文を翻訳し、標準のCプログラムまたはCOBOLプログラムに変換します。その後、ccコマンド、gccコマンド、fccコマンドまたはcobolコマンドを利用してロードモジュールを作成します。

image

プレコンパイルによって作成されたソースファイルは、中身を変更しないでください。

◆C言語を使用する場合

C言語用のプレコンパイルコマンドは、sqlpcです。sqlpcコマンドの入力ファイルは、SQL埋込みCプログラムのソースファイルです。このファイル名にはサフィックスとして“.c”および“.lst”以外を指定する必要があります。出力ファイルはCプログラムのソースファイルで、ファイル名にサフィックスとして“.c”が付きます。sqlpcコマンドの詳細については、“RDBコマンドリファレンス”を参照してください。

プレコンパイルが終了したら、ロードモジュールを作成します。ロードモジュールを作成するためには、ccコマンドまたはfccコマンドを実行します。C言語の場合は、文字コードに依存しないロードモジュールが作成されます。文字コード系は実行時にクライアント用の動作環境ファイルまたは環境変数で指定します。

C言語を使用した、翻訳・結合編集の例を以下に示します。

主プログラムであるSQL埋込みCプログラム(demo03.sc)を、翻訳・結合編集します。ロードモジュールは“demo03”とします。

なお、Linuxの場合は、Lオプションに指定するパス名を読み替えてください。

cd /home/rdb2/application/src
sqlpc demo03.sc
         (1)
cc -o ../bin/demo03 -lsqldrv -L/opt/FSUNrdb2b/lib demo03.c
                      (2)            (3)            (4)

(1) SQL埋込みCプログラムのファイル名

(2) RDBライブラリを指定するオプション

(3) RDBライブラリのパスを指定するオプション

(4) プレコンパイル後のSQL埋込みCプログラムのファイル名

◆COBOLを使用する場合

COBOL用のプレコンパイルコマンドは、sqlpcobです。sqlpcobコマンドの入力ファイルは、SQL埋込みCOBOLプログラムのソースファイルです。このファイル名にはサフィックスとして“.cobol”および“.lst”以外を指定する必要があります。出力ファイルはCOBOLプログラムのソースファイルで、ファイル名にサフィックスとして“.cobol”が付きます。sqlpcobコマンドの詳細については、“RDBコマンドリファレンス”を参照してください。

プレコンパイルが終了したら、ロードモジュールを作成します。ロードモジュールを作成するためには、cobolコマンドを実行します。

COBOLを使用した、翻訳・結合編集の例を以下に示します。

主プログラムであるSQL埋込みCOBOLプログラム(demo04.sco)を、翻訳・結合編集します。ロードモジュールは“demo04”とします。

cd /home/rdb2/application/src
sqlpcob demo04.sco
           (1)
cobol -M -o ../bin/demo04 -lsqldrv -L/opt/FSUNrdb2b/lib demo04.cobol
                             (2)          (3)                (4)

(1) SQL埋込みCOBOLプログラムのファイル名

(2) RDBライブラリを指定するオプション

(3) RDBライブラリのパスを指定するオプション

(4) プレコンパイル後のSQL埋込みCOBOLプログラムのファイル名

◆翻訳・結合編集する場合に必要なオプション

ccコマンド、gccコマンド、fccコマンドおよびcobolコマンドの実行時には、必要に応じてオプションを指定します。表:応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に必要なオプションに、応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に必要なオプションを示します。

[表:応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に必要なオプション]

指定するオプション

オプションの役割

-M

COBOLの場合に指定

-L/opt/FSUNrdb2b/lib

RDBライブラリパス指定(Solaris OEの場合)

-L/opt/FJSVrdb2b/lib

RDBライブラリパス指定(Linuxの場合)

-lsqldrvm

RDBライブラリ名(マルチスレッドで動作する応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に使用)

-lsqldrv

RDBライブラリ名(32ビットマシンで実行する応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に使用)

-lsql64drv(注)

RDBライブラリ名(64ビットマシンで実行する応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に使用)

-xarch=v9(注)

64ビットマシンで実行する応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に指定

-mt

マルチスレッドで動作する応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に指定(Solaris OEの場合)

-D_REENTRANT -lpthread

マルチスレッドで動作する応用プログラムを翻訳・結合編集する場合に指定(Linuxの場合)

注) Symfoware Server Enterprise Extended Editionでのみ使用可能です。


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