ファイアウォール機能 環境設定ガイド
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第3部 ファイアウォール機能独自環境設定(Solaris版/Windows版)> 第13章 環境設定(Solaris版)> 13.4 要素を設定する

13.4.8 IKE ゲートウェイの動作環境設定

IKE ゲートウェイの動作環境を設定します。IKE ゲートウェイの動作環境は、IKE ゲートウェイ設定画面で設定します。IKE ゲートウェイ設定画面は、以下の手順で起動します。

  1. セットアップ画面で、"IKE ゲートウェイ"の要素アイコンを選択(クリック)または「要素設定」メニューから "IKE ゲートウェイ"を選択します。IKE ゲートウェイ設定画面が表示されます。

[図: IKE ゲートウェイ設定画面]

■画面

以下に、IKE ゲートウェイ設定画面の設定項目について説明します。

◆ゲートウェイ名

IKE ゲートウェイ名を英字で始まる 1 〜 15 文字以内の英数字、" - "(ハイフン)および " _ "(アンダーバー)で指定します。なお、IKE ゲートウェイ名は、定義済のホスト名、ホストグループ名、ネットワーク名、暗号ゲートウェイ名、IPsec ゲートウェイ名、IKE ゲートウェイ名、RADIUS サーバ名、Safegate client 名、アンチウィルスサーバ名、Safegate 集中管理名と重複しないように設定してください。

◆IPアドレス

IKE ゲートウェイの IP アドレスを指定します。なお、アドレスが他の IPsec ゲートウェイおよびIKE ゲートウェイ と重複しないように設定してください。

◆IKE 認証方式

IKE ゲートウェイ間で使用する IKE 認証方式を以下の2つからどちらかを選択し指定します。

初期値は"共有鍵"です。

IKE 認証方式

意味

共有鍵

事前に定義した共有鍵を使用

証明書

証明書を使用


証明書については、「ファイアウォール機能説明書」の「リファレンスガイド」を参照してください。

◆共有鍵

IKE ゲートウェイ間で使用する共有鍵を、16 進数表記で 1〜 64 文字で指定します。IKE 認証方式で「共有鍵」が指定された場合のみ有効となり、必ず指定しなければいけません。自動生成ボタンを押すと、共有鍵の自動生成(乱数生成)ができます。

本パラメタは、接続対象となる相手 IKE ゲートウェイの共有鍵と設定を合わせる必要があります。

共有鍵の自動生成後、OK ボタンをクリックすると" * " になり、その後、自動生成した共有鍵を参照できなくなります。したがって、共有鍵の自動生成を行う場合には、鍵の値を記録しておき、相手側に同じ値を設定するようにしてください。

◆種別

IKE の動作を AH、ESP、ESP_AUTH、AH+ESP のいずれかから選択します。初期値は "ESP_AUTH" です。本パラメタは、接続対象となる相手暗号ゲートウェイの設定と合わせる必要があります。

◆認証アルゴリズム

種別が AH、ESP_AUTH、AH+ESP のいずれかの場合、認証アルゴリズムを指定します。指定できる認証アルゴリズムは以下の通りです。初期値は "MD5" です。

本パラメタは、接続対象となる相手 IKE ゲートウェイと設定を合わせる必要があります。種別が ESP の場合、本項目は設定不要です。

◆暗号アルゴリズム

種別によって以下のように指定します。初期値は"DES" です。

種別

暗号アルゴリズム

認証(AH)

設定不要

暗号(ESP)

DES または 3DES

ESP_AUTH

DES または 3DES または NULL

AH+ESP

DES または 3DES


種別が "ESP"または "AH+ESP" の場合、"NULL" を指定できません。本パラメタは、接続対象となる相手 IKE ゲートウェイと設定を合わせる必要があります。

備考

◆IKE 暗号アルゴリズム

IKE 通信時の暗号アルゴリズムを指定します。初期値は"DES"です。

通信相手のゲートウェイが 「Safegate (Solaris版) 2.1」の場合は、"DES" を選択してください。

◆起動時接続

IKE ゲートウェイ起動時に、相手 IKE ゲートウェイへの自動接続を行うかどうかを指定します。初期値は"行う"です。

設定

意味

行なう

自動的に接続する

行なわない

自動接続を行なわない

◆相手局タイプ

相手 IKE ゲートウェイを識別するための文字列を、必要に応じて 63 文字以内の英数字、" _"(アンダースコア)、" - "(ハイフン)、" ."(ピリオド)、" @ "を使用して指定します。初期値は"指定なし"です。

「Safegate (Solaris版) 2.1」と接続する場合、"S_Safegate2.1"と指定します。それ以外の場合は、指定する必要はありません。

◆SA 有効期間( IPsec )

IPSEC SAの 有効期間を指定します。指定できる期間の範囲は1 〜 8759で、単位は「時間」です。有効期間終了後の最初の通信開始時に IPSEC SA が再作成されます.本パラメタはSA 有効期間( IKE )よりも小さい値に設定する必要があります。本パラメタは、接続対象となる相手 IKE ゲートウェイと設定を合わせる必要があります。初期値は "8" です。

◆SA 有効期間( IKE )

自動鍵交換プロトコル( IKE )で使用する ISAKMP SA の有効期間を指定します。指定できる期間の範囲は 2 〜 8760 で、単位は「時間」です。初期値は "24" です。有効期間終了後の最初の通信開始時に ISAKMP SA が再作成されます。本パラメタは SA 有効期間( IPsec )よりも大きい値に設定する必要があります。本パラメタは、接続対象となる相手 IKE ゲートウェイと設定を合わせる必要があります。

認証種別、認証アルゴリズムおよび暗号アルゴリズムには、それぞれ以下の関係がありますので、設定時には注意してください。

認証種別

認証アルゴリズム

暗号アルゴリズム

AH

×

ESP

×

○(*1)

AH + ESP

○(*1)

ESP_AUTH

*1:DES または 3DES を選択します( NULL は選択できません)。

:選択できる

:選択できない

■操作手順

以下に、IKE ゲートウェイの要素設定の操作手順について説明します。

◆IKE ゲートウェイを定義する

IKE ゲートウェイの要素に対し、IKE ゲートウェイ名を対応させて定義する場合は、以下の手順で行います。

  1. セットアップ画面で、IKE ゲートウェイの動作環境を設定する要素アイコンを選択(クリック)または「要素設定」メニューから "IKE ゲートウェイ"を選択します。IKE ゲートウェイ設定画面が表示されます。

  2. 「ゲートウェイ一覧」リストから、ゲートウェイ名( IKEゲートウェイ名)を選択し、"結合"ボタンをクリックします。選択した相手 IKE ゲートウェイ名と、セットアップ画面で選択した IKEゲートウェイ要素のアイコンが対応して定義されます。

  3. "了解"ボタンをクリックすると、変更内容が反映され、セットアップ画面に戻ります。

◆相手 IKE ゲートウェイの定義を参照する

すでに設定されている相手先 IKE ゲートウェイの定義を参照する場合は、以下の手順で行います。

  1. IKE ゲートウェイ設定画面で、「ゲートウェイ一覧」リストから、定義を参照するゲートウェイ名を選択します。設定値パネルには、現在の設定値が表示されます。

◆相手 IKE ゲートウェイの定義を追加する

IP セキュリティ通信の相手先となる IKE ゲートウェイの定義を追加する場合、以下の手順で行います。

  1. IKE ゲートウェイ設定画面で、「ゲートウェイ一覧」リストの下の"追加"ボタンをクリックします。[設定値]パネルは、何も設定されていない状態になります。

  2. 相手先の IKE ゲートウェイの定義を行います。

  3. "設定"ボタンをクリックします。

  4. "了解"ボタンをクリックすると、変更内容が反映され、セットアップ画面に戻ります。

◆相手 IKE ゲートウェイの定義を削除する

IP セキュリティ通信の相手先となる IKE ゲートウェイの定義を削除する場合、以下の手順で行います。

  1. IKE ゲートウェイ設定画面で、「ゲートウェイ一覧」リストから、削除する相手先の IKE ゲートウェイ名(ゲートウェイ名)を選択し、"削除"ボタンをクリックします。選択した相手先暗号ゲートウェイが削除されます。

  2. "了解"ボタンをクリックすると、変更内容が反映され、セットアップ画面に戻ります。

■乱数種指定

IKE ゲートウェイが IP セキュリティ自動鍵交換処理において使用する、乱数の種(シード)を指定することができます。乱数の種を指定するには、「編集」メニューから"乱数の種の作成"を選択して表示される IKE 種設定画面を使用します。

「種」のフィールドに、乱数の種を 1 〜 240 文字以内の 16進数表記で指定し、"了解"ボタンをクリックしてください。なお、IKE 種設定画面で指定した乱数の種は、システム起動時およびSA管理起動時に読み込まれます。

乱数の種の設定は必須作業ではありません。種が指定されない場合には、独自の方法で乱数を発生させます。


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