TeamWARE Office 200X V2.0 管理者ガイド
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付録A 資源移動ユーティリティ> A.4 設備カレンダー資源の移動

A.4.2 ユーザ・インターフェース

◆リストファイルの作

リストファイルは、システム管理者が作成します。リストファイルを作成するには、エディタで記述する方法とコマンドで作成する方法の2つがあります。なお、リストファイルは、シフトJISコード形式です。

リストファイルをエディタで記述する方

リストファイルはテキストファイルなので、エディタで作成できます。記述形式などの詳細は、以降のリストファイルの記述形式を参照してください。

エディタでリストファイルを作成する場合の例を、以下に示します。

移動対象設備カレンダー(1)

設備カレンダー名

会議室201

設備カレンダーのロケーション

ou=TW,l=kanagawa,o=Fj,c=jp

移動対象設備カレンダー(2)

設備カレンダー名

会議室301

設備カレンダーのロケーション

ou=Admin,ou=TW,l=kanagawa,o=Fj,c=jp

リストファイルは、以下のようになります。

//op resource

=calendar cn=会議室201,ou=TW ,l=kanagawa,o=Fj,c=jp
=calendar cn=会議室301,ou=Admin,ou=TW ,l=kanagawa,o=Fj,c=jp

リストファイルの記述形

リストファイルは、以下の規約と“表A.2 制御文”に従って記述します。後述する検索条件ファイルも同じ規約です。

リストファイルの制御の詳細について、表A.2に示します。

[表A.2 制御文]

オペランド

必須/
オプション

最大長

設定値

//op

必須

8

設備カレンダー資源の移動処理を行うことを指示します。指定可能な値は“resource”だけです。

=calendar

必須

512

移動対象の設備カレンダー名と所属するロケーションを指定します。

記述は、次に示すパラメータ構成で行います。各パラメータは、“,(カンマ)”で区切り、記述する順番を意識します。

記述する順番は、設備カレンダー名に続いて、下位のロケーションから記述します。

また、移動元サーバ以外に定義されているロケーションや存在しないロケーションは指定できません。

cn=設備カレンダー名
ou=設備カレンダーの所属する階層化組織名
l=設備カレンダーの所属するエリア名
o=設備カレンダーの所属する組織名
c=設備カレンダーの所属する国名

◆移出処

移動したい設備カレンダー資源を、移動元サーバから中間ファイルへ移します。移出が完了した場合、設備カレンダーは移動元サーバから削除されます。

なお、このコマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。

指定形式

torcaexp IRF_file list_file

オペランドの説明

IRF_file :

中間ファイル名を指定します。

list_file :

リストファイルのファイル名を指定します。

  • 資源の移動中に起こるデータベースの変化を避けるため、処理が完全に終了するまで、サイト内のすべての運用管理機能の実行を行わないでください。また、TeamWARE Officeサーバにアクセスしないようにユーザに指示してください。
    もし、移出処理中にカレンダー・予約・週間メモのどれかを操作された場合、操作元と操作対象のカレンダー資源の状態に矛盾が生じる可能性があります。
  • 中間ファイル名(IRF_file)には、出力先のパスに存在しないファイル名を指定してください。すでに存在しているファイル名を記述するとエラーになります。この場合、存在しないファイル名に変更して、処理をもう一度行ってください。
  • ユーティリティの性能負荷の理由で、一度に移動可能な設備カレンダー数は、最大100個までとなります。また、100個以上指定した場合には、移出処理でエラーになります。
  • 移出処理が正常に行われた場合、移動元サイトのディレクトリデータベースから設備カレンダーの定義を削除し、そのほかの設備カレンダー資源をカレンダーデータベースから削除します。

◆中間ファイルに必要な容量見積もり

中間ファイに必要な容量を出力します。このコマンドは、事前に中間ファイルの容量を把握しておきたいとき、たとえば、中間ファイル出力先の空き容量が十分かどうか確認したいときなどに使用します。

指定形式

torcaexp -e list_file

オペランドの説明

-e :

中間ファイル見積もり処理を起動します。

list_fileにリストファイルの名前を指定します。

  • 移出処理と同じくらいの時間がかかります。移出処理と同じ環境条件で起動してください。
  • 設備カレンダー資源の移動中に起こるデータベースの変化を避けるため、処理が完全に終了するまで、サイト内のすべての運用管理機能の実行を禁止するようにしてください。また、TeamWARE Officeサーバにアクセスしないよう、ユーザに連絡しておいてください。
  • 資源移動ユーティリティで作成される中間ファイルは、2GBを超えて作成することができません。あらかじめ、-eオペランドを使用して中間ファイルの予測サイズを測定してください。2GBを超える場合は、リストファイルを分割した上で、中間ファイルが2GBを超えないように、移出を行ってください。

以下に、中間ファイルに必要な容量を見積もる機能を実行した場合の出力例を示します。

D:\to> torcaexp -e test.txt
estimate start

cn=会議室212,ou=TW,l=area,o=Fj,c=jp estimate complete
cn=会議室110,ou=TW,l=area,o=Fj,c=jp estimate complete
cn=応接室305,ou=1gw,ou=TW,l=area,o=Fj,c=jp estimate complete

File size = 1276 (Byte)

Done

D:\to>


◆リカバリ機

移出処理の内部では、大きく分けて以下の2つの手順があります。

  1. 移動元サイトのディレクトリデータベースと移動元サーバのカレンダーデータベースから設備カレンダー資源を抽出して、中間ファイルに出力する。
  2. 移動する設備カレンダー資源の抽出が完了したら、移動する設備カレンダー資源を移動元サイトのディレクトリデータベースと移動元サーバのカレンダーデータベースから削除する。

1の処理で失敗した場合は、移動元サイトのディレクトリデータベースと移動元サーバのカレンダーデータベースの状態は変更されません。したがって、移動元サイトのTeamWARE Officeサーバの状態に問題がない限り再度移出を始めることができます(たとえば、ユーザリストの定義を間違えた場合など)。

しかし、2の処理で異常が発生した場合は、完全に設備カレンダー資源の削除ができないので移動元サイトのディレクトリデータベースと移動元サーバのカレンダーデータベースの容量が減少しません。

この問題に対応するため、torcaexpコマンドの以下の機能を使用することでリカバリを行えます。このリカバリ機能は移出処理を行った移動元サーバ以外では使用できません。

設備カレンダー資源を移動元サイトに復元す

この機能は、2の処理で失敗した場合、移出処理のためのtorcaexpコマンドを実行する前の状態にデータベースを復元します。1の処理で作成した中間ファイルに含まれる設備カレンダー資源を移動元サイトのディレクトリデータベースと移動元サーバのカレンダーデータベースに移入することで復元を行います。

指定形式

torcaexp -r IRF_file

オペランドの説明

-r :

IRF_fileに1で作成された中間ファイル名を指定します。

設備カレンダー資源を移動元サイトから削除す

この機能は、2の処理で失敗し、移動元サイトから削除できなかった設備カレンダー資源を、1で作成された中間ファイルに含まれる設備カレンダー資源の情報を使用して削除します。

指定形式

torcaexp -d IRF_file

オペランドの説明

-d :

IRF_fileに1で作成された中間ファイル名を指定します。

◆中間ファイルの転送

中間ファイが作成されたら、中間ファイルを移動元サーバから移動先サーバへ、バイナリ形式で転送します。ファイルは圧縮して転送してもかまいませんが、転送後、解凍を忘れないようにしてください。ただし、異なるOS間での圧縮、解凍はできません。

◆移入処

移動させる設備カレンダー資源を、中間ファイルから移動先サーバへ移します。コマンドは移動先サーバのTeamWARE Officeのインストールディレクトリで実行してください。

なお、このコマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。

指定形式

torcaimp IRF_file list_file

オペランドの説明

IRF_file :

中間ファイルのファイル名を指定します。

list_file :

リストファイルの名前を指定します。

  • 資源の移動中に起こるデータベースの変化を避けるため、処理が完全に終了するまで、サイト内のすべての運用管理機能の実行を行わないでください。また、TeamWARE Officeサーバにアクセスしないようにユーザに指示してください。
  • 移入処理が失敗した場合は、移動先のデータベースのバックアップ情報をリストアし、再度実行してください。移動処理を中断した状態で運用を開始すると、データベース間に不整合が発生することがあります。作業を中断した状態で運用を開始する場合には、サイト内のすべてのデータベースのリストアを実行してください。
  • 移入時に、すでに移動対象の設備カレンダー資源が存在した場合は、中間ファイルの情報により上書きされます。

リストファイルの編

移入処理を行う前に移動元サーバで作成し、移出処理で使用したリストファイルに以下に示す制御文を追加します。

例として、以下の条件での制御オペランドとカスタムオペランドを追加したリストファイルの編集例を示します。

リストファイルは、以下のように編集します。

//op resource
//base_location ou=TWG,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
//base_owner cn=小野寺 しげる,ou=TWG,l=area,o=Fj,c=jp

=calendar cn=会議室201,ou=TW ,l=kawasaki,o=Fj,c=jp
=owner cn=中山 賢一,ou=TW ,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
=new_calendar 静岡会議室201
=location ou=TW,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
=calendar cn=会議室301,ou=TW ,l=kawasaki,o=Fj,c=jp


詳細は、“表A.4 カスタムオペランド”を参照してください。

リストファイルを編集する場合、移出処理で使用した制御文は絶対に変更、削除をしないでください。移入処理においてその情報を使用するため、変更した場合は移入処理ができなくなることがあります。

リストファイルの制御オペランの詳細について、表A.3に示します。

[A.3 制御オペランド]

オペランド

必須/
オプション

最大長

設定値

//base_location










必須

512

移動先に存在する基底ロケーションを指定した設備カレンダーに設定します。

移入する設備カレンダーの基底ロケーションは、“=location”が設定されていない限り必ずこのロケーションが設備カレンダーに設定されます。移動先サイトにローカルで定義されているものだけ指定可能です。

この指定は、すべての設備カレンダーに対して有効です。なお、設備カレンダーごとにロケーションを指定することもできます。詳細は“表A.4 カスタムオペランド”の“=location”オペランドの説明を参照してください。

なお、移動先サイト以外に定義されているロケーションや存在しないロケーションは指定できません。

※リストファイル作成コマンドは、このオペランドを値なしでファイルに出力します。このオペランドは移出処理コマンドの実行ではコメント行として無視されます。移入処理コマンドの実行前に値を記述してから実行してください。

ロケーションの指定方法

//base_location ou=TW,l=area,o=Fj,c=jp

ou = 階層化組織名
l = エリア名
o = 組織名
c = 国名

記述は、下位のロケーションより指定します。

ouは、階層化組織の階層分記述します。

//base_owner








必須

512

移入するすべての設備カレンダーの所有者を、指定したユーザに変更します。

移入する設備カレンダーの基底所有者は、カスタムオペランド“=owner”が指定されていない限り、必ず“//base_owner”で指定したユーザを所有者として設定します。所有者として指定できるユーザには、カレンダーの作成権かカレンダーサービスの管理権が必要です。詳細は、“表A.4 カスタムオペランド”の“=owner”オペランドの説明を参照してください。

また、移動先サイト以外に定義されているユーザや存在しないユーザは、所有者として指定できません。

※リストファイル作成コマンドは、このオペランドを値なしでファイルに出力します。このオペランドは、移出処理コマンドの実行ではコメント行として無視されます。移入処理コマンドの実行前に値を記述してから実行してください。

ユーザ名とロケーションの指定方法

//base_owner cn=user,ou=TW,l=area,o=Fj,c=jp

ou = ユーザの所属する階層化組織名
l = ユーザの所属するエリア名
o = ユーザの所属する組織名
c = ユーザの所属する国名

記述は、下位のロケーションより指定します。

ouは、階層化組織の階層分記述します。

リストファイルのカスタムオペランの詳細について、表A.4に示します。

[A.4 カスタムオペランド]

オペランド

必須/
オプション

最大長

設定値

=new_calendar

オプション

512

変更したい設備カレンダー名と所属するロケーションを指定します。

移動先サイトに所属が同じで同名の設備カレンダーがすでに存在する場合には、この指定で回避できます。

設定方法については、“表A.2 制御文”の“=calendar”オペランドを参照してください。

=location

オプション

512

変更したいロケーションを指定します。

移動先サイトに所属が同じで、同名の設備カレンダーがすでに存在する場合には、この指定で回避できます。

このオペランドが指定されていない設備カレンダーは、“//base_location”の示すロケーションに設定されます。

また、移動先サイト以外に定義されているロケーションや存在しないロケーションは指定できません。

ロケーションの指定方法
=location ou=1gw,l=area,o=Fj,c=jp

ou = 設備カレンダーの所属する階層化組織名
l = 設備カレンダーの所属するエリア名
o = 設備カレンダーの所属する組織名
c = 設備カレンダーの所属する国名

記述は、下位のロケーションより指定します。

ouは、階層化組織の階層分記述します。

=owner

オプション

512

設備カレンダーの所有者を、指定したユーザに設定します。

このオペランドを指定した設備カレンダーの所有者を、“//base_owner”で指定した以外のユーザに設定したい場合に使用します。

所有者名と所属するロケーションの指定方法は、“//base_owner”と同じです。

このオペランドが指定されていない設備カレンダーは、“//base_owner”の示す所有者に設定されます。


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