PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.1 (伝送路二重化機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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付録D その他> D.2 トラブルシューティング> D.2.3 運用中に異常が発生(シングル構成/クラスタ構成で共通)

D.2.3.1 NIC切替方式で監視先が故障していないのに切替えが発生する

現象
ネットワーク機器に異常がないにもかかわらず、以下のようなメッセージが出力されHUB監視が異常終了する。

hanet: ERROR: 87000: polling status changed: primary polling failed. (hme0,target=192.13.71.20)
hanet: ERROR: 87100: polling status changed: secondary polling failed. (hme1,target=192.13.71.21)

原因および対策
NIC切替方式では、インタフェースの活性化に伴うEthernetレベルでのデータリンクの確立処理で時間がかかる場合があり、インタフェースを活性化しても即座に通信が可能な状態にはなりません。一般的には、インタフェースを活性化後、数10秒程度で通信可能な状態になりますが、接続するHUBによっては1分を超える時間を要する場合があり、その間にping監視に失敗し切替が発生する場合があります。
このような場合は、hanetpoll onコマンドにより、リンクアップの完了待ち時間(デフォルト値: 60秒)を延長してください。また、使用するHUBがSTP(スパニングツリープロトコル)を使用する設定となっている場合、STPの転送遅延タイマにより、使用しているポートで通信可能な状態となるまでに時間を要するため、転送遅延時間に合せてリンクアップの完了待ち時間を延長してください。STPが動作しているHUBでは、リンクアップの完了後に実際に通信が可能となるまでに転送遅延時間の2倍(一般的な値は30秒)の時間を要します。STPが動作している場合の標準的なリンクアップの完了待ち時間は、以下の計算式により見積もることができます。
なお、STP転送遅延時間の確認方法については、使用しているHUBのマニュアルを参照してください。

リンクアップの完了待ち時間 > STP転送遅延時間 * 2 + 監視時間 * 監視回数

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