PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.1 (伝送路二重化機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 - |
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第7章 コマンドリファレンス |
hanetpoll - ルータ/HUB監視機能の監視先情報の設定・変更・削除・表示
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll command [args]
hanetpoll コマンドは、ルータ/HUB監視機能に必要な監視先情報の設定、および設定内容の変更/削除/表示/有効化/無効化を行います。
command |
処理概要 |
実行権限 |
create |
監視先情報の作成 |
スーパユーザ |
copy |
監視先情報の複製/同期切替え |
スーパユーザ |
|
監視先情報の表示 |
一般ユーザ |
modify |
監視先情報の変更 |
スーパユーザ |
delete |
監視先情報の削除 |
スーパユーザ |
on |
ルータ/HUB監視機能の有効化 |
スーパユーザ |
off |
ルータ/HUB監視機能の無効化 |
スーパユーザ |
ルータ/HUB監視機能を使用するには、監視先情報を作成しなければなりません。本情報は、create コマンドによって作成します。createコマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n devicename -p polladdress1[,polladdress2] [-b {on | off}] |
監視対象となる仮想インタフェース名を指定します。hanetconfig createコマンドまたは、hanetconfig copyコマンドで作成した仮想インタフェース名を指定します。なお、論理仮想インタフェース名を指定する事はできません。
監視先のホスト名またはIPアドレスを指定します。“polladdress1”には、primaryインタフェース活性化時に監視するホスト名またはIPアドレスを指定します。“polladdress2”には、secondaryインタフェース活性化時に監視するホスト名またはIPアドレスを指定します。primaryインタフェースとsecondaryインタフェースで監視先が同じ場合や、secondaryインタフェースを定義していない場合(一重化の場合)は、“polladdress2”は省略します。
RIP方式の場合は、隣接ルータのホスト名またはIPアドレスを指定します。
NIC切替方式の場合は、接続しているHUBのホスト名またはIPアドレスを指定します。また、アドレス形式として、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定することができます。IPv6アドレスを設定する場合、prefix値は指定しないでください。
また、ホスト名で指定する場合、IPv4とIPv6で同一名が存在するホスト名は使用しないでください。同一名が存在する場合、IPv6ホストとして処理されます。
NIC切替方式において監視先HUBを2つ設定した場合には、カスケード接続しているHUBとHUB間の伝送路の状態を監視する事ができます。
on :HUB−HUB間の監視を行います。
off:HUB−HUB間の監視を行いません。
NIC切替方式の仮想インタフェースに対する監視先情報を複製、または仮想インタフェースの切替えを同期させる場合に使用します。これにより、監視先情報、HUB−HUB間監視モードを指定することなく自動的にコピー元の情報を流用して監視先情報を新規に作成することができ、hanetpoll createを直接実行する場合より操作が簡単になります。copyコマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll copy -n devicename1,devicename2 |
NIC切替方式において、タグVLANインタフェースを使用してネットワークアドレスの異なる複数の仮想インタフェースを作成した場合、VLAN運用を行っているスイッチ/HUBには監視先として複数のIPアドレスを設定できないことを考慮し、同一の物理インタフェースを使用している仮想インタフェース間で切替えを同期させることができます。これにより、監視先となるIPアドレスが存在しない仮想インタフェースでも、監視先の存在する仮想インタフェースと同期して伝送路異常時に切替えを行うことができます。仮想インタフェースの同期切替えを行う場合は、copyコマンドを使用して設定します。(仮想インタフェースのネットワークアドレスと異なるネットワークアドレスの監視先が指定可能です。)
監視先情報の複製元および複製先の仮想インタフェース名を指定します。
コピー元となる監視情報に設定されている仮想インタフェース名を指定します。
新たに監視を行う仮想インタフェース名を指定します。hanetconfig createコマンドまたは、hanetconfig copyコマンドで作成した仮想インタフェース名を指定してください。論理仮想インタフェース名を指定する事はできません。
現在の監視先情報をprintコマンドによって表示することができます。現在の監視先情報を参照したい場合に使用します。printコマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print [-n devicename1[,devicename2,...]] |
監視先情報を表示する仮想インタフェース名を指定します。このオプションが指定されていない場合は、現在設定されている監視先情報をすべて表示します。
以下に オプション指定なし表示形式を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print [ Standard Polling Parameter ] interval(idle) = 5( 60) sec times = 5 times max_retry = 5 retry repair_time = 5 sec failover mode = YES [ Polling Parameter of each interface ] Name Hostname/Polling Parameter +-------+---------------------------------------------------------------+ sha0 swhub1,swhub2 hub-hub poll = OFF interval(idle) = 5( 60) sec times = 5 times max_retry = 5 retry repair_time = 5 sec failover mode = YES Name Hostname/Polling Parameter +-------+---------------------------------------------------------------+ sha1 swhub3,swhub4 hub-hub poll = OFF interval(idle) = 5( 60) sec times = 5 times max_retry = 5 retry repair_time = 5 sec failover mode = YES |
表示 |
内容 |
|
Standard Polling Parameter |
共通の監視情報 |
|
Polling Parameter of each interface |
個別の監視情報 |
|
Name |
監視対象の仮想インタフェース名 |
|
Hostname |
監視対象のホスト名またはIPアドレスを、プライマリ監視先、セカンダリ監視先の順で表示します。 |
|
hub-hub poll |
HUB-HUB間監視の状態 |
|
hub-hub poll |
ON |
監視機能が有効です。 |
OFF |
監視機能が無効です。 |
|
--- |
監視機能を使用しません。 |
|
interval(idle) |
interval |
定常状態での監視間隔を秒単位で表示します。 |
idle |
監視開始後のHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で表示します。 |
|
times |
監視回数 |
|
max_retry |
異常通知までの連続異常発生回数 |
|
repair_time |
復旧監視間隔を秒単位で表示します。 |
|
failover mode |
全伝送路異常発生時のクラスタ切替え有無 |
|
failover mode |
YES |
クラスタリソースに登録されていた場合にノード間切替えを行います。 |
NO |
ノード間切替を行いません。 |
監視先情報の設定内容を変更したい場合は、modifyコマンドを使用します。modifyコマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll modify -n devicename {[-p polladdress1[,polladdress2]] [-b {on | off}]} |
変更する監視先情報の仮想インタフェース名を指定します。
変更する監視先のホスト名またはIPアドレスを指定します。設定方法の詳細は、(1) create コマンドの pオプションを参照してください。
HUB-HUB間の監視有無を設定します。設定方法の詳細は、(1) create コマンドの bオプションを参照してください。
監視先を2つから1つに変更する場合は、HUB-HUB間監視の有無を確認し、監視有り(on)の場合には監視無し(off)に変更してください。
監視先情報を削除したい場合は、deleteコマンドを使用します。deleteコマンドの形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll delete -n {devicename1[,devicename2,...] | all} |
監視先情報を削除する仮想インタフェース名(sha0、sha1など)を指定します。
定義されている監視先情報をすべて削除します。
作成したルータ/HUB監視機能を有効化する場合、および、ルータ/HUB監視機能、GS/SURE連携方式の通信相手監視機能の監視間隔変更を行う場合はonコマンドを使用します。onコマンドの形式は以下の通りです。
RIP方式、高速切替/RIP方式、NIC切替方式、またはGS/SURE連携方式の場合: NIC切替方式の仮想インタフェースを個別指定する場合: |
HUB監視機能を有効化するNIC切替方式の仮想インタフェース名(sha0、sha1など)を指定します。本オプションを省略した場合は、監視先を設定しているすべての仮想インタフェースが対象となります。
なお、指定した仮想インタフェースが他の仮想インタフェースとNIC共有を行っている場合、NIC共有しているすべての仮想インタフェースは同期してHUB監視機能を有効化します。
指定した仮想インタフェースに対して個別に設定されている監視間隔や監視回数などの監視情報を、共通の監視情報に設定されている設定値に変更します。なお、本オプションは'-n'オプションでNIC切替方式の仮想インタフェースを個別に指定した場合にのみ有効です。(共通の監視情報については、(3) print コマンドの表示形式を参照してください。)
監視間隔を秒で指定します。設定可能な範囲は1〜300です(但し、secとtimesの積が300以内でなければなりません)。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(秒)が設定されています。
監視回数を指定します。設定可能な範囲は1〜300です(但し、secとtimesの積が300以内でなければなりません)。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(回)が設定されています。
異常を検出した場合にルータ/HUB監視を中止するリトライ数を指定します。設定可能な範囲は0〜99999です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(回)が設定されています。なお、ルータ/HUB監視を中止しない場合には、0を指定します。
本オプションはRIP方式または高速切替/RIP方式の場合のみ有効であり、その他の方式の場合は無視されます。
RIP方式、高速切替/RIP方式のルータ監視で異常を検出した場合、またはGS/SURE連携方式の通信相手ホスト監視で異常を検出した場合の復旧監視間隔を指定します。設定可能な範囲は0〜300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(秒)が設定されます。
クラスタ運用中に伝送路異常によりノード間切替が発生する場合の動作について設定します。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は“yes”が設定されます。なお、本パラメタはクラスタ運用時のみ有効です
yes:伝送路監視異常発生時にノード間切替を行います。
no :伝送路監視異常発生時にノード間切替を行いません。
ルータ/HUB監視機能およびGS/SURE連携方式の通信相手監視機能において、監視開始後にHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で指定します。
設定可能な範囲は1〜300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は60(秒)が設定されます。また、監視間隔×監視回数よりも値が小さい場合にはリンクアップ時間に設定された時間は無視され、監視間隔×監視回数で設定されている時間を採用します。
ルータ/HUB監視機能を無効化したい場合はoffコマンドを使用します。offコマンドの形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off [-n devicename] |
HUB監視機能を無効化するNIC切替方式の仮想インタフェース名(sha0、sha1など)を指定します。本オプションを省略した場合は、監視動作中のすべての仮想インタフェースが対象となります。
なお、指定した仮想インタフェースが他の仮想インタフェースとNIC共有を行っている場合、NIC共有しているすべての仮想インタフェースは同期してHUB監視機能を無効化します。
仮想インタフェースsha2において、監視先ルータrouterA,routerBを監視対象にする場合の例を以下に示します。なお、ホスト名は、/etc/inet/hostsファイルに定義されているものとします。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha2 -p routerA,routerB |
NIC切替方式の仮想インタフェースsha0に定義されている監視先情報をsha1に複写する場合の例を以下に示します。(sha0で伝送路異常を検出して切替えが行われる場合は、sha1も同時に切替えが行われます。)
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll copy -n sha0,sha1 |
仮想インタフェースの構成情報一覧を表示する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print |
仮想インタフェースsha2において、監視先ルータをrouterA,routerCに変更する場合の例を以下に示します。なお、ホスト名は、/etc/inet/hostsファイルに定義されているものとします。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll modify -n sha2 -p routerA,routerC |
仮想インタフェースsha2の監視先情報を削除する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll delete -n sha2 |
ルータ/HUB監視機能を開始する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on |
NIC切替方式の仮想インタフェースsha0を指定してHUB監視機能を開始する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on -n sha0 |
ルータ/HUB監視機能を停止する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off |
NIC切替方式の仮想インタフェースsha0を指定してHUB監視機能を停止する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off -n sha0 |
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