PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.1 (伝送路二重化機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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第4章 運用> 4.5 活性操作(活性交換/活性増設)> 4.5.2 PHP(PCI Hot Plug)による活性交換/活性増設

4.5.2.2 活性増設(非冗長化構成に対して増設)

非冗長化構成から新規にPCIカードを活性増設することで、冗長化構成にすることができます。

以下に、非冗長化構成の活性増設手順を示します。

1) マシン管理のハードウェア監視の停止

マシン管理のハードウェア監視を停止するため、以下のコマンドを実行します。

# /usr/sbin/FJSVmadm/prephp <Return>

2) NIC (PCIカード) の増設

a.
PCIカードを増設する前に、prtpicl(1M)コマンドの実行結果(現在の構成情報)を保存します。

# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.pre <Return>

b.
PCIカードを増設するPCIスロットの状態を確認します。
以降では、I/O筐体番号:0、PCI/ディスクBOX番号:1、物理スロット番号:02 のPCI/ディスクBOX内スロット:R0B01-PCI#slot02 に、PCIカード増設を行う場合を例にあげて説明します。
新規冗長構成の追加では、複数枚のPCIカードを増設しますが、追加する各カードごとに2)のb.から3)の手順を実行してください。
スロットの書式は、以下のようになります。(N: 整数)

PCIスロットの場所

スロットを特定する要素

Ap_Idの書式

PRIMEPOWER 900/1500/2500の筐体内

筐体番号:X
システムボード番号:Y
物理スロット番号:ZZ

pcipsyN:CXM0Y-PCI#slotZZ

PCI/ディスクBOX

I/O筐体番号:X
PCI/ディスクBOX番号:Y
物理スロット番号:ZZ

pcipsyN:RXB0Y-PCI#slotZZ

上記以外

物理スロット番号:ZZ

pcipsyN:PCI#slotZZ

cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードのスロット状態が“empty unconfigured”であることを確認します。

# cfgadm R0B01-PCI#slot02 <Return>
Ap_Id                          Type        Receptacle    Occupant      Condition
pcipsy18:R0B01-PCI#slot02      unknown     empty         unconfigured  unknown

c.
スロット位置確認のため、2)のb.で求めたAp_Idを指定してPCIカードを増設するPCIスロットのALARM LEDを点滅させます。

# cfgadm -x led=fault,mode=blink pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>

d.
PCIカードを増設するPCIスロットのREADY LEDが消灯していることを確認し、PCIカードを増設します。本作業は、当社技術員が行います。

e.
cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードのスロット状態が“disconnected unconfigured”になったことを確認します。

# cfgadm pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
Ap_Id                          Type        Receptacle    Occupant      Condition
pcipsy18:R0B01-PCI#slot02      unknown     disconnected  unconfigured  unknown

3) NIC (PCIカード) の組込み

Ap_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行するか、または、増設スロット位置のプッシュボタンを押して、増設したPCIカードを組込みます。

image

なお、プッシュボタンはマルチユーザモードの場合のみ有効です。

その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected configured”になったことを確認します。

# cfgadm -c configure pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
# cfgadm pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
Ap_Id                          Type        Receptacle    Occupant      Condition
pcipsy18:R0B01-PCI#slot02      pci-pci/hp  connected     configured    ok

4) マシン管理のハードウェア構成情報更新/ハードウェア監視の起動

マシン管理のハードウェア構成情報更新とハードウェア監視の再起動のため、以下のコマンドを実行します。

# /usr/sbin/FJSVmadm/postphp <Return>

5) デバイスの増設

増設したPCIカードとネットワーク機器をケーブルで接続します。

6) ドライバの設定追加

以下の操作により、ドライバの設定を追加します。

a.
ドライバの設定追加や上位製品の追加に必要となるインタフェース名を求めます。
prtpicl(1M)コマンドの実行結果を保存し、2)のa.で採取した情報との差分をとり、追加したPCIカードに対するドライバのインスタンス番号を求めます。
以下の例では、インスタンス番号が1となっていることから、追加したPCIカードのインタフェース名はhme1と判断することができます。

# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.post <Return>
# diff /tmp/prtpicl.pre /tmp/prtpicl.post | more <Return>
            :
>    :status    okay
>    :devfs-path    /pci@8d,2000/network@1
>    :driver-name   hme
>    :binding-name  SUNW,hme
>    :bus-addr  1
>    :instance  1
>    :_class    obp-device
>    :name  network
            :

b.
上記手順で得られたインタフェース名が、追加したPCIカードのスロット位置に該当するインタフェース名であることを確認します。
特に増設したPCIカードが複数あり、インタフェース名とスロット位置の関係を特定することができない場合には、本手順を実施してください。

# /usr/sbin/FJSVmadm/inst2comp hme1 <Return>
pcipsy18:R0B01-PCI#slot02

c.
各ドライバに対する設定を追加します。
詳細は各ドライバのマニュアルを参照してください。

7) 冗長構成の構築

高速切替方式、NIC切替方式、またはGS/SURE連携方式の環境設定を行い、仮想インタフェースを活性化します。活性増設によりNIC(PCIカード)を増設した場合、各方式の環境設定完了後にシステムをリブートする必要はありません。

なお、高速切替方式の環境設定を行う場合、追加したインタフェース“hme1”は以下のコマンドを実行して事前に活性化しておく必要があります。

IPv4アドレスを使用する場合

# /usr/sbin/ifconfig hme1 plumb <Return>
# /usr/sbin/ifconfig hme1 IPアドレス netmask + broadcast + -trailers up <Return>

IPv6アドレスを使用する場合

# /usr/sbin/ifconfig lo0 inet6 plumb up <Return>
# /usr/sbin/ifconfig hme1 inet6 plumb up <Return>

image

IPv4の場合、ここで指定したIPアドレスは/etc/inet/hostsおよび/etc/hostname.hme1に必ず設定してください。
IPv6の場合、必ず/etc/hostname6.hme1を空ファイルとして作成してください。
これらのシステム設定を行わないと、システムリブートが行われた場合に高速切替方式の仮想インタフェースを活性化することができなくなります。


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