PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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目次

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2.4 ディスクグループ
ディスクグループは、ミラーリング、ストライピング、コンカチネート、または、スイッチするディスクどうしを入れておくための器の役割を果たします。ディスクグループのことを、単に「グループ」と呼ぶ場合もあります。
グループの属性のひとつに、タイプ属性があります。タイプ属性は、「ミラー」、「ストライプ」、「コンカチネーション」または「スイッチ」のいずれかの値をとります。複数のディスクをグループへ接続することによって、同じグループ内のディスクどうしが、グループのタイプ属性値に応じて、ミラーリング、ストライピング、コンカチネートされるか、または、スイッチ可能になります。
グループを他のグループに接続して、グループを階層化することもできます。他のグループに属しているグループを下位グループと呼び、他のグループが属しているグループを上位グループと呼びます。
他のグループに属しているグループは、そのグループ自体のタイプ属性値に応じた機能を保持したまま、グループに属しているディスクと同様な役割を果たします。例えば、複数のストライプタイプのグループをミラータイプのグループに接続した場合、ストライプタイプのグループどうしがミラーリングされます。つまり、ストライプタイプのグループに属しているディスクは、ストライピングされ、かつミラーリングされます。
■属性
グループには、以下の属性があります。
- 名前
- クラスの中でグループを識別するための属性です。
- タイプ
- グループの種別を表す属性です。次のいずれかの値が設定できます。
- ミラー
- グループに属しているディスクおよび下位グループは、互いにミラーリングされます。グループには、合わせて最大8個までのディスクおよび下位グループが接続できます。つまり、最大で8多重までのミラーリングが可能です。
- ストライプ
- グループに属しているディスクおよび下位グループは、それぞれをストライプ列として、ストライピングされます。グループには、合わせて最大64 個までのディスクおよび下位グループが接続できます。つまり、最大で64列までのストライピングが可能です。
- コンカチネーション
- グループに属しているディスクは、コンカチネート(連結)されます。グループには、合わせて最大64個までのディスクが接続できます。つまり、最大で64 個までのディスクをコンカチネートできます。
- スイッチ
- 1つの運用ディスクと1つ以下の待機ディスクでグループが構成されます。待機ディスクが接続されていれば、運用ディスクと待機ディスクの役割の切替えが可能です。
- ストライプ幅
- ストライプタイプのグループにおいて、ストライピングのデータ分割サイズを表す属性です。
- 運用ディスク
- スイッチタイプのグループに接続されているディスクのうち、運用状態のディスクを表す属性です。
■操作
グループに対して、以下の操作を行うことができます。
- 作成
- sdxdisk -C コマンドを使ってディスクを接続するとき、および、sdxgroup -C コマンドを使ってグループを接続するときに、新しい(上位)グループ名を指定すると、自動的に(上位)グループが作成されます。
- 運用管理ビューを使用する場合は、「グループ構成」を参照してください。
- 削除
- sdxdisk -D コマンドを使って、接続されている唯一のディスクを切断するとき、および、sdxgroup -D コマンドを使って、接続されている唯一の下位グループを切断するときに、自動的に(上位)グループが削除されます。また、sdxgroup -R コマンドを使って削除することもできます。
- 運用管理ビューを使用する場合は、「グループの削除」を参照してください。
- 接続
- sdxgroup -C コマンドを使って、特定の他のグループへグループを追加することができます。他のグループに接続されたグループのことを特に下位グループと呼び、他のグループが接続されたグループのことを特に上位グループと呼びます。
- 運用管理ビューを使用する場合は、「グループ構成」を参照してください。
- 切断
- sdxgroup -D コマンドを使って、上位グループから下位グループを取り除きます。
- 運用管理ビューを使用する場合は、「グループ構成」を参照してください。
- 状態表示
- sdxinfo コマンドを使って、グループの状態を表示することができます。
- 運用管理ビューを使用する場合は、「構成情報の確認と状態監視」を参照してください。
- 属性変更
- sdxattr -G コマンドを使って、グループの属性値を変更できます。
- 運用管理ビューを使用する場合は、「グループ構成」を参照してください。
■参照
グループに関して、以下の留意事項があります。
- 規約
- グループ数
- グループの階層化
- 注意
- ディスクスイッチ
- 指針
- ミラーリングの指針
- ストライピングの指針
- コンカチネーションの指針
- ストライピングとミラーリングの併用の指針
[図:ディスクグループ]

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