SSF/Backup Facility 運用手引書
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第3章 SSF/Backup Facilityの運用設計

3.9 システム時刻の調整

 

3.9.1 NTP設定方法

SSF/Backup Facility は、他のシステムと時刻を共有するために、NTP(Network Time Protocol)機能をもっており、外部の時刻サーバ(以降、NTPサーバと呼びます)と時刻を同期できます。
同様に他のサーバでも、外部のNTPサーバと時刻を同期させることにより、バックアップのスケジュール運用やシステムの集中管理を行う各サーバで時刻を同期できます。

LANを共有するネットワークシステム内に基準となるNTPサーバを設置し、それぞれのシステムの時刻をNTPサーバと同期するように設定してください。

SSF/Backup Facilityを外部のNTPサーバと時間を同期させるためには、/etc/inet/ntp.confファイルにNTPサーバのアドレスを設定します。viなどのエディタを使用し、NTPサーバのアドレスを設定してください。以下に設定例を示します。
ここで指定する外部のNTPサーバとして、3つ以上のNTPサーバを指定することを推奨します。

server 外部NTPサーバ1のIPアドレス
server 外部NTPサーバ2のIPアドレス
server 外部NTPサーバ3のIPアドレス
server 127.127.1.0

fudge 127.127.1.0 stratum 9

enable auth monitor
driftfile /var/ntp/ntp.drift
statsdir /var/ntp/ntpstats/
filegen peerstats file peerstats type day enable
filegen loopstats file loopstats type day enable
filegen clockstats file clockstats type day enable

 

各サーバおよびクライアントの設定が終了した後、以下をスーパユーザにて実行し、NTP の運用を開始してください。なお、NTP の設定が終了していれば、システムを再起動した場合、自動的に NTP の運用が開始されます。したがって、以下の操作を、システムを再起動するたびに行う必要はありません。

# /etc/init.d/xntpd start <Return>

 

3.9.2 NTPサーバの運用状態の確認方法 

以下の方法で、NTPサーバの運用状態を確認します。

  1. NTP設定方法」にそって、全ノードの /etc/ntp.conf ファイルを設定し、NTPの運用を開始してください。
  2. NTPが実際に起動されたかを、以下のコマンドにて確認します。

    # ntpq -np <Return>

 

各ノードでの実行結果にて、/etc/ntp.conf の“server”で指定した外部NTPサーバ(下記 “remote項目” )のホスト名または、 IPアドレスの頭に“*”が表示されていれば、問題なく運用されていると考えます。

 外部NTPサーバが10.124.20.102 の場合(外部NTPサーバ1つだけ指定)

remote 

refid 

st 

t 

when 

poll 

reach 

delay 

offset 

disp 

 127.127.1.0 
*10.124.20.102 

127.127.1.0 
10.0.50.31 

9 
4 

l 
u 

10 
3 

64 
64 

77 
77 

0.00 
15.93 

0.000 
25291.0 

385.01 
377.11 

 

以下に ntpqコマンドで表示される各項目を説明します。

項目

説明

remote

参照しているNTPサーバのホスト名/IPアドレスです。
また、先頭に表示する記号は以下の意味をもっています。

[空白]

Stratum値が高い(精度が悪い)ため、または、到達不能などにより同期候補から外された

x

同期候補から外された(アルゴリズムにより正確な時計でないと判断された)

.

同期候補から外された(Culled from the end of the candidate list.)

-

同期候補から外された(clustering algrithm により)

+

同期候補にあがっている

#

現在同期しているサーバだが、距離が遠い

*

現在同期中のサーバ

o

同期(pps signal in use)

refid

remoteで表示されているサーバが参照している上位サーバのホスト名/IPアドレスです。

st

remoteで表示されているサーバのstratum値です。

t

サーバの typeです。以下の種類があります。

u

unicast

l

local

m

multicast

b

broadcast

when

時刻が同期してからの経過時間(秒)です。

poll

時刻同期させる間隔(秒)です。

reach

到達可能レジスタ(8進数)です。

delay

遅延時間(ミリ秒)です。

disp

dispersion(時刻のばらつき)(ミリ秒)です。

  • ntpqコマンドについての詳細は、Solaris OSのマニュアルを参照してください。

 

3.9.3 手動で時間を変更する方法 

手動にて時間の設定を変更する場合には、以下のコマンドを実行してください。

 9月11日10時50分2002年の場合

# date 0911105002 <Return>

 

3.9.4 NTPサーバの停止 

NTPの運用を停止する場合には、以下のコマンドを実行してください。

# /etc/rc2.d/S74xntpd stop <Return>

 

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