SSF/Backup Facility 運用手引書
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第1章 バックアップ運用の設計

1.2 ネットワーク環境でのバックアップ

ネットワーク環境でのバックアップを行う場合、ライブラリ装置の設計とネットワーク型バックアップソフトウェアの運用設計を行います。

  • ネットワーク型バックアップとして、ソフトウェア「Legato NetWorker」と「Softek Backup TSM Edition」の共用はできません。
  • ネットワーク環境のバックアップを導入する場合、ライブラリ装置を複数台用意するか、もしくはETERNUS LT160 磁気テープライブラリシステムの1台で行う場合は「LT160論理ライブラリオプション」が必要です。

 

1.2.1 LT160論理ライブラリの設計 

論理ライブラリ機能は、1台のライブラリ資源(ロボット、セル、ドライブ)を論理的に分割し仮想的に複数のライブラリを作成することができます。

  • 「LT160 論理ライブラリオプション」では、最大2つの論理ライブラリを作成できます。

 

  • 論理ライブラリ機能についての詳細は、『ETERNUS LT160 テープライブラリ ユーザーズガイド (UNIX/IAサーバ編)』を参照してください。

 

ここでは、1台のライブラリ資源(ロボット、セル、ドライブ)をどのように論理ライブラリに割り当てるか、検討します。

  1. 接続ホスト(使用するバックアップソフトウェア)の検討

    SSF/Backup Facilityでは、2つの論理ライブラリを“ダイレクトバックアップ”と“ネットワーク型バックアップソフトウェア(NetWorker, Softek Backup TSM Edition)"でそれぞれ使用します。

     

  2. 論理ライブラリ名の検討

    論理ライブラリを管理するための「論理ライブラリ名」を検討します。
    この論理ライブラリ名は“Unique Name”としてETERNUS LT160に設定します。

    下記の表は、それぞれの論理ライブラリ名を「LT160_DBU」と「LT160_NET」とした例です。

     

  3. ロボット制御パスの検討

    それぞれの論理ライブラリにおいてロボット制御パスとして、どのアダプタを使用するのか決定します。
    複数の論理ライブラリで同じアダプタを使用することはできません。

    下記の表は、それぞれのロボット制御パスを「Adapter0」と「Adapter1」とした例です。

     

  4. 収納巻数(セル数)の検討

    それぞれの論理ライブラリにおいて収納巻数(セル数)を決定します。セル数は自由に設定可能です。

    下記の表は、それぞれのセル数を「84巻」ずつとした例です。

     

  5. 接続ドライブ台数の検討

    それぞれの論理ライブラリに割り当てるドライブ台数を決定します。
    ドライブ台数が決定すれば、割り当てるドライブがどの位置から始まっているのか、開始位置(物理的な位置)も決定します。

     

[表 LT160論理ライブラリの設計例]

手順

 

物理ライブラリ
(A20/221モデルの場合)

論理ライブラリ1

論理ライブラリ2

1.

接続ホスト
(使用するバックアップソフトウェア)

 −

SSF/Backup Facility
(ダイレクトバックアップ)

SSF/Backup Facility
(NetWorker または、
Softek Backup TSM Edition)

2.

論理ライブラリ名
(Unique Name)

 −

LT160_DBU

LT160_NET

3.

ロボット制御パスの位置 (Adapter)

Adapter0/1/2/3

Adapter0

Adapter1

4.

収納巻数(cell)

221

84

84

5.

ドライブ台数(Drive)

10

6

4

ドライブ開始位置
(Drive Start Position)

0

0

6

 

  • 論理ライブラリの設定については、『ETERNUS LT160 テープライブラリ ユーザーズガイド (UNIX/IAサーバ編)』の「2.7 論理ライブラリの設定」を参照してください。
 

1.2.2 Legato NetWorkerによるバックアップ 

ここでは、ネットワーク型バックアップにLegato NetWorker(以降、NetWorkerと呼びます)を使用する場合の考慮点について述べます。NetWorkerを使った一般的なバックアップ運用設計については、『Legato NetWorker 管理者ガイド UNIXおよびLinux版』を参照してください。

 

■バックアップ可能なデータ

ネットワーク型バックアップにNetWorkerを使用する場合、以下に示すマシン上のファイルをバックアップすることができます。

また、以下に示すデータベースのバックアップ/リカバリが可能です。

  • 詳細は、『Legato NetWorker 管理者ガイド UNIXおよびLinux版』を参照してください。

 

■サーバ/クライアントの配置

NetWorkerのバックアップシステムは、NetWorkerサーバ,NetWorkerクライアントで構成されます。

NetWorkerサーバはSSF/Backup Facilityに、NetWorkerクライアントはローカルの業務ボリュームをもつ業務サーバにインストールします。

 

■NetWorkerクライアントのインストール

NetWorkerクライアントは、業務サーバにインストールしてください。

  • 詳細は、『Legato NetWorker インストールガイド』の「第2章 NetWorkerソフトウェアをインストールする」を参照してください。

 

■SSF/Backup Facility資源の割り当て

NetWorkerを使用する場合、以下のNetWorkerの管理ファイルをETERNUS3000/6000,GR series内のボリュームに配置します。

 

■バックアップ対象のデータの種類による設計上の考慮点

 

◆一般ファイルの場合

通常のNetWorker環境の場合と同じです。NetWorkerサーバをSSF/Backup Facilityで運用しても新たに必要な考慮はありません。

 

◆Oracleデータベースの場合

データベースがOracleの場合は、NetWorker BusinesSuite Module for Oracle を使って同期を取り、バックアップを実行します。

  • NetWorker BusinesSuite Module for Oracle については、別途導入してください。

 

■NetWorkerのバックアップディスクのスペース容量

以下の計算式で求めた値を目安としてください。

バックアップ対象ファイルの総サイズ × (バックアップデータの保存世代数+1)

 

1.2.3 Softek Backup TSM Editionによるバックアップ 

ここでは、ネットワーク型バックアップにSoftek Backup TSM Edition(以降、Softek TSMと呼びます)を使用する場合の考慮点について述べます。Softek TSMを使った一般的なバックアップ運用設計については、『Softek Backup TSM Edition管理者の手引き (Solaris版)』を参照してください。

 

■サーバ/クライアントの配置

Softek TSMのバックアップシステムは、TSMサーバ, TSMクライアントで構成されます。

TSMサーバはSSF/Backup Facilityに、TSMクライアントはローカルの業務ボリュームをもつ業務サーバにインストールします。

 

■TSMクライアントのインストール

TSMクライアントは、業務サーバにインストールしてください。

  • 詳細は、『Softek Backup TSM Editionバックアップ/アーカイブ・クライアント インストールとユーザーのガイド』を参照してください。

 

■Softek TSMのバックアップディスクのスペース容量

以下の計算式で求めた値を目安としてください。

バックアップ対象ファイルの総サイズ × (バックアップデータの保存世代数+1)

 


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