SSF/Backup Facility 導入手引書
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第8章 オプション製品の追加導入

8.1 Legato NetWorker

Legato Networkerの導入手順を以下に示します。

 

■ETERNUS LT160テープライブラリ装置のセットアップ

SPシリーズでLT160のみを使用する場合は、LT160の論理ライブラリの設定を行う必要があります。

 

■X-Windowsのセットアップ

SPシリーズ上でNetworkerを使用するためには、事前に、X-Windowsの自動起動設定を有効にしておく必要があります。

以下のコマンドを実行し、X-Windowsを自動起動に設定します。

# mv /etc/rc2.d/_S99dtlogin /etc/rc2.d/S99dtlogin <Return>
# /bin/sh /etc/rc2.d/S99dtlogin start <Return>

 

8.1.1 シングル構成への導入 

 

8.1.1.1 インストール

サーバとデバイス ドライバ ソフトウェア(SCSI ストレージ デバイスを使用するNetWorker で必要)の各パッケージを、ローカルCD-ROM デバイスからインストールします。この例では、インストールを実行した時に、太字で示したコマンドに対して受け取るメッセージのみを示してあります。

  1. NetWorker ソフトウェアをインストールするシステムのroot になります。

     

  2. ファイルをバックアップします。

    NetWorker ソフトウェアのインストールスクリプトは、インストール時に/etc/rpc および /etc/syslog.conf ファイルを変更します。
    以下のコマンドを実行し、現在のファイルをバックアップします。

    # cp /etc/rpc /etc/rpc.old <Return>
    # cp /etc/syslog.conf /etc/syslog.conf.old <Return>

     

  3. NetWorker CD-ROM をドライブにセットします。

     

  4. 以下のコマンドを実行し、NetWorker ソフトウェアをインストールします。
    # pkgadd -d /cdrom/nw_712/NW712_J <Return>

     

  5. 以下の対話処理を行ってください。
    次のパッケージを利用できます:
      1  LGTOclnt      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Client
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      2  LGTOdrvr      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Device Drivers
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      3  LGTOjaman     NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Japanese Man (EUC)
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      4  LGTOjapn      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Japanese Locale
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      5  LGTOman       NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Man
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      6  LGTOnode      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Storage Node
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      7  LGTOserv      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Server
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
    
    パッケージ (複数可) を選択してください (すべてのパッケージを
    処理するには 'all' を入力してください)。 (default: all) [?,??,q]: all <Return>
    
    ....
    
    Directory to use for client, licensing and server information [/nsr]? /nsr <Return>
    
    ....
    
    Enter the first NetWorker server's name [no more]: <Return> ←  リターンのみ
    Allowing access to all NetWorker servers.
    
    Start NetWorker daemons at end of install [yes]? no <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOclnt> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOdrvr> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOjaman> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOjapn> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOman> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    Start NetWorker daemons at end of install [yes]? no <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOnode> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    Enter device name ([Return] if no more): <Return>
    
    Start NetWorker daemons at end of install [yes]? no <Return>
    
    ....
    
    このパッケージには、パッケージのインストール処理中にスーパーユーザーの
    アクセス権で実行するスクリプトが含まれています。
    
    <LGTOserv> のインストールを継続しますか [y,n,?] y <Return>
    
    ....
    
    次のパッケージを利用できます:
      1  LGTOclnt      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Client
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      2  LGTOdrvr      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Device Drivers
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      3  LGTOjaman     NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Japanese Man (EUC)
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      4  LGTOjapn      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Japanese Locale
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      5  LGTOman       NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Man
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      6  LGTOnode      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Storage Node
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
      7  LGTOserv      NetWorker for Solaris (Backup/Recover) Server
                       (sparc) 7.1.2.Build.325
    
    パッケージ (複数可) を選択してください (すべてのパッケージを
    処理するには 'all' を入力してください)。 (default: all) [?,??,q]: q <Return>
    #

     

  6. CD-ROMを取り出します。
    # cd / <Return>
    # eject cdrom <Return>

     

8.1.1.2 ライセンス登録 

NetWorker製品を購入すると、製品パッケージとは別にEnabler Certificateを受け取ります。
Certificateのイネーブラコードを使用して、購入したNetWorker製品を有効にしてライセンス登録する必要があります。
製品をインストールした後、次のステップにしたがってイネーブラ コードを入力してください。

  1. NetWorker サーバでroot になります。

     

  2. 次のコマンドを使用して、GUI バージョンのNetWorker administration プログラムを開始します。

    # nwadmin & <Return>

     

  3. [サーバ]ウィンドウを開きます。名前、住所、電話番号、電子メール情報を入力します。

     

  4. Registration ウィンドウを開きます。

     

  5. [作成]ボタンをクリックします。

     

  6. [イネーブラ コード]フィールドにイネーブラ コードを入力します。

     

  7. [表示]メニューから[表形式]オプションを選択し、次に[ファイル]メニューから[印刷]を選択します。
    印刷した用紙をLegato カスタマ サービスまでファックスまたは郵送でお送りください。
    電子メールの添付形式でservice@legato.com まで送信いただくことも可能です。

 

ソフトウェアを有効にしてから45 日以内にソフトウェアをライセンス登録します。
Legato はすべて記入されたライセンス登録用紙を受け取ると、ユニークな認証コードを返送します。
ソフトウェアを永久的に有効にするため、Registration ウィンドウに認証コードを入力します。

  • ソフトウェアを有効にしてから45 日以内にソフトウェアをライセンス登録するようにしてください。

 

8.1.1.3 NetWorkerから使用する磁気テープライブラリシステムの設定

 

8.1.1.3.1 テープドライバについて 

テープドライブの制御に、Solaris OS標準のstドライバを使用します。

  • stドライバの設定に関しては、『ETERNUS LT130 テープライブラリ セットアップガイド』の「第4章 オペレーティングシステムの設定」または『ETERNUS LT160 テープライブラリ セットアップガイド (UNIX/IAサーバ編)』の「第5章 オペレーティングシステムの設定」を参照してください。

  • stドライバ以外のドライバは使用しないでください。

 

8.1.1.3.2 lus.confファイルの設定 

テープライブラリ装置との接続に、GP7B8FC1(GP7B8FC1-F)、PW008FC2(PW008FC2-F)、またはPW008FC3(PW008FC3-F)ファイバチャネルカードを使用する場合、/usr/kernel/drv/lus.confファイルを編集し、known-scsi-adaptersエントリを追加する必要があります。

GP7B8FC1(GP7B8FC1-F)ファイバチャネルカードの場合

pci10cf,105c:126-32C

PW008FC2(PW008FC2-F)ファイバチャネルカードの場合

pci10cf,1178:126-32C

PW008FC3(PW008FC3-F)ファイバチャネルカードの場合

pci10cf,12c3:126-32C

 

# vi /usr/kernel/drv/lus.conf <Return>
....
known-scsi-adapters="esp:8-7 SUNW,esp:8-7 isp:16-7 SUNW,isp:16-7 QLGC,isp:16-7 fas:16-7 SUNW,fas:16-7 glm:16-7 SUNW,glm:16-7 pci1000,f:16-7 ifp:126-126 SUNW,ifp:126-126 PTIX,isptwo:126-126 pci1077,2100:126-126 pci1077,1:126-126 pci9004,8478:16-7 pci10df,f700:126-32C pci10df,f800:126-32C fca:126-32C fcaw:126-32C pci1242,4643:126-32C JNI,FCE:126-32C pci10cf,105c:126-32C pci10cf,1178:126-32C pci10cf,12c3:126-32C ";
....

上記の太字で示す部分を追記してください。

  • known-scsi-adaptersエントリの値は、ダブルクォテーション("")で囲まれた範囲で区切られています。また、各ファイバチャネルカードの定義は空白で区切られています。

 

8.1.1.3.3 ライブラリおよびドライブの種別の設定 

jbconfigコマンドでライブラリの種類を設定する必要があります。ライブラリの種類、ドライブの種別を以下のように設定してください。

ライブラリの種類

Autodetected SCSI Jukebox

ドライブの種別

LTO Ultrium(Ultrium1ドライブの場合)
LTO Ultrium2(Ultrium2ドライブの場合)

 

jbconfigコマンドを実行し、オートチェンジャ(ジュークボックス)のコンフィグレーションを行う必要があります。

  • jbconfigコマンドの詳細は、『(日本語)NetWorker 利用者手引書』の「2.7.1.3 バックアップ装置の定義」を参照してください。

 

8.1.1.3.4 ロードタイムアウトの設定 

テープライブラリ装置を使用するにあたって、ロードタイムアウトを300秒(5分)に設定する必要があります。設定は、Ultrium1ドライブはNSR_DEV_LOAD_TIME_LTO_ULTRIUM、Ultrium2ドライブはNSR_DEV_LOAD_TIME_LTO_ULTRIUM_2環境変数で行います。

  1. /etc/init.d/networkerを編集し、先頭部分にロードタイムアウトの設定を追加します。
    NSR_DEV_LOAD_TIME_LTO_ULTRIUM=300
    export NSR_DEV_LOAD_TIME_LTO_ULTRIUM
    
    NSR_DEV_LOAD_TIME_LTO_ULTRIUM_2=300
    export NSR_DEV_LOAD_TIME_LTO_ULTRIUM_2

     

  2. システムを再起動し、設定したロードタイムアウト時間を反映させます。
    # shutdown -y -g0 -i6 <Return>

     

8.1.2 クラスタ構成への導入 

 

8.1.2.1 インストール 

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。

 

8.1.2.1.1 NetWorkerのインストール 

  1. NetWorkerのインストール

    NetWorkerのインストールはシングル構成への導入「8.1.1.1 インストール」と同じですので、そちらを参照してください。

  2. NetWorkerの停止

    NetWorkerのインストール後、NetWorkerのデーモンを停止します。NetWorkerデーモンの停止は、/usr/sbin/nsr_shutdownコマンドを使用します。

    • nsr_shutdownコマンドの詳細に関しては、NetWorkerのマニュアルを参照してください。

 

8.1.2.1.2 PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker のインストール 

  1. NetWorkerの起動/停止プロシジャを変名します。
    # mv /etc/rc2.d/S95networker /etc/rc2.d/FJSVclntw.S95networker <Return>
    # mv /etc/rc0.d/K05networker /etc/rc0.d/FJSVclntw.K05networker <Return>

     

  2. システム上でスーパ・ユーザになります。
    # su <Return>

     

  3. インストールコマンドを実行します。

    CD-ROM媒体をCD-ROM装置にセットし、pkgadd(1M)コマンドを実行し、パッケージをインストールしてください。

    # pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Package FJSVclntw <Return>

     

  4. 以下の対話処理を行ってください。
    :
    This package's default installation information is following:
             Program install directory:/opt
    Do you want to change the install directory? [y,n,?,q] <Return> ←  リターンのみ
    ## processing package information.
    ## processing system information.
    :
    :

    • インストール方法は、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker のインストールガイドを参照してください。

 

8.1.2.2 PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerの環境設定 

 

8.1.2.2.1 PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerの設定 

PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerが提供する、clntwparamコマンドを使用して、以下の2つを設定します。設定は、各ノードでそれぞれ行う必要があります。

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。

  • clntwparamコマンドの詳細は、『PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 導入運用手引書』の「4.1 clntwparam−動作環境の設定」を参照してください。

 

◆管理ファイルローカルパス名の定義

NetWorkerインストール時に指定した/nsrの実体がある場所を絶対パス名でLocal_Pathパラメタに設定します。

# /etc/opt/FJSVclntw/bin/clntwparam Local_Path /var/opt/nsr <Return>

上記では、/var/opt/nsr をNetWorkerのインストール先絶対パスとして指定する場合の例を示しています。

 

◆管理ファイル共用パス名の定義

NetWorkerがサーバクラスタ形態で動作する場合に共用するデータベース領域が配置される場所を絶対パス名でVirtual_Pathパラメタに設定します。

# /etc/opt/FJSVclntw/bin/clntwparam Virtual_Path /sp/nbu/nsr <Return>

上記では、/sp/nbu/nsr をNetWorkerの共用データベース領域として指定する場合の例を示しています。

 

8.1.2.2.2 nwclntwaddコマンドの実行  

nwclntwaddコマンドを使用して、ローカルディスクに作成したNetWorkerデータベース(/nsr配下)を共用ディスクのVirtual_Pathにコピーします。

  • 本作業は、プライマリノードのみ行ってください。

 

  1. プライマリノードで GDS ボリュームを起動します。

    ここでいうGDS ボリュームは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

  2. プライマリノードで[制御ファイル(管理データ)]スライスをマウントします。

    # mount /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0013 /sp/nbu <Return>

     

  3. プライマリノードでnwclntwaddコマンドを実行します。
    NetWorkerデータベース(/nsr)の実体が、共用ディスクにある(ここでは"Virtual_Path"に"/sp/nbu/nsr")と指定されている場合の使用例です

    # /etc/opt/FJSVclntw/bin/nwclntwadd <Return>
    PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker Setup tool

    1 /sp/nbu

    2 /oracle

    3 /data

    Select Mount-Point Number (quit:q) : 1 <Return>

    Virtual_Path Mount

    NetWorker Database copy

    Virtual_Path Unmount

    Setup is succeeded.

    #

     

  4. プライマリノードで[制御ファイル(管理データ)]スライスをアンマウントします。

    # umount /sp/nbu <Return>

     

  5. プライマリノードで GDS ボリュームを停止します。

    ここでいうGDS ボリュームは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

  • nwclntwaddコマンドの詳細は、『PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 導入運用手引書』の「4.5 nwclntwadd−NetWorker共用データベースの設定」を参照してください。

 

8.1.2.2.3 ユーザアプリケーションの設定  

NetWorkerのサーバのユーザアプリケーションを作成します。

  • NetWorkerサーバのユーザアプリケーションの作成については、『PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 導入運用手引書』の「2.1.4 NetWorkerユーザアプリケーションの作成」を参照してください。

 

8.1.2.3 NetWorker から使用する磁気テープライブラリシステムの設定 

プライマリノードにおいて、NetWorker から使用する磁気テープライブラリシステムの設定を行います。設定手順は「8.1.1.3 NetWorker から使用する磁気テープライブラリシステムの設定」を参照してください。

 

8.1.2.4 NetWorkerの設定  

NetWorkerの設定を行います。

以下の点に注意してNetWorkerの設定を行ってください。NetWorkerの設定手順については、NetWorkerのマニュアルを参照してください。

8.1.2.5 動作確認 

 

8.1.2.5.1 動作確認 

ログファイル(/var/opt/FJSVclntw/logs/FJSVclntw.log)に数行のトレース情報出力後、「INFO:GdCheck: Beginning of process watch.」と出力されれば、正常に運用が開始されています。

 

8.1.2.5.2 クラスタ切替えによる他ノード上での確認 

クラスタ切替えを行い他のクラスタノード上で同様の動作確認を行ってください。

  • クラスタの切替えについては、『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』を参照してください。

 

8.1.2.6 NetWorkerのライセンス登録 

動作確認完了後、NetWorkerのライセンス登録を行ってください。

  • ライセンス登録については、『PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 導入運用手引書』の 「2.1.3.7 NetWorkerのライセンス登録」を参照してください。

 


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