SSF/Backup Facility 導入手引書
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第5章 クラスタ構成での導入

5.3 クラスタの初期設定

 

5.3.1 Web-Based Admin Viewの開き方について 

  • Web-Based Admin View の使用中に何らかのトラブルが発生した場合は、『PRIMECLUSTER Web-Based Admin View 操作手引書』の「付録A メッセージ一覧」および「付録B トラブルシューティング」を参照してください。

 

クラスタ構成の導入では、PRIMECLUSTERを使用した作業があります。ここでは、PRIMECLUSTERのWeb-Based Admin Viewにログインする方法を説明します。
また、作業で頻繁に使用することになる[Global Cluster Servicesメニュー]への入り方を説明します。

 

■事前設定

Web-Based Admin Viewを初めて利用する場合は、Web-Based Admin Viewの事前設定をしておく必要があります。
以下の手順に従って、Web-Based Admin Viewの事前設定を行ってください。

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。

 

  1. Web-Based Admin Viewの停止

    以下のコマンドを実行します。

    # /etc/init.d/fjsvwvcnf stop <Return>
    # /etc/init.d/fjsvwvbs stop <Return>

     

  2. 両ノードのIPアドレスの設定

    プライマリノード、セカンダリノードで実行するコマンドが異なります。それぞれ以下のようにコマンドを実行します。

    プライマリノードの場合

    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam primary-server <プライマリノードのIPアドレス > <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam secondary-server <セカンダリノードのIPアドレス > <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam mip <プライマリノードのIPアドレス > <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam httpip <プライマリノードのIPアドレス > <Return>

     

    セカンダリノードの場合

    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam primary-server <プライマリノードのIPアドレス > <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam secondary-server <セカンダリノードのIPアドレス > <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam mip <セカンダリノードのIPアドレス > <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam httpip <セカンダリノードのIPアドレス > <Return>

     

    プライマリノードの場合のコマンドの実行例を以下に示します。

    • <プライマリノードのIPアドレス>:10.34.214.181
      <セカンダリノードのIPアドレス>:10.34.214.182
      の場合
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam primary-server 10.34.214.181 <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam secondary-server 10.34.214.182 <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam mip 10.34.214.181 <Return>
    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam httpip 10.34.214.181 <Return>

     

  3. Web-Based Admin Viewの再起動

    以下のコマンドを実行します。

    # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvCntl restart <Return>
    # /etc/init.d/fjsvwvcnf restart <Return>

     

■起動手順

Webブラウザで、以下の形式でURLを指定してください。ただし、Webブラウザとして、Netscape Communicator 4.7 以上か、Internet Explorer 5.0以上を使用してください。

http://プライマリノードのIPアドレス:8081/Plugin.cgi

  • ここで指定するIPアドレスは、プライマリノードのリモートコンソールのIPアドレスではなく、プライマリノードのIPアドレスです。

 

  1. Web-Based Admin Viewを起動すると以下のようなユーザ名入力の画面が表示されます。

    クラスタ管理用のユーザ名(wvroot)、パスワードを入力し、[確認]をクリックします。

    • インストール作業でユーザ名とパスワードが設定されますので、その設定値を使用してください。

     

  2. 以下のように、Web-Based Admin Viewが表示されます。

     

    • Web-Based Admin View画面を起動した後に、ブラウザの<進む>/<次>、<戻る>、<再読み込み>/<更新>ボタンを押してベージを変更しないでください。

     

5.3.2 CF、CIPの設定

Cluster Foundation (CF)とCIPは、Cluster AdminのCFウィザードを使用して以下の情報を設定します。

設定項目

設定内容

クラスタ名

クラスタシステムの名称を設定します。
31文字以下の印刷可能なASCII 文字 (空白、改行、タブ文字を除く) で設定します。クラスタ名は常に大文字として処理されます。

クラスタノード

クラスタに参入するノードを選択します。

CFノード名

クラスタを構成するノードの名前を設定します。
11文字以下の印刷可能なASCII 文字(空白、改行タブ文字を除く) で設定します。CFノード名は常に小文字として処理されます。
設定画面では、デフォルトとして上記「クラスタノード」と同じ名前が表示されます。

クラスタインタコネクト

クラスタを構成する各ノードで、CFのノード間通信に使用するネットワークインタフェースを決めます。
CFのノード間通信に使用するネットワークインタフェースは、システム起動時に活性化するよう設定してください。ただし、IPアドレスを割当ててはいけません。

IPインタコネクト

CFがIPを使って動作できるようにする場合設定します。この設定はオプションです。

CIPサブネット

以下を設定し、CFで使用するIPを設定します。

  • CIPサブネットの数
  • ホストサフィックス
  • サブネット番号
  • サブネットマスク

CFリモートサービスの使用の確認

以下の機能を有効にするよう設定します。

  • リモートファイルコピー(cfcp)
  • リモートコマンドの実行(cfsh)

CIM(クラスタ整合性モニタ)構成の設定

CIMで監視するノードを設定します。

 

■事前設定

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。

クラスタインタコネクト用ネットワークインターフェースを有効にします。

# ifconfig インタフェース名 plumb <Return>

# ifconfig fjfe0 plumb <Return>
# ifconfig fjfe1 plumb <Return>

 

■設定方法

  1. Cluster Admin の起動

    「Web-Based Admin View」を表示し、「Global Cluster Services」−「Cluster Admin」をクリックします。

     

  2. 初期接続のノードの選択

    プライマリノードを選択し、<確認>をクリックします。

  3. クラスタノードのスキャン

    [cf]タブを選択し、[設定]をクリックします。クリック後、クラスタノードのスキャンが行われます。

     

  4. 新規CFクラスタの作成

    [新規CFクラスタの作成]にチェックし、<次へ>をクリックします。

     

  5. クラスタ名設定とノードの選択

    「クラスタ名」に、運用するクラスタ名を入力します。また、「利用可能なノード」一覧に表示されているセカンダリノードを選択し、<追加>をクリックします。セカンダリノードが「クラスタノード」一覧に追加されていることを確認し、 <次へ>をクリックします。<次へ>をクリックするとクラスタを構成するノードの検出が開始されます。

     

  6. CFノード名の設定

    CFノード名は変更せずに、<次へ>をクリックします。

     

  7. クラスタインタコネクトの設定

    「トポロジ」を選択し、CFノード間で使用するインタコネクトを選択し、<次へ>をクリックします。
    ここでインタコネクトには、業務LANとして使用するもの以外を2つ選択します。

     

  8. IPインタコネクトの設定

    以下の情報を設定し、<次へ>をクリックします。

    設定パラメタ 設定値
    IPインタコネクト数 0
    サブネットの自動グループ化 チェックする

     

  9. CIPサブネットの設定

    以下の情報を設定し、<次へ>をクリックします。

    設定パラメタ 設定値
    構成するCIPサブネットの数 1
    全てのCIPサブネットに全てのノードを配置します チェックする
    ノードサフィックス RMS
    サブネット番号 192.168.1.0
    サブネットマスク 255.255.255.0
    RMSで使用 チェックする

     

  10. CFリモートサービスの使用確認の設定とCIM構成の設定

    以下の情報を設定し、<次へ>をクリックします。

    設定パラメタ 設定値
    cfcp(CFファイルコピー)の実行許可 チェックする
    cfsh(CF遠隔コマンド実行)の実行許可 チェックする
    ノード 両ノードともチェックする

     

  11. 設定内容の確認

    設定した内容を確認し、<完了>をクリックします。構成設定が完了すると、完了画面が表示されますので、<確認>をクリックします。

     

  12. CF、CIPの設定の終了

    続いて、シャットダウン機構の設定を行うための画面が表示されます。
    <はい>をクリックする場合は、自動的に、次節「シャットダウン機構の設定」の手順4 に進みます。<いいえ>をクリックする場合は、次節「シャットダウン機構の設定」の手順1 に進みます。

     

5.3.3 シャットダウン機構の設定 

ここでは、シャットダウン構成ウィザードを使用してシャットダウン機構を設定する手順について説明します。

シャットダウン機構と非同期監視の設定手順は、以下のマニュアルを参照してください。

  • 『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』の「5.1.2 シャットダウン機構の設定」

 

■事前確認

使用するコンソールの情報を確認します。

使用するコンソールは、SP5000モデルの種類により異なります。

SP5000モデル450Cの場合は、XSCFを使用し、SP5000モデル650Cの場合は、RCCUを使用します。

  • 詳細については、『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』の「5.1.2.1 コンソール情報の確認」を参照してください。

 

■設定手順

  1. Cluster Admin の起動

    「Web-Based Admin View」を表示し、「Global Cluster Services」−「Cluster Admin」をクリックします。

     

  2. 初期接続のノードの選択

    プライマリノードを選択し、<確認>をクリックします。

  3. シャットダウン構成ウィザードの起動

    「cf」タブを選択し、「ツール」メニューの「シャットダウン機構」―「設定ウィザード」をクリックします。

     

  4. シャットダウン機構の設定方法の選択

    「簡単な設定(推奨)」を選択し、<次へ>をクリックします。

     

  5. シャットダウンエージェントの選択

    SP5000モデルに合わせて、以下の情報を設定し、<次へ>をクリックします。

    SP5000モデルの種類 選択するシャットダウンエージェントの項目
    SP5000モデル450C SCON を使用しない設定 RCI Panic
    RCI Reset
    Console Break
    XSCF Panic
    XSCF Reset
    SP5000モデル650C SCON を使用しない設定 RCI Panic
    RCI Reset
    Console Break

     

  6. RCI Panicエージェントの設定

    「Wait for PROM」は選択せず(チェックマークをつけない)、「RCIタイムアウト値」に“20” を設定し、<次へ>をクリックします。

     

  7. XSCFの設定

    本作業は、SP5000モデル450Cの場合に行います。
    事前に確認しているコンソール情報をもとに、XSCF に関する情報を設定し、<次へ>をクリックします。

     

  8. RCCUの設定

    本作業は、SP5000 モデル650Cの場合に行います。

    事前に確認しているコンソール情報をもとに、RCCU に関する情報を設定します。RCCUを工場出荷状態のまま使用する場合は「デフォルトを使用」を選択します、変更する場合は 「デフォルトを使用」の選択を解除します(チェックマークを外します)。設定完了後、<次へ>をクリックします。

     

  9. Console Breakエージェントの設定

    SP5000モデルに合わせて、以下の情報を設定し、<次へ>をクリックします。

    SP5000モデルの種類 選択可能なConsole Breakエージェントの項目
    SP5000モデル450C XSCF Break
    SP5000モデル650C RCCU Break

     

  10. ノードの重みと管理LAN IPアドレスの設定

    以下の情報を設定し、<次へ>をクリックします。

    ノード 重み 管理LAN IPアドレス
    プライマリノード側 2 をセットする 直接IP アドレスを入力するか、またはタブをクリックして管理LAN のIP アドレスに割り当てられたホスト名をセットします。
    セカンダリノード側 1 をセットする

     

  11. 設定の保存

    設定内容を確認し、<次へ>をクリックします。
    <次へ>をクリックすると、確認画面が表示されますので、<はい>をクリックします。

 

■シャットダウン機構の構成状態の表示

設定を保存すると、シャットダウン機構の構成状態の表示画面が表示されます。この画面では、状態を表示するノードを選択することにより、各ノードのシャットダウン機構の構成状態を確認することができます。

  • シャットダウン機構の設定が完了しているのに、初期状態がInitFailed と表示されたり、テスト状態にUnknown や赤字でTestFailed と表示された場合は、エージェントやハードウェアの構成設定に誤りがある可能性があります。/var/adm/messagesファイルとコンソール出力 画面にエラーメッセージが出力されていないか確認してください。その後、出力されたメッセージの内容に対応した対処を実施します。
  • エラーメッセージの対処方法については、『PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書』の「12.12 非同期監視メッセージ」を参照してください。

 

5.3.4 クラスタリソース管理機構の初期設定 

ここでは、クラスタリソース管理機構(CRM)が管理するリソースデータベースを設定する方法について説明します。

CRMのリソースデータベースの設定は、以下の手順で行います。

  1. 初期構成設定
  2. 自動構成

 

■初期構成設定

初期構成設定の手順について説明します。

 

◆事前確認

初期構成設定を行う前に以下のことを確認します。

  • Web-Based Admin Viewの起動の確認方法については、『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』の「Web-Based Admin Viewの起動確認」を参照してください。

 

◆設定手順

  1. Cluster Admin の起動

    「Web-Based Admin View」を表示し、「Global Cluster Services」−「Cluster Admin」をクリックします。

     

  2. 初期接続のノードの選択

    プライマリノードを選択し、<確認>をクリックします。

     

  3. 初期構成設定画面の表示

    「crm」タブを選択し、「ツール」メニューの「初期構成設定」をクリックします。

     

  4. 初期構成設定処理の開始

    CF、CIPの設定」でクラスタに登録した両ノードが「ノード一覧」に表示されていることを確認します。両ノードが表示されている場合は、<続行>をクリックし、初期構成設定処理を開始します。

     

  5. 初期構成設定完了の確認

    <確認>をクリックします。

    • CRMメインウィンドウでの操作中に表示されたメッセージ、およびメッセージダイアログのフレームタイトルが"Cluster resource management facility"となっているメッセージが表示された場合は、『PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書』の「12.10 クラスタリソース管理機構メッセージ」または『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』の「D.7.2 故障リソースとオペレータ介入のメッセージ(GUI)」、「D.1 メッセージの検索方法 (◆表示形式1)」を参照してください。
    • CRMメインウィンドウから自動構成を実施した後、Global Cluster Services 画面からディスククラスの追加・削除・名前の変更を行う場合は、ClusterAdmin画面を閉じてから操作を行ってください。

     

    • <確認>をクリックすると「自動構成」の手順4 に進みます。

 

■自動構成

自動構成の手順について説明します。

 

◆設定手順

  1. Cluster Admin の起動

    「Web-Based Admin View」を表示し、「Global Cluster Services」−「Cluster Admin」をクリックします。

     

  2. 初期接続のノードの選択

    プライマリノードを選択し、<確認>をクリックします。

     

  3. 自動構成画面の表示

    「crm」タブを選択し、CRMツリービューより「クラスタ」を選択し、「ツール」メニューの「自動構成」をクリックします。

     

  4. 自動構成処理の開始

    「ディスク装置」及び「ネットワーク装置」のみを選択します(チェックマークを付けます)。
    <続行>をクリックし、自動構成処理を開始します。

     

  5. 自動構成完了の確認

    <確認>をクリックします。

     

  6. リソース登録の完了の確認

    CRMメインウィンドウを参照し、共用ディスク装置自動検出によるリソース登録が正常に完了していることを確認します。

    確認のポイントは以下のとおりです。初期構成設定のCRMメインウィンドウで、選択した装置のリソースについて確認してください。

    上記のように、実際の装置構成とリソースが対応していない場合は、以下の原因により自動検出できなかった可能性があります。

    正しくリソースが登録されていない場合は、上記の原因の見直しを実行後、CRMメインウィンドウから[ツール]−[自動構成]を実行して、再度リソースの登録を行ってください。

  • CRMメインウィンドウでの操作中に表示されたメッセージ、およびメッセージダイアログのフレームタイトルが"Cluster resource management facility"となっているメッセージが表示された場合は、『PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書』の「12.10 クラスタリソース管理機構メッセージ」または『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』の「D.7.2 故障リソースとオペレータ介入のメッセージ(GUI)」,「D.1 メッセージの検索方法 (◆表示形式1)」を参照してください。
  • CRMメインウィンドウから自動構成を実施した後、Global Cluster Services 画面からディスククラスの追加・削除・名前の変更を行う場合は、ClusterAdmin画面を閉じてから操作を行ってください。
  • 自動構成時に以下のメッセージがコンソールに表示されることがあります。

    「FJSVcluster: エラー: dcmevmd: 6000: 内部異常が発生しました。(function:_evm_res_all_callback detail:0x9060b00-0x4-0-0)」

    このメッセージが表示された場合、リソースデータベースに登録されたハードウェア装置が全てCRMメインウィンドウのCRMツリービューに表示されてない可能性があります。Cluster Admin画面を再起動し、CRMメインウィンドウを再表示してください。

 


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