PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版) |
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第2部 導入編 | > 第6章 クラスタアプリケーションの構築 |
パトロール診断は、待機ノードに接続された以下のハードウェアを定期的に診断する機能です。
電源オフ、ケーブル抜け(アダプタ側・装置側)などにより共用ディスク装置が使用できなくなっていないかを診断します。
診断の結果、共用ディスク装置に異常を検出した場合、syslogd(1M)とCRMメインウィンドウへメッセージを表示します。
ケーブル抜けなどによりネットワークインタフェースカードが通信できなくなっていないかを診断します。
パトロール診断の結果、ネットワークインタフェースカードに異常を検出した場合、syslogd(1M)とCRMメインウィンドウへメッセージを表示し、故障したネットワークインタフェースカードを使用するuserApplicationをFaulted状態にします。
GLS (Global Link Services)リソースをクラスタアプリケーションで使用する場合、GLSリソースで管理するネットワークインタフェースカードは、パトロール診断できません。GLSリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合は、GLSの監視機能を使用してください。GLSの監視機能については、"PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)"の"障害監視機能" および "待機パトロール機能" を参照してください。
パトロール診断機能が検出したハードウェアの異常は、クラスタアプリケーションに登録されているパトロール診断リソースの状態に反映されます。
パトロール診断リソースは、クラスタアプリケーションの作成時に"パトロール診断"を有効にした場合に登録されます。
パトロール診断は、以下の流れで設定します。
6615: クラスタ制御の構成管理機構が動作していません
パトロール診断リソースは、GUI(userApplication Configuration Wizard)または、CUI(RMS Wizard)でuserApplicationに登録します。
GUI(userApplication Configuration Wizard)での登録方法は、"クラスタアプリケーションの作成"を参照してください。
CUI(RMS Wizard)での登録方法は、"/usr/opt/reliant/htdocs.solaris/wizards.en/wizards/CRM.htm"を参照してください。
RMSを起動する前に、clspconfig(1M)コマンドで、パトロール診断の以下の構成を設定します。パトロール診断の構成は、任意の1ノードで実施してください。
clspconfig(1M)コマンドの詳細については、clspconfig(1M)のマニュアルページを参照してください。
パトロール診断を行うハードウェアは、指定したuserApplicationで使用するハードウェアを指定します。以下のいずれかに該当する場合、パトロール診断を行うハードウェアを指定してください。
Gdsリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合、Gdsリソースに定義した物理ディスクを、パトロール診断を行うハードウェアに指定します。Gdsリソースに定義した物理ディスクは、以下の手順で取得します。
クラスタアプリケーションで使用するディスククラスを確認します。クラスタアプリケーションで使用するディスククラスとは、"Gdsリソースの作成"で指定したものです。
例) class0001
ディスククラスに定義した物理ディスクを確認します。ディスククラスに定義した物理ディスクとは、"共用ディスクの設定"で定義したものです。ディスククラスで定義した物理ディスクは、クラス構成設定画面またはsdxinfo(1M)コマンドで確認してください。クラス構成設定画面については、"共用ディスクの設定"を参照してください。sdxinfo(1M)コマンドの詳細については、"PRIMECLUSTER Global Disk Services説明書"を参照してください。
例) c1t4d0,mplb2048
ディスククラスで定義した物理ディスクを、パトロール診断を行うハードウェアに設定します。
例1) c1t4d0の場合
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 TARGET_DISK=c1t4d0 TARGET_DISK=c1t4d1
例2) mplb2048の場合
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 TARGET_DISK=mplb2048
Ipaddressリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合、引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードを、パトロール診断を行うハードウェアに指定します。引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードは、以下の手順で取得します。
引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードを確認します。引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードとは、"引継ぎネットワークリソースの作成"の"インタフェースの選択"で選択したものです。
例) hme0
引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードを、パトロール診断を行うハードウェアに設定します。
例)
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 TARGET_LAN=hme0
パトロール診断の時間間隔を指定します。本指定を行わない場合、360分間隔でパトロール診断を行います。
例) 60分間隔でパトロール診断を行う場合
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 INTERVAL=60
また、現在の設定値を確認することもできます。
例)現在の設定値(INTERVAL=360)を確認する場合
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1
ACTIVE=true INTERVAL=360 TARGET_LAN=hme1 TARGET_DISK=c1t4d0 TARGET_DISK=c1t4d1 TARGET_DISK=c1t4d2 TARGET_DISK=c1t4d3
パトロール診断の中止および再開は、clspconfig(1M)コマンドで行います。clspconfig(1M)コマンドの詳細については、clspconfig(1M)のマニュアルページを参照してください。
パトロール診断を中止する場合は、clspconfig(1M)コマンドのオペランドに "ACTIVE=false" を指定します。
例)
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 ACTIVE=false
パトロール診断を再開する場合は、clspconfig(1M)コマンドのオペランドに "ACTIVE=true" を指定します。
パトロール診断中止時の、パトロール診断を行うハードウェア、パトロール診断の時間間隔と同じ構成で、次回からパトロール診断を再開します。
例)
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 ACTIVE=true
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