PCI Hot Plug ユーザーズガイド 2.5.1
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目次

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2.1.1.2 I/Oデバイスの組込み
- PCI カードを搭載するスロットには、66MHzの周波数で動作するスロットと33MHzの周波数で動作するスロットの2種類があります。通常、異なる動作周波数の PCI カードをスロットに組込むことはできません。66MHzの周波数で動作するスロットに33MHzの周波数で動作するカードが挿入された場合、以下のメッセージを表示しPCI Hot Plug 操作は中止されます。
“66Mhz bus can't accept 33Mhz card”
しかし、33MHzの周波数で動作するスロットに66MHzの周波数で動作するカードが挿入された場合には以下のメッセージが出力され、カードの動作周波数を33MHzに下げて動作します。
“66Mhz capable card throttled back to 33Mhz”
よって、PCIカードとスロットの周波数について動作可能な組み合わせは、以下のようになります。
周波数対応表
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スロットの周波数 |
66MHz |
33MHz |
PCIカードの周波数 |
66MHz |
○ |
○※1 |
33MHz |
×※2 |
○ |
※1 33MHzの周波数で動作するスロットに66MHzの周波数で動作するカードが挿入されたため、メッセージを出力してカードの周波数を33MHzに下げて動作します。
※2 このスロットの動作周波数は、システム起動時に挿入されていたカードの動作周波数により決定されます。またシステム起動時に決定された周波数は、システム稼働中に変化することはありません。そのため、周波数の異なるカードを組込むには、システムを一旦停止する必要があります。PCI Hot Plugは使用できません。
またシステム起動時に空であったスロットについては、66MHzの周波数で動作しますので注意してください。
- Solaris OSでは、すべてのデバイスドライバが新しく組込まれたデバイスを動的に認識できることを前提としています。したがって、すべてのデバイスドライバは、PCI Hot Plugによるデバイスの組込みをサポートしている必要があります。
PCI Hot PlugによるI/Oデバイスの組込みが終了すると、devfsadmd(1M)によってdevfsadm(1M)コマンドが起動され、I/Oデバイスの再構成が自動的に行われます。
新しく組込まれたI/Oデバイスのパス名は/etc/path_to_instに追加されます。同様のパス名が、/devices配下にも追加され、/dev配下へのシンボリックリンクも作成されます。
ディスクコントローラ番号は、devfsadm(1M)コマンドが実行された順番に番号付けされます。新しく組込まれたPCIカードのディスクコントローラ番号は、devfsadm(1M)コマンドによって最小の空き番号が選択されます。
取外したPCIカードを再度追加した際に、I/Oの実装状態(I/Oコントローラ、I/Oデバイスの種類、実装されているスロットの位置)が取外し以前と同一ならば(通常、活性交換処理に相当)、ディスクコントローラ番号は取外し以前と一致します。しかし、実装位置を移動した場合にはディスクコントローラ番号が変更され、/etc/vfstabやその他のアプリケーションの動作に影響を及ぼす可能性があります。システム管理者は、このような問題が発生しないように適切な管理をする必要があります。
- PCI Hot Plug操作によるネットワークデバイスの組込み実行時、/etc/hostname.interfaceファイルまたは/etc/hostname6.interfaceファイルが存在する場合、Reconfiguration Coordination Manager (以降RCM)により、デバイスの活性化が自動的に行われます。
- PCI Hot Plugによる組込み時は、PCIカードの故障の有無を判断できないため、故障したPCIカードが組込み対象とされる場合でも処理を実行します。故障したPCIカードを組込むことによりシステム異常が発生する場合がありますので、正常に動作するPCIカードをご使用ください。
- PCI Hot Plug機能を用いてPCIカードを交換または増設した際に、以下のメッセージが出力される場合がありますが、PCI Hot Plug機能の動作の異常を示すものではありません。本メッセージが出力されても、PCIカードの交換または増設は正常に行われています。また、この現象は障害Sun Bug ID: 4722493としてSolaris 8 OS用パッチ110837-05、およびSolaris 9 OS用パッチ113571-03で修正されています。
interpreter[8306]: pci:map-out: XXXXXXXX not mcookie!
interpreter[8306]: /usr/lib/efcode/sparcv9/interpreter: FC_RUN_PRIV: Priv violation: map-out ( XXXX XXXXXXXXXXX )
interpreter[8306]: pci:map-out: failed |
- 対象デバイスのドライバをインストールせずに組込み操作を行うと、以下のメッセージが出力される場合があります。組込み操作後、デバイスはシステムに組込まれますが、ドライバがアタッチされていない状態になります。
対象ドライバをインストール後のPCI Hot Plug操作において、更に異常が発生した場合、当社技術員にご連絡ください。
pcihp (DX): failed to attach one or more drivers for the card in the slot S |
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