PCI Hot Plug ユーザーズガイド 2.5.1

2.1.1.3 I/Oデバイスの切離し

• デバイスドライバはPCI Hot Plug対応されている必要があります。PCI Hot Plug対応デバイスドライバはSolaris OS DDI/DKIエントリ“DDI_DETACH: detach(9E)”をサポートしている必要があります。
  
  PCI Hot Plug対応していないデバイスドライバを使用している場合、PCIカードの切離しは失敗します。PCI Hot Plug対応のデバイスドライバについての詳細は、“PCI Hot Plugユーザーズガイド I/O デバイス編”の“PCI Hot Plug対応PCIカード一覧”を参照してください。
• 切り離しされるデバイスすべてが未使用である必要があります。以下に、ディスク装置とネットワークカードの例を説明します。実際の手順については、“PCI Hot Plug I/O デバイス編”を参照してください。
  
  1. ディスク装置

     マウントされたディスクが存在すると、PCI Hot Plug処理が異常終了します。
     この問題を回避するためには、以下のようにして対象となるディスクをアンマウントしてください。

     # umount マウントポイントのパス名

     ダンプデバイス、スワップデバイスとしてディスクが使われている場合も、PCI Hot Plugの切離し操作が失敗する場合があります。以下のようにして対象となるデバイスの使用を中止してください。

     # swap -d デバイス名

     # dumpadm -d デバイス名

     なお、スワップデバイス、ダンプデバイスを変更する際、資源見積もりを再度行う必要があります。

  2. ネットワークカード
     活性化されたネットワークデバイスが存在すると、PCI Hot Plug処理が異常終了します。この問題を回避するためには、以下のようにして対象となるネットワークデバイスを非活性化する必要があります。
     RCMによりネットワークデバイスの非活性化が自動的に行われる場合がありますが、切離し操作を行う前には必ず以下のように明示的にネットワークデバイスを非活性化してください。
     

     # ifconfig interface down

     # ifconfig interface unplumb

• 切り離し対象となるデバイスすべてを未使用にするために、PCI Hot Plug により切り離し対象となるデバイスを、冗長構成とすることを推奨します。冗長構成のためにI/Oマルチパスソフトウェアが提供されています。例えば、ネットワーク、ディスクを冗長構成にすることができます。I/Oマルチパスソフトウェアの詳細については、“PCI Hot Plugユーザーズガイド I/Oデバイス編”を参照してください。
  以下に冗長構成の必要性を、ディスク装置、ネットワークカードの場合を例に説明します。
  
  1. ディスク装置
     ルートファイルシステム、業務運用上不可欠なファイルシステムは、アンマウントすることができません。
     ディスクの二重化ソフトによる冗長化により、ファイルシステムをアンマウントすることなく、デバイスを切り離すことが可能になります。
     
  2. ネットワークカード
     非活性化されるネットワークが、システムのプライマリネットワーク・インタフェース（すなわち、/etc/nodenameで定義されたホスト名に使用されているインタフェース）であれば、ftp(1), rsh(1), rcp(1), rlogin(1), telnet(1)などのネットワークの基本コマンドは機能しなくなり、NFSの操作にも影響します。
     System Management Console（以下SMC）を使用している場合には、SMCとの接続LANとして使用しているネットワーク・インターフェースを停止すると、SMC間の機能が動作しなくなるため、プライマリネットワーク・インターフェース同様に、冗長化して運用する必要があります。I/Oマルチパスを用いて、このような必要不可欠なI/Oデバイスへのアクセス経路を冗長化することができます。
• I/Oマルチパスによって I/Oデバイスがマルチパス化されている場合、PCI Hot Plug操作によりPCIカードの切離しを行っても、システムからI/Oデバイスへのアクセスを継続することができます。ただしデバイス構成によっては、アクセス経路の減少により性能の劣化を招く可能性があります。
• Solaris 9 OSにおいて、PCI Hot Plug機能の切離し操作を行った際に、切離し操作が成功したにもかかわらず以下のメッセージが表示される場合があります。
  切離し対象スロットのREADY LED、ONLINE LED、ALARM LEDがすべて消灯している場合、またはcfgadm(cfgadm_pci(1M))コマンドによりスロットの状態表示を行い、対象スロットのReceptacleの状態が'disconnected'である場合は、PCI Hot Plug機能による切離し操作は正常に行われています。この現象は障害Sun Bug ID: 4798214としてSolaris 9 OS用パッチ112958-03で修正されています。
  

  メッセージ

  cfgadm: ハードウェア固有の障害です