機能説明
データベース作成・削除コマンドで作成した統合ログ閲覧データベースについて、管理するデータの年月を、指定の年月に切り替えるコマンドです。
たとえば、現在2022年7月~2023年8月の14カ月分のデータを管理している時、このコマンドを使用する事で翌月用の環境の、2022年8月~2023年9月の期間のデータを管理できる環境に切り替えます。
その場合、一番古い2022年7月のデータはこのコマンドの動作により削除され、データを管理していたディスク上の領域は開放されます。 また、新たに2023年8月のデータを格納する領域が用意されます。
このコマンドは、管理している最新月(上記例では2023年8月)の月末、あるいは翌月(上記例では2023年9月)の早い時期に実行するようにしてください。
記述形式
【データベース環境切り換え実施時】
DTKDBSPACE.EXE DTKDB2 <User> <Password> { SYSTEMDATE | <yyyymmdd> | <mmmm> } [KEEP { <yyyymmdd> | <nnnn> } ] <作業フォルダ>
【情報表示時】
DTKDBSPACE.EXE DTKDB2 <User> <Password> STATUS
オプション
コマンドの引数は、半角英大文字/英小文字は区別しません。
【データベース環境切り替え実施時】
固定です。
ログ閲覧データベースを対象に処理する事を示します。
サーバ設定ツールで登録したユーザーID(アクセス権が“バックアップ・リストア”のユーザーID)を指定します。
なお、ログ閲覧データベースへのリストア時でも、現在の運用データベースのユーザーIDを指定します。
初期管理者(SecureAdmin)のユーザーIDは使用できません。
<User>のパスワードを指定します。
処理基準日を指定します。
データベースの環境を切り替えるとき、ログの保存期間の一番新しいログを格納する月を指定します。入力は8ケタで行うので、日の部分の設定値は利用者側で決めて設定してください。(たとえば「コマンド実行日にする」「毎月の01日にする」「毎月の月末日にする」など日の部分は自由です)
SYSTEMDATE (という文字列)
SYSTEMDATEはシステム日付を指定した事になります。タスクスケジューラで毎月決まった日に自動実行する場合はSYSTEMDATEを指定してください。
システム日付が2001年01月01日~2034年12月31日の期間で動作します。
<yyyymmdd>
<yyyymmdd>は、8桁の20010101~20341231の暦上日を指定します。
たとえばシステム日付が2023年9月2日の時に、処理基準日を20230901で設定しておきたい(毎月の1日に合わせておきたい)場合、20230901を指定します。
<mmmm>
<mmmm>は1~2000までの日数を指定します。 システム日付を基準に指定日数だけ過去の日付を設定した事になります。 たとえばシステム日付が2023年8月28日の時に1を設定した場合、2.の方法で20230827を指定した事と同じ動作を行ないます。
なお、日数計算した結果が2001年01月01日~2034年12月31日の期間で動作します。
処理基準日は、データベースで管理するログの年月の、一番未来側の月を指定します。
たとえば、現在2022年7月~2023年8月の期間のログを管理する構成の時に、1カ月未来用の構成である2022年8月~2023年9月の期間のログを管理するようにデータベースを構成したい場合、処理基準日には2023年9月の日付(1日~月末日のどの日付でも可)を指定します。
タスクスケジューラ等で、2023年9月の月初めの日(毎月の1日など)にこのコマンドを実行するように設定しておき、処理基準日にSYSTEMDATEを設定すれば日付指定含め自動化できます。
なお、2022年7月~2023年8月の期間のログを管理している場合、処理基準日に2023年8月の日付を与えても、すでにその状態の構成になっているため、データベースの管理月の変更は行ないません。
処理基準日を指定する時、前回このコマンドで指定した処理基準日より過去の年月の日付は指定しないでください。 もし指定した場合、データベース環境は変更できますが、未来日付領域にあったログや、最新の年月に格納していたログデータは破棄します。
省略が可能です。
データベースに格納しているログについて、過去のログの一部を削除する特別な場合にのみ指定します。
2つの指定方法があります。
<yyyymmdd>
<yyyymmdd>は、8桁の20010101~20341231の暦上日を指定します。
処理基準日よりも、31日以上過去の日付指定してください。
たとえば、処理基準日が2023年08月26日の場合、2023年07月26日以前の日付が指定できます。
<nnnn>
<nnnn>は31~2000までの日数を指定します。システム日付を基準に指定日数だけ過去の日付を設定した事になります。たとえばシステム日付が2023年8月28日の時に365を設定した場合、365日前である2022年08月28日を計算で求め、1.の方法で20220828を指定した事と同じ動作を行ないます。この設定の場合、2022年08月28日以降のデータは残し、2022年08月27日以前のデータを削除します。
処理基準日の指定と、KEEPの指定の組み合わせで、KEEPの動作が以下となります。
KEEPの指定 | ||||
---|---|---|---|---|
指定しない | yyyymmdd (20010101~処理基準日より31日前までの日付の範囲) | nnnn (31~2000の範囲) | ||
処理基準日の指定 | SYSTEMDATE(当日を指定)、あるいは、yyyymmdd (20010101~20341231の範囲) | ログの削除は行ないません。 | KEEPで指定したyyyymmddのみでログを残す範囲を決定します。 | 処理基準日からKEEPで指定したnnnn日だけさかのぼった日付を計算して、ログを残す範囲を決定します。 たとえば2023年08月26日に、処理基準日に20230801(当日とは異なる日)を、KEEPに31を指定すると、KEEPは20230801の31日前である2023年07月01日を指定したとして動作します。 |
mmmm (1~2000の範囲) | 同上 | 同上 | 当日の日付から、処理基準日で指定したmmmm日だけさかのぼった日付を計算し、さらにそこからKEEPで指定したnnnn日だけさかのぼった日付を計算して、ログを残す範囲を決定します。 たとえば2023年08月26日に、処理基準日に1を、KEEPに31を指定すると、処理基準日は1日前の2023年08月25日となり、KEEPはそれより更に31日前の2023年07月25日を指定したとして動作します。 |
ログのリストア時に一時的に使用するワークフォルダを指定します。空き容量が十分あるローカルのハードディスクのパスを、フルパスで指定します。
フォルダ名は、SJISコード文字範囲のものを指定してください。
ドライブレター含め、160バイト以内で指定してください。
パス中に半角空白を含む場合には、パス全体をダブルクォーテーションでくくってください。
このコマンドの内部で、未来日付分のログを一時的にバックアップ・データベースに再格納していますが、その保存用として使用します。
このコマンドを毎月1日の夜に実行する場合、未来日付領域には基本的にはログは格納されていないため、処理するログ量もごく少量ですが、もしこのコマンドの実行日が数日遅れた場合、その間の操作ログが未来日付領域に格納される事になり、ディスク領域がそれだけ必要になります。 必要目安としては、ログ1日につき、全管理サーバを合計した1日分のログのバックアップサイズの、約3.1倍のサイズが必要です。
【データベース環境切り替え実施時】
固定です。
ログ閲覧データベースを対象に処理する事を示します。
情報表示を行なう事を指定します。
どのドライブで、どの年月のデータを管理しているか、データベース定義にエラーが発生していないか、ディスクの空きがどれぐらいあるか、を確認できます。
また、前回指定した処理基準日を確認する事ができます。
詳細な情報については、実行例で説明します。
復帰値
正常終了
異常終了
コマンド格納場所
<データベース関連ファイルのインストールフォルダ>\BackupCommand\DTKDBSPACE.EXE
実行に必要な権限/実行環境
ローカルコンピュータのAdministratorsグループに所属するユーザーまたは、ドメインのDomain Adminsグループに所属するユーザーで行ってください。
3階層構成の場合は統合管理サーバ上で、2階層構成の場合は管理サーバ/統合管理サーバ上で実行してください。
運用データベース、統合ログ閲覧データベースは予め作成しておいてください。運用データベース、統合ログ閲覧データベースの両方が存在しないと、このコマンドは実行できません。
このコマンドは、DTKの全てのプログラム、および、管理サーバのサービス(サーバサービス(fsw21sj0.exe)、階層化サービス(fsw21sj1.exe))を停止してから実行してください。 ただし、運用データベース用のPostgreSQLのサービス(PostgreSQL RDB SWDTK)、ログ閲覧データベース用のPostgreSQLのサービス(PostgreSQL RDB SWDTK2)は起動したままにしてください。
コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動し、カレントフォルダをコマンド格納場所に移動後に、実行してください。
使用例/実行結果/出力形式
C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DB\BackupCommand>DTKDBSPACE.exe DTKDB2 User Password 20230801 C:\temp 2023/07/24 11:03:16 データベース環境切り替えコマンド・開始 2023/07/24 11:03:16 データベース : DTKDB2 2023/07/24 11:03:16 基準日指定 : 20230801 2023/07/24 11:03:16 処理基準日 : 20230801 2023/07/24 11:03:16 KEEP : 2023/07/24 11:03:16 作業用フォルダ : c:\temp 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP ・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_01・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_02・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_03・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_04・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_05・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_06・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_07・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_08・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_09・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_10・・・OK 2023/07/24 11:03:17 DTKDBSP_11・・・OK 2023/07/24 11:03:18 DTKDBSP_12・・・OK 2023/07/24 11:03:18 DTKDBSP_13・・・OK 2023/07/24 11:03:18 DTKDBSP_14・・・OK 2023/07/24 11:03:18 データベーススペースのステータスチェック・終了 2023/07/24 11:03:18 予備領域の情報取得・開始 2023/07/24 11:03:18 予備領域の情報取得・終了 2023/07/24 11:03:18 予備領域のデータバックアップ・開始 2023/07/24 11:03:20 予備領域のデータバックアップ・終了 2023/07/24 11:03:20 予備領域の条件変更・開始 2023/07/24 11:03:21 予備領域の条件変更・終了 2023/07/24 11:03:21 ログ領域の条件変更・開始 2023/07/24 11:04:02 DTKDBSP_01 (2023/08)・・・OK 2023/07/24 11:04:02 ログ領域の条件変更・終了 2023/07/24 11:04:02 予備領域のデータリストア・開始 2023/07/24 11:04:15 予備領域のデータリストア・終了 2023/07/24 11:04:15 データベース環境切り替えコマンド・終了 C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DB\BackupCommand>
C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DB\BackupCommand>DTKDBSPACE.exe DTKDB2 User Password STATUS [実行情報] 基準日指定 : SYSTEMDATE 処理基準日 : 20230724 KEEP : [データベーススペース情報] DB SPACE MNGDATE Status Free% Path DTKDBSP 2023/08 99.96% D:\DTKDB\Base DTKDBSP_01 2022/06 99.96% F:\DTKDB\Log01 DTKDBSP_02 2022/07 99.96% G:\DTKDB\Log02 DTKDBSP_03 2022/08 99.96% H:\DTKDB\Log03 DTKDBSP_04 2022/09 99.96% I:\DTKDB\Log04 DTKDBSP_05 2022/10 99.96% J:\DTKDB\Log05 DTKDBSP_06 2022/11 99.96% K:\DTKDB\Log06 DTKDBSP_07 2022/12 99.96% L:\DTKDB\Log07 DTKDBSP_08 2023/01 99.96% M:\DTKDB\Log08 DTKDBSP_09 2023/02 99.96% N:\DTKDB\Log09 DTKDBSP_10 2023/03 99.96% O:\DTKDB\Log10 DTKDBSP_11 2023/04 99.96% P:\DTKDB\Log11 DTKDBSP_12 2023/05 99.96% Q:\DTKDB\Log12 DTKDBSP_13 2023/06 99.96% R:\DTKDB\Log13 DTKDBSP_14 2023/07 99.96% R:\DTKDB\Log14 C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DB\BackupCommand>
現在の14カ月のデータベース領域を、どのように使用しているかを情報表示します。
以下の情報が表示されます。
項目名 | 説明 |
---|---|
処理基準日 | このコマンドを実行した日付です。 |
DB SPACE 列 | データベースの領域名です。 DTKDBSPは、管理系テーブルと、未来日付のログを格納する基本域です。 DTKDBSP_01~14は、月ごとのデータ管理域です。 |
MNGDATE列 | 管理しているログ情報の年月です。(YYYY/MMの型式) なお、DTKDBSP行に表示する年月は、データ管理域の、最新の年月の更に翌月の年月を表示します。 |
DB Size 列 | その領域が使用しているデータベースサイズ(単位はKB) |
Free Area 列 | その領域が使用しているディスクの空きサイズ(単位はKB) |
Free% 列 | ディスクの空き率(95.00%と表示した場合、空き領域が95%あるという状態) |
Path 列 | データベース領域の定義先のドライブとパス(ドライブレターからのフルパス) |
実行ログ
画面に表示された実行結果は、以下の実行ログファイルにも書き込まれています。
C:\ProgramData\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DTKDBSPACE.log
注意事項
このコマンドは、毎月必ず実行してください。実行しないまま放置していると、データベースの基本領域が巨大化し、ログの検索速度が遅くなります。 またその状態で、データベース環境切り替えコマンドを実行した場合、コマンド実行に長い時間がかかります。また、巨大化した基本領域のサイズが小さくなる事はありません。
このコマンドの実行する日ですが、「月末に実行し、翌月分の領域を作成する」場合と、「月初に実行し、今月分の領域を作成する」場合の2通りの方法があります。前者のケースは基本領域の肥大化を防ぎこのコマンドの実行時間が短くできる、という特徴がありますが、一番古い月のログを先に削除してしまう、という欠点があります。後者のケースはその逆で、基本領域が肥大化する(日付がたつにつれて肥大化する)し、コマンド実行に時間がかかるようになるが、ログの削除は翌月に行うので、指定した期間分のログは残せている、という状態になります。どちらの方法にするかは事前に決めてください。
データベース環境切り替えコマンドを実行する事で、一番古い日付の1カ月分のログが削除されます。 もし、処理基準日に2カ月未来の日付を指定した場合、ログの削除も2カ月分が削除される事に注意してください。
もし処理基準日に、現在の処理基準日よりも過去の年月の日付を指定してもコマンドは動作します。その場合、指定した処理基準日が一番新しい管理月となるようにデータベースを構成し、その処理基準日よりも新しい年月のログは、基本領域に移動します。基本領域の肥大化になるため、実際にログデータが入った状態では実施しないでください。