機能説明
統合ログ閲覧データベース用のリストアコマンドです。
バックアップツールやバックアップコマンドを使用してバックアップした「管理情報」や「ログ情報」を、バックアップした単位で統合ログ閲覧データベースにリストアします。
「管理情報」は置き換え、「ログ情報」は追加を行いますがオプションにより置き換え(ログ情報を全て初期化してから追加)を指定できます。
運用データベースや従来版のログ閲覧データベースに対してのリストアは行なえません。
記述形式
【管理情報をリストアする場合】
DTKTBLRESTORREF.EXE DTKDB2 <User> <Password> MASTER <InDir> <WorkDir>
【ログ情報を1つのフォルダからリストアする場合】
DTKTBLRESTORREF.EXE DTKDB2 <User> <Password> OPELOG <InDir> <WorkDir> [REPLACE] BASEDATE { SYSTEMDATE | <yyyymmdd> | <mmmm> } [KEEP { <yyyymmdd> | <nnnn> } ]
【ログ情報を複数フォルダからリストアする場合】
DTKTBLRESTORREF.EXE DTKDB2 <User> <Password> OPELOGF <InDir> <WorkDir> [REPLACE] BASEDATE { SYSTEMDATE | <yyyymmdd> | <mmmm> } [KEEP { <yyyymmdd> | <nnnn> } ]
オプション
コマンドの引数は、半角英大文字/英小文字は区別しません。
BASEDATEより前のオプションの意味は、DTKTBLRESTOR.exeと同じです。
固定です。
ログ閲覧データベースを対象に処理する事を示します。
サーバ設定ツールで登録したユーザーID(アクセス権が“バックアップ・リストア”のユーザーID)を指定します。
なお、ログ閲覧データベースへのリストア時でも、現在の運用データベース側で管理しているユーザーIDを指定します。
初期管理者(SecureAdmin)のユーザーIDは使用できません。
<User>のパスワードを指定します。
リストア対象のデータ種別を指定します。
MASTER:
管理情報をリストアしたい場合に指定します。
OPELOG:
ログ情報を1つのフォルダからリストアしたい場合に指定します。
OPELOGF:
ログ情報を複数のフォルダからリストアしたい場合に指定します。
リストア対象に"MASTER"を指定した場合に、管理情報を格納しているフォルダを189文字以内で、ドライブレターからフルパスで指定してください。
リストア対象に"OPELOG"を指定した場合に、ログ情報を格納しているフォルダを189文字以内で、ドライブレターからフルパスで指定してください。
パス中に半角空白を含む場合には、両端をダブルクォーテーションでくくってください。
【<InDir>の記述例】
“C:\Users\Administrator\Documents\LG20120621”
<InFile>:
リストア対象に”OPELOGF”を指定した場合に、リストア対象のフォルダが記述されたファイルを255文字以内で、ドライブレターからフルパスで指定してください。
このファイルはローカルディスク上にテキストファイルとして用意してください。
このファイルには、1行1件の形で、リストア対象のログ情報を格納しているフォルダを198文字以内で、ドライブレターからフルパスで指定してください。
記述できるフォルダ数は最大2000件です。
1行をパスとして取り込むため、パス中に半角空白を含んでも、ダブルクォーテーションでくくる必要はありません。
【リストア対象フォルダを記述したファイルの例】
C:\Users\Administrator\Documents\LG20230621 C:\Users\Administrator\Documents\LG20230622 C:\Users\Administrator\Documents\LG20230623 C:\Users\Administrator\Documents\LG20230624 C:\Users\Administrator\Documents\LG20230625 C:\Users\Administrator\Documents\LG20230626
リストア途中に入力ファイルを変換するための作業用フォルダを189文字以内で、ドライブレターからフルパスで指定してください。
作業用フォルダに指定できるのは、ローカルのハードディスクのみです。
管理情報をリストアする場合には、この作業用フォルダに、管理情報のデータファイルの合計の1.2倍のサイズの作業用ファイルが作成されます。
また、ログ情報をリストアする場合には、全フォルダ配下のログテーブルごとの合計サイズの内、最大サイズの1.2倍のサイズの作業ファイルが作成されます。 (たとえばFILEACCESSLOG.csvの全ファイルの合計が10GBだったとすると、12GBが必要です)。そのため、作業用フォルダには十分な空き容量のあるディスクを指定してください。最低でも10MBの空き容量が必要です。なお、実行後、作業ファイルは削除されます。
統合ログ閲覧データベースにログ情報をリストアする前に既に格納されているログ情報を削除したい場合に指定します。
省略した場合は、ログ情報を追記でリストアします。
このオプションは、ログ閲覧用データベースリストアツールの「リストア前に既存ログ情報を全件削除する
(高速削除)」のオプションを指定した場合と同じ動作を行います。リストアツールの詳細は、"導入ガイド"の"リストアツールを利用する"を参照ください。
コマンドのオプションに、空白などの文字を含むパスを指定する場合、ダブルクォーテーションでくくってください。パスを指定する以外のオプションでは、ダブルクォーテーションでくくったデータは指定できません。
固定です。(指定は必須です)
リストア対象に”OPELOG”、”OPELOGF” を指定した場合に指定します。
製品版のコマンドと区別するため、BASEDATEのキーワードを指定するようにしています。
このキーワードに続き、処理基準日の指定を行ないます。
処理基準日を指定します。
リストア対象に”OPELOG”、”OPELOGF” を指定した場合に指定します。
DTKTBLRESTORコマンドで指定する処理基準日とは、KEEPオプションの起算日を指定するものです。DTKDBSPACEコマンドの処理基準日とは意味が違います。
SYSTEMDATE (という文字列)
SYSTEMDATEはシステム日付を指定した事になります。タスクスケジューラで毎月決まった日に自動実行する場合はSYSTEMDATEを指定してください。
システム日付が2001年01月01日~2034年12月31日の期間で動作します。
<yyyymmdd>
<yyyymmdd>は、8桁の20010101~20341231の暦上日を指定します。
<mmmm>
<mmmm>は1~2000までの日数を指定します。 システム日付を基準に指定日数だけ過去の日付を設定した事になります。 たとえばシステム日付が2023年8月28日の時に1を設定した場合、2.の方法で20230827を指定した事と同じ動作を行ないます。
なお、日数計算した結果が2001年01月01日~2034年12月31日の期間で動作します。
この処理基準日は、この後に指定するKEEPと組み合わせて使用します。
詳細は、KEEPの引数にて説明します。
KEEPを指定せずに、処理基準日だけ指定した場合には、処理基準日の日付チェックのみ実施し、入力データをリストアする処理を行ないます。
省略が可能です。
リストアするログについて、指定した日より過去のログをデータベースに取り込みたくないような特別な場合にのみ場合に指定します。
リストア対象に”OPELOG”、”OPELOGF” を指定した場合に指定できます。
<yyyymmdd>
<yyyymmdd>は、8桁の20010101~20341231の暦上日を指定します。
<nnnn>
<nnnn>は31~2000までの日数を指定します。処理基準日(日数指定の場合は日数計算後の日付)を基準に指定日数だけ過去の日付を設定した事になります。 たとえばシステム日付が2023年7月28日で、処理基準日にSYSTEMDATEを指定した時に1を設定した場合、1.の方法で20230727を指定した事と同じ動作を行ないます。この設定の場合、2023年07月27日以降のデータは残し、2023年07月26日以前のデータは取り込まないようにします。
なお、日数計算した結果が20010101~20341231の期間で動作します。
処理基準日の指定と、KEEPの指定の組み合わせで、KEEPの動作が以下となります。
KEEPの指定 | ||||
---|---|---|---|---|
指定しない | yyyymmdd (20010101~20341231の範囲) | nnnn (1~2000の範囲) | ||
処理基準日の指定 | SYSTEMDATE(当日を指定)、あるいは、yyyymmdd (20010101~20341231の範囲) | KEEPの動作は行ないません。 | 処理基準日の指定は無視して、KEEPで指定したyyyymmddのみでログを取り込む範囲を判断します。 | 処理基準日からKEEPで指定したnnnn日だけさかのぼった日付を計算して、ログを取り込む範囲を決定します。 たとえば2023年08月26日に、処理基準日に20230801(当日とは異なる日)を、KEEPに31を指定すると、KEEPは2023年08月01日の31日前である2023年07月01日を指定したとして動作します。 |
mmmm (1~2000の範囲) | 同上 | 同上 | 当日の日付から、処理基準日で指定したmmmm日だけさかのぼった日付を計算し、さらにそこからKEEPで指定したnnnn日だけさかのぼった日付を計算して、ログを取り込む範囲を決定します。 たとえば2023年08月26日に、処理基準日に30を、KEEPに31を指定すると、処理基準日は30日前の2023年07月27日となり、KEEPはそれより更に31日前の2023年06月26日を指定したとして動作します。 |
復帰値
正常終了
異常終了
コマンド格納場所
<データベース関連ファイルのインストールフォルダ>\BackupCommand\DTKTBLRESTORREF.EXE
実行に必要な権限/実行環境
ローカルコンピュータのAdministratorsグループに所属するユーザーまたは、ドメインのDomain Adminsグループに所属するユーザーで行ってください。
3階層構成の場合は統合管理サーバ上で、2階層構成の場合は管理サーバ/統合管理サーバ上で実行してください。
運用データベース、統合ログ閲覧データベースは予め作成しておいてください。運用データベース、統合ログ閲覧データベースが存在しないと、このコマンドは実行できません。
このコマンドは、DTKの全てのプログラム、および、管理サーバのサービス(サーバサービス(fsw21sj0.exe)、階層化サービス(fsw21sj1.exe))を停止してから実行してください。 ただし、運用データベース用のPostgreSQLのサービス(PostgreSQL RDB SWDTK)、ログ閲覧データベース用のPostgreSQLのサービス(PostgreSQL RDB SWDTK2)は起動したままにしてください。
コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動し、カレントフォルダをコマンド格納場所に移動後に、実行してください。
イベントログへの出力
1215(開始)、1216(正常終了)、1217(エラー終了)の3つの出力コードがあります。
詳細は、製品マニュアルの「リファレンスマニュアル 3.1.11 アプリケーションイベントログに出力されるメッセージ」を参照してください。
使用例/実行結果/出力形式
C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DB\BackupCommand>DTKTBLRESTORREF.exe DTKDB2 User Password MASTER "C:\Users\admin\Documents\MS20230619" c:\temp 2023/07/24 21:54:39 リストアコマンド・開始 2023/07/24 21:54:39 2023/07/24 21:54:39 データベース : DTKDB2 2023/07/24 21:54:39 リストア対象 : MASTER 2023/07/24 21:54:39 入力フォルダ : C:\Users\admin\Documents\MS20230619 2023/07/24 21:54:39 作業用フォルダ : c:\temp 2023/07/24 21:54:41 ■管理情報テーブルのレコード削除状況 2023/07/24 21:54:41 (この間、DTKTBLRESTORREF.EXEと同じ実行出力なので説明を省略します) 2023/07/24 21:54:50 2023/07/24 21:54:50 管理情報を一括でリストア・終了 2023/07/24 21:54:50
C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DB\BackupCommand>DTKTBLRESTORREF.exe DTKDB2 User Password OPELOG "C:\Users\admin\Documents\BK20230722" c:\temp BASEDATE 20230724 KEEP 355 2023/07/24 21:55:57 リストアコマンド・開始 2023/07/24 21:55:57 2023/07/24 21:55:57 データベース : DTKDB2 2023/07/24 21:55:57 リストア対象 : OPELOG 2023/07/24 21:55:57 入力フォルダ : C:\Users\admin\Documents\BK20230722 2023/07/24 21:55:58 作業用フォルダ : c:\temp 2023/07/24 21:55:58 処理基準日 : 20230724 2023/07/24 21:55:58 データ保存日数 : 355 2023/07/24 21:55:59 ログ情報をリストア・開始 2023/07/24 21:55:59 2023/07/24 21:55:59 ○ COMMONLOG1 2023/07/24 21:56:56 入力ファイル名 : c:\temp\COMMONLOG1.tmp 2023/07/24 21:59:12 ファイル件数・・・2,263,520件 2023/07/24 21:59:12 取り込み件数・・・2,263,520件 2023/07/24 21:59:12 エラー件数 ・・・0件 (正常) 2023/07/24 21:59:12 テーブル件数・・・18,340,183件 (この間、別テーブルの処理の繰り返し出力なので説明を省略します) 2023/07/24 21:56:22 2023/07/24 21:56:22 ログ情報をリストア・終了 2023/07/24 21:56:23
実行ログ
画面に表示された実行結果は、以下の実行ログファイルにも書き込まれています。
C:\ProgramData\Fujitsu\Systemwalker Desktop Keeper\DTKTBLRESTORREF.log
注意事項
このコマンドは、運用データベース、従来版のログ閲覧データベースに対してのリストアは行なえません。
統合/下位管理サーバのバックアップログをログ参照サーバにリストアする場合、一番短時間でリストアするためには、全サーバのバックアップログをログ参照サーバにコピー後、OPELOGF引数を指定する方法でリストアしてください。
実行ログに出力される「エラー件数」は、KEEP指定により取り込まなかったログ情報があった場合、あるいは、現在のデータベースで管理できない過去日付のログ情報があった場合に、その件数を表示します。「エラー件数」が0件の場合は、件数の後に「(正常)」、1件以上の場合は「(エラー)」を表示します。
実行ログに出力される「テーブル件数」は、PostgreSQLデータベースが管理している各テーブルの概算件数を出力します。そのため、必ずしも正確な件数ではない場合があります。