クラスタシステムでのオンライン中リカバリ機能を利用した複写先システムの被災からの復旧について説明します。
複写元システムと複写先システムが並列で表記されている場合は、どちらのシステムを先に実行しても問題ありません。
複写元システム | 複写先システム | ||
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運用ノード | 待機ノード | 運用ノード | 待機ノード |
1.Symfoware/RDBの復旧 2.Linkexpressの復旧 | |||
3.残存資源の削除 4.RLP管理オブジェクトの削除 5.BC管理スキーマの削除 | 3.残存資源の削除 4.RLP管理オブジェクトの削除 5.BC管理スキーマの削除 | ||
6.DRレプリケーション業務の削除 | 6.DRレプリケーション業務の削除 | ||
7.クラスタアプリケーション(RMS)の停止とリソースの活性化 8.RLP環境の削除 9.BCログ管理ファイルの削除 | |||
10.各種パラメタファイルの作成 | 10.各種パラメタファイルの作成 | ||
11.BCログ管理ファイルの作成 | |||
12.オンライン中のRLP作成 | 12.オンライン中のRLP作成 | ||
13.Linkexpressの起動 | |||
14.DRレプリケーション業務の作成 15.DRレプリケーション業務の作成(センター切り替え用) | |||
16.DRレプリケーション業務の作成 17.DRレプリケーション業務の作成(センター切り替え用) 18.RLP管理オブジェクトの作成 19.資源識別子情報の抽出 20.表のDSIの退避 21.利用者プログラムの停止 22.利用規定の設定 23.RDBディクショナリの退避 24.リカバリポイントの設定 25.利用規定の解除 26.RERUNログの取得開始 27.DRレプリケーション業務の起動 28.利用者プログラムの再開 29.退避アーカイブログファイルの取得と転送 | |||
30.RDBディクショナリの復旧 31.RDBディレクトリファイルの復旧 32.Symfoware/RDBの起動 33.監査ログエレメントの復旧 34.DSIの復旧 35.RLP管理オブジェクトの再作成 36.資源識別子情報の登録 37.Symfoware/RDBの停止 38.Linkexpressの停止 39.リソースの非活性化とクラスタアプリケーション(RMS)の起動 40.RERUNログの取得開始 41.DRレプリケーション業務の起動 |
Symfoware/RDBの復旧
Symfoware/RDBの環境を被災前の状態に復旧または再構築します。再構築は、DRレプリケーション環境を初めて構築した際の手順で行ってください。
バックアップから復旧する場合は、Symfoware/RDBのリカバリ機能によって復旧します。
Symfoware Serverのセットアップについては、以下のマニュアルを参照してください。
・“Symfoware Server クラスタ導入運用ガイド”
・“Symfoware Server セットアップガイド”
Linkexpressの復旧
Linkexpressの環境を被災前の状態に復旧または再構築します。
Linkexpressのセットアップについては、以下のマニュアルを参照してください。
・“Linkexpressクラスタシステム導入説明書”
・ソフトウェア説明書
残存資源の削除
両システムに当該RLPのRLC退避ファイルおよびRERUNログ抽出ファイルが残存する場合は、OSのrmコマンドで削除してください。
RLP管理オブジェクトの削除
複写元システムで、全RLPのBC管理DBを削除します。
lxrepdrdrp -p RLP名 -m rlpobj -k capture
複写先システムで、全RLPのBC管理DBを削除します。
lxrepdrdrp -p RLP名 -m rlpobj -k reflect
BC管理スキーマの削除
複写元システムで、BC管理スキーマを削除します。
lxrepdrdrp -m mndb -k capture
複写先システムで、BC管理スキーマを削除します。
lxrepdrdrp -m mndb -k reflect
DRレプリケーション業務の削除
複写元システムで、DRレプリケーション業務を削除します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a drpwrk -k capture -f DRサーバ環境ファイル名
lxrepdrrep -p RLP名 -a drpwrk -k reflect -R -f DRサーバ環境ファイル(センター切替え用)名
複写先システムで、DRレプリケーション業務を削除します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a drpwrk -k reflect -f DRサーバ環境ファイル名
lxrepdrrep -p RLP名 -a drpwrk -k capture -R -f DRサーバ環境ファイル(センター切替え用)名
クラスタアプリケーション(RMS)の停止とリソースの活性化
複写先システムのクラスタアプリケーション(RMS)を停止し、リソースを活性化した後、切替えディスクをOSのmountコマンドでマウントします。
詳細は、“8.4.2 リソースの活性化・非活性化について”を参照してください。
RLP環境の削除
複写先システムで、全RLPの状態を“lxrepdrrlpコマンド( -V -O -p RLP名指定)”によって確認し、qdg20230uメッセージが出力される場合は、RLMとRLCファイルをOSのrmコマンドで削除します。
複写先システムでRLPを削除します。
lxrepdrdrp -p RLP名 -m rlp -k reflect
BCログ管理ファイルの削除
複写先システムでBCログ管理ファイルが残存する場合は、OSのrmコマンドで削除してください。
各種パラメタファイルの作成
両システムの各種パラメタファイルを作成します。
・RDB構成パラメタファイル
・BC構成パラメタファイル
・RLP動作環境ファイル
・RLP定義ファイル
・DRレプリケーション定義ファイル
・DRサーバ環境ファイル
なお、複写元システムのパラメタファイルは、既存のパラメタファイルから、複写先システムにおける変更部分のみを修正します。
BCログ管理ファイルの作成
複写先システムで、BC管理ログファイルを作成します。
lxrepdrlog -M
オンライン中のRLP作成
複写元システムで、全RLPに対しオンライン中のRLP作成を行います。
lxrepdrrlpcr -p RLP名 -G -k capture -d DRレプリケーション定義ファイル
複写先システムで、全RLPに対しオンライン中のRLP作成を行います。
lxrepdrrlpcr -p RLP名 -G -k reflect -d DRレプリケーション定義ファイル
Linkexpressの起動
複写先システムでlxstrsysコマンドを実行し、Linkexpressを起動します。
DRレプリケーション業務の作成
複写先システムで、全RLPのDRレプリケーション業務を作成します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a crtwrk -k reflect -f DRサーバ環境ファイル名 -d DRレプリケーション定義ファイル名
DRレプリケーション業務の作成(センター切替え用)
複写先システムで、全RLPのセンター切り替え後のDRレプリケーション業務を作成します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a crtwrk -k capture -f DRサーバ環境ファイル(センター切替え用)名 -d DRレプリケーション定義ファイル名 -R
DRレプリケーション業務の作成
複写元システムで、全RLPのDRレプリケーション業務を作成します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a crtwrk -k capture -f DRサーバ環境ファイル名 -d DRレプリケーション定義ファイル名
DRレプリケーション業務の作成(センター切替え用)
複写元システムで、全RLPのセンター切り替え後のDRレプリケーション業務を作成します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a crtwrk -k reflect -f DRサーバ環境ファイル(センター切替え用)名 -d DRレプリケーション定義ファイル名 -R
RLP管理オブジェクトの作成
複写元システムで、全RLPのRLP管理オブジェクトを作成します。
lxrepdrcrt -p RLP名 -m mndb -k capture -d DRレプリケーション定義ファイル名 -e nocntf
資源識別子情報の抽出
複写元システムで、全RLPの資源識別子情報を抽出します。
lxrepdrmap -p RLP名 -E 資源識別子抽出ファイル名
表のDSIの退避
複写元システムでrdbdmpコマンドを実行し、表のDSIの退避ファイルを取得します。
rdbdmp -i データベース名.DSI名 -f 退避先名@デバイス名
利用者プログラムの停止
利用規定の設定
複写元システムでrdbrtrコマンドを実行し、RDBディクショナリとすべてのデータベーススペースに更新抑止の利用規定を設定します。
rdbrtr -z -rw
rdbrtr -p データベース名.データベーススペース名 -rw
RDBディクショナリの退避
複写元システムでrdbdmpdicコマンドを実行し、RDBディクショナリの退避ファイルを取得します。
rdbdmpdic -f 退避先名@デバイス名 -N
リカバリポイントの設定
複写元システムでrdbsetrpコマンドを実行し、リカバリポイントを設定します。
rdbsetrp リカバリポイント名
利用規定の解除
複写元システムでrdbrlsコマンドを実行し、RDBディクショナリとすべてのデータベーススペースの更新抑止の利用規定を解除します。
rdbrls -z -rw
rdbrls -p データベース名.データベーススペース名 -rw
RERUNログの取得開始
複写元システムで、RERUNログの取得を開始します。
lxrepdrena -p RLP名 -k capture
DRレプリケーション業務の起動
複写元システムで、全RLPの業務を起動します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a start -k capture [-w 作業ディレクトリパス名]
利用者プログラムの再開
退避アーカイブログファイルの取得と転送
複写元システムでrdblogコマンドによるアーカイブログの強制切替えを行い、退避アーカイブログファイルを取得します。
退避アーカイブログファイルは、表のDSIの退避ファイルの取得を開始した時点から、リカバリポイントを設定するまでの間のすべてのロググループのアーカイブログを対象としてください。
rdblog -S -a
rdblog -S -a -g ロググループ名
rdblog -B アーカイブログ退避先名@デバイス名
rdblog -B -g ロググループ名 アーカイブログ退避先名@デバイス名
RDBディクショナリの復旧
複写元システムで取得したRDBディクショナリの退避ファイルを、OSのftpコマンドによって複写先システムに転送します。
そのRDBディクショナリの退避ファイルを使用し、rdbrcvdicコマンドによって複写先システムのRDBディクショナリおよびRDBディレクトリファイルを復旧します。
rdbrcvdic -L -f 退避先名@デバイス名 -ddl
RDBディレクトリファイルの復旧
スケーラブルディレクトリ運用を行っている場合は、複写先システムでrdbscldirコマンドおよびrdbrcvdicコマンドを実行し、複写先システムのユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルを復旧します。
rdbscldir -A -g ユーザロググループ名 ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルのパス名
rdbrcvdic -L -ddl -g ユーザロググループ名
Symfoware/RDBの起動
複写先システムでrdbstartコマンドを実行し、Symfoware/RDBを起動します。
なお、ホットスタンバイ運用の場合は、“rdbhsutyコマンド(-mon指定)”も実行します。
監査ログエレメントの復旧
監査ログデータベースの運用を行っている場合は、rdbauditコマンドを実行し監査ログデータベースを再作成します。
rdbaudit -d
rdbaudit -c -n エレメント数 -s エレメントサイズ{ -r ローデバイス名 | -f ファイル名 }
スケーラブルディレクトリ運用を行っている場合は、Symfoware/RDBのSET SYSTEM PARAMETER文によって、監査ログの取得範囲や監査ログデータベースが満杯時の対処方法を設定します。
スケーラブルディレクトリ運用およびSET SYSTEM PARAMETER文の詳細は、“Symfoware Server セットアップガイド”を参照してください。
DSIの復旧
複写元システムで退避した表のDSIの退避ファイルをOSのftpコマンドで複写先システムに転送します。
その退避ファイルを使用し、rdbrcvコマンドによって、複写先システムの表のDSIを複写元システムで設定したリカバリポイントまで復旧します。
rdbrcv -F -i データベース名.DSI名 -f 退避先名@デバイス名 -a アーカイブログ退避先名@デバイス名 -w ワークファイルパス名 -E リカバリポイント名
RLP管理オブジェクトの再作成
複写先システムで、全てのRLP管理オブジェクトを削除します。
lxrepdrdelmndball -w 作業ディレクトリパス名
複写先システムで、全てのRLP管理オブジェクトを作成します。
lxrepdrcrt -p RLP名 -m mndb -k reflect -d DRレプリケーション定義ファイル名 -e nocntf
資源識別子情報の登録
複写元システムで作成した資源識別子抽出ファイルを、OSのftpコマンドで複写先システムに転送し、その資源識別子抽出ファイルを使用して全RLPの資源識別子情報を登録します。
lxrepdrmap -p RLP名 -R 資源識別子抽出ファイル名
Symfoware/RDBの停止
複写先システムでrdbstopコマンドを実行し、Symfoware/RDBを停止します。
Linkexpressの停止
複写先システムでlxstpsysコマンドを実行し、Linkexpressを停止します。
リソースの非活性化とクラスタアプリケーション(RMS)の起動
複写先システムの切替えディスクをOSのumountコマンドでアンマウントし、リソースを非活性化した後、クラスタアプリケーション(RMS)を起動します。
詳細は、“8.4.2 リソースの活性化・非活性化について”を参照してください。
RERUNログの取得開始
複写先システムで、全RLPをオンラインにします。
lxrepdrena -p RLP名 -k reflect
DRレプリケーション業務の起動
複写先システムで、全RLPのDRレプリケーション業務を起動します。
lxrepdrrep -p RLP名 -a start -k reflect [-w 作業ディレクトリパス名]