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Linkexpress Replication optionV5.0L27 導入運用ガイド

2.2.4 レプリケーション運用の変更

レプリケーション運用の変更の種類には、次のものが考えられます。ここでは、それぞれの場合での変更方法について説明します。

変更の種類

変更の内容

レプリケーション定義の変更

レプリケーション対象のデータベースの定義変更
抽出定義の変更
DBサービス定義の変更
レプリケーション業務の変更

複写先システムの追加と削除

複写先システムの追加、削除

なお、ここでは、表単位のレプリケーションの抽出定義と、グループ単位のレプリケーションのレプリケーショングループおよびレプリケーショングループに属する抽出定義を、すべて“抽出定義”とまとめて表現しています。

2.2.4.1 レプリケーション定義の変更

ここでは、レプリケーション運用のために定義した、複写元データベース、複写先データベース、抽出定義、DBサービス定義、レプリケーション業務の変更方法について説明します。

以下に示す作業の流れに沿って、変更を行います。

2.2.4.1.1 レプリケーション運用の終了

2.2.1.7 レプリケーション運用の終了”の手順に従って、レプリケーション運用を終了させます。

2.2.4.1.2 レプリケーション対象のデータベースの定義変更

複写元データベースまたは複写先データベースの定義変更は、rdbddlexコマンドで行います。

抽出定義を行っている複写元データベースに対して定義変更をした場合は、正常動作が保証されません。複写元データベースを変更する場合は、抽出定義を削除してから行ってください。

また、複写先データベースに対して定義変更をした場合も、正常動作が保証されません。複写先データベースを変更する場合は、DBサービス定義を削除してから行ってください。

データベースの定義変更の手順を以下に示します。

複写元データベースだけの定義変更の場合は、1.~3.の手順を行います。

複写先データベースだけの定義変更の場合は、4.~6.の手順を行います。

複写元、および複写先データベースの両方を変更する場合は、1.~6.の手順を行います。

複写元システム

複写先システム

1. 抽出定義の削除

2. 複写元データベースの変更

3. 複写元データベースの創成

4. 抽出定義の再定義

5. DBサービス運用の停止

6. DBサービス定義の削除

7. 複写先データベースの変更

8. DBサービス定義の再定義

9. DBサービス運用の開始

10. 全複写業務の実行
(押出し型業務のとき)

10. 全複写業務の実行
(取込み型業務のとき)

  1. 該当する抽出定義を削除します。

  2. 複写元データベースの変更を行います。

  3. 複写元データベースにデータを格納し創成します。

  4. 抽出定義の再定義を行います。
    複写元データベースの変更内容が、データベース名やスキーマ名、テーブル名の変更の場合は、抽出定義で定義する内容をそれに合わせます。

  5. DBサービスの運用を開始している場合は、DBサービスの運用を停止します。DBサービスの運用の停止は、DBサービス運用停止コマンド(lxtrmsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。

  6. DBサービス定義を削除します。
    複写先データベースの変更内容が、DBサービス定義の定義内容に影響のない場合(DSIの割付サイズの変更など)は、削除する必要はありません。

  7. 複写先データベースの変更を行います。

  8. 6.で削除を行った場合、複写先データベースの変更内容に合わせ、再定義します。6.で削除を行う必要のない場合は、再定義は不要です。

  9. DBサービスの運用を開始します。DBサービスの運用の開始は、DBサービス運用開始コマンド(lxintsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。
    5.の操作を行っていない場合、本操作は不要です。

  10. 全複写業務を実行し、複写先データベースを創成します。押出し型業務の場合は複写元システムで実行します。取込み型業務の場合は複写先システムで実行します。

注意

複写元データベースの変更が表の列構成の変更である場合、抽出定義の内容に変更がない場合でも、抽出定義の再定義が必要です。

ALTER DSIを使用する場合

ALTER  DSIを使用する場合の操作について説明します。

ALTER  DSIを使用する場合、抽出定義を削除することなく、レプリケーション対象の表のDSIに対し、分割値を変更できます。

複写元システム

複写先システム

1. レプリケーション業務の停止

1. レプリケーション業務の停止

2. DSIの切り離し

3. DSIの切り離しの確認

4. ALTER DSIに対応したDSIの準備

5. DSI分割値の変更

6. DSIの組み込み

7. レプリケーション業務の起動

7. レプリケーション業務の起動

  1. レプリケーション業務を停止します。
    ALTER DSIによるDSI分割値の変更に対し、複写先システムでDSIを追加する場合や変更する場合は、lxcanwrkコマンド(normalモード)またはLinkexpressクライアントの“業務監視ウィンドウ”でレプリケーション業務を停止します。ALTER DSIによるデータベーススペースの割り付け量の拡張に伴い、複写先システムのDSI定義に変更が発生する場合も同様です。また、複写先システムが他社データベースであり、ALTER DSIに伴うパーティションの変更など行う場合も同様です。
    なお、ALTER DSIに対し、複写先システムに変更のない場合は、停止する必要はありません。
    レプリケーション業務が押出し型の場合は、複写元システムでレプリケーション業務を停止します。
    レプリケーション業務が取込み型の場合は、複写先システムでレプリケーション業務を停止します。

  2. rdbexdsiコマンドの-monオプションで、対象のDSIを切り離します。

  3. rdbexdsiコマンドの-mwオプションで、対象のDSIが切り離されたかを確認します。

  4. ALTER DSIに対応したDSIを準備します。
    ALTER DSIに対応するDSIを複写先システムに追加する場合は、Symfoware Serverの準備モードを使用して行います。
    また、ALTER DSIで変更したDSI分割値が複写先システムにおいて格納可能であるか、複写先システムの表定義またはDSI定義を確認してください。

  5. rdbddlexコマンドで、DSI分割値を変更してください。

  6. rdbexdsiコマンドの-moffオプションで、対象のDSIを組み込んでください。

  7. レプリケーション業務を起動します。
    lxstrwrkコマンドまたはLinkexpressクライアントの“業務監視ウィンドウ”でレプリケーション業務を起動します。
    レプリケーション業務が押出し型の場合は、複写元システムでレプリケーション業務を起動します。
    レプリケーション業務が取込み型の場合は、複写先システムでレプリケーション業務を起動します。

2.2.4.1.3 抽出定義の変更

差分ログファイルサイズの変更や、差分ログファイルの作成先の変更、警告率の変更といった抽出定義の内容を変更する場合について説明します。

抽出定義の変更は、定義した抽出定義を削除し、再定義するという手順で行います。

抽出定義の変更の操作には、以下の方法があります。

  1. 該当する抽出定義を削除します。

  2. 差分ログファイルのサイズなど、抽出定義内容を変更します。

  3. 抽出定義を再定義します。

  4. 定義した抽出定義の内容が正しいか確認します。

注意

  • 差分ログファイルが破壊状態(入出力障害など)や容量不足、最大サイズに達した場合の再作成方法は、“2.2.5.1.1 差分ログファイルの再作成(定義変更)”を参照してください。

  • 抽出定義名、抽出グループ名を変更した場合、レプリケーション業務の抽出処理で実行されるバッチファイルまたはシェルスクリプトのlxextdbコマンドの引数も変更内容に合わせる必要があります。

2.2.4.1.4 DBサービス定義の変更

複写先システムにおいて、格納対象とするデータファイルのパスを変更する場合、DBサービス定義の入力ファイル名のパス(INTABLE定義文のFILEオペランド)を変更します。

DBサービス定義の変更は、定義したDBサービス定義を削除し、再定義するという手順で行います。

DBサービス定義の変更の操作には、以下の方法があります。詳細は、“Linkexpressコマンドリファレンス”または“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

DBサービス定義の変更手順を以下に示します。

複写元システム

複写先システム

1. DBサービス運用の停止

2. DBサービス定義の削除

3. DBサービス定義内容の変更

4. DBサービス定義の再定義

5. DBサービス運用の開始

  1. DBサービスの運用を開始している場合は、DBサービスの運用を停止します。DBサービスの運用の停止は、DBサービス運用停止コマンド(lxtrmsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。

  2. DBサービス定義の削除を行います。

  3. DBサービス定義ファイルの内容を変更します。

  4. DBサービス定義を再定義します。

  5. DBサービスの運用を開始します。DBサービスの運用の開始は、DBサービス運用開始コマンド(lxintsvコマンド)で行います。詳細は“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。
    1.の操作を行っていない場合、本操作は不要です。

2.2.4.1.5 レプリケーション業務の変更

ここでは、特に業務スケジュールの変更に対する考え方について説明します。

なお、レプリケーション業務の変更方法は、Linkexpressの業務定義の変更方法と同じです。業務定義の変更方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

業務スケジュールの変更

自動スケジュールによる一括差分複写業務の運用方法には、以下に示すものがあります。これらは、Linkexpressクライアントの“業務定義ウィンドウ”の“業務スケジュールの設定”ダイアログボックスで変更することができます。

なお、レプリケーションの運用中に、以下の現象が発生する場合には、業務スケジュールの間隔が不適切であると考えられます。この場合には、対処方法に従って、スケジュール間隔を見直してください。

現象

原因

対処方法

業務がすでに実行されている旨のメッセージが頻繁に出力される。

スケジュールの間隔が短すぎる。または差分データの量が多い。

スケジュールの間隔を長くしてください。

テーブルが0件である旨のメッセージまたは編集結果のデータが0件である旨のメッセージが頻繁に出力される。

スケジュールの間隔が短すぎる。

スケジュールの間隔を長くしてください。なお、差分データの件数が0件である運用を想定している場合は、対処は不要です。

差分ログファイルの使用率が警告率を超えた旨の警告メッセージが出力される。

スケジュールの間隔が長すぎる。

スケジュールの間隔を短くしてください。

2.2.4.1.6 DSIの追加

表に追加されたDSIをレプリケーション対象にする手順について以下のとおり説明します。本手順で追加した場合、表指定の抽出定義(DSI名省略)に対し、抽出定義を再定義する必要はありません。

DSIの追加手順を以下に示します。

複写元システム

複写先システム

1.DSIの追加

2.DSIの初期創成

3. DSIの追加

4. DSIの初期化

5. DBサービス定義の作成

6.全複写業務の作成

7.全複写業務の実行

  1. rdbddlexコマンドなどによって、DSIを追加します。

  2. rdbfmtコマンドやrdbslaoderコマンドなどによって、追加したDSIを初期化や初期創成を行います。

  3. 追加したDSIに対応するDSIを複写先システムにも用意する場合は、rdbddlexコマンドなどによって複写先システムにDSIを追加します。

  4. 複写先システムにDSIを追加し、全複写業務により初期創成を行う場合は、rdbfmtコマンドによって初期化します。

  5. 複写先システムにDSIを追加した場合は、全複写業務用にDBサービス定義を作成します(DSI指定)。

  6. 複写先システムにDSIを追加した場合は、初期創成用の全複写業務を作成します。

  7. 複写先システムにDSIを追加した場合は、作成した全複写業務を実行し、複写先システムの追加したDSIを初期創成します。

注意

  • “レプリケーション運用の終了”および“レプリケーション運用の開始”の手順は不要です。

  • 複写先システムにDSIを追加しない場合、上記手順の3~7は不要です(複写先システムの既存のDSIの容量が、複写元システムに追加したDSIの容量を含む場合など)。

  • 複写先システムにDSIを追加し、全複写業務によって初期創成しない場合、上記手順の5~7は不要です(複写元システムで、利用者プログラムによって追加したDSIにデータ格納する場合など)。

  • 複写先システムにDSIを追加し、全複写業務によって初期創成する場合、全複写業務による初期創成が終わるまで、複写先システムに追加したDSIのレコードを参照する利用者プログラムは実行しないでください(全複写業務と競合すると後発のプロセスが排他エラーとなる場合があります)。

2.2.4.1.7 レプリケーション運用の開始

以下の手順で、レプリケーション運用を開始します。

  1. 差分ログの取得開始

  2. レプリケーション運用の開始

差分ログの取得開始については、“2.2.2.3.1 差分ログの取得開始”を参照してください。

レプリケーション運用の開始については、“2.2.1.3 レプリケーション運用の開始”を参照してください。

2.2.4.2 複写先システムの追加と削除

ここでは、複写先システムを追加または削除する方法について説明します。

以下に示す作業の流れに沿って、変更を行います。

レプリケーション運用の終了とレプリケーション運用の開始については、“2.2.1.7 レプリケーション運用の終了”および“2.2.4.1.7 レプリケーション運用の開始”を参照してください。

2.2.4.2.1 複写元システムでの変更作業

複写元システムでは、以下の作業を行います。

  1. 追加、変更、削除する複写先システムに関するネットワーク定義を行います。
    詳細は、“Linkexpress 導入ガイド”および“付録A Linkexpressの環境定義例”を参照してください。

  2. 追加、変更する複写先システム用に抽出定義を追加、変更します。なお、同一の抽出定義を使用する場合は、この作業は必要ありません。
    複写先システムを削除する場合は、必要に応じて抽出定義を削除してください。
    抽出定義の詳細は、“2.1.4 抽出定義”を参照してください。

2.2.4.2.2 複写先システムでの変更作業

複写先システムでは、以下の作業を行います。

ここでは、複写先システムのセットアップは、すでに完了しているものとして説明します。セットアップの方法については、“2.1.2 レプリケーション運用のためのセットアップ”を参照してください。

  1. 複写先システムに複写先データベースを定義します。詳細は、“2.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成”を参照してください。
    複写先システムを削除する場合は、必要に応じて複写先データベースを削除してください。データベースの削除は、“Symfoware Server RDB運用ガイド(データベース定義編)”を参照してください。

  2. 次に、DBサービス定義を行います。
    複写先システムを削除する場合は、必要に応じてDBサービス定義を削除してください。
    DBサービス定義の詳細は、“2.1.5 DBサービス定義”および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

2.2.4.2.3 レプリケーション業務の追加と削除

Linkexpressクライアントを制御サーバに接続し、“業務定義ウィンドウ”で、追加する複写先システム用に業務定義を追加します。

複写先システムを削除する場合は、必要に応じて業務定義を削除してください。

業務定義の詳細は、“2.1.6 レプリケーション業務の作成”および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。