Primary/Secondaryストレージの両装置とStorage Clusterコントローラー間の構成例は、「図9.12 Storage Clusterコントローラーを介した生存確認の構成例」のとおりです。この構成例で、通信と装置の状態と、自動Failoverを実行する契機は、「表9.8 自動Failoverが動作する契機」のとおりです。
図9.12 Storage Clusterコントローラーを介した生存確認の構成例
項番 | 通信状態 | 装置状態 | 自動Failoverが動作する契機と状態遷移 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
(1) | (2) | (3) | Primary | Secondary | ||
1 | ○ | ○ | ○ | 生存 | 生存 | なし |
2 | × | ○ | ○ | |||
3 | ○ | × | ○ | |||
4 | ○ | ○ | × | |||
5 | × | × | ○ | ダウン | あり Primaryストレージ: Active → Standby | |
6 | × | ○ | × | 生存 | ダウン | なし |
7 | ○ | × | × | 生存 | ||
8 | × | × | × | ダウン | ダウン | なし(全閉塞) (注) |
○: 通信可、×: 通信不可
注: 被災した際にStorage Clusterコントローラーの通信を含むネットワーク環境を再構築する構成の場合、一時的にStorage Clusterコントローラーからの通信が不可となり、全閉塞の状態になることがあります。
注意
以下のケースでは、自動Failoverが動作しません。
FC接続環境の場合
「PrimaryストレージとStorage Clusterコントローラー間の経路(2)」が故障してから10秒経過したあとに、「PrimaryストレージとSecondaryストレージ間の経路(1)」が故障した
「PrimaryストレージとSecondaryストレージ間の経路(1)」が故障してから3秒経過したあとに、「PrimaryストレージとStorage Clusterコントローラー間の経路(2)」が故障した
iSCSI接続環境の場合
「PrimaryストレージとStorage Clusterコントローラー間の経路(2)」が故障してから20秒経過したあとに、「PrimaryストレージとSecondaryストレージ間の経路(1)」が故障した
「PrimaryストレージとSecondaryストレージ間の経路(1)」が故障してから7秒経過したあとに、「PrimaryストレージとStorage Clusterコントローラー間の経路(2)」が故障した
Storage Clusterコントローラーの配置場所
Storage Clusterコントローラーと監視対象の各ETERNUS ディスクアレイは、相互に監視を行います。そのため、Storage Clusterコントローラーと監視対象のETERNUS ディスクアレイが同じ建屋内に配置された場合、以下の問題が発生する可能性があります。
建屋が被災した場合、すべての経路が閉塞し、フェイルオーバーできなくなる
上記の問題の発生を防止するため、Storage Clusterコントローラーと監視対象の各ETERNUS ディスクアレイの建屋を分離して配置することを推奨します。配置例は「図9.13 Storage Clusterコントローラーと監視対象のETERNUS ディスクアレイの配置例」のとおりです。なお、Storage Clusterコントローラーは、運用管理サーバと同じサーバ上に配置することも可能です。
図9.13 Storage Clusterコントローラーと監視対象のETERNUS ディスクアレイの配置例