TFOグループは、Active-Active構成またはActive-Standby構成のどちらかで運用できます。運用可能な構成は、「表9.1 ストレージ装置と運用可能なTFOグループの構成の関係」のように、利用するストレージ装置およびファームウェア版数によって異なります。
グループ | ストレージ装置 | 運用可能なTFOグループの構成 | ||
---|---|---|---|---|
機種 | ファームウェア版数 | Active-Active構成 | Active-Standby構成 | |
A | ETERNUS DX S6 series | 全版数 | 〇 (注) | 〇 |
B | Storage Cluster機能をサポートする上記以外のストレージ装置 | Storage Cluster機能をサポートする全版数 | × | 〇 |
〇: サポート、×: 未サポート
注: FC接続環境、かつ業務サーバがESXiホストの場合だけ。
上記の表においてグループAのストレージ装置には“TFOモード”という概念が存在します。TFOモードにはActive-ActiveモードとActive-Standbyモードがあり、TFOグループの作成時に指定するモードによってそのTFOグループの運用構成が決まります。
Active-Activeモードを指定すると、Active-Active構成での運用となります。
Active-Active構成とは、Primary/SecondaryストレージのどちらもLinkupすることによって、両方のストレージ装置へのI/Oを可能にする構成です。
Active-Standbyモードを指定すると、Active-Standby構成での運用となります。
Active-Standby構成とは、Primary/SecondaryストレージのどちらかをLinkupすることによって、Linkupしているストレージ装置だけへのI/Oを可能にする構成です。
グループBのストレージ装置には“TFOモード”の概念がなく、TFOグループは常にActive-Standby構成での運用となります。
ポイント
Active-Active構成で運用する場合は、自動Failover機能が必須であり、「図9.1 Storage Cluster機能: システム構成例」に記載されているStorage Clusterコントローラーの設置が必要です。自動Failover機能の詳細は、「9.1.8 フェイルオーバーおよびフェイルバックの方法」の「自動Failover」を参照してください。
Active-Active構成で運用する場合は、Primary/SecondaryストレージのどちらのTFOグループに属するボリュームへ優先してI/Oを行うかを管理対象サーバごとに設定できます。詳細は、「9.1.4 優先パスによるアクセス制御」を参照してください。
TFOグループを作成したあとは、そのTFOグループのTFOモードおよび運用構成を変更できません。変更するには、一旦TFOグループを削除してから、別のTFOモードを指定してTFOグループを再作成する必要があります。
Active-Active構成のTFOグループとActive-Standby構成のTFOグループの違いは以下のとおりです。
Active-Active構成のTFOグループ
Active-Active構成のTFOグループは、以下のTFOステータスおよびTFOG Roleを持ちます。フェイルオーバーまたはフェイルバックを実行することによって、TFOG Roleが変わります。
TFOステータス | 意味 |
---|---|
Active | 管理対象サーバからアクセスできる状態です。 |
Standby | 管理対象サーバからアクセスできない状態です。 |
TFOG Role | 意味 |
---|---|
Local | 2つのTFOグループ間でTFOVのデータを同期状態にするためのデータコピー元であることを示します。 |
Remote | 2つのTFOグループ間でTFOVのデータを同期状態にするためのデータコピー先であることを示します。 |
環境構築時の初期の、TFOG RoleがLocalのTFOグループを“Primary TFOグループ”、TFOG RoleがRemoteのTFOグループを“Secondary TFOグループ”と呼びます。
以下の図は、環境構築時におけるActive-Active構成のTFOグループの例です。
図9.3 環境構築時におけるActive-Active構成のTFOグループ例
Active-Standby構成のTFOグループ
Active-Standby構成のTFOグループは、以下のTFOステータスを持ちます。フェイルオーバーまたはフェイルバックを実行することによって、TFOステータスが変わります。
Active-Standby構成のTFOグループにTFOG Roleはありません。
TFOステータス | 意味 |
---|---|
Active | 運用側を意味します。管理対象サーバからアクセスできる状態です。 |
Standby | 待機側を意味します。管理対象サーバからアクセスできない状態です。 |
環境構築時の初期の、TFOステータスがActiveのTFOグループを“Primary TFOグループ”、TFOステータスがStandbyのTFOグループを“Secondary TFOグループ”と呼びます。
以下の図は、環境構築時におけるActive-Standby構成のTFOグループの例です。
図9.4 環境構築時におけるActive-Standby構成のTFOグループ例
ポイント
TFOグループ名の入力条件は、以下のとおりです。
1~16文字の、半角英数字「A~Z、a~z、0~9」および特殊文字です。ただし、「, ? " ' \ * %」は使用できません。