ここでは、プリンタ管理環境(動作環境)を設定するコマンドについて説明します。
setenvdefコマンド(プリンタ管理環境(動作環境)を設定する)
[機能]
プリンタ管理環境(動作環境)の設定を表示/変更します。
[記述形式]
[説明]
オプションについて説明します。
動作モードを指定します。
プリンタ管理環境(動作環境)の設定情報を表示します。
プリンタ管理環境(動作環境)の設定情報を変更します。
以下の区分名からいずれかを指定します。
区分名 | 区分内容 |
---|---|
FLD | 「スプールフォルダ」に関する設定 この設定を有効にするには、コンピュータの再起動が必要です。 |
LOG_OPR | 「操作ログ」に関する設定 |
LOG_TRC | 「トレースログ」に関する設定 |
PRT_ERRMSG | 「返答メッセージ」または「応答メッセージ」に関する設定 帳票出力サーバの環境設定ファイルで、MsgNoticeキーに「1」を指定した場合のみ有効です。 |
-gオプションで指定した区分名に対応する設定項目と設定内容を「設定項目=設定値」の形式で指定します。
-aオプションで動作モードに「GET」を指定した場合は、このオプションは無効になります。
-aオプションで動作モードに「SET」を指定した場合は、-gオプションで指定した区分名に対応する設定項目をこのオプションで複数指定できます。
以下に区分名ごとの設定項目と設定値を示します。
この設定を有効にするには、コンピュータの再起動が必要です。
設定項目 | 項目の概要 | 設定値 | 初期値 |
---|---|---|---|
SPL (*1)(*2)(*3) | スプールフォルダを表示/変更します。 | 表示/変更するスプールフォルダをフルパスで指定します。 | (Windowsのシステムドライブ)\windows\system32\spool\PRINTERS |
*1:
存在しないフォルダを設定した場合は、必ず作成してください。
なお、Print Managerがインストールされている環境では、Print Managerの設定「印刷後のスプール保存フォルダ」と同じフォルダは指定できません。
*2:
ここで設定するフォルダがNTFS形式のドライブに存在する場合、ユーザに「変更」アクセス権が必要です。
*3:
「スプールフォルダ」には、Windowsのスプールファイルが格納されます。運用中にスプールフォルダを変更する場合、以下の手順にしたがって作業を行ってください。
作業に誤りがあると、印刷待ちの印刷ドキュメントが表示できなくなるなどの問題が発生します。
1. プリンタ管理環境(動作環境)の設定コマンド(setenvdefコマンド)で、
「スプールフォルダ」を変更します。
2. Windowsのサービス画面で、サービス名「PRT Server Service」および
「Print Spooler」を停止します。
3. 新しくスプールフォルダに設定するフォルダが存在しない場合、フォルダを作成します。
フォルダは固定ディスクに作成してください。
NTFS形式の場合、Usersグループのユーザに「変更」アクセス権を設定してください。
4. エクスプローラのフォルダ オプション画面の[表示]タブで「すべてのファイルと
フォルダを表示する」が選択されていることを確認して、現在のスプールフォルダに存在する
すべてのファイルを、新しくスプールフォルダに設定するフォルダに複写します。
5. コンピュータを再起動します。
設定項目 | 項目の概要 | 設定値 | 初期値 |
---|---|---|---|
EVENT (*1) | 採取するイベントの種類 | 以下の3桁の数字からなる文字列で指定します。
例:エラー、警告のみ採取する場合 110 |
|
LOGFILE (*1) | 操作ログの出力ファイル名を表示/変更します。 | 操作ログの出力ファイル名をフルパスで指定します。 | (List Works Print Agentインストールフォルダ)\PrintMGR\Work\log\f3ewopr.log |
LOGSZ (*1) | 操作ログの出力ファイルサイズを表示/変更します。 | 64~10240の整数値で、キロバイト単位で指定します。 | 1024 |
LOGNUM | 操作ログの退避ファイル数を表示/変更します。 | 0~7までの整数値で、ファイル数を指定します。 | 2 |
*1:
以下の場合、ログファイルを作成(更新)するために必要なディスクの空き容量が不足し、エラーメッセージが出力されることがあります。
・「EVENT」でイベントを採取する設定にした場合
・「LOGSZ」でファイルサイズを大きくした場合
・「LOGFILE」でファイル名を変更した場合
「LOGNUM」で退避ファイル数を変更した場合
ディスクの空き容量を増やして、再度設定してください。
ただし、ログファイルの作成(更新)は、ログが出力されたタイミングで行われるため、環境設定が完了してからログが出力されるまでの間にディスクの空き容量が不足した場合は、指定した内容は無効になり、変更前の値が有効になります。
この場合、ソースがF3EWSVLGのイベントログ(イベントID:140)が出力されます。内容を確認してください。
イベントログについては、オンラインマニュアル“帳票印刷配信機能 メッセージ集”の“2.1 イベントログに出力されるメッセージ”を参照してください。
*2:
退避ファイル名は、「f3ewoprAuto 年月日時分秒.log」の形式でログファイルを出力するフォルダに作成されます。0を指定した場合、退避ファイルは作成されず、古いログから順に上書きされます。
設定項目 | 項目の概要 | 設定値 | 初期値 |
---|---|---|---|
LEVEL (*1) | トレースログの採取条件を表示/変更します。 | 以下の2桁の数字からなる文字列で指定します。
例:プログラムトレースはLEVEL3で採取し、ネットワークトレースは採取しない場合 30 |
|
LOGSZ (*1) | トレースログの出力ファイルサイズを表示/変更します。 | 64~99999の整数値で、キロバイト単位で指定します。 ただし、この設定で変更した場合、変更前のトレースログの内容は無効になります。 | 16384 |
LOGNUM (*1)(*2) | トレースログの退避ファイル数を表示/変更します。 | 0~7までの整数値で、ファイル数を指定します。 | 2 |
*1:
以下の場合、ログファイルを作成(更新)するために必要なディスクの空き容量が不足し、エラーメッセージが出力されることがあります。
・「LEVEL」でイベントを採取する設定にした場合
・「LOGSZ」でファイルサイズを大きくした場合
・「LOGNUM」で退避ファイル数を変更した場合
ディスクの空き容量を増やして、再度、設定してください。
ただし、ログファイルの作成(更新)は、ログが出力されたタイミングで行われるため、環境設定が完了してからログが出力されるまでの間にディスクの空き容量が不足した場合は、指定した内容は無効になり、変更前の値が有効になります。
この場合、ソースがF3EWSVLGのイベントログ(イベントID:141)が出力されます。内容を確認してください。
イベントログについては、オンラインマニュアル“帳票印刷配信機能 メッセージ集”の“2.1 イベントログに出力されるメッセージ”を参照してください。
*2:
0を指定した場合、退避ファイルは作成されず、古いログから順に上書きされます。
帳票出力サーバの環境設定ファイルで、MsgNoticeキーに「1」を指定した場合のみ有効です。
設定項目 | 項目の概要 | 設定値 | 初期値 |
---|---|---|---|
RMSGDEST | 返答メッセージ/応答メッセージの通知先を表示/変更します。 | 1文字以上の文字列で、通知先のコンピュータ名またはIPアドレスを指定します。ただし、IPv6形式のIPアドレスは指定できません(IPv4形式のIPアドレスは指定できます)。 なお、返答メッセージ/応答メッセージの通知先は「セミコロン(;)」で区切って最大5つまで指定することができます。(*1) メッセージの通知先は以下の優先順位で有効になります。 メッセージが通知できた場合は、優先順位の低い通知先コンピュータには通知を行いません。
| ローカルコンピュータ名 |
POPUP (*2) | メッセージウィンドウのポップアップを表示/変更します。 | 数値の0か1を指定します。
| 0 |
DISPBTN (*3)(*4) | 返答メッセージ/応答メッセージの選択肢(続行/保留/操作/削除)を表示/変更します。 | 以下の4桁の数字からなる文字列で指定します。ただし、0000(いずれも選択しない)は設定できません。
例:続行、保留、削除のみ選択する場合 1101 |
|
*1:
6つ以上指定した場合、コマンドは正常復帰しますが、6つ目以降に指定したIPアドレスまたはホスト名は無効となります。
*2:
プリンタの種類によりポップアップ表示する/しないの動作が異なります。
-VSP/VS/PS5000シリーズの場合
返答メッセージ/応答メッセージは、この設定にしたがいます。
通知メッセージは、プリントモニタの設定にしたがいます。
-PrintiaLASERシリーズ(Printianavi搭載機)の場合
返答メッセージ/応答メッセージは、この設定にしたがいます。
通知メッセージは、ポップアップ表示しません。
-上記以外のプリンタの場合
返答メッセージ/応答メッセージ、通知メッセージとも、この設定にしたがいます。
*3:
以下のプリンタ装置のエラーメッセージには有効になりません。
-VSP/VS/PS5000シリーズ
-PrintiaLASERシリーズ(Printianavi搭載機)
*4:
返答メッセージ/応答メッセージの選択肢の注意を、以下に示します。
-[操作]ボタンは、印刷ドキュメントのスプールデータ形式に
「EMF」が指定されている場合だけ表示されます。
-[確認]ボタンおよび[再試行]ボタンのカスタマイズはできません。
-[続行]ボタンを無効にした場合でも、メッセージウィンドウには続行についての
メッセージが表示されます。
-メッセージウィンドウで[操作]ボタンをクリックして表示される画面のボタンには、
この指定は有効になりません。
-メッセージウィンドウに、ここで選択したボタンが1つも存在しない場合、
既定のボタンが表示されます。
ただし、[続行]ボタンだけを選択した環境で、[保留]ボタンおよび[削除]ボタン
を持つメッセージを表示した場合、メッセージには[削除]ボタンだけが表示されます。
[記述例]
スプールフォルダ「d:\spool\save」に変更します。
setenvdef -a SET -g FLD -i SPL="d:\spool\save"
「スプールフォルダ」に関する設定内容を表示します。
setenvdef -a GET -g FLD
「スプールフォルダ」に関する設定内容の一覧表示例を、以下に示します。
ここでは、スプールフォルダ「d:\spool\save」が定義されている場合の例を示しています。
Spool folder :"d:\spool\save"
採取するイベントの種類「エラー」、操作ログの出力ファイル名「c:\aaa\log\logfile.log」、操作ログの出力ファイルサイズ「512」、操作ログの退避ファイル数「2」に変更します。
setenvdef -a SET -g LOG_OPR -i EVENT=100 -i LOGFILE="c:\aaa\log\logfile.log" -i LOGSZ=512 -i LOGNUM=2
「操作ログ」に関する設定内容を表示します。
setenvdef -a GET -g LOG_OPR
「操作ログ」に関する設定内容の一覧表示例を、以下に示します。
ここでは、採取するイベントの種類「エラー」、操作ログの出力ファイル名「c:\aaa\log\logfile.log」、操作ログの出力ファイルサイズ「512」、操作ログの退避ファイル数「2」が定義されている場合の例を示しています。
Log mode :ON -> Error :ON -> Warning :OFF -> Information :OFF File name :"c:\aaa\log\logfile.log" File size :512 Auto-log-backup :ON -> Number of backup files :2
トレースログの採取条件「プログラムトレースはLEVEL1」、「ネットワークトレースはLEVEL1」、トレースログの出力ファイルサイズ「1024」、トレースログの退避ファイル数「2」に変更します。
setenvdef -a SET -g LOG_TRC -i LEVEL=11 -i LOGSZ=1024 -i LOGNUM=2
「トレースログ」に関する設定内容を表示します。
setenvdef -a GET -g LOG_TRC
「トレースログ」に関する設定内容の一覧表示例を、以下に示します。
ここでは、トレースログの採取条件「プログラムトレースはLEVEL1」、「ネットワークトレースはLEVEL1」、トレースログの出力ファイルサイズ「1024」、トレースログの退避ファイル数「2」が定義されている場合の例を示しています。
Collect following condition :ON -> Program trace :Level1 -> Network trace :Level1 File size :1024 Auto-log-backup :ON -> Number of backup files :2
返答メッセージ/応答メッセージの通知先「clientname」、メッセージウィンドウ「ポップアップ表示する」、返答メッセージ/応答メッセージの選択肢「続行」、「保留」、「削除」に変更します。
setenvdef -a SET -g PRT_ERRMSG -i RMSGDEST="clientname" -i POPUP=1 -i DISPBTN=1101
返答メッセージ/応答メッセージに関する設定内容を表示します。
setenvdef -a GET -g PRT_ERRMSG
返答メッセージ/応答メッセージに関する設定内容の一覧表示例を、以下に示します。
ここでは、返答メッセージ/応答メッセージの通知先「clientname」、メッセージウィンドウ「ポップアップ表示する」、返答メッセージ/応答メッセージの選択肢「続行」、「保留」、「削除」が定義されている場合の例を示しています。
Message console :"clientname" Message pop-up :ON [Message button] Continue :ON Hold :ON Operate :OFF Delete :ON
[復帰値]
復帰値を示します。
復帰値 | 意味 |
---|---|
0 | 正常終了 |
上記以外 | 異常終了 |
[注意]
設定した項目の正当性チェックは、区分単位で行うため、エラーの内容は必ずしも設定した項目のものとは限りません。
項目の設定を変更することによって、別の区分の設定に矛盾が発生した場合、別の区分のエラーとなります。