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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.7

7.1.2 CRMメインウィンドウ

PRIMECLUSTERシステムの状態を監視する際に、クラスタリソース管理機構で管理するリソースの状態を画面(CRMメインウィンドウ)で参照し、故障したハードウェアを特定することができます。

ここでは、ハードウェア資源に関連したリソースの状態、および操作方法について説明します。

参照

クラスタリソース管理機構の画面である、CRMメインウィンドウについては、“4.5.3 Cluster Adminの機能”の“crm”を参照してください。

7.1.2.1 表示する資源の種類

CRMメインウィンドウで表示するハードウェア資源に関連するリソースについて示します。

リソース詳細情報ではCRMメインウィンドウで使用しているアイコンの一覧、リソースの詳細情報について説明します。

7.1.2.1.1 リソースアイコン

CRMツリービューで表示されるアイコンについて説明します。

「共用リソース」配下のリソースと関連あるものはが重ねて表示されます。

アイコン

リソース

共用リソース

Global Disk Servicesが管理するディスククラス

ローカルディスク

共用ディスク装置

IPアドレス

ネットワークインタフェース

引継ぎネットワーク

共用リソース配下の多階層リソースではないリソース

ノード配下の「共用リソース」とは関連がなく、多階層リソースではないリソース

クラスタ

ノード

7.1.2.1.2 資源の状態

CRMメインウィンドウでは、リソースクラスごとに表示されるアイコンの種類と状態が異なります。
各リソースでは、配下のリソースに異常があると、異常を示すアイコン(OFF-FAIL または ON-FAILOVER)が表示されます。CRMツリービューで、クラスタアイコン→ノードアイコン→配下のリソースアイコンと順次展開し、異常の原因となっているリソースを特定してください。リソースの状態が OFF-FAIL または ON-FAILOVERの場合は、“7.4 資源異常時の対処方法”を参照し、対処を行ってください。
リソースの状態 が ON, OFF-STOP, UNKNOWNの場合、対処は不要です。

■クラスタの状態

クラスタに関しては、以下の状態が表示されます。

アイコン

アイコン色

概要

詳細

ON

すべてのノードと共用リソースが正常に動作している状態である。

OFF-FAIL

いずれかのノードがON以外の状態である。または、共用リソースがOFF-FAILの状態である。

■ノードの状態

ノードに関しては、以下の状態が表示されます。

アイコン

アイコン色

概要

詳細

ON

ノードが正常に起動している。

緑に赤い縦線

ON-FAILOVER

ノード配下のいずれかのリソースが故障状態である。

OFF-STOP

クラスタリソース管理機構が停止している状態である。

OFF-FAIL

ノードに異常が発生している。

UNKNOWN

ノードに対する監視や制御が行われていない。

注意

  • CF上でノードがLEFTCLUSTER状態の場合は、CRMツリービューではONとなります。

  • clinitresetコマンドを実行し、リソースデータベースの初期化を行った後は、CRMメインウィンドウに表示されているリソースの状態が、実際のリソースの状態と異なります。clinitresetを実行し、ノードの再起動を行った後、Web-Based Admin View画面をいったん閉じて再度表示してください。
    clinitresetコマンドは、クラスタアプリケーションを削除してから実行してください。

■共用リソースの状態

共用リソースに関しては、以下の状態が表示されます。

アイコン

アイコン色

概要

詳細

ON

共用リソース配下のリソースの状態がONまたはOFF-STOPまたはUNKNOWNの状態である。

OFF-FAIL

共用リソース配下のいずれかのリソースにOFF-FAILの状態がある。

■その他リソースの状態

その他のリソースに関しては、以下の状態が表示されます。

アイコン色

概要

詳細

ON

リソースが正常に動作している。

緑に赤い縦線

ON-FAILOVER

該当リソース自体は正常に動作しているが、内部的に多重管理している装置や資源のいくつかに異常な状態になっている。

OFF-STOP

リソースが正常に停止している状態になっている。

OFF-FAIL

リソースに異常がある状態になっている。

UNKNOWN

リソースに対する監視や制御が行われていない状態になっている。

7.1.2.1.3 運用操作

CRMメインウィンドウからは、以下の操作が行えます。
下表の“選択リソース”は、選択可能なリソースのリソースクラス名です。リソースクラス名の詳細については、“7.1.2.2 リソース詳細情報”を参照してください。

表7.1 CRMメインウィンドウの操作

機能

操作方法

対象ユーザグループ

メニュー

選択リソース

CRMのリソースデータベースの構築

[ツール]-[初期構成設定]

なし [注1]

wvroot
clroot

リソースの活性指示

[ツール]-[起動]

SDX_DC [注2]

wvroot
clroot
cladmin

リソースの非活性指示

[ツール]-[停止]

SDX_DC [注2]

wvroot
clroot
cladmin

Cluster Admin画面の終了

[ファイル]-[終了]

すべて
選択なし

すべて

ヘルプの参照

[ヘルプ]-[内容] [注3]

すべて
選択なし

すべて

バージョンの参照

[ヘルプ]-[バージョン情報]

すべて
選択なし

すべて

[注1] 初期構成設定メニューは、リソースデータベースの設定が行われていない場合のみ選択できます。また、このメニューはポップアップメニューには表示されません。

[注2] Global Disk Servicesに登録してあるディスクリソースのみ操作可能です。

[注3] CRMメインウィンドウのヘルプはCF、RMSのヘルプとは別のブラウザで表示されます。

注意

  • ポップアップメニューには操作可能なメニューのみが表示されます。

  • CRMツリービューで選択したリソースに操作可能なメニューがない場合、ポップアップメニューには「なし」と表示されます。これを選択しても何も操作を行えません。

  • ユーザグループに関しては、“4.3.1 クラスタを管理するユーザの作成”を参照してください。

初期構成設定

クラスタリソース管理機構が管理するリソースデータベースの設定を行います。[ツール]-[初期構成設定]で初期構成設定画面が表示されます。なお、初期構成設定は、同時に複数のクライアントから操作を行うことができません。初期構成設定に関する詳細は、“5.1.3.1 初期構成設定を参照してください。

起動

選択したリソースの活性処理を行います。起動操作は、保守作業時に行います。そのため、選択したリソースがクラスタアプリケーションに登録されている場合、クラスタアプリケーションがDeact状態の場合のみ起動操作を行うことができます。クラスタアプリケーションの状態は、RMSメインウィンドウで確認してください。

注意

  • 保守作業が完了した場合は、保守作業を行ったリソースの状態を必ず保守作業前の状態にしてください。

  • CRMビューで表示されるリソースがクラスタアプリケーションに登録されている場合は、Deact状態を解除する前に、CRMビューで表示されるリソースを必ず停止してください。

停止

選択したリソースの非活性処理を行います。停止操作は、保守作業時に行います。そのため、選択したリソースがクラスタアプリケーションに登録されている場合、選択したリソースが登録されているクラスタアプリケーションがDeact時のみ停止操作を行うことができます。クラスタアプリケーションの状態は、RMSメインウィンドウで確認してください。

注意

  • 保守作業が完了した場合は、保守作業を行ったリソースの状態を必ず保守作業前の状態にしてください。

  • CRMビューで表示されるリソースがクラスタアプリケーションに登録されている場合は、Deact状態を解除する前に、CRMビューで表示されるリソースを必ず停止してください。

注意

CRMメインウィンドウでの操作中に表示されたメッセージ、およびメッセージダイアログのフレームタイトルが“Cluster resource management facility”となっているメッセージが表示された場合は、“PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>”の“3.2 CRMビューのメッセージ”、および“第4章 FJSVcluster 形式のメッセージ”を参照してください。

7.1.2.2 リソース詳細情報

ここでは、CRMメインウィンドウに表示されるリソース属性について説明します。

リソース詳細情報

アイコン /リソースクラス名

属性名

意味/属性値

(上段:意味、下段:属性値)

Node

NodeID

ノード識別番号。

ノード識別番号(0~127)。

DISK

Disk_Attr

クラスタシステムから利用可能なディスクの物理的な接続形態や利用形態を示す。

LOCAL 単一ノードからのみアクセス可能なローカルディスク。

SHD_DISK 物理的な共用接続関係にあるが、クラスタとしての利用形態(共用ディスクまたは切替ディスク)が指定されていない状態。

SHD_SHARE 複数ノードからアクセス可能な共用ディスク。

SHD_SWITCH 2つのノード間で排他して利用する切替ディスク。

空白 ディスクの接続形態/利用形態が未設定の状態。

SHD_DISK、

SHD_MPDisk

Disk_Attr

クラスタシステムから利用可能なディスクの物理的な接続形態や利用形態を示す。

SHD_DISK 物理的な共用接続関係にあるが、クラスタとしての利用形態(共用ディスクまたは切替ディスク)が指定されていない状態。

SHD_SHARE 複数ノードからアクセス可能な共用ディスク。

SHD_SWITCH 2つのノード間で排他して利用する切替ディスク。

SDX_DC、

SDX_SHDDC

Disk_Attr

クラスタシステムから利用可能なGDSが管理するディスククラスの物理的な接続形態や利用形態を示す。

SHD_DISK 物理的な共用接続関係にあるが、クラスタとしての利用形態(共用ディスククラスまたは切替ディスククラス)が指定されていない状態。

SHD_SHARE 複数ノードからアクセス可能な共用ディスククラス。

SHD_SWITCH 2つのノード間で排他して利用する切替ディスククラス。

Ethernet

node_name

このLANボードが設定されている、ノードのノード名。

ノード名が設定される。

WebView

Web-Based Admin Viewが使用する、ネットワークインタフェースを示す。

Web-Based Admin Viewが使用していれば、USE。使用していなければ、UNUSEが設定される。

SHD_Host

ip_addr

引継ぐIPアドレスを示す。

引継ぐIPアドレス情報がIPv4の場合、XXX.XXX.XXX.XXXの形式で設定されている。

IPアドレス引継ぎを行わない場合は、空白。

引継ぐIPアドレス情報がIPv6の場合、アイコン/リソースは表示されない。