XLデータムーバのトレースファイルには、以下のトレース情報が採取されます。
転送コマンドのトレース情報
デーモンまたはサービスのトレース情報
データ転送用ボリュームのアクセス時のトレース情報
収集したトレースファイルの格納先ディレクトリは以下のとおりです。
Solaris OSサーバ | /var/opt/FJSVmftf/data配下 |
HP-UXサーバ | /var/opt/FHPmftf/data配下 |
AIXサーバ | /var/opt/FAIXmftf/data配下 |
Linuxサーバ | /var/opt/FJSVmftf/data配下 |
IAサーバ | インストールディレクトリ\data配下 |
トレース情報は2つのトレースファイル(apilog1、apilog2)を使用して以下のように、サイクリックに格納されます。
1つ目のファイルに格納します。
1つ目のファイルのファイルサイズが以下の値より大きくなった場合には、2つ目のファイルに格納します。
UNIXサーバ : 6MB
IAサーバ : 60MB
2つ目のファイルのファイルサイズが 2. と同じように大きくなった場合には、1つ目のファイルを上書きして格納します。
これを繰り返し行います。
ローカルシステム内で、転送コマンドおよびサービスまたはデーモンは、共に同じ出力ファイルを使用します。
トレースファイルの1つのファイルサイズは、UNIXサーバは6MB、IAサーバでは60MBです。
1つのトレースファイルに格納可能なトレース情報の量は、約10GBのデータ転送分の情報を格納できます。
トレースファイルは2つをサイクリックに使用するため、最大約20GBのデータ転送分のトレース情報を格納できることになります。
注意
トレースファイルを格納するディレクトリには、以下のスペース量以上が必要となります。
UNIXサーバ : 12MB
IAサーバ : 120MB
空きスペースがない場合には、領域不足のエラーメッセージが出力されます。また、トレース情報をすべて格納することができません。
また、本格納ディレクトリはエラーログ情報出力ファイルを採取する場合にも使用するため、合わせて注意が必要です。
エラーログ情報出力ファイルについては、エラーログ情報出力ファイルの採取方法を参照してください。
XLデータムーバのトレースファイルの採取方法
XLデータムーバのトレースには、クライアントシステム側のトレースと、サーバシステム側のトレースの2つが存在します。異常発生原因を特定させるため、クライアントシステム側およびサーバシステム側のトレースを合わせて採取します。
シェルスクリプト等で実行している転送コマンドを、トレース用の転送コマンドに変更してください。
mftfsend -f /export/home/a/data1 … ==> mftfsenddeb -f /export/home/a/data1 …
mftfrecv -t /export/home/a/data2 … ==> mftfrecvdeb -t /export/home/a/data2 …
オプションはすべて同じです。
トレース用の転送コマンドを実行することで、クライアントシステム側にトレースファイルができ、トレース情報を収集します。
※ サーバシステム側のデーモンまたはサービスが、トレース用である必要はありません。
トラブル現象が発生し、転送が終了した時点で、トレース情報は収集できているので、1.で修正したシェルスクリプトを元に戻してください。
収集できたトレースファイルを富士通技術員(SE)に送ってください。
サーバ側には、UNIXサーバのデーモンと、IAサーバのサービスの2つが存在します。
トレース対象のデータ転送用ボリュームの、通常のデーモン(mftfd)を停止してください。
トレース対象のデータ転送用ボリュームの、トレース用のデーモン(mftfddeb)で起動してください。
mftfd -start /dev/rdsk/c2t0d0s2 ==> mftfddeb -start /dev/rdsk/c2t0d0s2
オプションは通常デーモンとすべて同じです。
クライアントシステム側からデータ転送依頼を実施することで、サーバシステム側にトレース情報が収集できます。
※ クライアントシステム側からのデータ転送依頼は、トレース用の転送コマンド等である必要はありません。
トラブル現象が発生し、転送が終了した時点で、トレース用のデーモンを停止してください。
収集できたトレース情報を富士通技術員(SE)に送ってください。
XLデータムーバのサービスを停止してください。
起動モード指定ファイル(startup.iniファイル)に"-D デバイス名"を指定してください。
デバイス名にはトレース対象のデバイス名を指定してください。
OPTION= -D デバイス名 |
例) OPTION= -m -D PHYSICALDRIVE1
XLデータムーバのサービスを起動してください。
※ 2.の -D で指定したデバイスだけの、トレース情報を採取することができます。
クライアントシステム側からデータ転送依頼を実施することで、サーバシステム側にトレース情報が収集できます。
※ クライアントシステム側からのデータ転送依頼は、トレース用の転送コマンド等である必要はありません。
トラブル現象が発生し、転送が終了した時点で、サービスを停止してください。
2. で指定した "-D デバイス名" は削除してください。
収集できたトレース情報を富士通技術員(SE)に送ってください。
SAN連携製品を使用している場合のトレース情報の採取方法
SAN連携製品のトレースには、クライアントシステム側のトレースと、サーバシステム側のトレースの2つが存在しますが、どちらも同じ方法で採取できます。異常発生原因を特定させるため、クライアントシステム側およびサーバシステム側のトレースも合わせて採取します。
また、SAN連携製品のトレース情報には、データ転送用ボリュームのアクセス時のトレース情報だけが採取されます。
データ転送用ボリュームを使用している、SAN連携製品のデーモンまたはサービス等すべてのプロセスを停止してください。
以下のシェルスクリプトやバッチファイルをオプションを何も指定しないで起動して、現在の全データ転送用ボリュームのアクセス部分が、通常モードになっていることを確認します。
/usr/mftf/lib/mftfmode.sh [ TRACE | NORMAL ]
インストールディレクトリ\mftfmode.bat [ TRACE | NORMAL ] (デフォルト= C:\Program Files\Datamover\mftfmode.bat)
例) /usr/mftf/lib/mftfmode.sh
※ 上記シェルスクリプトやバッチファイルについては、mftfmodeについて を参照してください。
上記の実行結果が、"Normal Mode" と表示されていることを確認してください。
2.で実行したシェルスクリプトやバッチファイルに、以下のオプションを指定して実行することで、全データ転送用ボリュームのアクセス部分が、トレースモードになります。
/usr/mftf/lib/mftfmode.sh TRACE
2. と同じようにシェルスクリプトやバッチファイルを実行し、現在の全データ転送用ボリュームのアクセス部分が、トレースモードになっているかどうかを確認します。
/usr/mftf/lib/mftfmode.sh
上記の実行結果が、"Trace Mode" と表示されていることを確認してください。
データ転送用ボリュームを使用している、SAN連携製品のデーモンまたはサービス等を起動してデータ転送を開始してください。
データ転送が実施され、データ転送用ボリュームをアクセスすることで、全データ転送用ボリュームのトレース情報が収集できます。
トラブル現象が発生した時点で、SAN連携製品のデーモンまたはサービスを停止してください。
2. で実行したシェルスクリプトやバッチファイルに、以下のオプションを指定して実行することで、全データ転送用ボリュームのアクセス部分が、通常モードになります。
/usr/mftf/lib/mftfmode.sh NORMAL
2. と同じようにシェルスクリプトやバッチファイルを実行し、現在の全データ転送用ボリュームのアクセス部分が、通常モードになっているかどうかを確認します。
/usr/mftf/lib/mftfmode.sh
上記の実行結果が、"Normal Mode" と表示されていることを確認してください。
収集できたトレースファイルを富士通技術員(SE)に送ってください。
mftfmodeについて
/usr/mftf/lib/mftfmode.sh [ TRACE | NORMAL ]
インストールディレクトリ\mftfmode.bat [ TRACE | NORMAL ]
ローカルシステム内の全データ転送用ボリュームのアクセス部分の処理モードを、トレースモードや通常モードに切り換えます。
また、現在の処理モードを表示することもできます。
トレースモードに切り換えます。
通常モードに切り換えます。
現在の処理モードを表示します。
Normal Mode:通常モード
Trace Mode:トレースモード
正常終了した場合には、0で復帰し「successful.」が表示されます。
異常終了した場合には、1で復帰します。